男女比がおかしい世界の貴族に転生してしまった件

美鈴

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第五章

ミーニャの故郷

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 レインローズ城が陥落したとの報せを受けた俺達は当初自分の耳を疑った…。聞き間違いだろう…。聞き間違いであって欲しいと…。 

「…そうか…間違いないのじゃな?」 

「はっ!こんな事…嘘でも口には出せませぬ…」

「我が民に…王妃達…そしてクララはどうした?」 

「クララ様は…軍を率いて敵軍と交戦…籠城戦に持ち込むも…生死は不明。尚、加勢に向かわれたベガ殿、スピカ殿の生死も不明にて御座います…」 

「…そう…か…」 

 のう…クララよ…?そなたは…ワシに最期迄仕えるのではなかったのか?何故…戦った…?お主の代わりなぞおらんのだぞ… 。王のわしが口に出してはならぬ…思ってはならぬことじゃが…城なぞ棄ててしまえば…


「…尚…王妃様方は…避難民と共にこちらに向かっておられたのですが…」 

「…なんじゃ?」 

「追手を阻む為…率先して敵軍と交戦…同じく生死…不明に御座います…」 

「あの馬鹿者共がぁー!若い時ならともかく…どいつもこいつも命を粗末にしおってからに!!」 

「陛下!私が…戦える者を率いて避難民と合流します」 

「頼めるか、マリア?」 

「母さん!?」 

「大丈夫よ、エル」 

「なら、俺も」

「「「「駄目じゃ(ね)!」」」」

 陛下迄…。

「大丈夫よ、エル君。私もマリアとともに行くから」

「テレサ…さん」

「とにかくエルは安心して待ってなさい?すぐに戻って来るからね?」


 その言葉通りに母さんは戦える者を率いてすぐに領地を出発。そして避難民と合流。敵軍との交戦もあったらしいのだけれど蹴散らして無事に領地へと戻ってきてくれた…。 

 その間にハートネス女王も迅速に動いてくれてハートネス国を始め同盟国が戦力をこちらへと派遣してくれる事が決まった…。 問題はこちらの戦力が整う迄敵軍の侵攻をどうするかといった所だろうか…。 しかしその心配は杞憂に終わる事となる。それは合流した避難民の中にクララ宰相の娘のカリンさんが居たからだ…。

 カリンさんはどうやら母さんが交戦した敵軍の一人をわざと生かして逃がし、ハートネス王国と同盟国から既に軍が派遣されていると嘘の情報を持ち帰らせたらしいのだ…。 そしてその情報が本当の様に見せ掛ける為、馬を使い土煙を派手に上げる事で如何にも大軍が集結しているかの様に見せ掛けたのだ…。 

 漫画で見たような事を行ったカリンさんは俺と同じ歳らしい…マジ尊敬! そんななか徐々に分かって来たのは敵軍の狙いは俺という事だった…。




 ♢


 それは敵の偵察部隊を強襲した時の事だった…。 

「ミーニャっ!テレサっ!」 

「はい、奥様!」

「任せて、マリア!」

 私とテレサ様は奥様の動きに合わせながら敵を次々と斬り伏せていく…。後ろには頼りになるレーティ、リンリン、マリン…レイラ、カミラも居る。それに… 

「はああぁぁぁぁぁーっ!!!」 

“ザシュッ―!”

 「がふっ…」 

 敵を次々と斬り伏せていくティア殿下…。ますます強くなられた様です…。子供をお産みになられても腕は鈍っておられませんね。いえ、だからこそ…より強くなられたのやも知れません。私も私自身の為、私とエル様のあの子の為にも負けてはいられませんね…。

 エル様を…私が愛するエル様を狙う輩は私達が必ず排除します!愛して頂いたうえに、子供も授かった今の私は無敵ですよ?まあ、それはレーティにリンリン、マリン、レイラ、カミラそれにテレサ様も同じでしょうが… 

「…姫様?」

 ふと、戦場にそんな声が聞こえた…その声の主と私は対峙する事になり… 


「!? 何故…何故あなたが…ここに?」 

「姫様こそ…どうして…ここに?」 

「私は国を捨てた身です…。そんな事よりも…いえ、ここにいるという事は…」 

「…はい…姫様のお察しの通りです」 

「まさか…お母様が…」 

「…はい…私達デーヴァ国が同盟国と共に…レインローズを落としましたよ」

「そんな…」
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