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25話 偽りの救世主
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カーミル視点
俺はカーミル。
集落に迫りくる大砂鮫との戦いを前にどこか、落ち着かない自分がいる。
いかなる状況にあろうとも心に小波一つ立たず。
それが俺だった。
落ちていく日の光を浴び、ダークグレーの体を茜色に染めた相棒を見上げ、過去に思いを馳せた。
カーミルというのは本当の名ではない。
本当の名前があったのかどうか、それを知る術もない。
名を持たない『名無し』、それが俺だった。
そんな俺を育ててくれたのがイブン老だ。
老がどこから、来たのか。
そして、何者であるのか。
それは誰も知らない。
彼の卓越した知識と見たことのない技術は『砂漠の民』の暮らしを間違いなく、変革した。
それは『砂漠の民』の中でも『名無し』に過ぎない俺も例外ではなかった。
俺は彼から、ありとあらゆるモノを与えられた。
生きるために必要なこと。
読み書き、計算はもちろんのこと、狩りの仕方に調理法、道具作りまで。
そして、敵と戦う術も叩き込まれた。
老がいなければ、今の俺はいなかっただろう。
それまでの俺は生きる意味を持っていなかった。
『名無し』であり、『生きる屍』である。
老がそんな俺に生きることを教えてくれたのは決して、単なる善意からではないことは分かっていた。
彼が欲していたのは『力』を持ち、戦い抜く強い意志を持った者だったのだ。
そして、俺がその者として、選ばれたことにも薄々、気づいていた。
それでも構わないと思っていた。
老の目的が何であれ、俺は彼に恩義を感じていたし、感謝していたからだ。
だが、ある日を境に、その関係に変化が訪れることになる。
「お前さんの相棒はこいつじゃ……」
ある日、老に連れられ、砂塵の中に隠された鋼の巨人と引き合わされた。
唐突な言葉だ。
「どういうことだ?」
俺は眉根を寄せて、聞き返した。
赤い輝きを放つ一つ目の異形の巨人。
それが俺の相棒だという意味が分からない。
「そのままの意味じゃよ」
老はいつものように淡々と答えるだけだ。
「こいつは一体、なんなんだ? なぜ、こんなものがここに隠されているんだ?」
俺は矢継ぎ早に質問を浴びせかけるが、老の視線はどこか、遠くを見据えているようだった。
「こいつが何かか……。まぁ、わしにとって、子供のようなもんじゃよ。お前さんと同じかのう」
老は少しだけ、寂しげに微笑むだけなので俺は戸惑った。
老の反応が理解出来なかったからだ。
「こいつと俺が同じ……」
「ああ、そうだとも。これはわしの作り出した最高傑作の一つじゃ。もっとも、このままでは動くことすら、叶わぬのじゃがのう」
そう言って、老は自嘲気味に笑みを浮かべる。
その表情は俺が今までに見たことがないもので背筋を冷や汗が伝うのがはっきりと分かった。
「こいつの名前は?」
俺は老の言葉を……不自然な態度を無視して、問い質していた。
なぜ、そんなことを聞いたのだろうか?
自分が『名無し』だから。
そんな理由とも言えない理由に過ぎなかったんだろう。
「名などない。そうさのう……。だが、名は考えておるんじゃ」
「どんな名前なんだ?」
老は目を細め、ニヤリと笑う。
「『救世主』。そう……この機体は『救世主』じゃよ。いずれ、世界を救う偉大な救い主の名じゃよ」
「…………」
老の言葉は抽象的で俺にはその意味を全て、理解することが出来なかった。
ただ、一つだけ分かることがある。
老が狂っているということだけは。
「じゃがのう。この救世主は完全ではないのじゃ。完全になるには何が必要かのう?」
「分からない……」
つい老から目を逸らし、答えてしまった。
老が何を求めているのか、気付いたからだ。
「ふっ……。分からんか。まあ、いいわい。救世主にはのう。お前さんの覚悟が必要なのじゃよ」
その日から、俺は完全なる者となった。
相棒は俺を得ることで救世主となったのだ。
それからというもの、俺は老に言われるがまま、様々な戦場を渡り歩いた。
時には砂漠の民と共に戦い、時には傭兵として。
そして、俺達は文字通り、救世主となった。
俺は自由を失い、その代わりに民族の心を救ったのだ。
「カーミルさん!」
夕焼けの空に響き渡るフルートのように透き通った声が、俺を現実に引き戻した。
俺よりも背が低いレイチェルが目の前に立っていた。
その大きな目で色付く金色の瞳に茜色の光が射し、どこか神秘的な雰囲気を醸し出していた。
「……どうした?」
「カーミルさん……あなたの右半身は……大丈夫なのですか?」
唐突な質問だった。
気付かれていたのか。
救世主になり、命を燃やしたあの日から、俺の右半身は自由に動かせなくなっていた。
完全に動かせない訳ではない。
だから、気付かれないように振る舞っていたのだが……。
聖女の目は節穴ではなかったか。
やはり、気付かれていたようだ。
「ああ、問題はない」
俺はそう答えるしかなかった。
実際、俺は老から与えられた薬を飲み続け、どうにか生きている状態だ。
俺は救世主と文字通り、命を一つにしている。
救世主と極限状態で戦い続けた結果、俺は体を半分、喰われたのだ。
日常生活に多少の不便を感じるものの救世主として、戦う限り、俺は『砂漠の民』を守ることが出来る。
だから、問題はない……。
「…・…そうですか。分かりました。ではわたしが出来ることをしても、いいですよね?」
「ああ……」
レイチェルは悲痛な面持ちで俺を見つめてくる。
その視線は真っ直ぐで慈愛に満ちていた。
耐えられず、俺は肯定することしか、出来なかった。
「あなたの為に祈りを捧げることをお許しください」
そう言うと俺の右手を両手で握り締め、目を瞑ると祈りを捧げ始める。
その姿はまるで戦地に赴く、恋人が別れを惜しんでいるようにも見えてくる。
心拍数が上がってくる。
まるで体の中から、燃え上がるような錯覚を感じる。
体の内側で熱が発生しているのではないか? と思えるほどの熱量だ。
そういった経験をしていなかったせいで感じる勘違いだろう。
レイチェルを見て、そんな気持ちは吹き飛んだ。
彼女の体を温かく、そして、激しい炎が包んでいた。
それは噴き上がり、大きな二枚の翼を象っていくと俺の中に注がれていたのだ。
「……ありがとう」
錯覚? 幻? いや……違う。
右手を握るレイチェルの体温と力をはっきりと感じる。
俺の右が再び、命の輝きを取り戻したのだ。
ただ一言の軽い礼を言うことしか出来ない自分が不甲斐ないと思った。
レイチェルの優しさに甘えているだけではないか……。
「いえ……。わたしにはこれくらいのことしか、出来ま……あれ?」
彼女の体が糸の切れた操り人形のように力を失い、ゆっくりと傾いていく。
そのままでは危ないと咄嗟にレイチェルの体を支えるが、既に意識を失っているようだった。
「サラ、いるか? 彼女を頼む」
「はい。畏まりました」
レイチェルを密かに護衛させていたサラに彼女を預けることにした。
愛する男と結ばれ、アーヤという娘を儲けた普通の女性にしか見えないサラだが、かつての通り名は沈黙の殺し屋。
その見た目を最大限に利用し、目標に近付き、人知れず任務を完遂させる凄腕の暗殺者だったのだ。
彼女ほど、聖女の護衛に適した者はこの集落にいないだろう。
「俺はもう行かねばならない……老とレイチェルを頼んだぞ」
「はい」
サラがレイチェルを軽々と抱き上げ、去っていく姿を見送り、俺は相棒を再び見上げる。
いつしか、太陽は地平線に沈み、闇色のカーテンが下りていた。
「行くぞ、相棒」
俺は……俺達は救世主だ。
この集落を必ず、守ってみせる!
俺はカーミル。
集落に迫りくる大砂鮫との戦いを前にどこか、落ち着かない自分がいる。
いかなる状況にあろうとも心に小波一つ立たず。
それが俺だった。
落ちていく日の光を浴び、ダークグレーの体を茜色に染めた相棒を見上げ、過去に思いを馳せた。
カーミルというのは本当の名ではない。
本当の名前があったのかどうか、それを知る術もない。
名を持たない『名無し』、それが俺だった。
そんな俺を育ててくれたのがイブン老だ。
老がどこから、来たのか。
そして、何者であるのか。
それは誰も知らない。
彼の卓越した知識と見たことのない技術は『砂漠の民』の暮らしを間違いなく、変革した。
それは『砂漠の民』の中でも『名無し』に過ぎない俺も例外ではなかった。
俺は彼から、ありとあらゆるモノを与えられた。
生きるために必要なこと。
読み書き、計算はもちろんのこと、狩りの仕方に調理法、道具作りまで。
そして、敵と戦う術も叩き込まれた。
老がいなければ、今の俺はいなかっただろう。
それまでの俺は生きる意味を持っていなかった。
『名無し』であり、『生きる屍』である。
老がそんな俺に生きることを教えてくれたのは決して、単なる善意からではないことは分かっていた。
彼が欲していたのは『力』を持ち、戦い抜く強い意志を持った者だったのだ。
そして、俺がその者として、選ばれたことにも薄々、気づいていた。
それでも構わないと思っていた。
老の目的が何であれ、俺は彼に恩義を感じていたし、感謝していたからだ。
だが、ある日を境に、その関係に変化が訪れることになる。
「お前さんの相棒はこいつじゃ……」
ある日、老に連れられ、砂塵の中に隠された鋼の巨人と引き合わされた。
唐突な言葉だ。
「どういうことだ?」
俺は眉根を寄せて、聞き返した。
赤い輝きを放つ一つ目の異形の巨人。
それが俺の相棒だという意味が分からない。
「そのままの意味じゃよ」
老はいつものように淡々と答えるだけだ。
「こいつは一体、なんなんだ? なぜ、こんなものがここに隠されているんだ?」
俺は矢継ぎ早に質問を浴びせかけるが、老の視線はどこか、遠くを見据えているようだった。
「こいつが何かか……。まぁ、わしにとって、子供のようなもんじゃよ。お前さんと同じかのう」
老は少しだけ、寂しげに微笑むだけなので俺は戸惑った。
老の反応が理解出来なかったからだ。
「こいつと俺が同じ……」
「ああ、そうだとも。これはわしの作り出した最高傑作の一つじゃ。もっとも、このままでは動くことすら、叶わぬのじゃがのう」
そう言って、老は自嘲気味に笑みを浮かべる。
その表情は俺が今までに見たことがないもので背筋を冷や汗が伝うのがはっきりと分かった。
「こいつの名前は?」
俺は老の言葉を……不自然な態度を無視して、問い質していた。
なぜ、そんなことを聞いたのだろうか?
自分が『名無し』だから。
そんな理由とも言えない理由に過ぎなかったんだろう。
「名などない。そうさのう……。だが、名は考えておるんじゃ」
「どんな名前なんだ?」
老は目を細め、ニヤリと笑う。
「『救世主』。そう……この機体は『救世主』じゃよ。いずれ、世界を救う偉大な救い主の名じゃよ」
「…………」
老の言葉は抽象的で俺にはその意味を全て、理解することが出来なかった。
ただ、一つだけ分かることがある。
老が狂っているということだけは。
「じゃがのう。この救世主は完全ではないのじゃ。完全になるには何が必要かのう?」
「分からない……」
つい老から目を逸らし、答えてしまった。
老が何を求めているのか、気付いたからだ。
「ふっ……。分からんか。まあ、いいわい。救世主にはのう。お前さんの覚悟が必要なのじゃよ」
その日から、俺は完全なる者となった。
相棒は俺を得ることで救世主となったのだ。
それからというもの、俺は老に言われるがまま、様々な戦場を渡り歩いた。
時には砂漠の民と共に戦い、時には傭兵として。
そして、俺達は文字通り、救世主となった。
俺は自由を失い、その代わりに民族の心を救ったのだ。
「カーミルさん!」
夕焼けの空に響き渡るフルートのように透き通った声が、俺を現実に引き戻した。
俺よりも背が低いレイチェルが目の前に立っていた。
その大きな目で色付く金色の瞳に茜色の光が射し、どこか神秘的な雰囲気を醸し出していた。
「……どうした?」
「カーミルさん……あなたの右半身は……大丈夫なのですか?」
唐突な質問だった。
気付かれていたのか。
救世主になり、命を燃やしたあの日から、俺の右半身は自由に動かせなくなっていた。
完全に動かせない訳ではない。
だから、気付かれないように振る舞っていたのだが……。
聖女の目は節穴ではなかったか。
やはり、気付かれていたようだ。
「ああ、問題はない」
俺はそう答えるしかなかった。
実際、俺は老から与えられた薬を飲み続け、どうにか生きている状態だ。
俺は救世主と文字通り、命を一つにしている。
救世主と極限状態で戦い続けた結果、俺は体を半分、喰われたのだ。
日常生活に多少の不便を感じるものの救世主として、戦う限り、俺は『砂漠の民』を守ることが出来る。
だから、問題はない……。
「…・…そうですか。分かりました。ではわたしが出来ることをしても、いいですよね?」
「ああ……」
レイチェルは悲痛な面持ちで俺を見つめてくる。
その視線は真っ直ぐで慈愛に満ちていた。
耐えられず、俺は肯定することしか、出来なかった。
「あなたの為に祈りを捧げることをお許しください」
そう言うと俺の右手を両手で握り締め、目を瞑ると祈りを捧げ始める。
その姿はまるで戦地に赴く、恋人が別れを惜しんでいるようにも見えてくる。
心拍数が上がってくる。
まるで体の中から、燃え上がるような錯覚を感じる。
体の内側で熱が発生しているのではないか? と思えるほどの熱量だ。
そういった経験をしていなかったせいで感じる勘違いだろう。
レイチェルを見て、そんな気持ちは吹き飛んだ。
彼女の体を温かく、そして、激しい炎が包んでいた。
それは噴き上がり、大きな二枚の翼を象っていくと俺の中に注がれていたのだ。
「……ありがとう」
錯覚? 幻? いや……違う。
右手を握るレイチェルの体温と力をはっきりと感じる。
俺の右が再び、命の輝きを取り戻したのだ。
ただ一言の軽い礼を言うことしか出来ない自分が不甲斐ないと思った。
レイチェルの優しさに甘えているだけではないか……。
「いえ……。わたしにはこれくらいのことしか、出来ま……あれ?」
彼女の体が糸の切れた操り人形のように力を失い、ゆっくりと傾いていく。
そのままでは危ないと咄嗟にレイチェルの体を支えるが、既に意識を失っているようだった。
「サラ、いるか? 彼女を頼む」
「はい。畏まりました」
レイチェルを密かに護衛させていたサラに彼女を預けることにした。
愛する男と結ばれ、アーヤという娘を儲けた普通の女性にしか見えないサラだが、かつての通り名は沈黙の殺し屋。
その見た目を最大限に利用し、目標に近付き、人知れず任務を完遂させる凄腕の暗殺者だったのだ。
彼女ほど、聖女の護衛に適した者はこの集落にいないだろう。
「俺はもう行かねばならない……老とレイチェルを頼んだぞ」
「はい」
サラがレイチェルを軽々と抱き上げ、去っていく姿を見送り、俺は相棒を再び見上げる。
いつしか、太陽は地平線に沈み、闇色のカーテンが下りていた。
「行くぞ、相棒」
俺は……俺達は救世主だ。
この集落を必ず、守ってみせる!
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