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第26話 さすが、ロビーだわ
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あたし、エミー。
なぜ、ポボルスキー伯爵家のお屋敷にいるの?
恐らくは原因になったと思われる男二人を睨むと示し合わせたように視線を逸らされた。
「お泊りね」と何だか、嬉しそうなサーラはいいのよ。
彼女は純粋に喜んでるだけ。
小動物ぽいから、かわいくて見ているだけで心が癒されるんだもん。
だから、サーラは無罪なの。
あからさまに怪しすぎる二人が悪い!
ロビーとお喋りしていて気が付いたら、ここに誘導されたように思える。
あたしも何を言っているのだか分かんないけど、とにかく気が付いたら、カブリオレはポボルスキーのタウンハウスに着いてた。
どうなってるの!?
確か、こんなことを言われたのだ。
「エミー。もう日が落ちてきたから、先生を訪ねるのは失礼かもしれないよ」
「そうよね。さすが、ロビーだわ」
あの時のあたし、どうして納得しちゃったのか。
とにかく、エヴァを連れて逃げることしか、考えていなかったから、計画を何も立てていなかったのが失敗かしら?
エヴァを離宮に匿ってもらう。
これはうまくいった。
あたし自身をどうするのかまで考えが、及んでなかったのが問題なのだ。
ふと思った。
ビカン先生に相談したら、どうにかなるかもしれない。
何の根拠もないのになぜ、そんな考えに行き着いたのか。
自分でも不思議。
だから、ロビーに言われて、今更のように気付いてしまった。
あたしは自覚してなかったけど、先生のことを頼りにしていたってことを……。
「エミーはサーラと友達だったよね?」
「ええ。そうよ。彼女とは友達になったの。とてもいい子だわ」
「それなら、ポボルスキー伯爵家はどうだろう?」
「え?」
そして、気が付いたら、着いていた。
『うん。それでいいと思う』なんて、一言も言ってないんだけど。
ロビーは暗くなる前に帰った。
『明日、迎えに来るから』と言い残して、何だか名残惜しそうだったのはなぜだろう。
ユリアンとも暫く、何かを話していたように見える。
何を話してたんだろうか?
内容が気になるけど、ユリアンから聞き出せるほどに親しい間柄ではない。
サーラにそれとなく、聞いてもらうのも無理だろう。
彼女のいいところは何の邪念もないところだもん。
そんなことをさせたくないのもある。
それにしてもポボルスキー家の懐の深さにはビックリした。
先触れもしてない急な来客なのに快く、ゲストルームを使わせてくれるのだ。
伯爵夫妻は夕食の席にあたしを招待してくれて、とても楽しいひと時を過ごすことが出来た。
どうやら、サーラのほんわかした雰囲気はこの家で育ったからなのかもしれない。
ユリアンも思っていたような冷たい感じは受けなかった。
『淑女への子守歌』のユリアンは人を人と思わない冷徹な人間だった。
今の彼を見るととても、そんな風には見えない。
ああなってしまったのには何か、理由があったんだろうか。
その日、あたしはゲストルームで休む予定だった。
しかし、サーラの『一緒に寝た方が楽しいよっ』という一言で予定が変更された。
サーラと二人で彼女の部屋に向かおうとした際、そっと近づいてきたユリアンがあたしにだけ、聞こえる小さな声で『ロベルト殿下に必要以上に近付かないでください』と囁いた。
脅そうとしたり、怖がらそうとしてる感じじゃなかった。
その震え声はあたしのことを心配してるとでも言っているかのようだったのだ。
どういうことなの。
もしかして、『淑女への子守歌』のことを知ってるのはあたしだけじゃないってこと?
なぜ、ポボルスキー伯爵家のお屋敷にいるの?
恐らくは原因になったと思われる男二人を睨むと示し合わせたように視線を逸らされた。
「お泊りね」と何だか、嬉しそうなサーラはいいのよ。
彼女は純粋に喜んでるだけ。
小動物ぽいから、かわいくて見ているだけで心が癒されるんだもん。
だから、サーラは無罪なの。
あからさまに怪しすぎる二人が悪い!
ロビーとお喋りしていて気が付いたら、ここに誘導されたように思える。
あたしも何を言っているのだか分かんないけど、とにかく気が付いたら、カブリオレはポボルスキーのタウンハウスに着いてた。
どうなってるの!?
確か、こんなことを言われたのだ。
「エミー。もう日が落ちてきたから、先生を訪ねるのは失礼かもしれないよ」
「そうよね。さすが、ロビーだわ」
あの時のあたし、どうして納得しちゃったのか。
とにかく、エヴァを連れて逃げることしか、考えていなかったから、計画を何も立てていなかったのが失敗かしら?
エヴァを離宮に匿ってもらう。
これはうまくいった。
あたし自身をどうするのかまで考えが、及んでなかったのが問題なのだ。
ふと思った。
ビカン先生に相談したら、どうにかなるかもしれない。
何の根拠もないのになぜ、そんな考えに行き着いたのか。
自分でも不思議。
だから、ロビーに言われて、今更のように気付いてしまった。
あたしは自覚してなかったけど、先生のことを頼りにしていたってことを……。
「エミーはサーラと友達だったよね?」
「ええ。そうよ。彼女とは友達になったの。とてもいい子だわ」
「それなら、ポボルスキー伯爵家はどうだろう?」
「え?」
そして、気が付いたら、着いていた。
『うん。それでいいと思う』なんて、一言も言ってないんだけど。
ロビーは暗くなる前に帰った。
『明日、迎えに来るから』と言い残して、何だか名残惜しそうだったのはなぜだろう。
ユリアンとも暫く、何かを話していたように見える。
何を話してたんだろうか?
内容が気になるけど、ユリアンから聞き出せるほどに親しい間柄ではない。
サーラにそれとなく、聞いてもらうのも無理だろう。
彼女のいいところは何の邪念もないところだもん。
そんなことをさせたくないのもある。
それにしてもポボルスキー家の懐の深さにはビックリした。
先触れもしてない急な来客なのに快く、ゲストルームを使わせてくれるのだ。
伯爵夫妻は夕食の席にあたしを招待してくれて、とても楽しいひと時を過ごすことが出来た。
どうやら、サーラのほんわかした雰囲気はこの家で育ったからなのかもしれない。
ユリアンも思っていたような冷たい感じは受けなかった。
『淑女への子守歌』のユリアンは人を人と思わない冷徹な人間だった。
今の彼を見るととても、そんな風には見えない。
ああなってしまったのには何か、理由があったんだろうか。
その日、あたしはゲストルームで休む予定だった。
しかし、サーラの『一緒に寝た方が楽しいよっ』という一言で予定が変更された。
サーラと二人で彼女の部屋に向かおうとした際、そっと近づいてきたユリアンがあたしにだけ、聞こえる小さな声で『ロベルト殿下に必要以上に近付かないでください』と囁いた。
脅そうとしたり、怖がらそうとしてる感じじゃなかった。
その震え声はあたしのことを心配してるとでも言っているかのようだったのだ。
どういうことなの。
もしかして、『淑女への子守歌』のことを知ってるのはあたしだけじゃないってこと?
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