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第134話【最後の準備】
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「ようやく首輪を外す目処が立ちましたね」
マリアーナが僕にそう言って笑いかける。
「はい。
ですが、まだ本当にうまくいくかわかりませんので安心は出来ません。
それと、マリアーナさんには迷惑をかけることになりそうですので先に謝っておきます」
「どういうこと?」
「先ほどルルベさんに話したことと重なるんですけどザガンの処遇についてですよ。
本来ならばマリアーナさんがこちらに来た目的のひとつに彼の身柄を確保して向こうの法律で裁きにかけるつもりだったんですよね?
ですが、今の話の流れだとこちらの国の法律で裁くようになりそうです。
それをどう報告すれば問題にならないかは僕にはわからないですがマリアーナさんが苦労することになりそうですので先に謝っておこうかと思いまして……」
「ああ、そうね。
どうしようかしらね」
「本当にすみません」
僕が真剣にマリアーナに謝るのを見て彼女はクスクスと笑いだして僕に向けて言った。
「別に良いんじゃない?
もともと、一部の人しかカード化されてこちらに連れてこられてることは知らないし、今でも見つかるはずのない彼を探しているんでしょうけど彼自身がロギナスに入った記録を隠蔽したせいでエルガーの街とその周辺の森しか捜索範囲が及んでいないからね。
こちらでしっかりと5年間反省してもらって戻ってきたらそこであらためてギルドの処罰を与えれば良いかと思いますよ」
「こちらで処罰されて戻ればさらに向こうでも追加になるか……。
そのときに彼の親から邪魔が入らないように手をまわしておかないといけないですね」
「まあ、それはこれからギルドで調整をしたいと考えています。
ですが、彼がアランガスタの鉱山で強制労働をしているとの情報は彼の実家には掴めないと思いますので5年も行方不明となれば彼の生存を諦めるかもしれないですね」
マリアーナがそう言った頃には僕たちは宿へと帰り着いていた。
「では、明日の朝にはまたギルドに向かいますので立ち会いをお願いしますね」
僕はマリアーナにそう伝えると部屋へと入っていった。
「いよいよだ。これでノエルを解放してあげられる」
ポーチからノエルのカードを取り出してじっと見つめてそうつぶやくと深い眠りへとついた。
「――おはようございます」
次の日の朝、食事をしているとマリアーナが挨拶をしてきたので同じく挨拶を返す。
「おはようございます。
このあとギルドに向かいますので準備が出来たらホールで落ち合いましょう」
僕は彼女がうなずくのを確認すると食事をさっさと済ませて部屋に戻り出発の準備をしてホールで待った。
「すみません。おまたせしました」
十分も待つとマリアーナが二階から階段を降りてくるのが見えたので手を軽く上げて対応をする。
「じゃあ行きますか」
僕はそう言うとマリアーナと共にギルドへと向かった。
* * *
――からんからん。
「あ、ミナトさん。お待ちしておりました。
今日は第3応接室へ案内するように指示をうけていますのでそちらにご案内しますね」
ギルドに入るなり受付嬢が飛んできてすぐに僕たちを別室へと案内した。
「よく来たわね。
この部屋は他の部屋に比べて防音もしっかりしているから多少騒いでも大丈夫だから心配せずに試せるわよ」
部屋に入るなりルルベがそう言ってウインクをひとつする。
「お気づかいありがとうございます。
では、さっそく取り掛かりたいと思いますので人払いをお願いします」
「ええ、こちらは私とゾラのふたりでそっちはあなたとマリアーナさんのふたりだけでいいわよね?
あとギルドの職員には箝口令を敷いているからそっちも安心してね」
ルルベの言葉に僕はうなずくとノエルのカードを取り出してテーブルの上にそっと置き、その横にガーレンから抽出した魔力のカードを10枚同じように並べた。
「まずはこの魔力のカードを合成します」
「合成?」
「ええ、実際に必要な魔力の量はわかりませんがおそらく首輪の解除のために準備した魔力のカードを1枚ずつ入れていくのは現実的ではないと考えています。
最悪なのは1回魔力を入れたら次を受けつけないことがあった場合が怖いんです。
なので、この際ですから全部の魔力をひとつにまとめてしまおうと考えたんですよ」
「ひとつにまとめて……って簡単に言うけど出来るの?」
「はい。新たに使えるようにしてなったスキルで合成は出来るみたいなんです。
とりあえずやってみますね」
僕はそう言うと魔力のカードを10枚とも手に取った。
「カード統合」
スキルを発動すると一瞬だけ緑色の光が発したがすぐに消えて代わりに金色の光の粒が10枚のカードにまとわりついた。
「これをひとつにまとめて手に包み込んでいけば……」
光輝くカードは僕の手の中でもういちど強く光を発すると急速に光を失っていく。
「これでうまくいってくれれば……」
僕がそうつぶやきながら手のひらをそっとひらくとそこには一枚のカードが収まっていた。
【魔力カード8】
「出来た……けど【8】?
10枚重ねたから×10だと思ったんだけど魔力量の倍率なのか?」
カードの意味はよく分からなかったがとりあえず重ねることが出来たのでノエルのカードの側に並べて置いた。
「ふうっ。
じゃあ始めますけど今から起こることについては他言無用にてお願いしますね」
僕はそう皆に告げるとノエルカードを手に持つと願いを込めてスキルを使った。
「開放」
力ある言葉に反応したスキルがカードに封じ込められていたものを現実の世界へと戻していく。
「おおっ これは!?」
カード化されたものの開放は何度も見たはずのルルベやゾラだがやはり人がそのまま現れるのはかなりのインパクトだったようでふたりとも驚愕の表情で固まっている。
カード化から開放されたノエルはあの時のままに悲しげな表情をしていたが僕が声をかけるとこちらを見て叫んだ。
「ミナトさん!」
「ノエルさん。
約束どおりあなたを束縛しているその魔道具を外す準備が出来ました。
僕を信じて身を委ねてください」
僕は彼女がうなずくのを確認するとはめられている首輪の魔石に魔力のカードを押し当てて開放スキルを使った。
マリアーナが僕にそう言って笑いかける。
「はい。
ですが、まだ本当にうまくいくかわかりませんので安心は出来ません。
それと、マリアーナさんには迷惑をかけることになりそうですので先に謝っておきます」
「どういうこと?」
「先ほどルルベさんに話したことと重なるんですけどザガンの処遇についてですよ。
本来ならばマリアーナさんがこちらに来た目的のひとつに彼の身柄を確保して向こうの法律で裁きにかけるつもりだったんですよね?
ですが、今の話の流れだとこちらの国の法律で裁くようになりそうです。
それをどう報告すれば問題にならないかは僕にはわからないですがマリアーナさんが苦労することになりそうですので先に謝っておこうかと思いまして……」
「ああ、そうね。
どうしようかしらね」
「本当にすみません」
僕が真剣にマリアーナに謝るのを見て彼女はクスクスと笑いだして僕に向けて言った。
「別に良いんじゃない?
もともと、一部の人しかカード化されてこちらに連れてこられてることは知らないし、今でも見つかるはずのない彼を探しているんでしょうけど彼自身がロギナスに入った記録を隠蔽したせいでエルガーの街とその周辺の森しか捜索範囲が及んでいないからね。
こちらでしっかりと5年間反省してもらって戻ってきたらそこであらためてギルドの処罰を与えれば良いかと思いますよ」
「こちらで処罰されて戻ればさらに向こうでも追加になるか……。
そのときに彼の親から邪魔が入らないように手をまわしておかないといけないですね」
「まあ、それはこれからギルドで調整をしたいと考えています。
ですが、彼がアランガスタの鉱山で強制労働をしているとの情報は彼の実家には掴めないと思いますので5年も行方不明となれば彼の生存を諦めるかもしれないですね」
マリアーナがそう言った頃には僕たちは宿へと帰り着いていた。
「では、明日の朝にはまたギルドに向かいますので立ち会いをお願いしますね」
僕はマリアーナにそう伝えると部屋へと入っていった。
「いよいよだ。これでノエルを解放してあげられる」
ポーチからノエルのカードを取り出してじっと見つめてそうつぶやくと深い眠りへとついた。
「――おはようございます」
次の日の朝、食事をしているとマリアーナが挨拶をしてきたので同じく挨拶を返す。
「おはようございます。
このあとギルドに向かいますので準備が出来たらホールで落ち合いましょう」
僕は彼女がうなずくのを確認すると食事をさっさと済ませて部屋に戻り出発の準備をしてホールで待った。
「すみません。おまたせしました」
十分も待つとマリアーナが二階から階段を降りてくるのが見えたので手を軽く上げて対応をする。
「じゃあ行きますか」
僕はそう言うとマリアーナと共にギルドへと向かった。
* * *
――からんからん。
「あ、ミナトさん。お待ちしておりました。
今日は第3応接室へ案内するように指示をうけていますのでそちらにご案内しますね」
ギルドに入るなり受付嬢が飛んできてすぐに僕たちを別室へと案内した。
「よく来たわね。
この部屋は他の部屋に比べて防音もしっかりしているから多少騒いでも大丈夫だから心配せずに試せるわよ」
部屋に入るなりルルベがそう言ってウインクをひとつする。
「お気づかいありがとうございます。
では、さっそく取り掛かりたいと思いますので人払いをお願いします」
「ええ、こちらは私とゾラのふたりでそっちはあなたとマリアーナさんのふたりだけでいいわよね?
あとギルドの職員には箝口令を敷いているからそっちも安心してね」
ルルベの言葉に僕はうなずくとノエルのカードを取り出してテーブルの上にそっと置き、その横にガーレンから抽出した魔力のカードを10枚同じように並べた。
「まずはこの魔力のカードを合成します」
「合成?」
「ええ、実際に必要な魔力の量はわかりませんがおそらく首輪の解除のために準備した魔力のカードを1枚ずつ入れていくのは現実的ではないと考えています。
最悪なのは1回魔力を入れたら次を受けつけないことがあった場合が怖いんです。
なので、この際ですから全部の魔力をひとつにまとめてしまおうと考えたんですよ」
「ひとつにまとめて……って簡単に言うけど出来るの?」
「はい。新たに使えるようにしてなったスキルで合成は出来るみたいなんです。
とりあえずやってみますね」
僕はそう言うと魔力のカードを10枚とも手に取った。
「カード統合」
スキルを発動すると一瞬だけ緑色の光が発したがすぐに消えて代わりに金色の光の粒が10枚のカードにまとわりついた。
「これをひとつにまとめて手に包み込んでいけば……」
光輝くカードは僕の手の中でもういちど強く光を発すると急速に光を失っていく。
「これでうまくいってくれれば……」
僕がそうつぶやきながら手のひらをそっとひらくとそこには一枚のカードが収まっていた。
【魔力カード8】
「出来た……けど【8】?
10枚重ねたから×10だと思ったんだけど魔力量の倍率なのか?」
カードの意味はよく分からなかったがとりあえず重ねることが出来たのでノエルのカードの側に並べて置いた。
「ふうっ。
じゃあ始めますけど今から起こることについては他言無用にてお願いしますね」
僕はそう皆に告げるとノエルカードを手に持つと願いを込めてスキルを使った。
「開放」
力ある言葉に反応したスキルがカードに封じ込められていたものを現実の世界へと戻していく。
「おおっ これは!?」
カード化されたものの開放は何度も見たはずのルルベやゾラだがやはり人がそのまま現れるのはかなりのインパクトだったようでふたりとも驚愕の表情で固まっている。
カード化から開放されたノエルはあの時のままに悲しげな表情をしていたが僕が声をかけるとこちらを見て叫んだ。
「ミナトさん!」
「ノエルさん。
約束どおりあなたを束縛しているその魔道具を外す準備が出来ました。
僕を信じて身を委ねてください」
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