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第一章 たとえ君が誰であろうと好きにならずにいられなかった
第七話
しおりを挟む「日凪衛、五歳の時に妖魔に襲われ一族で一人だけ生き残った。退魔の力があるだけなら村の英雄だっただろうに、君はだいぶ奇妙な子どもだったようだね」
中と一緒に陰茎も扱かれ、射精感が更に高まる。
イきたくてたまらない。
「泣き喚きもせず妙な武器を使う。いつしか君が家族を殺したんじゃないかと、村人たちは恐れた」
「や、だ、め……もう、やだぁっ!!」
村にいた時の記憶が蘇る。
一日中、村の土室の中にいた。山に穴を掘って野菜など保管する場所だ。当然窓なんてなくて、木戸の隙間から見える明かりが全てだった。
それでも建付けの悪い扉は簡単に開いて、何度も山に逃げた。
そして罠にかかった。
「この足の傷も……その時のものだろう?」
掴まれていた足首に残る傷跡を一条寺少尉の生暖かい唇が愛しそうになぞる。
そうだ。動物用の罠に掛かることが多かった。だから俺は罠の仕組みに詳しくなった。
村を出た先で狩人に拾われ、罠の技術はとても役に立ったので今となっては感謝しているが、あの当時は絶望したものだ。
「君は村から逃げ出し、哀れな孤児をきちんと演じた。謙虚で真面目で……さり気なく人の役に立つように立ち回った」
「うっ、うっ……」
「君のその立ち回り能力が僕の部隊には必要だった。協調性の皆無な隊員たちの要としてね。だけどね、僕は君を知るうちにそれだけでは物足りないと思ったんだ。君が執着を持ったら、どうなるのだろうかと」
「なに、をっ……」
「君をドロドロに甘やかしたらどんな反応をするのかと、興味が湧いた」
何を言ってるんだ?!
一条寺陽真は月代おとめに惚れるはずでは??
だが快楽で朦朧とする頭で一条寺少尉を見れば、そこにはうっとりと愛するものを見つめるような、甘ったるい瞳の美貌の持ち主がいる。
「これは間違いなく執着だね。僕はいつの間にか君を愛していたんだ。……本当はね、もっとゆっくり関係を深めようと思ってたんだけど」
ぬちぬちと少尉の指が忙しなく中を動き回り、それすらも気持ちよくて思わず指を締め付けてしまう。
少尉が俺を愛してる?
そんなわけない。
俺なんかを好きになる人がいるわけない。
幼い頃から俺は気味悪がられた。
そしてこの世界のモブなのだ。
いくら俺が少尉に想いを寄せたところで叶うはずがない。
「うぅっ、うっ……」
「まったく信じてない顔だね。僕はこれでも紳士のつもりだよ。きちんと告白して関係を持とうと思ったのに……躊躇わずあんなことされて我慢ができなくなった。ねぇ、正直に答えて? 衛は僕のことが好きだよね?」
「ちがっ……」
違ってはいない。
陰茎を舐めても嫌悪感もないし、少尉の力になりたいと思う。
抱きしめられるのだって好きだ。
自分はこの世界で異質なのだと感じていた。
ならばモブとして慎ましく生きようと、そうしなければ異端として排斥されるのだと学んだ。
だけど、そうか……と、目の前の少尉を見て気付く。
それは俺だけの悩みじゃなくて、目の前の一条寺少尉や夜蝶部隊のみんなも、異端者として孤立していた。
だから、特別でないありきたりな、本当にただの善意に憧れ、求めている。
それを、無償の愛と言うのだろうか。
……もっとちゃんと状況をとらえなければいけないと判っているのに、グチャグチャに弄られ高められた身体ではまともな思考ができない。
「やだ、も、む、りぃ……っ、わかんなっ」
「そうだね、もう無理しなくていい。我慢しなくていいんだ」
優しい声が耳元で響く。
それが更に下半身に伝わって、ビクビクと俺の体を震わせた。
「素直に言ってごらん?」
「ひっ……も、イき、たぃ……いたぃ……うっ、うぇっ……」
「んー、ちょっと虐めすぎたかな。でも、それはだーめ」
「ギャッん!!」
グリッと快感を感じる箇所を容赦なく押されて、目の前に星が散った。
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