20 / 97
第一部 魔界専属料理人
第20話 燃え上がる火種と食卓の可能性
しおりを挟む
北方に現れた武装集団の報告がもたらされてから数日後。魔王軍は鎮圧部隊を派遣し、城内では再び戦時体制の空気が漂い始めた。
「人間との馴れ合いに現(うつつ)を抜かしている間に、好き勝手されてたまるか……」
魔王ゼファーの執務室で行われる作戦会議は、以前の「料理談義」とは打って変わって殺気を帯びたものに変貌している。四天王の一人が苛立たしげに地図を広げ、部隊の配置を検討していた。
「北方の拠点に残っていた従来派の兵士が、外部の過激組織と手を結んだ可能性があります。規模はそれほど大きくないが、放置すれば勢力を伸ばしかねません」
戦略担当の魔族が低い声で報告すると、ゼファーは苦々しい表情を浮かべた。
「分かっている。……仕方あるまい、奴らに警告を発するとともに、必要なら力で制するしかない。俺が直接出向くべきか……」
そう呟くゼファーの横顔には、人間との和平交渉を断念しかねない危うさも感じられる。魔王としては融和路線を望みながらも、これ以上の混乱を看過するわけにはいかないからだ。
「……ちょっと待ってください」
静寂の中、一本の声が割り込む。集まった幹部たちが振り返ると、そこには城の執事を伴った陽人の姿があった。普段は会議に立ち入らない彼が、意を決した表情で頭を下げる。
「陽人、貴様……なぜここに?」
ゼファーが訝しむように問うと、陽人は一瞬たじろぎながらも前に進み出る。
「すみません、勝手だとは分かってます。でも、このまま戦いになるのは嫌なんです。どうにか話し合いで解決できないか、少しだけ時間をもらえませんか?」
「馬鹿を言うな。相手は既に武装している。力づくで反抗しようという連中だぞ?」
四天王の一人が厳しい口調で反論する。だが、陽人は真剣な眼差しを崩さない。
「それでも、最初から武力で押さえつければ、溝は深まるばかりです。……料理でどうにかできるか分かりませんが、俺にも何か役立てる手段があるはずだって信じたいんです」
魔王ゼファーは深く溜息をついた。ここで陽人の願いを切り捨てれば、これまで築き上げてきた平和への道筋も崩れ去るかもしれない。かといって、従来派や過激組織の動きを甘く見て大惨事になれば、取り返しがつかない。
「……分かった。だが、あくまで短期間だ。こちらが攻撃を受ければ即座に反撃に移るし、貴様がやられたら元も子もない」
「ありがとうございます。俺も無茶はしません」
陽人がほっと息をつくと、ゼファーは参謀役の魔族に目配せをして指示を出す。
「陽人の同行を認めてやれ。ただし、兵を随行させろ。もし相手が交渉に応じず危険となれば、即時に撤退させろよ」
「はっ、承知しました」
幹部たちの視線には、どこか「なぜそこまで人間の料理人に譲歩するのか」という戸惑いが浮かんでいるが、ゼファーは眼光でそれを制する。魔王の中には強い葛藤が渦巻いていた――彼自身がかつて望んだのは圧倒的な征服だったが、いまは“料理”による穏やかな平和に心惹かれている。
---
数日後、陽人は騎士団の青年と共に、北方の荒涼とした地へ向かった。十数名の魔族兵士に守られながら、街道沿いを進んでいく。道中、エリザの姿もあったが、彼女は「監視が必要」として半ば強引に同行を申し出たのだ。
「……本当に料理で説得できると思っているのか?」
行軍の最中、エリザが隣を歩く陽人に問いかける。冷ややかな口調だが、どこか心配も混じっているように聞こえる。
「分かりません。でも、戦う前に腹を満たせば、少しは気持ちが変わるかもしれないじゃないですか」
「単純ですね……。けれど、あなたの料理に心を動かされた魔族や人間がいるのも事実。わたくし自身、認めたくはありませんが、美味しいと感じました」
エリザが遠い目をする。その瞳には、彼女自身も解き明かせない感情が渦巻いているようだった。
「なら、その可能性を試してみる価値はあると思うんですよ。……一緒に来てくれてありがとうございます」
「勘違いしないで。わたくしは監視役であって、あなたを助けるつもりはありません」
そう言い捨てるエリザだが、表情はいつものように硬くはない。陽人は心の中で微笑み、重たい旅路を続ける。
---
数日の行程を経て、ようやく目的地へと近づいた一行。そこは荒涼とした岩地が広がり、点在する木々も枯れかけている。遠巻きに見える建物は要塞のように囲われており、従来派と見られる魔族兵士が警戒態勢を敷いているのが分かった。
「あれが……武装集団の拠点、か」
騎士団の青年がごくりと唾を飲む。魔王軍の兵士たちも、緊張の色を隠せない。下手をすれば即座に攻撃されるかもしれないのだ。
「……まずは話し合いの場を求める。攻撃してこなければ、こちらも手を出さない。いいな?」
部隊長らしき魔族が低く命じる。陽人は荷車に積んできた調理道具を確認しながら、胸の高鳴りを抑えようとしていた。
(ここで戦いを避けられれば、何とか料理を振る舞うチャンスが得られるかも。けど、相手が聞く耳を持ってくれるのか……)
そんな不安を抱える陽人のもとへ、エリザが近づいてくる。
「どうせあなた、拠点に乗り込んで料理を作るつもりなのでは? もし危険が及べば、わたくしも容赦なく引き上げますからね」
「了解です。無理はさせません。……でも、ほんの一瞬でもいいので、彼らに料理を食べてもらえる時間が欲しいんです」
エリザは小さく息を吐き、わずかに頬を緩ませた。
「あなたって、本当に単純……。でも、そういうところが憎めないわ」
――こうして、一触即発の拠点に足を踏み入れる陽人たち。果たして彼らは戦火を回避できるのか、それとも更なる衝突が待っているのか。料理という武器を掲げた陽人の挑戦は、いよいよ危険な領域へと突き進んでいく。
次回、従来派と新たな過激組織が手を組んだ拠点で、陽人の“料理外交”が試される。荒野の中で繰り広げられるギリギリの交渉と、エリザの揺れる思いが交錯し、物語は一段と熱を帯びていく……。
「人間との馴れ合いに現(うつつ)を抜かしている間に、好き勝手されてたまるか……」
魔王ゼファーの執務室で行われる作戦会議は、以前の「料理談義」とは打って変わって殺気を帯びたものに変貌している。四天王の一人が苛立たしげに地図を広げ、部隊の配置を検討していた。
「北方の拠点に残っていた従来派の兵士が、外部の過激組織と手を結んだ可能性があります。規模はそれほど大きくないが、放置すれば勢力を伸ばしかねません」
戦略担当の魔族が低い声で報告すると、ゼファーは苦々しい表情を浮かべた。
「分かっている。……仕方あるまい、奴らに警告を発するとともに、必要なら力で制するしかない。俺が直接出向くべきか……」
そう呟くゼファーの横顔には、人間との和平交渉を断念しかねない危うさも感じられる。魔王としては融和路線を望みながらも、これ以上の混乱を看過するわけにはいかないからだ。
「……ちょっと待ってください」
静寂の中、一本の声が割り込む。集まった幹部たちが振り返ると、そこには城の執事を伴った陽人の姿があった。普段は会議に立ち入らない彼が、意を決した表情で頭を下げる。
「陽人、貴様……なぜここに?」
ゼファーが訝しむように問うと、陽人は一瞬たじろぎながらも前に進み出る。
「すみません、勝手だとは分かってます。でも、このまま戦いになるのは嫌なんです。どうにか話し合いで解決できないか、少しだけ時間をもらえませんか?」
「馬鹿を言うな。相手は既に武装している。力づくで反抗しようという連中だぞ?」
四天王の一人が厳しい口調で反論する。だが、陽人は真剣な眼差しを崩さない。
「それでも、最初から武力で押さえつければ、溝は深まるばかりです。……料理でどうにかできるか分かりませんが、俺にも何か役立てる手段があるはずだって信じたいんです」
魔王ゼファーは深く溜息をついた。ここで陽人の願いを切り捨てれば、これまで築き上げてきた平和への道筋も崩れ去るかもしれない。かといって、従来派や過激組織の動きを甘く見て大惨事になれば、取り返しがつかない。
「……分かった。だが、あくまで短期間だ。こちらが攻撃を受ければ即座に反撃に移るし、貴様がやられたら元も子もない」
「ありがとうございます。俺も無茶はしません」
陽人がほっと息をつくと、ゼファーは参謀役の魔族に目配せをして指示を出す。
「陽人の同行を認めてやれ。ただし、兵を随行させろ。もし相手が交渉に応じず危険となれば、即時に撤退させろよ」
「はっ、承知しました」
幹部たちの視線には、どこか「なぜそこまで人間の料理人に譲歩するのか」という戸惑いが浮かんでいるが、ゼファーは眼光でそれを制する。魔王の中には強い葛藤が渦巻いていた――彼自身がかつて望んだのは圧倒的な征服だったが、いまは“料理”による穏やかな平和に心惹かれている。
---
数日後、陽人は騎士団の青年と共に、北方の荒涼とした地へ向かった。十数名の魔族兵士に守られながら、街道沿いを進んでいく。道中、エリザの姿もあったが、彼女は「監視が必要」として半ば強引に同行を申し出たのだ。
「……本当に料理で説得できると思っているのか?」
行軍の最中、エリザが隣を歩く陽人に問いかける。冷ややかな口調だが、どこか心配も混じっているように聞こえる。
「分かりません。でも、戦う前に腹を満たせば、少しは気持ちが変わるかもしれないじゃないですか」
「単純ですね……。けれど、あなたの料理に心を動かされた魔族や人間がいるのも事実。わたくし自身、認めたくはありませんが、美味しいと感じました」
エリザが遠い目をする。その瞳には、彼女自身も解き明かせない感情が渦巻いているようだった。
「なら、その可能性を試してみる価値はあると思うんですよ。……一緒に来てくれてありがとうございます」
「勘違いしないで。わたくしは監視役であって、あなたを助けるつもりはありません」
そう言い捨てるエリザだが、表情はいつものように硬くはない。陽人は心の中で微笑み、重たい旅路を続ける。
---
数日の行程を経て、ようやく目的地へと近づいた一行。そこは荒涼とした岩地が広がり、点在する木々も枯れかけている。遠巻きに見える建物は要塞のように囲われており、従来派と見られる魔族兵士が警戒態勢を敷いているのが分かった。
「あれが……武装集団の拠点、か」
騎士団の青年がごくりと唾を飲む。魔王軍の兵士たちも、緊張の色を隠せない。下手をすれば即座に攻撃されるかもしれないのだ。
「……まずは話し合いの場を求める。攻撃してこなければ、こちらも手を出さない。いいな?」
部隊長らしき魔族が低く命じる。陽人は荷車に積んできた調理道具を確認しながら、胸の高鳴りを抑えようとしていた。
(ここで戦いを避けられれば、何とか料理を振る舞うチャンスが得られるかも。けど、相手が聞く耳を持ってくれるのか……)
そんな不安を抱える陽人のもとへ、エリザが近づいてくる。
「どうせあなた、拠点に乗り込んで料理を作るつもりなのでは? もし危険が及べば、わたくしも容赦なく引き上げますからね」
「了解です。無理はさせません。……でも、ほんの一瞬でもいいので、彼らに料理を食べてもらえる時間が欲しいんです」
エリザは小さく息を吐き、わずかに頬を緩ませた。
「あなたって、本当に単純……。でも、そういうところが憎めないわ」
――こうして、一触即発の拠点に足を踏み入れる陽人たち。果たして彼らは戦火を回避できるのか、それとも更なる衝突が待っているのか。料理という武器を掲げた陽人の挑戦は、いよいよ危険な領域へと突き進んでいく。
次回、従来派と新たな過激組織が手を組んだ拠点で、陽人の“料理外交”が試される。荒野の中で繰り広げられるギリギリの交渉と、エリザの揺れる思いが交錯し、物語は一段と熱を帯びていく……。
43
あなたにおすすめの小説
修学旅行に行くはずが異世界に着いた。〜三種のお買い物スキルで仲間と共に〜
長船凪
ファンタジー
修学旅行へ行く為に荷物を持って、バスの来る学校のグラウンドへ向かう途中、三人の高校生はコンビニに寄った。
コンビニから出た先は、見知らぬ場所、森の中だった。
ここから生き残る為、サバイバルと旅が始まる。
実際の所、そこは異世界だった。
勇者召喚の余波を受けて、異世界へ転移してしまった彼等は、お買い物スキルを得た。
奏が食品。コウタが金物。紗耶香が化粧品。という、三人種類の違うショップスキルを得た。
特殊なお買い物スキルを使い商品を仕入れ、料理を作り、現地の人達と交流し、商人や狩りなどをしながら、少しずつ、異世界に順応しつつ生きていく、三人の物語。
実は時間差クラス転移で、他のクラスメイトも勇者召喚により、異世界に転移していた。
主人公 高校2年 高遠 奏 呼び名 カナデっち。奏。
クラスメイトのギャル 水木 紗耶香 呼び名 サヤ。 紗耶香ちゃん。水木さん。
主人公の幼馴染 片桐 浩太 呼び名 コウタ コータ君
(なろうでも別名義で公開)
タイトル微妙に変更しました。
異世界に転生したら?(改)
まさ
ファンタジー
事故で死んでしまった主人公のマサムネ(奥田 政宗)は41歳、独身、彼女無し、最近の楽しみと言えば、従兄弟から借りて読んだラノベにハマり、今ではアパートの部屋に数十冊の『転生』系小説、通称『ラノベ』がところ狭しと重なっていた。
そして今日も残業の帰り道、脳内で転生したら、あーしよ、こーしよと現実逃避よろしくで想像しながら歩いていた。
物語はまさに、その時に起きる!
横断歩道を歩き目的他のアパートまで、もうすぐ、、、だったのに居眠り運転のトラックに轢かれ、意識を失った。
そして再び意識を取り戻した時、目の前に女神がいた。
◇
5年前の作品の改稿板になります。
少し(?)年数があって文章がおかしい所があるかもですが、素人の作品。
生暖かい目で見て下されば幸いです。
間違い召喚! 追い出されたけど上位互換スキルでらくらく生活
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
僕は20歳独身、名は小日向 連(こひなた れん)うだつの上がらないダメ男だ
ひょんなことから異世界に召喚されてしまいました。
間違いで召喚された為にステータスは最初見えない状態だったけどネットのネタバレ防止のように背景をぼかせば見えるようになりました。
多分不具合だとおもう。
召喚した女と王様っぽいのは何も持っていないと言って僕をポイ捨て、なんて世界だ。それも元の世界には戻せないらしい、というか戻さないみたいだ。
そんな僕はこの世界で苦労すると思ったら大間違い、王シリーズのスキルでウハウハ、製作で人助け生活していきます
◇
四巻が販売されました!
今日から四巻の範囲がレンタルとなります
書籍化に伴い一部ウェブ版と違う箇所がございます
追加場面もあります
よろしくお願いします!
一応191話で終わりとなります
最後まで見ていただきありがとうございました
コミカライズもスタートしています
毎月最初の金曜日に更新です
お楽しみください!
『辺境伯一家の領地繁栄記』スキル育成記~最強双子、成長中~
鈴白理人
ファンタジー
ラザナキア王国の国民は【スキルツリー】という女神の加護を持つ。
そんな国の北に住むアクアオッジ辺境伯一家も例外ではなく、父は【掴みスキル】母は【育成スキル】の持ち主。
母のスキルのせいか、一家の子供たちは生まれたころから、派生スキルがポコポコ枝分かれし、スキルレベルもぐんぐん上がっていった。
双子で生まれた末っ子、兄のウィルフレッドの【精霊スキル】、妹のメリルの【魔法スキル】も例外なくレベルアップし、十五歳となった今、学園入学の秒読み段階を迎えていた──
前作→『辺境伯一家の領地繁栄記』序章:【動物スキル?】を持った辺境伯長男の場合
異世界帰りの勇者、今度は現代世界でスキル、魔法を使って、無双するスローライフを送ります!?〜ついでに世界も救います!?〜
沢田美
ファンタジー
かつて“異世界”で魔王を討伐し、八年にわたる冒険を終えた青年・ユキヒロ。
数々の死線を乗り越え、勇者として讃えられた彼が帰ってきたのは、元の日本――高校卒業すらしていない、現実世界だった。
異世界ほのぼの牧場生活〜女神の加護でスローライフ始めました〜』
チャチャ
ファンタジー
ブラック企業で心も体もすり減らしていた青年・悠翔(はると)。
日々の疲れを癒してくれていたのは、幼い頃から大好きだったゲーム『ほのぼの牧場ライフ』だけだった。
両親を早くに亡くし、年の離れた妹・ひなのを守りながら、限界寸前の生活を続けていたある日――
「目を覚ますと、そこは……ゲームの中そっくりの世界だった!?」
女神様いわく、「疲れ果てたあなたに、癒しの世界を贈ります」とのこと。
目の前には、自分がかつて何百時間も遊んだ“あの牧場”が広がっていた。
作物を育て、動物たちと暮らし、時には村人の悩みを解決しながら、のんびりと過ごす毎日。
けれどもこの世界には、ゲームにはなかった“出会い”があった。
――獣人の少女、恥ずかしがり屋の魔法使い、村の頼れるお姉さん。
誰かと心を通わせるたびに、はるとの日常は少しずつ色づいていく。
そして、残された妹・ひなのにも、ある“転機”が訪れようとしていた……。
ほっこり、のんびり、時々ドキドキ。
癒しと恋と成長の、異世界牧場スローライフ、始まります!
オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~
鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。
そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。
そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。
「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」
オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く!
ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。
いざ……はじまり、はじまり……。
※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。
巻き込まれて異世界召喚? よくわからないけど頑張ります。 〜JKヒロインにおばさん呼ばわりされたけど、28才はお姉さんです〜
トイダノリコ
ファンタジー
会社帰りにJKと一緒に異世界へ――!?
婚活のために「料理の基本」本を買った帰り道、28歳の篠原亜子は、通りすがりの女子高生・星野美咲とともに突然まぶしい光に包まれる。
気がつけばそこは、海と神殿の国〈アズーリア王国〉。
美咲は「聖乙女」として大歓迎される一方、亜子は「予定外に混ざった人」として放置されてしまう。
けれど世界意識(※神?)からのお詫びとして特殊能力を授かった。
食材や魔物の食用可否、毒の有無、調理法までわかるスキル――〈料理眼〉!
「よし、こうなったら食堂でも開いて生きていくしかない!」
港町の小さな店〈潮風亭〉を拠点に、亜子は料理修行と新生活をスタート。
気のいい夫婦、誠実な騎士、皮肉屋の魔法使い、王子様や留学生、眼帯の怪しい男……そして、彼女を慕う男爵令嬢など個性豊かな仲間たちに囲まれて、"聖乙女イベントの裏側”で、静かに、そしてたくましく人生を切り拓く異世界スローライフ開幕。
――はい。静かに、ひっそり生きていこうと思っていたんです。私も.....(アコ談)
*AIと一緒に書いています*
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる