8 / 10
第8話:王宮への帰還と対決の時
しおりを挟む
アーレンスマルク王国の王都まで目と鼻の先という宿場町での潜伏生活は、息詰まるような緊張の連続だった。
私と、侍女のカタリナ、護衛のヨハンは、アレクシス様からの次の指示をひたすら待ち続けた。
部屋の窓からは、遠く王都のシルエットが見える。
あの壁の向こうに、お父様が…。そして、私を奈落の底へ突き落とした者たちがいる。
その事実が、私の心を苛んだ。
「エレオノーラ様、お茶が入りましたわ。少しお休みになってください」
カタリナが、心配そうに声をかけてくれる。
彼女の心遣いが、張り詰めた私の心をわずかに和らげてくれた。
ヨハンは、時折町へ出ては、王都の噂を仕入れてきてくれた。
それによると、リリアナ嬢の専横はますます酷くなる一方で、民衆の不満は日に日に高まっているという。
贅沢三昧の夜会、重税、気に入らない者への不当な弾圧。
王都は、まるで熟しきって腐り落ちる寸前の果実のようだと、ヨハンは苦々しげに語った。
(リリアナ…あなたの好きにはさせないわ)
そんなある日の午後、宿の扉が控えめにノックされた。
ヨハンが警戒しながら応対すると、そこに立っていたのは、思いもよらない人物だった。
「マーカス様…!?」
そこにいたのは、かつての私の幼馴染であり、数少ない理解者の一人、マーカス・フォン・シュナイダー公爵令息だったのだ。
彼は、以前よりも少しだけ精悍になった顔つきで、しかし変わらぬ優しい灰色の瞳で私を見ていた。
「エレオノーラ…! やはり君だったか。無事で…本当に良かった…!」
マーカス様は、私の姿を認めるなり、安堵の表情を浮かべた。
「どうして、ここに…? まさか、アレクシス様の手引きですか?」
「ああ。シュヴァルツェンベルク公には、以前から色々と情報を交換させてもらっていてね。君がこちらに来ていると聞いて、いてもたってもいられなくなったんだ」
マーカス様は、父ヴァイスハルト侯爵の不当な逮捕に心を痛め、独自にリリアナ嬢の周辺を探っていたらしい。
そして、アレクシス様と協力関係を結び、この日のために動いてくれていたのだ。
彼は、私にとって紛れもない味方だった。
「君のお父上の件だが、牢内ではあるが、ご無事だ。シュヴァルツェンベルク公の手の者が、既に接触に成功していると聞いている」
「本当ですか…! よかった…」
マーカス様からもたらされた情報は、私に大きな勇気を与えてくれた。
彼はさらに、近々王宮でリリアナ嬢が主催する大規模な夜会が開かれること、そしてその夜会こそが、アレクシス様が仕掛ける「一手」の舞台になるであろうことを教えてくれた。
そして、その夜。
ついにアレクシス様からの連絡が、カタリナを通じて私の元へ届けられた。
短い文面には、父の救出準備が完全に整ったこと、そして、明日の夜会に私が「エレオノーラ・フォン・ヴァイスハルト」として堂々と姿を現すように、と記されていた。
(ついに、この時が来たのね…)
リリアナが主催する夜会。
そこに、国外追放されたはずの私が現れる。
それは、まさにリリアナに対する最大の挑発であり、彼女の悪事を白日の下に晒すための、これ以上ない舞台設定だった。
「エレオノーラ様、お召し物を。シュヴァルツェンベルク公爵様からの預かりものでございます」
カタリナが、大きな衣装箱を私の前に差し出した。
中に入っていたのは、息を呑むほどに美しい、深紅のドレス。
それは、かつて私が王宮で一番気に入っていたドレスの色合いによく似ていたけれど、デザインはより洗練され、今の私に相応しい力強さと気品を感じさせるものだった。
そして、胸元には、アレクシス様から贈られた蒼い石のブローチが輝いている。
「アレクシス様…」
彼の細やかな心遣いに、胸が熱くなる。
このドレスは、私に「お前は独りではない」と語りかけてくれているようだった。
翌日の夜。
私は、カタリナとヨハンに付き添われ、王宮へと向かった。
かつて、悪夢のような婚約破棄を宣告された、あの場所へ。
しかし、今の私の心に、以前のような絶望や恐怖はなかった。
あるのは、鋼のような決意と、微かな高揚感だけ。
煌びやかなシャンデリアが輝く、王宮の大広間。
そこは、着飾った貴族たちの喧騒と、甘ったるい香水の匂いで満ち溢れていた。
そして、その中央で、まるで女王のように振る舞っているのが、リリアナ・ブルームだった。
彼女は、エドワード王子を伴い、取り巻きの貴族たちに囲まれてご満悦の様子だ。
私が、深紅のドレスを纏い、胸を張って大広間へと足を踏み入れた瞬間。
音楽が止み、喧騒が嘘のように静まり返った。
全ての視線が、私一人に集中する。
驚愕、不信、好奇、そしてほんの少しの恐怖。
会場の空気が、一瞬にして凍りついたのが分かった。
「ま…さか……エレオノーラ……?」
最初に声を上げたのは、エドワード王子だった。
彼は、幽霊でも見たかのように顔を青ざめさせ、震える指で私を指差している。
そして、リリアナ嬢。
彼女は、一瞬だけ、信じられないという表情で目を見開いたものの、すぐにいつもの可憐な笑顔を仮面のように貼り付けた。
けれど、その瞳の奥が激しく動揺しているのを、私は見逃さなかったわ。
「まあ、エレオノーラ様ではありませんか。国外追放されたはずの方が、どうしてこのような場所に? まるで亡霊でも現れたかのようですわね?」
彼女の猫なで声が、やけに耳障りに響く。
その言葉には、隠しきれない棘と、私への敵意が込められていた。
「お久しぶりですわね、リリアナ嬢。そして、エドワード殿下」
私は、毅然とした態度で二人を見据え、ゆっくりと、しかし確かな足取りで彼らの元へと近づいていく。
私の背後には、カタリナとヨハンが、まるで影のように控えている。
「亡霊ですって? いいえ、私は正真正銘、生きておりますわ。そして、貴方がたが私に着せた濡れ衣を晴らし、この国を蝕む本当の悪を告発するために、こうして戻ってまいりましたのよ」
私の静かだが力強い言葉に、場内は再び騒然となった。
貴族たちは、これから何が起ころうとしているのかと、固唾を飲んで私たちを見守っている。
リリアナ嬢の顔から、笑顔が消えた。
その代わりに浮かんだのは、怒りと焦りの色。
「何を馬鹿なことを…! 衛兵! この者を捕らえなさい! 国外追放された罪人が、王宮に不法侵入するなど、万死に値しますわ!」
彼女が金切り声を上げ、衛兵に命じようとした、その時だった。
「――そこまでだ」
凛とした、そして圧倒的な威厳を伴った声が、大広間の入り口から響き渡った。
全ての視線が、そちらへと注がれる。
そこに立っていたのは、漆黒の礼装に身を包んだ、アレクシス・フォン・シュヴァルツェンベルク公爵、その人だった。
彼の両脇には、シュヴァルツェンベルクが誇る精鋭騎士たちが、微動だにせず控えている。
その威圧感は、リリアナ嬢が呼びつけようとした王宮の衛兵たちを、完全に沈黙させていた。
「シュヴァルツェンベルク公…! なぜ貴方がここに…!?」
エドワード王子が、狼狽した声を上げる。
アレクシス様は、エドワード王子を一瞥だにせず、悠然と大広間を横切り、私の隣へと歩み寄った。
そして、私の手をそっと取り、力強く握りしめる。その温かさが、私に勇気を与えてくれた。
「アーレンスマルク王国の王太子殿下、並びにリリアナ・ブルーム嬢。そして、ここにいる全ての貴族諸君に告げる」
アレクシス様の声が、静まり返った会場に朗々と響き渡る。
「今宵、我々は、この国に巣食う巨悪を断罪し、不当に貶められた者の名誉を回復するために参上した」
そして、彼は大広間の入り口へと視線を向けた。
ゆっくりと開かれる扉の向こうから、一人の男性が、アレクシス様の騎士に付き添われながら姿を現した。
その姿を見た瞬間、私の目からは、堰を切ったように涙が溢れ出した。
「お父様…っ!」
そこにいたのは、少しやつれ、やつれてはいるものの、その瞳には変わらぬ力強い光を宿した、私の父、アルブレヒト・フォン・ヴァイスハルト侯爵だったのだ。
彼は、私の姿を認めると、優しい、そして誇らしげな笑みを浮かべた。
「エレオノーラ…! よくぞ、耐え抜いたな…!」
リリアナ嬢とエドワード王子は、ヴァイスハルト侯爵の突然の登場に、言葉を失い、ただ呆然と立ち尽くしている。
彼らの顔は、まるで血の気を失ったかのように真っ白だった。
彼らの悪夢は、今、まさに始まろうとしていたのだ。
そして、私の反撃の狼煙は、高らかに上がった。
私と、侍女のカタリナ、護衛のヨハンは、アレクシス様からの次の指示をひたすら待ち続けた。
部屋の窓からは、遠く王都のシルエットが見える。
あの壁の向こうに、お父様が…。そして、私を奈落の底へ突き落とした者たちがいる。
その事実が、私の心を苛んだ。
「エレオノーラ様、お茶が入りましたわ。少しお休みになってください」
カタリナが、心配そうに声をかけてくれる。
彼女の心遣いが、張り詰めた私の心をわずかに和らげてくれた。
ヨハンは、時折町へ出ては、王都の噂を仕入れてきてくれた。
それによると、リリアナ嬢の専横はますます酷くなる一方で、民衆の不満は日に日に高まっているという。
贅沢三昧の夜会、重税、気に入らない者への不当な弾圧。
王都は、まるで熟しきって腐り落ちる寸前の果実のようだと、ヨハンは苦々しげに語った。
(リリアナ…あなたの好きにはさせないわ)
そんなある日の午後、宿の扉が控えめにノックされた。
ヨハンが警戒しながら応対すると、そこに立っていたのは、思いもよらない人物だった。
「マーカス様…!?」
そこにいたのは、かつての私の幼馴染であり、数少ない理解者の一人、マーカス・フォン・シュナイダー公爵令息だったのだ。
彼は、以前よりも少しだけ精悍になった顔つきで、しかし変わらぬ優しい灰色の瞳で私を見ていた。
「エレオノーラ…! やはり君だったか。無事で…本当に良かった…!」
マーカス様は、私の姿を認めるなり、安堵の表情を浮かべた。
「どうして、ここに…? まさか、アレクシス様の手引きですか?」
「ああ。シュヴァルツェンベルク公には、以前から色々と情報を交換させてもらっていてね。君がこちらに来ていると聞いて、いてもたってもいられなくなったんだ」
マーカス様は、父ヴァイスハルト侯爵の不当な逮捕に心を痛め、独自にリリアナ嬢の周辺を探っていたらしい。
そして、アレクシス様と協力関係を結び、この日のために動いてくれていたのだ。
彼は、私にとって紛れもない味方だった。
「君のお父上の件だが、牢内ではあるが、ご無事だ。シュヴァルツェンベルク公の手の者が、既に接触に成功していると聞いている」
「本当ですか…! よかった…」
マーカス様からもたらされた情報は、私に大きな勇気を与えてくれた。
彼はさらに、近々王宮でリリアナ嬢が主催する大規模な夜会が開かれること、そしてその夜会こそが、アレクシス様が仕掛ける「一手」の舞台になるであろうことを教えてくれた。
そして、その夜。
ついにアレクシス様からの連絡が、カタリナを通じて私の元へ届けられた。
短い文面には、父の救出準備が完全に整ったこと、そして、明日の夜会に私が「エレオノーラ・フォン・ヴァイスハルト」として堂々と姿を現すように、と記されていた。
(ついに、この時が来たのね…)
リリアナが主催する夜会。
そこに、国外追放されたはずの私が現れる。
それは、まさにリリアナに対する最大の挑発であり、彼女の悪事を白日の下に晒すための、これ以上ない舞台設定だった。
「エレオノーラ様、お召し物を。シュヴァルツェンベルク公爵様からの預かりものでございます」
カタリナが、大きな衣装箱を私の前に差し出した。
中に入っていたのは、息を呑むほどに美しい、深紅のドレス。
それは、かつて私が王宮で一番気に入っていたドレスの色合いによく似ていたけれど、デザインはより洗練され、今の私に相応しい力強さと気品を感じさせるものだった。
そして、胸元には、アレクシス様から贈られた蒼い石のブローチが輝いている。
「アレクシス様…」
彼の細やかな心遣いに、胸が熱くなる。
このドレスは、私に「お前は独りではない」と語りかけてくれているようだった。
翌日の夜。
私は、カタリナとヨハンに付き添われ、王宮へと向かった。
かつて、悪夢のような婚約破棄を宣告された、あの場所へ。
しかし、今の私の心に、以前のような絶望や恐怖はなかった。
あるのは、鋼のような決意と、微かな高揚感だけ。
煌びやかなシャンデリアが輝く、王宮の大広間。
そこは、着飾った貴族たちの喧騒と、甘ったるい香水の匂いで満ち溢れていた。
そして、その中央で、まるで女王のように振る舞っているのが、リリアナ・ブルームだった。
彼女は、エドワード王子を伴い、取り巻きの貴族たちに囲まれてご満悦の様子だ。
私が、深紅のドレスを纏い、胸を張って大広間へと足を踏み入れた瞬間。
音楽が止み、喧騒が嘘のように静まり返った。
全ての視線が、私一人に集中する。
驚愕、不信、好奇、そしてほんの少しの恐怖。
会場の空気が、一瞬にして凍りついたのが分かった。
「ま…さか……エレオノーラ……?」
最初に声を上げたのは、エドワード王子だった。
彼は、幽霊でも見たかのように顔を青ざめさせ、震える指で私を指差している。
そして、リリアナ嬢。
彼女は、一瞬だけ、信じられないという表情で目を見開いたものの、すぐにいつもの可憐な笑顔を仮面のように貼り付けた。
けれど、その瞳の奥が激しく動揺しているのを、私は見逃さなかったわ。
「まあ、エレオノーラ様ではありませんか。国外追放されたはずの方が、どうしてこのような場所に? まるで亡霊でも現れたかのようですわね?」
彼女の猫なで声が、やけに耳障りに響く。
その言葉には、隠しきれない棘と、私への敵意が込められていた。
「お久しぶりですわね、リリアナ嬢。そして、エドワード殿下」
私は、毅然とした態度で二人を見据え、ゆっくりと、しかし確かな足取りで彼らの元へと近づいていく。
私の背後には、カタリナとヨハンが、まるで影のように控えている。
「亡霊ですって? いいえ、私は正真正銘、生きておりますわ。そして、貴方がたが私に着せた濡れ衣を晴らし、この国を蝕む本当の悪を告発するために、こうして戻ってまいりましたのよ」
私の静かだが力強い言葉に、場内は再び騒然となった。
貴族たちは、これから何が起ころうとしているのかと、固唾を飲んで私たちを見守っている。
リリアナ嬢の顔から、笑顔が消えた。
その代わりに浮かんだのは、怒りと焦りの色。
「何を馬鹿なことを…! 衛兵! この者を捕らえなさい! 国外追放された罪人が、王宮に不法侵入するなど、万死に値しますわ!」
彼女が金切り声を上げ、衛兵に命じようとした、その時だった。
「――そこまでだ」
凛とした、そして圧倒的な威厳を伴った声が、大広間の入り口から響き渡った。
全ての視線が、そちらへと注がれる。
そこに立っていたのは、漆黒の礼装に身を包んだ、アレクシス・フォン・シュヴァルツェンベルク公爵、その人だった。
彼の両脇には、シュヴァルツェンベルクが誇る精鋭騎士たちが、微動だにせず控えている。
その威圧感は、リリアナ嬢が呼びつけようとした王宮の衛兵たちを、完全に沈黙させていた。
「シュヴァルツェンベルク公…! なぜ貴方がここに…!?」
エドワード王子が、狼狽した声を上げる。
アレクシス様は、エドワード王子を一瞥だにせず、悠然と大広間を横切り、私の隣へと歩み寄った。
そして、私の手をそっと取り、力強く握りしめる。その温かさが、私に勇気を与えてくれた。
「アーレンスマルク王国の王太子殿下、並びにリリアナ・ブルーム嬢。そして、ここにいる全ての貴族諸君に告げる」
アレクシス様の声が、静まり返った会場に朗々と響き渡る。
「今宵、我々は、この国に巣食う巨悪を断罪し、不当に貶められた者の名誉を回復するために参上した」
そして、彼は大広間の入り口へと視線を向けた。
ゆっくりと開かれる扉の向こうから、一人の男性が、アレクシス様の騎士に付き添われながら姿を現した。
その姿を見た瞬間、私の目からは、堰を切ったように涙が溢れ出した。
「お父様…っ!」
そこにいたのは、少しやつれ、やつれてはいるものの、その瞳には変わらぬ力強い光を宿した、私の父、アルブレヒト・フォン・ヴァイスハルト侯爵だったのだ。
彼は、私の姿を認めると、優しい、そして誇らしげな笑みを浮かべた。
「エレオノーラ…! よくぞ、耐え抜いたな…!」
リリアナ嬢とエドワード王子は、ヴァイスハルト侯爵の突然の登場に、言葉を失い、ただ呆然と立ち尽くしている。
彼らの顔は、まるで血の気を失ったかのように真っ白だった。
彼らの悪夢は、今、まさに始まろうとしていたのだ。
そして、私の反撃の狼煙は、高らかに上がった。
95
あなたにおすすめの小説
婚約破棄されたので田舎で猫と暮らします
たくわん
恋愛
社交界の華と謳われた伯爵令嬢セレスティアは、王太子から「完璧すぎて息が詰まる」と婚約破棄を告げられる。傷心のまま逃げるように向かったのは、亡き祖母が遺した田舎の小さな屋敷だった。
荒れ果てた屋敷、慣れない一人暮らし、そして庭に住みついた五匹の野良猫たち。途方に暮れるセレスティアの隣には、無愛想で人嫌いな青年医師・ノアが暮らしていた。
「この猫に構うな。人間嫌いだから」
冷たく突き放すノアだが、捨て猫を保護し、傷ついた動物を治療する彼の本当の姿を知るうちに、セレスティアの心は少しずつ惹かれていく。
猫の世話を通じて近づく二人。やがて明かされるノアの過去と、王都から届く縁談の催促。「完璧な令嬢」を脱ぎ捨てた先に待つ、本当の自分と本当の恋——。
婚約破棄?結構ですわ。公爵令嬢は今日も優雅に生きております
鍛高譚
恋愛
婚約破棄された直後、階段から転げ落ちて前世の記憶が蘇った公爵令嬢レイラ・フォン・アーデルハイド。
彼女の前世は、ブラック企業で心身をすり減らして働いていたOLだった。――けれど、今は違う!
「復讐? 見返す? そんな面倒くさいこと、やってられませんわ」
「婚約破棄? そんなの大したことじゃありません。むしろ、自由になって最高ですわ!」
貴族の婚姻は家同士の結びつき――つまりビジネス。恋愛感情など二の次なのだから、破談になったところで何のダメージもなし。
それよりも、レイラにはやりたいことがたくさんある。ぶどう園の品種改良、ワインの販路拡大、新商品の開発、そして優雅なティータイム!
そう、彼女はただ「貴族令嬢としての特権をフル活用して、人生を楽しむ」ことを決めたのだ。
ところが、彼女の自由気ままな行動が、なぜか周囲をざわつかせていく。
婚約破棄した王太子はなぜか複雑な顔をし、貴族たちは彼女の事業に注目し始める。
そして、彼女が手がけた最高級ワインはプレミア化し、ついには王室から直々に取引の申し出が……!?
「はぁ……復讐しないのに、勝手に“ざまぁ”になってしまいましたわ」
復讐も愛憎劇も不要!
ただひたすらに自分の幸せを追求するだけの公爵令嬢が、気づけば最強の貴族になっていた!?
優雅で自由気ままな貴族ライフ、ここに開幕!
お金がありすぎて困っておりますの(悪役令嬢ver.) ~悪役令嬢は噂も相場も支配しますわ~
ふわふわ
恋愛
「お金がありすぎて、困っておりますの」
ヴァレンティス侯爵家当主・シグネアは、若くして膨大な資産と権限を手にした“悪役令嬢”。 しかし彼女は、金にも噂にも振り回されない。
──ならば、支配すればよろしいのですわ。
社交界を飛び交う根拠のない噂。 無能な貴族の見栄と保身。 相場を理解しない者が引き起こす経済混乱。 そして「善意」や「情」に見せかけた、都合のいい救済要求。
シグネアは怒鳴らない。 泣き落としにも応じない。 復讐も、慈善も、選ばない。
彼女がするのはただ一つ。 事実と数字と構造で、価値を測ること。
噂を操り、相場を読まず、裁かず、助けず、 それでもすべてを終わらせる“悪役令嬢”の統治劇。
「助けなかったのではありませんわ」 「助ける必要がなかっただけです」
一撃で終わる教育的指導。 噂も相場も、そして人の価値さえも―― 悪役令嬢は、今日も静かに支配する。
悪役令嬢の私、計画通り追放されました ~無能な婚約者と傾国の未来を捨てて、隣国で大商人になります~
希羽
恋愛
「ええ、喜んで国を去りましょう。――全て、私の計算通りですわ」
才色兼備と謳われた公爵令嬢セラフィーナは、卒業パーティーの場で、婚約者である王子から婚約破棄を突きつけられる。聖女を虐げた「悪役令嬢」として、満座の中で断罪される彼女。
しかし、その顔に悲壮感はない。むしろ、彼女は内心でほくそ笑んでいた――『計画通り』と。
無能な婚約者と、沈みゆく国の未来をとうに見限っていた彼女にとって、自ら悪役の汚名を着て国を追われることこそが、完璧なシナリオだったのだ。
莫大な手切れ金を手に、自由都市で商人『セーラ』として第二の人生を歩み始めた彼女。その類まれなる才覚は、やがて大陸の経済を揺るがすほどの渦を巻き起こしていく。
一方、有能な彼女を失った祖国は坂道を転がるように没落。愚かな元婚約者たちが、彼女の真価に気づき後悔した時、物語は最高のカタルシスを迎える――。
本物聖女の力は無力でした ――見世物レベルの聖女のおかげで婚約破棄されました――**
鷹 綾
恋愛
魔法が存在しないと信じられていた世界に、
突如として現れた「本物の聖女」。
空中浮遊、瞬間移動、念動力――
奇跡を披露した平民の少女は、たちまち市民の熱狂を集め、
王太子はその力に目を奪われる。
その結果、
王太子の婚約者だった公爵令嬢アストリアは、
一方的に婚約を破棄されてしまった。
だが、聖女の力は――
・空中浮遊は、地上三十センチ
・瞬間移動は、秒速一メートル
・念動力は、手で持てる重さまで
派手ではあるが、実用性は乏しい。
聖女の力は、見世物レベル。
少なくとも、誰もがそう判断していた。
それでも人々は喝采し、
権威は少女を縛り、
「聖女」という立場だけが一人歩きしていく。
そんな中、婚約破棄された公爵令嬢アストリアは、
ある違和感に気づき始める。
――奇跡よりも、奪われているものがあることに。
派手な復讐はない。
怒鳴り返しもしない。
けれど静かに、確実に、
“正しさ”は明らかになっていく。
見世物にされた奇跡と、
尊厳を取り戻す少女たちの物語。
---
悪役令嬢、心理学無双で氷の騎士様の心を溶してみせます
希羽
恋愛
公爵令嬢セラフィナは、ある日、自分が前世でハマっていた乙女ゲームの「悪役令嬢」に転生したことを思い出す。目の前に迫るは、皇太子からの婚約破棄と、その先にある破滅の運命。
しかし、彼女は絶望しなかった。むしろ、歓喜に打ち震える。
なぜなら、婚約破棄は、ゲームで最推しだった「氷の騎士団長ケイン」に自由にアプローチできる最高のチャンスだから!
元・心理科学者だった彼女は、その知識を総動員し、推しの心を科学的に攻略するという、前代未聞の壮大な「実験」を開始する。
「単純接触効果」でストーカーと誤解され、「類似性の法則」で付け焼き刃がバレ、「吊り橋効果」は不発に終わる…。数々の実験は空回りするばかり。しかし、その奇妙で予測不能な行動は、鉄壁だったはずの氷の騎士の心を、少しずつ、そして確実に揺さぶり始めていた。
これは、最強の頭脳を持つ悪役令嬢が、恋という名の最大の謎に挑み、自らの手で最高のハッピーエンドを証明する、痛快な逆転ラブコメディ。
悪役令嬢ベアトリスの仁義なき恩返し~悪女の役目は終えましたのであとは好きにやらせていただきます~
糸烏 四季乃
恋愛
「ベアトリス・ガルブレイス公爵令嬢との婚約を破棄する!」
「殿下、その言葉、七年お待ちしておりました」
第二皇子の婚約者であるベアトリスは、皇子の本気の恋を邪魔する悪女として日々蔑ろにされている。しかし皇子の護衛であるナイジェルだけは、いつもベアトリスの味方をしてくれていた。
皇子との婚約が解消され自由を手に入れたベアトリスは、いつも救いの手を差し伸べてくれたナイジェルに恩返しを始める! ただ、長年悪女を演じてきたベアトリスの物事の判断基準は、一般の令嬢のそれとかなりズレている為になかなかナイジェルに恩返しを受け入れてもらえない。それでもどうしてもナイジェルに恩返しがしたい。このドッキンコドッキンコと高鳴る胸の鼓動を必死に抑え、ベアトリスは今日もナイジェルへの恩返しの為奮闘する!
規格外で少々常識外れの令嬢と、一途な騎士との溺愛ラブコメディ(!?)
【完結】魔力の見えない公爵令嬢は、王国最強の魔術師でした
er
恋愛
「魔力がない」と婚約破棄された公爵令嬢リーナ。だが真実は逆だった――純粋魔力を持つ規格外の天才魔術師! 王立試験で元婚約者を圧倒し首席合格、宮廷魔術師団長すら降参させる。王宮を救う活躍で副団長に昇進、イケメン公爵様からの求愛も!? 一方、元婚約者は没落し後悔の日々……。見る目のなかった男たちへの完全勝利と、新たな恋の物語。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる