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第十五話:帰路の語らいと芽生えた確信
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森の賢者に別れを告げ、わたくしたちは月影の泉を後にした。
アレクシス様の呪いは完全に消え去り、その足取りは驚くほど軽い。時折、冗談めかして護衛の騎士たちと剣を交える仕草を見せるほど、気力も体力も充実しているようだった。
その姿を見ているだけで、わたくしの心は満たされた。
月の雫草は、大切に薬草鞄にしまい込んである。この貴重な薬草をどう使うべきか、まだ具体的な考えはまとまっていないけれど、きっと多くの人を救う力になるはずだ。
帰路は、行きとは比べ物にならないほど穏やかで、明るいものだった。
アレクシス様は以前にも増して口数が増え、時折わたくしに優しい視線を向けてくれる。そのたびに、わたくしの胸は甘く高鳴った。
「リリア、お前はこれからどうするつもりだ?」
ある日の野営の夜、焚き火を囲みながら、アレクシス様が不意に尋ねた。
「え……? わたくし、ですか?」
「ああ。月の雫草を手に入れたお前は、もうただの薬師の卵ではない。その力を使えば、王宮薬師にだってなれるだろう」
彼の言葉に、わたくしは少し戸惑った。
確かに、月の雫草の力は絶大だ。それを使えば、名誉も地位も手に入るかもしれない。
けれど、わたくしの望みは、そんなことではなかった。
「わたくしは……アレクシス様のおそばで、薬師としてお役に立てれば、それで十分ですわ」
思わず、本音が口をついて出ていた。
アレクシス様は、驚いたようにわたくしを見た。そして、その表情が、ふっと和らぐ。
「……そうか」
彼は短くそう言うと、夜空を見上げた。
満月が、煌々とわたくしたちを照らしている。
「俺も……お前がそばにいてくれると、心強い」
ぽつりと呟かれたその言葉は、あまりにも自然で、そして温かかった。
わたくしは、顔が熱くなるのを感じながら、俯いた。
この想いは、もう止められない。
アレクシス様も、もしかしたら同じ気持ちでいてくれるのかもしれない。
そんな淡い期待が、胸の中で大きく膨らんでいく。
「リリア」
不意に、アレクシス様がわたくしの名前を呼んだ。
顔を上げると、彼の真剣な眼差しと目が合う。
「王都に戻ったら……話したいことがある」
「話したいこと……ですの?」
彼の言葉に、心臓がどきりと跳ねる。
一体、どんな話なのだろうか。期待と不安が入り混じり、落ち着かない気持ちになる。
「ああ。だから……それまで、無事に王都へ帰ろう」
アレクシス様はそう言うと、わたくしの肩を優しく抱き寄せた。
彼の腕の中で、わたくしは安心感に包まれながら、小さく頷いた。
旅の終わりが近づいている。
それは、アレクシス様の苦しみの終わりであると同時に、わたくしたちの関係が新たな段階へと進む始まりなのかもしれない。
――この旅で芽生えた確信を胸に、わたくしは彼と共に王都を目指す。
どんな未来が待っていようとも、もう恐れることはない。
彼と一緒なら、きっと乗り越えられるはずだから。
アレクシス様の呪いは完全に消え去り、その足取りは驚くほど軽い。時折、冗談めかして護衛の騎士たちと剣を交える仕草を見せるほど、気力も体力も充実しているようだった。
その姿を見ているだけで、わたくしの心は満たされた。
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帰路は、行きとは比べ物にならないほど穏やかで、明るいものだった。
アレクシス様は以前にも増して口数が増え、時折わたくしに優しい視線を向けてくれる。そのたびに、わたくしの胸は甘く高鳴った。
「リリア、お前はこれからどうするつもりだ?」
ある日の野営の夜、焚き火を囲みながら、アレクシス様が不意に尋ねた。
「え……? わたくし、ですか?」
「ああ。月の雫草を手に入れたお前は、もうただの薬師の卵ではない。その力を使えば、王宮薬師にだってなれるだろう」
彼の言葉に、わたくしは少し戸惑った。
確かに、月の雫草の力は絶大だ。それを使えば、名誉も地位も手に入るかもしれない。
けれど、わたくしの望みは、そんなことではなかった。
「わたくしは……アレクシス様のおそばで、薬師としてお役に立てれば、それで十分ですわ」
思わず、本音が口をついて出ていた。
アレクシス様は、驚いたようにわたくしを見た。そして、その表情が、ふっと和らぐ。
「……そうか」
彼は短くそう言うと、夜空を見上げた。
満月が、煌々とわたくしたちを照らしている。
「俺も……お前がそばにいてくれると、心強い」
ぽつりと呟かれたその言葉は、あまりにも自然で、そして温かかった。
わたくしは、顔が熱くなるのを感じながら、俯いた。
この想いは、もう止められない。
アレクシス様も、もしかしたら同じ気持ちでいてくれるのかもしれない。
そんな淡い期待が、胸の中で大きく膨らんでいく。
「リリア」
不意に、アレクシス様がわたくしの名前を呼んだ。
顔を上げると、彼の真剣な眼差しと目が合う。
「王都に戻ったら……話したいことがある」
「話したいこと……ですの?」
彼の言葉に、心臓がどきりと跳ねる。
一体、どんな話なのだろうか。期待と不安が入り混じり、落ち着かない気持ちになる。
「ああ。だから……それまで、無事に王都へ帰ろう」
アレクシス様はそう言うと、わたくしの肩を優しく抱き寄せた。
彼の腕の中で、わたくしは安心感に包まれながら、小さく頷いた。
旅の終わりが近づいている。
それは、アレクシス様の苦しみの終わりであると同時に、わたくしたちの関係が新たな段階へと進む始まりなのかもしれない。
――この旅で芽生えた確信を胸に、わたくしは彼と共に王都を目指す。
どんな未来が待っていようとも、もう恐れることはない。
彼と一緒なら、きっと乗り越えられるはずだから。
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