氷の騎士と陽だまりの薬師令嬢 ~呪われた最強騎士様を、没落貴族の私がこっそり全力で癒します!~

放浪人

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第二十四話:陽だまりの薬草店と騎士の日常

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アレクシス様との婚約が正式に認められ、わたくしたちの生活は新たな局面を迎えた。
わたくしは、アレクシス様の勧めもあり、王都の一角に小さな薬草店を開くことにした。店の名前は、「陽だまり薬草店」。訪れる人々が、心も体も温かくなれるような場所にしたいという願いを込めて。

月の雫草は、本当に必要な時まで大切に保管し、普段はこれまでの知識と経験を活かして薬を調合する。それでも、わたくしの作る薬は評判を呼び、店は多くの人々で賑わった。

「リリアさんの薬は、本当によく効くわねぇ」
「あなたの笑顔を見ると、元気が出てくるよ」

そんな言葉をかけてもらえるたび、薬師としての喜びを感じ、この道を選んでよかったと心から思うのだった。

アレクシス様は、騎士団副団長としての職務に戻り、以前にも増して精力的に働いていた。
呪いから解放された彼は、本来の力を存分に発揮し、その的確な指揮と勇猛果敢な戦いぶりは、騎士団内外から称賛を集めた。

かつて彼を陥れようとした者たちも、今では彼の公正な態度と実力に敬意を払い、騎士団は以前よりもずっと結束力を増したように見えた。

忙しい日々の中でも、アレクシス様は時間を見つけては「陽だまり薬草店」に顔を出してくれた。
彼の姿を見つけると、店にいた女性客たちが頬を染めて囁き合うのが、少しだけ面白く、そして誇らしかった。

「リリア、今日も繁盛しているな」
「アレクシス様こそ、お疲れ様ですわ。お茶を淹れますね」

そんな何気ない会話が、わたくしたちにとってかけがえのない時間だった。
夜には、二人で食卓を囲み、その日の出来事を語り合う。時には、アレクシス様が騎士団での訓練の様子を身振り手振りで教えてくれたり、わたくしが新しい薬草の効能について熱心に説明したり。

穏やかで、満ち足りた日々。
それは、かつて夢見ていた以上の幸せだった。

セドリック様も、時折わたくしの店を訪れては、珍しい薬草の情報を教えてくれたり、アレクシス様と談笑したりしていった。彼の存在は、わたくしたちにとって良き友人であり、心強い理解者だった。

ある晴れた午後、アレクシス様が非番の日に、二人で近くの丘へピクニックに出かけた。
眼下に広がる王都の景色を眺めながら、わたくしはそっと彼に寄り添う。

「こうしていると、あの森での日々が嘘のようですわね」
「ああ。だが、あの旅があったからこそ、今の俺たちがいる」

アレクシス様は、わたくしの髪を優しく撫でた。
その瞳には、深い愛情が宿っている。

「リリア。お前と出会えて、俺は本当に幸せだ」
「わたくしもですわ、アレクシス様。あなた様こそ、わたくしの太陽ですもの」

わたくしたちは、どちらからともなく微笑み合った。
陽だまりの中で、二つの心は温かく溶け合っていく。

――この幸せな日常が、いつまでも続きますように。
それは、ささやかだけれど、何よりも強い願いだった。
氷の騎士と陽だまりの薬師。二人の物語は、まだ始まったばかりなのだから。
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