「魔力がない」と婚約破棄されましたが、私を拾ったのは剣聖と呼ばれる傭兵王でした〜金で地位を買った元婚約者様、私の夫に勝てると思いましたか?〜

放浪人

文字の大きさ
3 / 20

第三話:ハンカチの誓い〜その布切れは、契約よりも重く〜

しおりを挟む
 翌朝。  砦の執務室に、私の絶叫が響き渡った。

「ヴォルフガング様ぁぁぁ!!」

 私の悲鳴を聞きつけて、ドタドタと廊下を走る足音が近づいてくる。  バン! と扉が勢いよく開かれ、血相を変えたヴォルフガングが飛び込んできた。手には愛用の大剣が握られている。

「どうしたエリス! 敵襲か!?」 「いいえ、もっと悪い状況です!」

 私は震える指先で、目の前に開かれた巨大な金庫の中身を指し示した。  そこにあるのは、広大な空間と、埃と、そして――。

「……金貨、十枚」

 私は絞り出すような声で言った。  そう、たったの十枚だ。  王国での貨幣価値で言えば、平民の家族が慎ましく暮らして二ヶ月分程度。  しかし、ここは総勢四百人の大食らいを抱える傭兵団の砦である。一日の食費にすら足りない。

「えーっと……そうだな、十枚か。意外と残ってたな」

 ヴォルフガングは剣を背中に戻し、ポリポリと頬を掻いた。悪びれる様子も、焦る様子もない。その態度が、私の神経を逆撫でする。

「『意外と残ってた』ではありません! この砦の財政は破綻寸前どころか、すでに死んでいます! 昨日、盛大に宴会をしていましたよね? あのお酒や食料はどこから?」 「あ? ツケだ」 「ツケ!?」 「麓の街の商人とは馴染みだからな。『次の仕事で稼いだら払う』で通るんだよ」

 私は頭を抱えてその場に蹲りそうになった。  自転車操業。  入ってきた金を右から左へ使い、足りなければツケで凌ぐ。典型的な破滅型の経営だ。  しかも、昨日の大掃除で判明したのだが、武器庫の剣は刃こぼれだらけ、鎧は留め具が緩んでガタガタ、備蓄食料に至っては乾パンと塩漬け肉があと三日分しかない。

「ヴォルフ……いえ、団長。このままだと、一週間後には『鉄の牙』は餓死するか、借金取りに砦を明け渡して解散することになります」 「そりゃ困るな」 「困るで済む話ではありません! 私という軍師を雇った以上、そのような無様な最期は許しません!」

 私は立ち上がり、スカートの埃を払った。  嘆いていても金は増えない。  ないなら、稼ぐしかないのだ。それも、効率よく、大量に。

「支度をしてください。街へ降ります」 「街へ? 金がねぇのに何しに行くんだ?」 「仕事を取りに行くのです。ギルドへ行って、一番割のいい依頼をぶんどってきます」

 私の目には、戦場へ向かう騎士以上の決意の炎が宿っていたはずだ。  ヴォルフガングは一瞬きょとんとして、それからニヤリと笑った。

「へっ、頼もしいこった。じゃあ、俺が護衛してやるよ。軍師様」

          ◇

 砦から馬で数時間。  私たちは、麓にある商業都市「ベルン」へとやってきた。  国境付近に位置するこの街は、物流の拠点として栄えており、多くの商人と傭兵が行き交っている。  街の通りには活気があり、様々な品物を並べた露店が軒を連ねていた。香辛料の刺激的な香り、焼きたてのパンの匂い、そして鉄と革の匂い。

 私は久しぶりの「文明社会」の空気に少しだけ安堵しながらも、気を引き締めた。  今日の戦場は、ここだ。

「おいエリス、あそこの串焼き、美味そうだぞ」 「ダメです。無駄遣いは一切禁止です」

 物欲しそうに屋台を見るヴォルフガングの手綱を引き、私は街の中心部にある「冒険者ギルド」の建物へと向かった。  石造りの重厚な建物。入り口には剣と盾の看板が掲げられている。  中に入ると、ムッとするような熱気と騒音が私たちを迎えた。  昼間から酒を飲んでいる荒くれ者たち、依頼掲示板に群がる駆け出しの冒険者、そしてカウンターで怒鳴り声を上げている強面の男たち。

 その中を、黒い鎧の巨漢と、場違いなほど清楚なドレス姿の令嬢(私だ)が進んでいくのだから、目立たないはずがない。  一瞬で周囲の視線が集まる。  値踏みするような視線、好奇の視線、そして下卑た視線。

「……チッ」

 ヴォルフガングが短く舌打ちをし、鋭い眼光で周囲を一瞥した。  それだけで、騒がしかったギルド内が水を打ったように静まり返る。  さすがは『剣聖』。その威圧感だけで、雑魚を黙らせるには十分だ。

 私たちはまっすぐにカウンターへと向かった。  対応したのは、丸眼鏡をかけた神経質そうな男性職員だった。彼はヴォルフガングの姿を見ると、露骨に嫌そうな顔をした。

「……これはこれは、『鉄の牙』のヴォルフガング団長。またツケの支払い期限の延長ですか? 困りますねぇ、こちらも商売でして」 「今日は違う。仕事を探しに来た」 「仕事、ですか。生憎ですが、今の時期は大きな戦争もありませんし、あなた方のような大規模な団を雇えるような高額依頼は――」

「掲示板の裏に隠している『特級案件』を出しなさい」

 職員の言葉を遮り、私はカウンターに身を乗り出した。  職員が目を白黒させる。

「は、はい? お嬢さん、何を言って……」 「とぼけないでください。この街は北の山脈からの風が吹き込む位置にあります。昨今の異常気象で山脈の魔物が活性化しているのは、市場に出回る毛皮の流通量が減っていることからも明らかです」

 私は頭の中で、来る途中に見た市場の相場を思い返していた。  市場は情報の宝庫だ 。商品の値段、流通量、商人の顔色。それらを見れば、世の中で何が起きているかはおおよそ推測できる。  冬用の毛皮が高騰していた。それはつまり、猟師たちが森や山に入れなくなっていることを意味する。

「さらに、先日、隣国の商隊が数組、行方不明になっているという噂も聞きました。街道の安全が脅かされているのに、騎士団は動いていない。なぜなら、フェルディナンド……いえ、王立騎士団長が『寒いから』という理由で遠征を拒否しているからです」

 職員の顔色が変わった。図星だ。

「商工会(ギルド)としては、流通が滞るのは死活問題でしょう。けれど、国は動かない。だから、高額な報酬で『非公式』に魔物討伐と街道の安全確保を依頼したいはずです。ですが、足元を見られないように、あえて公募はしていない。……違いますか?」

 職員は額に脂汗を浮かべ、ゴクリと唾を飲み込んだ。  そして、震える手でカウンターの下から一枚の羊皮紙を取り出した。

「……おっしゃる通りです。北の峠に『オーガロード』が率いる魔物の群れが巣食っています。商隊が三つ、全滅しました。報酬は金貨五百枚。ただし、期限は三日以内」

 金貨五百枚!  周囲の冒険者たちがどよめいた。  破格の報酬だ。これなら、当面の借金を返済しても十分にお釣りがくる。

「受けましょう」 「ま、待ってください! 相手はオーガロードですよ!? 通常のオーガとは桁違いの強さです。それに群れを率いている。いくら『鉄の牙』でも、準備なしでは……」 「準備なら、これからします。そこで交渉です」

 私は羊皮紙を指先でトントンと叩いた。

「この依頼、受けますが……条件があります。報酬の三割を『前払い』していただきます」 「はあ!? そんな特例、認められません!」 「認めなければ、この依頼書を持って他の傭兵団へ行きますよ? まあ、オーガロードを三日以内に討伐できる戦力を持った団が、他に空いていればの話ですが」

 これはハッタリだ。  この周辺で『鉄の牙』に匹敵する戦力を持つ傭兵団はいない。そして、商工会は一刻も早い解決を望んでいる。時間が経てば経つほど、損害は拡大するからだ。

「……くっ」 「それに、前払い金はこの街で消費します。武器の手入れ、食料の調達。街の経済も回ります。悪い話ではないはずです」

 職員はしばらく呻いていたが、やがて観念したように肩を落とした。

「……わかりました。支部長に掛け合ってきます。ですが、もし失敗したら、違約金も含めて倍返しですよ!」 「ご心配なく。私の夫……いえ、団長は最強ですので」

 私が後ろに控えるヴォルフガングを振り返ると、彼はポカンとした顔で私を見ていた。  そして、ニカッと笑い、親指を立てた。

「おい聞いたか? 『最強』だそうだ。……たまんねぇな、おい」

          ◇

 前払い金として金貨百五十枚を手に入れた私たちは、その足で街の武器屋と食料品店を回った。  ヴォルフガングの剣の研磨、壊れかけた防具の修繕、そして大量の保存食と矢の購入。  エリスの計算通り、金貨は面白いように消えていったが、それは「生きた金」の使い方だ。投資なくして利益なし。

 そして翌日。  私たちは北の峠へと向かった。  今回の作戦に参加するのは、ヴォルフガングを含む精鋭五十名。  相手はオーガロード率いる三十体ほどのオーガの群れだ。数では拮抗しているが、個々の戦闘力ではオーガの方が上回る。まともにぶつかれば、こちらもタダでは済まない。

 だからこそ、『戦術』が必要なのだ。

「いいですか、皆さん。今回は正面突破はしません」

 雪の積もる森の中で、私は地図を広げて作戦を説明した。  傭兵たちが真剣な表情で私の言葉を聞いている。以前のような嘲笑の色はない。前払いの報酬で美味い飯を食わせ、装備を新調してやった恩恵だ。彼らは単純だが、義理堅い。

「オーガは力は強いですが、知能は低いです。そして、彼らは『音』と『匂い』に敏感です。これを利用します」

 私の指示に従い、傭兵たちは谷底へと続く一本道に罠を仕掛けた。  とは言っても、落とし穴のような古典的なものではない。  油を撒き、枯れ木を積み上げ、風向きを計算して配置する。

「風上の位置から、腐った肉を焼く煙を流します。オーガたちは空腹のはず。必ず誘き出されます」

 作戦は単純だった。  そして、単純だからこそ、効果は絶大だった。

 数時間後。  谷底に、地響きと共にオーガの群れが現れた。  先頭を行くのは、通常の二倍はある巨体のオーガロード。手には大木を引っこ抜いた棍棒を持っている。  彼らは肉の匂いに釣られ、警戒心もなく谷間の狭い道へと入ってきた。

「今です! 石弓隊、斉射!」

 私の合図と共に、崖の上に潜んでいた傭兵たちが一斉にクロスボウを放った。  ヒュンヒュンヒュン!  騎士たちが「卑怯者の武器」と蔑むクロスボウだが、その貫通力は侮れない 。  分厚い皮を持つオーガたちも、雨のように降り注ぐ矢の嵐には無力だった。次々と悲鳴を上げて倒れていく。

「グガァァァァッ!」

 怒り狂ったオーガロードが、崖上に向かって棍棒を投げつけようとする。  だが、その瞬間。

「遅ぇよ、デカブツ!」

 死角となっていた岩陰から、黒い影が飛び出した。  ヴォルフガングだ。  彼は愛用の大剣「黒牙」を振りかぶり、重力と遠心力を乗せた一撃を、オーガロードの首筋に叩き込んだ。

 ズドンッ!!

 肉を断ち、骨を砕く重い音が響く。  オーガロードの巨体が、糸の切れた人形のように崩れ落ちた。  一撃必殺。  まさに『剣聖』の名に恥じぬ、神速の斬撃だった。

「だ、団長がやったぞぉぉ!」 「総員、突撃ぃぃ!」

 指揮官を失ったオーガの群れは、もはや敵ではなかった。  混乱する彼らを、待ち構えていた傭兵たちが包囲し、各個撃破していく。  私は崖の上からその様子を眺めながら、静かに安堵の息を吐いた。

 勝った。  それも、こちらの被害はゼロだ。  計算通り。すべては、盤上の駒を動かすように。

 ――いいえ、違う。  私は胸に手を当てた。  計算だけではない。この勝利は、彼らが私を信じ、私の指示通りに動いてくれたからこそ得られたものだ。  駒ではない。彼らは、私の仲間なのだ。

          ◇

 戦いが終わり、夕焼けが雪原を赤く染める頃。  私たちは勝利の余韻に浸りながら、野営の準備をしていた。  ヴォルフガングが、川辺で血のついた剣を洗っている。  私は彼に近づき、懐から一枚のハンカチを取り出した。

「お疲れ様でした、団長」

 私が差し出したハンカチを、彼は濡れた手で受け取るのを躊躇った。

「……汚しちまうぞ。上等な布だ」 「構いません。あなたのために刺繍したものですから」

 それは、昨晩、徹夜で刺繍を入れたハンカチだった。  端の方に、小さな『黒い狼』の紋章。不格好だけれど、今の私にできる精一杯の感謝の印。

 ヴォルフガングは目を見開き、それから不器用な手つきでハンカチを受け取った。  そして、顔の汗と汚れを拭うのかと思いきや――。

 彼はその場に片膝をついた。  泥と雪にまみれた地面に、躊躇いもなく膝をつき、私の手を取る。  それは、騎士が主君に、あるいは最愛の女性に忠誠を誓う時の、最上級の礼節だった。

「……俺は学がないから、気の利いた言葉は言えねぇ」

 彼は私の目を真っ直ぐに見つめた。夕陽に照らされた黄金の瞳が、燃えるように輝いている。

「だが、約束する。この命がある限り、俺の剣は、お前のために振るう。お前が指差す場所が、俺の戦場だ。……だから、これからも俺の背中を守ってくれ、エリス」

 彼はそう言うと、私の手ではなく、私が渡したハンカチに、恭しく口づけを落とした。  その姿は、どんなに着飾った王都の騎士よりも、気高く、美しく見えた。

 ――ああ、この人は。  野蛮で、粗野で、計算もできないダメな人だけれど。  『騎士道』なんて言葉を知らなくても、誰より騎士らしい魂を持っている。

 かつて、騎士と貴婦人の間には「宮廷風恋愛」と呼ばれる精神的な結びつきがあったという 。肉体的な関係ではなく、魂の忠誠と献身。  私がフェルディナンドに求めて得られなかったものが、今、ここにある気がした。

「……はい。お受けします、私の騎士様」

 私は微笑み、彼の手を両手で包み込んだ。  契約以上の何かが、私たちの間に生まれた瞬間だった。

 こうして、私たちは最初の勝利を収め、確かな信頼関係を結んだ。  金貨五百枚という大金も手に入り、当面の危機は脱した。  だが、運命の歯車は、私たちが思うよりも早く、大きく回り始めていた。

 王都では、私の元婚約者フェルディナンドが、とんでもない噂を流し始めていたのだ。  そして、国境付近では、隣国の軍隊が不穏な動きを見せているという情報も……。

 私の「軍師」としての本当の戦いは、まだ始まったばかりだった。
しおりを挟む
感想 2

あなたにおすすめの小説

婚約破棄から50年後

あんど もあ
ファンタジー
王立学園の卒業パーティーで、王子が婚約者に婚約破棄を宣言した。王子は真に愛する女性と結ばれ、めでたしめでたし。 そして50年後、王子の孫の王子は、婚約破棄された女性の孫と婚約する事に。そこで明かされた婚約破棄の真実とは。

王国最強の天才魔導士は、追放された悪役令嬢の息子でした

由香
ファンタジー
追放された悪役令嬢が選んだのは復讐ではなく、母として息子を守ること。 無自覚天才に育った息子は、魔法を遊び感覚で扱い、王国を震撼させてしまう。 再び招かれたのは、かつて母を追放した国。 礼儀正しく圧倒する息子と、静かに完全勝利する母。 これは、親子が選ぶ“最も美しいざまぁ”。

旦那様。私が悪女ならば、愛人の女は何になるのかしら?

白雲八鈴
恋愛
 我が公爵家主催の夜会の最中。夫が愛人を連れてやってきたのです。そして、私を悪女という理由で離縁を突きつけてきました。  離縁して欲しいというのであれば、今まで支援してきた金額を全額返済していただけません?  あら?愛人の貴女が支払ってくれると?お優しいわね。  私が悪女というのであれば、妻のいる夫の愛人に収まっている貴女は何なのかしら?

魔の森に捨てられた伯爵令嬢は、幸福になって復讐を果たす

三谷朱花
恋愛
 ルーナ・メソフィスは、あの冷たく悲しい日のことを忘れはしない。  ルーナの信じてきた世界そのものが否定された日。  伯爵令嬢としての身分も、温かい我が家も奪われた。そして信じていた人たちも、それが幻想だったのだと知った。  そして、告げられた両親の死の真相。  家督を継ぐために父の異母弟である叔父が、両親の死に関わっていた。そして、メソフィス家の財産を独占するために、ルーナの存在を不要とした。    絶望しかなかった。  涙すら出なかった。人間は本当の絶望の前では涙がでないのだとルーナは初めて知った。  雪が積もる冷たい森の中で、この命が果ててしまった方がよほど幸福だとすら感じていた。  そもそも魔の森と呼ばれ恐れられている森だ。誰の助けも期待はできないし、ここに放置した人間たちは、見たこともない魔獣にルーナが食い殺されるのを期待していた。  ルーナは死を待つしか他になかった。  途切れそうになる意識の中で、ルーナは温かい温もりに包まれた夢を見ていた。  そして、ルーナがその温もりを感じた日。  ルーナ・メソフィス伯爵令嬢は亡くなったと公式に発表された。

よかった、わたくしは貴女みたいに美人じゃなくて

碧井 汐桜香
ファンタジー
美しくないが優秀な第一王子妃に嫌味ばかり言う国王。 美しい王妃と王子たちが守るものの、国の最高権力者だから咎めることはできない。 第二王子が美しい妃を嫁に迎えると、国王は第二王子妃を娘のように甘やかし、第二王子妃は第一王子妃を蔑むのだった。

『白い結婚だったので、勝手に離婚しました。何か問題あります?』

夢窓(ゆめまど)
恋愛
「――離婚届、受理されました。お疲れさまでした」 教会の事務官がそう言ったとき、私は心の底からこう思った。 ああ、これでようやく三年分の無視に終止符を打てるわ。 王命による“形式結婚”。 夫の顔も知らず、手紙もなし、戦地から帰ってきたという噂すらない。 だから、はい、離婚。勝手に。 白い結婚だったので、勝手に離婚しました。 何か問題あります?

無魔力の令嬢、婚約者に裏切られた瞬間、契約竜が激怒して王宮を吹き飛ばしたんですが……

タマ マコト
ファンタジー
王宮の祝賀会で、無魔力と蔑まれてきた伯爵令嬢エリーナは、王太子アレクシオンから突然「婚約破棄」を宣告される。侍女上がりの聖女セレスが“新たな妃”として選ばれ、貴族たちの嘲笑がエリーナを包む。絶望に胸が沈んだ瞬間、彼女の奥底で眠っていた“竜との契約”が目を覚まし、空から白銀竜アークヴァンが降臨。彼はエリーナの涙に激怒し、王宮を半壊させるほどの力で彼女を守る。王国は震え、エリーナは自分が竜の真の主であるという運命に巻き込まれていく。

辺境に追放されたガリガリ令嬢ですが、助けた男が第三王子だったので人生逆転しました。~実家は危機ですが、助ける義理もありません~

香木陽灯
恋愛
 「そんなに気に食わないなら、お前がこの家を出ていけ!」  実の父と義妹に虐げられ、着の身着のままで辺境のボロ家に追放された伯爵令嬢カタリーナ。食べるものもなく、泥水のようなスープですすり、ガリガリに痩せ細った彼女が庭で拾ったのは、金色の瞳を持つ美しい男・ギルだった。  「……見知らぬ人間を招き入れるなんて、馬鹿なのか?」  「一人で食べるのは味気ないわ。手当てのお礼に一緒に食べてくれると嬉しいんだけど」  二人の奇妙な共同生活が始まる。ギルが獲ってくる肉を食べ、共に笑い、カタリーナは本来の瑞々しい美しさを取り戻していく。しかしカタリーナは知らなかった。彼が王位継承争いから身を隠していた最強の第三王子であることを――。 ※ふんわり設定です。 ※他サイトにも掲載中です。

処理中です...