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第8話:闇との激闘、響き合う魂
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「かかれぇ!」
闇魔術師のリーダーの号令と共に、十数もの呪文が、一斉に私たちへと放たれた。
紫黒色の魔力の弾丸、相手の精神を蝕む呪いの言葉、地面から突き出す影の槍。
どれも、王宮の魔術師たちが使うような正統な魔法とは違う、陰湿で、いやらしい攻撃ばかりだ。
「散開しろ! 陣形を崩すな!」
カイ様の怒号が飛ぶ。
騎士たちは、盾を構えて巧みに攻撃を防ぎ、あるいは躱しながら、果敢に敵陣へと斬り込んでいく。
剣と魔法が激しくぶつかり合い、火花と、悲鳴と、怒号が、遺跡に響き渡った。
私は、カイ様の指示通り、彼のすぐ後ろに位置していた。
直接の戦闘には加われない。けれど、ただ守られているだけではいけない。
私は、意識を極限まで集中させ、【魔力鑑定EX】の瞳で、戦場全体を俯瞰する。
敵味方の魔力の流れ、魔法の構成、一人一人の力量。
そのすべてが、私の頭の中に、リアルタイムで流れ込んでくる。
「カイ様! 右翼の三人組、リーダー格の男が、他の二人に魔力を供給しています! まず、あの男を叩いてください!」
「分かった!」
私の指示を受け、カイ様は即座に動いた。
彼の手のひらに、凝縮された冷気が渦を巻き、一瞬で鋭い氷の矢が三本、形成される。
「トリプル・アイスアロー(三連氷矢)」!
放たれた三本の矢は、寸分の狂いもなく、リーダー格の男の肩、腕、そして足に突き刺さった。
悲鳴を上げる暇もなく、男は凍り付き、魔力の供給が途絶えた残りの二人も、騎士たちの剣の前に、あっけなく崩れ落ちる。
「アリア様、感謝します!」
騎士の一人が、叫ぶ。
「いいえ! 油断しないでください! 正面のローブの男、防御魔法を展開していますが、その基点は左足の紋章ですわ!」
「後方の二人、詠唱しているのは幻覚魔法! 目を合わせないで!」
次々と、鑑定した情報を叫ぶ。
私の声は、今や、この戦場の「司令塔」となっていた。
カイ様も、騎士たちも、私の言葉を完全に信頼し、淀みなく動いてくれている。
(すごい……これが、連携……!)
一人では、何もできなかった。
でも、カイ様がいる。仲間がいる。
私の力が、みんなの力と合わさって、何倍もの強さになっている。
その事実に、胸が熱くなった。
「ちいっ、小癪な! なぜ我らの魔法の弱点がこうも的確に……!?」
闇魔術師たちが、明らかに動揺し始めている。
戦況は、数では劣るはずの、私たちの方に傾きつつあった。
「おのれ……! こうなれば……!」
追い詰められたリーダー格の男が、何かを決意したように、不気味に笑った。
そして、彼は、自らの懐から取り出した短剣で、己の胸を深く、突き刺したのだ。
「なっ!?」
男の体から噴き出した大量の血が、足元の魔法陣に吸い込まれていく。
生贄の血を得て、魔法陣が、今までとは比べ物にならないほど、禍々しく輝き始めた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!
遺跡全体が、激しく揺れる。
魔法陣から溢れ出した紫黒の瘴気が、巨大な竜巻となって、天へと昇っていく。
「まずい! あの男、自分の命を対価に、魔法陣を暴走させるつもりだ!」
カイ様が、焦りの声を上げる。
このままでは、森全体が、この邪悪な魔力に飲み込まれて、完全に死の大地と化してしまう。
「ククク……道連れだ……! 聖女様の、偉大なる計画の、礎となれ……!」
男は、血を吐きながら、狂ったように笑っている。
もう、一刻の猶予もない。
「カイ様!」
私は、彼の前に躍り出た。
「あの魔法陣、私に止めさせてください!」
「無茶を言うな! あれに近づけば、お前の清浄な魔力など、一瞬で喰われてしまうぞ!」
「いいえ、できますわ!」
私は、彼の青い瞳を、真っ直ぐに見つめ返した。
「私には、視えます。あの魔法陣の、たった一つの『核』が。そこを破壊すれば、暴走は止められるはずです!」
「だが、しかし……!」
躊躇う彼に、私は、初めて、懇願するように言った。
「お願い、カイ。私を、信じて」
私の、震える声。
その声に、彼は、はっとしたように目を見開いた。
そして、その瞳に、強い、強い決意の色が宿る。
「……分かった」
彼は、短く、けれど力強く、頷いた。
「道は、俺が作る。お前は、ただ、前だけを見て進め。……必ず、生きて俺の元へ戻ってこい、アリア」
それは、二人の魂が、完全に響き合った瞬間だった。
闇魔術師のリーダーの号令と共に、十数もの呪文が、一斉に私たちへと放たれた。
紫黒色の魔力の弾丸、相手の精神を蝕む呪いの言葉、地面から突き出す影の槍。
どれも、王宮の魔術師たちが使うような正統な魔法とは違う、陰湿で、いやらしい攻撃ばかりだ。
「散開しろ! 陣形を崩すな!」
カイ様の怒号が飛ぶ。
騎士たちは、盾を構えて巧みに攻撃を防ぎ、あるいは躱しながら、果敢に敵陣へと斬り込んでいく。
剣と魔法が激しくぶつかり合い、火花と、悲鳴と、怒号が、遺跡に響き渡った。
私は、カイ様の指示通り、彼のすぐ後ろに位置していた。
直接の戦闘には加われない。けれど、ただ守られているだけではいけない。
私は、意識を極限まで集中させ、【魔力鑑定EX】の瞳で、戦場全体を俯瞰する。
敵味方の魔力の流れ、魔法の構成、一人一人の力量。
そのすべてが、私の頭の中に、リアルタイムで流れ込んでくる。
「カイ様! 右翼の三人組、リーダー格の男が、他の二人に魔力を供給しています! まず、あの男を叩いてください!」
「分かった!」
私の指示を受け、カイ様は即座に動いた。
彼の手のひらに、凝縮された冷気が渦を巻き、一瞬で鋭い氷の矢が三本、形成される。
「トリプル・アイスアロー(三連氷矢)」!
放たれた三本の矢は、寸分の狂いもなく、リーダー格の男の肩、腕、そして足に突き刺さった。
悲鳴を上げる暇もなく、男は凍り付き、魔力の供給が途絶えた残りの二人も、騎士たちの剣の前に、あっけなく崩れ落ちる。
「アリア様、感謝します!」
騎士の一人が、叫ぶ。
「いいえ! 油断しないでください! 正面のローブの男、防御魔法を展開していますが、その基点は左足の紋章ですわ!」
「後方の二人、詠唱しているのは幻覚魔法! 目を合わせないで!」
次々と、鑑定した情報を叫ぶ。
私の声は、今や、この戦場の「司令塔」となっていた。
カイ様も、騎士たちも、私の言葉を完全に信頼し、淀みなく動いてくれている。
(すごい……これが、連携……!)
一人では、何もできなかった。
でも、カイ様がいる。仲間がいる。
私の力が、みんなの力と合わさって、何倍もの強さになっている。
その事実に、胸が熱くなった。
「ちいっ、小癪な! なぜ我らの魔法の弱点がこうも的確に……!?」
闇魔術師たちが、明らかに動揺し始めている。
戦況は、数では劣るはずの、私たちの方に傾きつつあった。
「おのれ……! こうなれば……!」
追い詰められたリーダー格の男が、何かを決意したように、不気味に笑った。
そして、彼は、自らの懐から取り出した短剣で、己の胸を深く、突き刺したのだ。
「なっ!?」
男の体から噴き出した大量の血が、足元の魔法陣に吸い込まれていく。
生贄の血を得て、魔法陣が、今までとは比べ物にならないほど、禍々しく輝き始めた。
ゴゴゴゴゴゴゴゴ……!!!
遺跡全体が、激しく揺れる。
魔法陣から溢れ出した紫黒の瘴気が、巨大な竜巻となって、天へと昇っていく。
「まずい! あの男、自分の命を対価に、魔法陣を暴走させるつもりだ!」
カイ様が、焦りの声を上げる。
このままでは、森全体が、この邪悪な魔力に飲み込まれて、完全に死の大地と化してしまう。
「ククク……道連れだ……! 聖女様の、偉大なる計画の、礎となれ……!」
男は、血を吐きながら、狂ったように笑っている。
もう、一刻の猶予もない。
「カイ様!」
私は、彼の前に躍り出た。
「あの魔法陣、私に止めさせてください!」
「無茶を言うな! あれに近づけば、お前の清浄な魔力など、一瞬で喰われてしまうぞ!」
「いいえ、できますわ!」
私は、彼の青い瞳を、真っ直ぐに見つめ返した。
「私には、視えます。あの魔法陣の、たった一つの『核』が。そこを破壊すれば、暴走は止められるはずです!」
「だが、しかし……!」
躊躇う彼に、私は、初めて、懇願するように言った。
「お願い、カイ。私を、信じて」
私の、震える声。
その声に、彼は、はっとしたように目を見開いた。
そして、その瞳に、強い、強い決意の色が宿る。
「……分かった」
彼は、短く、けれど力強く、頷いた。
「道は、俺が作る。お前は、ただ、前だけを見て進め。……必ず、生きて俺の元へ戻ってこい、アリア」
それは、二人の魂が、完全に響き合った瞬間だった。
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