VRMMOで物作り!~さぁ始めよう、まずは壁からだ~

夢・風魔

文字の大きさ
21 / 48

021

しおりを挟む
 リアルでは日付が変わった時刻で、双子は慌ててログアウト。
 なんでも十二時までしか遊んじゃダメだって、親御さんから言われているようだ。
 だがそれも今週いっぱいまで。
 来週からは夜の十一時でログアウトを約束させられているらしい。

「俺はそういう約束事は無いが……自己管理ぐらいはしなきゃな」

 明日は朝一に講義があって、終わったらその足で病院。昼が終わって四限目がまた講義だ。
 朝は八時半過ぎに家を出ればいいから――起きるのは七時半過ぎでもいいな。

 一度ログインロビーに戻って、アラームを一時五十分にセットして貰う。

「じゃあよろしく」
『畏まりました。ではいってらっしゃいませ』

 ゲームに戻って杖を作る準備だ。
 スマホで木工スキルをタップすると、【道具】と【装備品】の項目がある。
 桶を作る時はまったく気にせず【道具】を押していたが、そういえば装備品ってあるじゃん!
 開いてみると、確かに杖や弓が作れるのがわかる。
 更に――。

「おぉ! 木の盾もあるぞっ。へぇ。これならティト君にも作ってやれるな」

 いろいろ調べてみると、杖も片手と両手とがあり、片手用の杖なら木の盾も装備できるんじゃないかという結論に。
 両手杖は魔力の最低値が15必須だと書いてある。
 ステータスは最初、一律で1しかない。まだ15まで行ってないだろう。

 よし。じゃあ片手杖一本と木の盾を二つ作ろう!

「まずは杖――材料はケヤキっと。ん? 他にも材料をセットする枠があるな。なんだろう? なぁにゃんごぉ」
「ニャー。レア素材をセットする枠ニャーね~」
「製造をする際、最低限必要となる素材の他に、装備品のレア度を決める素材がありますミャ」

 レア度?
 手作りポーション同様、装備品にも☆マークが付くようだ。
 無い物はノーマル品。
 ☆ひとつでプチレア。特殊能力がひとつ付くようだ。
 ☆二つでレア。特殊能力も二つ。
 そして☆三つが激レア! 特殊能力三つ!!

「へぇ、そんなものがあるのか。でもレア素材をセットする枠って、ひとつしか無いぞ?」
「ミャー。それはクーさんの木工レベルが足りてないからですミャ。二つ目はレベル3、三つ目はレベル5からですミャ」
「そっか。じゃあせめてレア素材ひとつは欲しいな。どこに行けば拾えるんだ?」

 そう尋ねると、にゃんごとミャーニーがひそひそ話をし始める。
 な、なんか凄い所とか、そう言うんじゃないだろうな。
 話し合いが終わったのか、二人は俺を見ながらため息を吐く。

「素材はモンスターが持っているニャ」
「ですがレア素材となると、ダンジョンモンスターしか持っていませんミャ」
「この近辺にダンジョンは無いニャ。少なくともあっしは見たことないニャし」
「私も、ここまでの道中でダンジョンは見てないですミャ」
「そんなぁ~っ」

 せっかく内緒でちょっと良い装備作ってあげようと思ったのに。

『ワフ』
「ん、ごめんなワオール。今大事な話してる最中だから。終わるまで外で遊んでていいぞ」
『ハフハフ』
「どうしたんだワオール」

 首を振ってどこかを指差すワオール。
 あっちに行きたいってことか?

「まぁ地表に入り口のない、隠しダンジョンなんてのもあるニャが。そう滅多に見つかるもんでもニャいニャよ」
「そうですミャ~。土砂崩れや地盤沈下で発見されることはあるようですミャが」
「隠しダンジョン――あっ」
『ワッフーッ』

 そうだ。土を取るためにワオールと掘った穴。
 その穴が別の穴に繋がって――そのことをワオールは伝えようとしていたのか。

「ワオール。お前って賢いなぁ。よしよしよし」
『ワフゥ~♪』

 撫でてやると嬉しそうに目を細め、頭を摺り寄せてくる。
 そのままぎゅ~っと――しようとするとササっと逃げられた。
 くっ。もうちょっとだったのに!

「さっそく隠しダンジョンに行くか!」
『ワンッ』

 俺とワオールの掛け声に驚いたのは、猫人族の二人だ。

「ちょ、ちょっと待つニャ! 今、隠しダンジョンって言ったニャか!?」
「ミャーッ。発見したんですミャかっ」
「うん」

 再びひそひそ話を始める二人。時折俺を嘗め回すように見ている。

「うぅん、ワオールさんはとても強いですミャが、その……クーさんが……」
「お客ニャん。武器も防具も持たないで、危なすぎるニャ」
「それにお二人だけってのも心配ですミャ」
「あの二人を待った方がいいニャよ。その方があの二人も喜ぶニャし」

 双子のことか。
 でも二人の装備を作ってやりたいから行く訳だし。

『ワオ』
「ん? お前もその方が良いって言うのか?」
『ワンッ』

 ワオールは頷き、その場に犬座りをする。
 
 そう……だな。

「あの二人、冒険がしたいって言ってたもんな」
「そうニャ。とりあえずお客ニャんが今作れる一番いい物を作ってやって、それを持って四人で行くニャよ」
「クーさんも装備を揃えてくだミャいね」
「そうそう! お客ニャん。何か買うミャか?」

 目をキラキラさせた猫人族が二人。
 ミャーニーは雑貨屋じゃないだろう!
 これは反則だ。反則攻撃だ!

「買う」

 だがしかし、俺は貧乏だった。

「ワオール! お金を稼ぎに行くぞっ」
『ワオーンッ』

 フィールドに出て解体と採取をしまくる。
 双子は夕方の六時過ぎにログインするって言ってたな。その時間なら俺もログインできる。
 それまでに金を工面して、なんとかしよう。

「うおおおぉぉぉぉっ!」
『ワオオォォォーンッ!』

 アラームが鳴るまで狩りをし、にゃんごの所に戻ってアイテムを処分。
 なんとか所持金は1502Gになった。
しおりを挟む
感想 8

あなたにおすすめの小説

癒し目的で始めたVRMMO、なぜか最強になっていた。

branche_noir
SF
<カクヨムSFジャンル週間1位> <カクヨム週間総合ランキング最高3位> <小説家になろうVRゲーム日間・週間1位> 現実に疲れたサラリーマン・ユウが始めたのは、超自由度の高いVRMMO《Everdawn Online》。 目的は“癒し”ただそれだけ。焚き火をし、魚を焼き、草の上で昼寝する。 モンスター討伐? レベル上げ? 知らん。俺はキャンプがしたいんだ。 ところが偶然懐いた“仔竜ルゥ”との出会いが、運命を変える。 テイムスキルなし、戦闘ログ0。それでもルゥは俺から離れない。 そして気づけば、森で焚き火してただけの俺が―― 「魔物の軍勢を率いた魔王」と呼ばれていた……!? 癒し系VRMMO生活、誤認されながら進行中! 本人その気なし、でも周囲は大騒ぎ! ▶モフモフと焚き火と、ちょっとの冒険。 ▶のんびり系異色VRMMOファンタジー、ここに開幕! カクヨムで先行配信してます!

【完結】デスペナのないVRMMOで一度も死ななかった生産職のボクは最強になりました。

鳥山正人
ファンタジー
デスペナのないフルダイブ型VRMMOゲームで一度も死ななかったボク、三上ハヤトがノーデスボーナスを授かり最強になる物語。 鍛冶スキルや錬金スキルを使っていく、まったり系生産職のお話です。 まったり更新でやっていきたいと思っていますので、よろしくお願いします。 「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過しました。 ──────── 自筆です。

動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョンを探索する 配信中にレッドドラゴンを手懐けたら大バズりしました!

海夏世もみじ
ファンタジー
 旧題:動物に好かれまくる体質の少年、ダンジョン配信中にレッドドラゴン手懐けたら大バズりしました  動物に好かれまくる体質を持つ主人公、藍堂咲太《あいどう・さくた》は、友人にダンジョンカメラというものをもらった。  そのカメラで暇つぶしにダンジョン配信をしようということでダンジョンに向かったのだが、イレギュラーのレッドドラゴンが現れてしまう。  しかし主人公に攻撃は一切せず、喉を鳴らして好意的な様子。その様子が全て配信されており、拡散され、大バズりしてしまった!  戦闘力ミジンコ主人公が魔物や幻獣を手懐けながらダンジョンを進む配信のスタート!

ゲーム内転移ー俺だけログアウト可能!?ゲームと現実がごちゃ混ぜになった世界で成り上がる!ー

びーぜろ
ファンタジー
ブラック企業『アメイジング・コーポレーション㈱』で働く経理部員、高橋翔23歳。 理不尽に会社をクビになってしまった翔だが、慎ましい生活を送れば一年位なら何とかなるかと、以前よりハマっていたフルダイブ型VRMMO『Different World』にダイブした。 今日は待ちに待った大規模イベント情報解禁日。その日から高橋翔の世界が一変する。 ゲーム世界と現実を好きに行き来出来る主人公が織り成す『ハイパーざまぁ!ストーリー。』 計画的に?無自覚に?怒涛の『ざまぁw!』がここに有る! この物語はフィクションです。 ※ノベルピア様にて3話先行配信しておりましたが、昨日、突然ログインできなくなってしまったため、ノベルピア様での配信を中止しております。

【完結】VRMMOでチュートリアルを2回やった生産職のボクは最強になりました

鳥山正人
ファンタジー
フルダイブ型VRMMOゲームの『スペードのクイーン』のオープンベータ版が終わり、正式リリースされる事になったので早速やってみたら、いきなりのサーバーダウン。 だけどボクだけ知らずにそのままチュートリアルをやっていた。 チュートリアルが終わってさぁ冒険の始まり。と思ったらもう一度チュートリアルから開始。 2度目のチュートリアルでも同じようにクリアしたら隠し要素を発見。 そこから怒涛の快進撃で最強になりました。 鍛冶、錬金で主人公がまったり最強になるお話です。 ※この作品は「DADAN WEB小説コンテスト」1次選考通過した【第1章完結】デスペナのないVRMMOで〜をブラッシュアップして、続きの物語を描いた作品です。 その事を理解していただきお読みいただければ幸いです。 ─────── 自筆です。 アルファポリス、第18回ファンタジー小説大賞、奨励賞受賞

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

解呪の魔法しか使えないからとSランクパーティーから追放された俺は、呪いをかけられていた美少女ドラゴンを拾って最強へと至る

早見羽流
ファンタジー
「ロイ・クノール。お前はもう用無しだ」 解呪の魔法しか使えない初心者冒険者の俺は、呪いの宝箱を解呪した途端にSランクパーティーから追放され、ダンジョンの最深部へと蹴り落とされてしまう。 そこで出会ったのは封印された邪龍。解呪の能力を使って邪龍の封印を解くと、なんとそいつは美少女の姿になり、契約を結んで欲しいと頼んできた。 彼女は元は世界を守護する守護龍で、英雄や女神の陰謀によって邪龍に堕とされ封印されていたという。契約を結んだ俺は彼女を救うため、守護龍を封印し世界を牛耳っている女神や英雄の血を引く王家に立ち向かうことを誓ったのだった。 (1話2500字程度、1章まで完結保証です)

もふもふと始めるゴミ拾いの旅〜何故か最強もふもふ達がお世話されに来ちゃいます〜

双葉 鳴
ファンタジー
「ゴミしか拾えん役立たずなど我が家にはふさわしくない! 勘当だ!」 授かったスキルがゴミ拾いだったがために、実家から勘当されてしまったルーク。 途方に暮れた時、声をかけてくれたのはひと足先に冒険者になって実家に仕送りしていた長兄アスターだった。 ルークはアスターのパーティで世話になりながら自分のスキルに何ができるか少しづつ理解していく。 駆け出し冒険者として少しづつ認められていくルーク。 しかしクエストの帰り、討伐対象のハンターラビットとボアが縄張り争いをしてる場面に遭遇。 毛色の違うハンターラビットに自分を重ねるルークだったが、兄アスターから引き止められてギルドに報告しに行くのだった。 翌朝死体が運び込まれ、素材が剥ぎ取られるハンターラビット。 使われなくなった肉片をかき集めてお墓を作ると、ルークはハンターラビットの魂を拾ってしまい……変身できるようになってしまった! 一方で死んだハンターラビットの帰りを待つもう一匹のハンターラビットの助けを求める声を聞いてしまったルークは、その子を助け出す為兄の言いつけを破って街から抜け出した。 その先で助け出したはいいものの、すっかり懐かれてしまう。 この日よりルークは人間とモンスターの二足の草鞋を履く生活を送ることになった。 次から次に集まるモンスターは最強種ばかり。 悪の研究所から逃げ出してきたツインヘッドベヒーモスや、捕らえられてきたところを逃げ出してきたシルバーフォックス(のちの九尾の狐)、フェニックスやら可愛い猫ちゃんまで。 ルークは新しい仲間を募り、一緒にお世話するブリーダーズのリーダーとしてお世話道を極める旅に出るのだった! <第一部:疫病編> 一章【完結】ゴミ拾いと冒険者生活:5/20〜5/24 二章【完結】ゴミ拾いともふもふ生活:5/25〜5/29 三章【完結】ゴミ拾いともふもふ融合:5/29〜5/31 四章【完結】ゴミ拾いと流行り病:6/1〜6/4 五章【完結】ゴミ拾いともふもふファミリー:6/4〜6/8 六章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(道中):6/8〜6/11 七章【完結】もふもふファミリーと闘技大会(本編):6/12〜6/18

処理中です...