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「じゃあ粘土ブロックを作っていくからさ、焚火の周辺に積み重ねてくれ」
「煉瓦作りですか?」
「そそ」
空き瓶が勿体ない。せっかくスキルがあるので、木工スキルを使って木の桶を作った。
これに水を入れて、土と合わせて錬金。
するとどうだろう!
「桶……残った」
「ニャー。あっしの稼ぎが無くなるニャー」
にゃんごは頭を抱えているが、俺は大助かりだ!
しかも桶一杯の水で土は十個、これで粘土十個出来るんだぜ!
更に成形スキルも一度に複数個作れることが判明。
同じ形の物を何個作ると、数指定する項目が見つかったのだ。
ただサクっとは作れず、指定した個数によって若干時間が掛かったりはする。
その間、俺の体は微動だにしないという。
まぁ百個作るのに三十秒ぐらいだし、我慢我慢。
あとはリリーチェさんに火の番をして貰い、粘土のゲージが溜まったら火を消してもらう。
「だったら私が魔法で燃やすってのはどうですか?」
「魔法で? 出来るのかなぁ。まぁひとつ試してみようか」
「うん!」
粘土ブロックを一枚置き、彼女がそこに魔法をぶち込む。
「時間がいるんですよね? だったらこっちで行こうっと。――"ファイア・ウォール"」
彼女が木の棒を振り下ろすと、置いた粘土ブロックを中心にして火が燃え上がった。
まるで壁のように燃える火は、特に動くことも無く燃え続ける。
「この魔法、本来は敵にダメージを与える火の壁なの。でもダメージを与える相手が居なかったら、三十秒ぐらい燃えっぱなしだから――」
「おっ、ゲージ出てる。燃やせてるよちゃんと!」
「本当だ。こんな使い方できたんだ」
「やった~♪ これで私もお手伝いできるし、上手くすれば魔法のレベルも上がるかも」
火の壁が消えるまでに、燃焼ゲージは約半分に。
焚火で燃やすより時間は短縮できるけど、壁が細長いので一度に燃やせる数が少ない。
結果的には焚火で燃やすのとそう変わらないかもしれない。
じゃあ粘土を作れるだけ作って、あとはリリーチェさんに任せよう。
じゃあこっちは武具店の土台造りだ。
外観なんかはにゃんごの雑貨屋と同じものにした。似た造りのほうがお洒落に見えるからな。
ただ二階建てで床面積も広い。
スキルを使って必要素材を確認したが、圧倒的に足りない。
柱なんかは使いまわしできるので、出来るところまでやっておこう。
「こんなのを作るんだ」
「見せて貰っていいですか?」
俺のスマホで図面を見せていると、ミャーニーがやってきた。
「アイテムやデータは、スマホで受け渡しできますミャ。データであればコピー機能もありミャすので、それを使うと便利ですミャよ」
「お。そんな楽な方法があるのか。どうやるんだ?」
まず渡したい相手のスマホと、自分のスマホをくっつけます。
渡したいデータを相手のスマホに向かってフリックします。
この時画面に【転送】と【コピー】のボタンが出てくる。
転送だと相手側にデータを渡すことになるので、こっちにはそれが残らないことになる。
コピーだと同じものを向こう側に渡すことになる。
ちなみにこれがアイテムの場合、【コピー】の代わりに【取引】というボタンが出るようだ。
それを選択すると別のウィンドウが出て、取引するアイテム欄と、相手が幾ら入金しないと取引を成立させないという「幾ら」を打ち込む枠が出るようだ。
「コピーっと」
「あ、来ました。でもどうやって建てて行くんでしょう?」
「うん。初めてだからちょっとスキルを確認するな」
何々?
建築区画で【作業開始】ボタンを押すと、自動アシスト機能がオンになる。
アイテムボックスから必要な素材が建築区画に移動。
マーカーの付いた木材を取り、同じ色のマーカーが出た場所へと運ぶ。
木材を置く向きなどが可視化指示されるので、その通りに設置すればよい。
尚、材料が足りない場合はそこで作業が【一時中断】される。
へぇ、そんなに簡単なのか。
木材は雑貨屋用のを兼用するから、長い柱なんかが足りないな。
植林してるのを何本か切ってこなきゃな。
作業は複数人でも出来るように、その上で他人が勝手に作れないようなシステムにもなっていた。
お手伝い作業員を登録するところがあるのだ。
登録された人以外は区画に入れない仕様になっているようだ。
「てことで、ティト君を登録します」
「お願いします」
「で、作業手順読んで貰って、先に進めてて貰っていいかな? 長い柱が必要なんだけど、手持ちのは雑貨屋仕様で全部切ってしまってるんだ」
「近くに大きな木がありましたね」
「あれ、俺が植えたんだ」
「そんなことまで出来るんですか! あ、じゃあ僕は土台のほうからやっていきますね」
「頼む」
リリーチェさんにも声を掛け、俺は一旦外に出る。
ワオールを呼んで、伐採中は近くに居て貰うことに。
何度かモンスターに襲われたが、筋力がアップしているお陰でひとりで倒すことも出来る。
ただ複数で来られると、伐採どころじゃなくなるからなぁ。
十本ほど伐採し終えて壁の中へ。
ティト君の近くで、今度は木材に加工する作業だ。
案の定、長い木材が無いのでさっそく作業が一時中断しているようだな。
スキルで指示された木材が完成すると、その瞬間に区画に転送されていく。
「クーさん、ありがとうございます!」
「土台になる部分からして、長さが足りなかったみたいだな」
「はい。床面積が全然違うようで、サイズが合わなかったですね」
うぅん。やっぱり武器防具屋はそれだけで木材を用意すればよかった。
だが土台部分を作ると作業が進みだしたようだ。
建物の高さは床面積に関係ないのでどんどん組み立てられていく。
足りない木材はスマホ画面を見れば一目瞭然なので、俺は足りない寸法の木材をどんどん作っていった。
「これ、楽しいですね。まるで木材がブロックのようで、指示された所に置くと自動でくっつくんですよ」
「へぇ。ちょっと俺もやってみよう」
加工の手を止め建設の方に。
区画に入ると木材にマーカーが浮かび、作りかけの家の方を見ると同じ色のマーカーがあった。
木材を持ってそこに行くと、今度は3Dホログラムの木材映像が浮かぶ。
これと同じように置けってことだな。
映像に重ねるようにして置くと、本当にくっついた!
これ、釘とか金槌はいらないのかよ。
が、それも基礎部分だけのようで、部分的にはやはり釘打ちが必要な部分なんかもあって、そこは俺にしか出来ない作業のようだ。
もしくは大工スキル持ち、なのかな。
朝まで掛かって完成したのは、骨組みと床板なんかを張り合わせた所まで。
二階部分はアパートのような感じで、大きく二つに区切られている。
あとは土壁を塗って、屋根の色を塗って……内装?
「いやぁ、一晩で出来るんですねぇ」
「実際の家も骨組みだけなら一日とかだしな」
「あ! 筋力が3になってる! これで新しい武器が買えるっ」
「でもまだ完成してないから、武器屋のNPC居ないじゃない」
と、ずっと粘土番をしていたリリーチェさんが来て言う。
なんとなく呆れた感じ?
「ゲームなんだから、もっとパパパっと作れないの?」
「うーん。これでも随分と簡単なんだけどねぇ。これ以上簡略化すると、作る楽しみがなくなってしまうよ」
そうなったら俺は止めちゃうだろうな、このゲーム。
「あ、新しい武器なら――これ上げるよ。手伝って貰ったお礼」
そう言ってさっき手に入れたシックルソードをティト君に見せる。
「え!? で、でも」
「俺、武器使わないから」
「誰かに売ったりしないんですか?」
「誰かって、誰?」
双子はシンクロするように辺りを見渡す。そして苦笑い。
「「誰も居ない」」
「そう」
「オークションシステムなんかは?」
「それがどんななのか知らないけど、友達の話だと冒険者ギルドってのがあれば、他所の町の人が出品した物も買えるようになるらしい」
でも冒険者ギルドもそもそもここには無い。
しかも一定のプレイヤーがこの拠点に居なきゃ、建てることも出来ない仕様だ。
「つまり当分は、他所の町の人とも取引できないってことだ」
メッセージを使えば出来るけど。それだってフレンド登録が前提のようだし。
「いろいろ面倒だから、あげるよ」
「う……」
「貰っちゃいなさいよ。そんで、これからもお兄さんのお手伝いすればいいでしょ?」
「うん。とりあえずあの店舗だけでも先に作らなきゃ、第三陣、第四陣とプレイヤーが来てくれないだろうし」
あの怖い女の人も、きっと施設があったらあんなに怒ったりしなかったのだろう。
そしてあの人のように去って行ったプレイヤーは他にも居たようだ。
そうならないよう、早いとこ武具店は作っておきたい。
それに、せっかくここの住人になってくれた二人の為にも、施設は充実させてやらなきゃ。
「お兄ぃが強くなってくれれば、もう少し遠くまで狩りにも行けるし。そしたらドロップアイテムに杖が出てくる可能性だってあるんだよ」
「うん、そうだね。リリーの武器も良い物にしないとね」
「その木の棒?」
リリーチェさんの武器。どう見ても木の棒。
「確かに木の棒って名前だけど、一応杖なんですー」
「ふーん。杖なんだ」
「こんなことなら木工スキルだけでも取っておけば良かったぁ。そしたら自分で作ることもできたし」
「木工スキルなら持ってるけど」
「「え?」」
双子がシンクロする。
大工は大きな家具や住居建設に必要なスキルで、木工は比較的小さな木製品を作るスキル。
と、キャラクター作成時の声に教わった。
椅子とか木製の食器とか、あと模型! その辺りが木工なんじゃないかな。
「木工スキルがあれば、弓や杖が作れるんですよ!」
「杖……お年寄りが使うのかな」
「違います! 魔法の杖です!!」
……。
「えぇぇっ!?」
「煉瓦作りですか?」
「そそ」
空き瓶が勿体ない。せっかくスキルがあるので、木工スキルを使って木の桶を作った。
これに水を入れて、土と合わせて錬金。
するとどうだろう!
「桶……残った」
「ニャー。あっしの稼ぎが無くなるニャー」
にゃんごは頭を抱えているが、俺は大助かりだ!
しかも桶一杯の水で土は十個、これで粘土十個出来るんだぜ!
更に成形スキルも一度に複数個作れることが判明。
同じ形の物を何個作ると、数指定する項目が見つかったのだ。
ただサクっとは作れず、指定した個数によって若干時間が掛かったりはする。
その間、俺の体は微動だにしないという。
まぁ百個作るのに三十秒ぐらいだし、我慢我慢。
あとはリリーチェさんに火の番をして貰い、粘土のゲージが溜まったら火を消してもらう。
「だったら私が魔法で燃やすってのはどうですか?」
「魔法で? 出来るのかなぁ。まぁひとつ試してみようか」
「うん!」
粘土ブロックを一枚置き、彼女がそこに魔法をぶち込む。
「時間がいるんですよね? だったらこっちで行こうっと。――"ファイア・ウォール"」
彼女が木の棒を振り下ろすと、置いた粘土ブロックを中心にして火が燃え上がった。
まるで壁のように燃える火は、特に動くことも無く燃え続ける。
「この魔法、本来は敵にダメージを与える火の壁なの。でもダメージを与える相手が居なかったら、三十秒ぐらい燃えっぱなしだから――」
「おっ、ゲージ出てる。燃やせてるよちゃんと!」
「本当だ。こんな使い方できたんだ」
「やった~♪ これで私もお手伝いできるし、上手くすれば魔法のレベルも上がるかも」
火の壁が消えるまでに、燃焼ゲージは約半分に。
焚火で燃やすより時間は短縮できるけど、壁が細長いので一度に燃やせる数が少ない。
結果的には焚火で燃やすのとそう変わらないかもしれない。
じゃあ粘土を作れるだけ作って、あとはリリーチェさんに任せよう。
じゃあこっちは武具店の土台造りだ。
外観なんかはにゃんごの雑貨屋と同じものにした。似た造りのほうがお洒落に見えるからな。
ただ二階建てで床面積も広い。
スキルを使って必要素材を確認したが、圧倒的に足りない。
柱なんかは使いまわしできるので、出来るところまでやっておこう。
「こんなのを作るんだ」
「見せて貰っていいですか?」
俺のスマホで図面を見せていると、ミャーニーがやってきた。
「アイテムやデータは、スマホで受け渡しできますミャ。データであればコピー機能もありミャすので、それを使うと便利ですミャよ」
「お。そんな楽な方法があるのか。どうやるんだ?」
まず渡したい相手のスマホと、自分のスマホをくっつけます。
渡したいデータを相手のスマホに向かってフリックします。
この時画面に【転送】と【コピー】のボタンが出てくる。
転送だと相手側にデータを渡すことになるので、こっちにはそれが残らないことになる。
コピーだと同じものを向こう側に渡すことになる。
ちなみにこれがアイテムの場合、【コピー】の代わりに【取引】というボタンが出るようだ。
それを選択すると別のウィンドウが出て、取引するアイテム欄と、相手が幾ら入金しないと取引を成立させないという「幾ら」を打ち込む枠が出るようだ。
「コピーっと」
「あ、来ました。でもどうやって建てて行くんでしょう?」
「うん。初めてだからちょっとスキルを確認するな」
何々?
建築区画で【作業開始】ボタンを押すと、自動アシスト機能がオンになる。
アイテムボックスから必要な素材が建築区画に移動。
マーカーの付いた木材を取り、同じ色のマーカーが出た場所へと運ぶ。
木材を置く向きなどが可視化指示されるので、その通りに設置すればよい。
尚、材料が足りない場合はそこで作業が【一時中断】される。
へぇ、そんなに簡単なのか。
木材は雑貨屋用のを兼用するから、長い柱なんかが足りないな。
植林してるのを何本か切ってこなきゃな。
作業は複数人でも出来るように、その上で他人が勝手に作れないようなシステムにもなっていた。
お手伝い作業員を登録するところがあるのだ。
登録された人以外は区画に入れない仕様になっているようだ。
「てことで、ティト君を登録します」
「お願いします」
「で、作業手順読んで貰って、先に進めてて貰っていいかな? 長い柱が必要なんだけど、手持ちのは雑貨屋仕様で全部切ってしまってるんだ」
「近くに大きな木がありましたね」
「あれ、俺が植えたんだ」
「そんなことまで出来るんですか! あ、じゃあ僕は土台のほうからやっていきますね」
「頼む」
リリーチェさんにも声を掛け、俺は一旦外に出る。
ワオールを呼んで、伐採中は近くに居て貰うことに。
何度かモンスターに襲われたが、筋力がアップしているお陰でひとりで倒すことも出来る。
ただ複数で来られると、伐採どころじゃなくなるからなぁ。
十本ほど伐採し終えて壁の中へ。
ティト君の近くで、今度は木材に加工する作業だ。
案の定、長い木材が無いのでさっそく作業が一時中断しているようだな。
スキルで指示された木材が完成すると、その瞬間に区画に転送されていく。
「クーさん、ありがとうございます!」
「土台になる部分からして、長さが足りなかったみたいだな」
「はい。床面積が全然違うようで、サイズが合わなかったですね」
うぅん。やっぱり武器防具屋はそれだけで木材を用意すればよかった。
だが土台部分を作ると作業が進みだしたようだ。
建物の高さは床面積に関係ないのでどんどん組み立てられていく。
足りない木材はスマホ画面を見れば一目瞭然なので、俺は足りない寸法の木材をどんどん作っていった。
「これ、楽しいですね。まるで木材がブロックのようで、指示された所に置くと自動でくっつくんですよ」
「へぇ。ちょっと俺もやってみよう」
加工の手を止め建設の方に。
区画に入ると木材にマーカーが浮かび、作りかけの家の方を見ると同じ色のマーカーがあった。
木材を持ってそこに行くと、今度は3Dホログラムの木材映像が浮かぶ。
これと同じように置けってことだな。
映像に重ねるようにして置くと、本当にくっついた!
これ、釘とか金槌はいらないのかよ。
が、それも基礎部分だけのようで、部分的にはやはり釘打ちが必要な部分なんかもあって、そこは俺にしか出来ない作業のようだ。
もしくは大工スキル持ち、なのかな。
朝まで掛かって完成したのは、骨組みと床板なんかを張り合わせた所まで。
二階部分はアパートのような感じで、大きく二つに区切られている。
あとは土壁を塗って、屋根の色を塗って……内装?
「いやぁ、一晩で出来るんですねぇ」
「実際の家も骨組みだけなら一日とかだしな」
「あ! 筋力が3になってる! これで新しい武器が買えるっ」
「でもまだ完成してないから、武器屋のNPC居ないじゃない」
と、ずっと粘土番をしていたリリーチェさんが来て言う。
なんとなく呆れた感じ?
「ゲームなんだから、もっとパパパっと作れないの?」
「うーん。これでも随分と簡単なんだけどねぇ。これ以上簡略化すると、作る楽しみがなくなってしまうよ」
そうなったら俺は止めちゃうだろうな、このゲーム。
「あ、新しい武器なら――これ上げるよ。手伝って貰ったお礼」
そう言ってさっき手に入れたシックルソードをティト君に見せる。
「え!? で、でも」
「俺、武器使わないから」
「誰かに売ったりしないんですか?」
「誰かって、誰?」
双子はシンクロするように辺りを見渡す。そして苦笑い。
「「誰も居ない」」
「そう」
「オークションシステムなんかは?」
「それがどんななのか知らないけど、友達の話だと冒険者ギルドってのがあれば、他所の町の人が出品した物も買えるようになるらしい」
でも冒険者ギルドもそもそもここには無い。
しかも一定のプレイヤーがこの拠点に居なきゃ、建てることも出来ない仕様だ。
「つまり当分は、他所の町の人とも取引できないってことだ」
メッセージを使えば出来るけど。それだってフレンド登録が前提のようだし。
「いろいろ面倒だから、あげるよ」
「う……」
「貰っちゃいなさいよ。そんで、これからもお兄さんのお手伝いすればいいでしょ?」
「うん。とりあえずあの店舗だけでも先に作らなきゃ、第三陣、第四陣とプレイヤーが来てくれないだろうし」
あの怖い女の人も、きっと施設があったらあんなに怒ったりしなかったのだろう。
そしてあの人のように去って行ったプレイヤーは他にも居たようだ。
そうならないよう、早いとこ武具店は作っておきたい。
それに、せっかくここの住人になってくれた二人の為にも、施設は充実させてやらなきゃ。
「お兄ぃが強くなってくれれば、もう少し遠くまで狩りにも行けるし。そしたらドロップアイテムに杖が出てくる可能性だってあるんだよ」
「うん、そうだね。リリーの武器も良い物にしないとね」
「その木の棒?」
リリーチェさんの武器。どう見ても木の棒。
「確かに木の棒って名前だけど、一応杖なんですー」
「ふーん。杖なんだ」
「こんなことなら木工スキルだけでも取っておけば良かったぁ。そしたら自分で作ることもできたし」
「木工スキルなら持ってるけど」
「「え?」」
双子がシンクロする。
大工は大きな家具や住居建設に必要なスキルで、木工は比較的小さな木製品を作るスキル。
と、キャラクター作成時の声に教わった。
椅子とか木製の食器とか、あと模型! その辺りが木工なんじゃないかな。
「木工スキルがあれば、弓や杖が作れるんですよ!」
「杖……お年寄りが使うのかな」
「違います! 魔法の杖です!!」
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「えぇぇっ!?」
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