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10話 ミアスタとフィリップ その1
しおりを挟む「ミアスタ、大分気分は晴れたのではないか?」
「そうですね、フィリップ様。かなり晴れたと思います」
フィリップ様とデートを重ねること10回目……私はかなり以前の婚約破棄の件を忘れることが出来ていた。完全に忘れられているかと言われると難しいけれど、フィリップ様のおかげで安寧を得られていると思う。
「私達のデート? もそれなりの回数になっているな……」
「左様でございますね」
「ふむ……それでは、そろそろ伺っても良いのだろうか?」
「フィリップ様……?」
ええと、何のことだろうか? と、戸惑ってしまったけれど彼が言いたいことは良く分かっていた。私への告白……その答えについてだ。
「そ、そうですね……私もそろそろ、答えを出したいと思っています……」
「そ、そうか……それでは?」
「というより、今さら聞く必要はないと思いますが……」
10回もデートを繰り返したのだから、私の答えはほぼ決まっているようなものだ。ここまで仲を進展させて、断るわけはないのだから。
「フィリップ様のお供になれるのでしたら……私は喜んでお供させていただきたいと思います」
「ありがとう、ミアスタ。それは私の告白に応えてくれたと信じて良いのかな?」
「はい、もちろんでございます」
恥ずかしかったけれど、私は勇気を出して頷いていた。フィリップ様の伴侶になるというのは、幸せでしかないと思う。
「そうか、ありがとう。本当に嬉しいよミアスタ」
「いえ……フィリップ様。私を幸せにしてくださいね」
「勿論、私に出来ることであれば何でもやらせてもらうよ」
「ありがとうございます、フィリップ様」
フィリップ様と心まで一緒になれた瞬間だった。本当に一緒になれたわけではないけれど、感情的には一緒になれたと言っても過言ではないだろう。
「そう言えば、アウザー殿とメリス嬢についてだが……」
「えっ? アウザー様ですか?」
「どうも、最近の噂を聞く限り、仲が悪くなっているようだな」
ああ、そうなんだ……突然の話にびっくりしたけれど、あの二人が上手く行くと言う未来は想像出来ない。
元々が歪な関係だったのだし、仲が悪くなっても不思議ではないと思えた……。
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