幼馴染に婚約者を奪われましたが、私を愛してくれるお方は別に居ました

マルローネ

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9話 アウザーの綻び

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 アウザー視点……。


「くそ……なぜ、私があんな目に遭わなければならないのだ……!」


 くそっ! 中央公園でミアスタと出くわした時は罵れる良いチャンスだと思ったのに……まさか、フィリップ様と仲良くしているとはな! フィリップ様は私よりも上の身分である為、蔑ろにした発言は難しい。よって、二人に叱責されてしまった……なんということだ。


「アウザー様、この前約束していたブローチのことなんですけど……」

「メリス……? ブローチだと?」


 寝室から現れたのは下着姿のメリスだ。本来ならば感情が刺激される格好ではあるが……今の私はそれどころではなかった。


「ブローチ……何のことだったか……ええと」

「ほら、この前のデートで特注を約束してくれたブローチですよ」


 そう言えばそんなこともあったか……確かオパールのブローチだったな。あれはなかなかの高額商品になる……。

「悪いがメリス……今はそれどころではないのだ」

「それどころではないって……どうしたのですか?」

 メリスはのほほんとした態度を取っていた……その態度は私をイラつかせる。彼女はこの前、フィリップ様に煮え湯を飲まされたことを恥と感じていないのか? 呆れを通り越して笑いさえ込み上げてくるよ……。


「どうしたんですか、アウザー様? 笑っているようですが……」

「情けなくて笑っているのだよ……まったく」

「情けない?」

「メリス……お前のことだ」

「ど、どういう意味ですか……?」


 本当に気付いていないのか? 以前の失態を全く気に留めていないような態度……所詮は伯爵令嬢と言えるのかもしれない。ミアスタの幼馴染だけはあるな……。

「お前はこの前、フィリップ様とミアスタに煮え湯を飲まされたことを忘れているのか? なんなんだ、その態度は……オパールのブローチがどうこう言っていたが……」

「いえ、私だって悔しかったですよ? ただ、どうしようもないじゃないですか……世間的に見れば、私達が悪いことをしているのは明白です。それならば、それに見合った生活をしないと損でしょう?」

「メリス……お前は……本当に馬鹿だな」

「な!? ば、馬鹿……?」


 メリスはとても怒っているようだった。その後は私に色々と文句を言って来たが、全てスルーさせてもらった。どうやら、彼女は私の運命の相手ではなかったようだ……別れることも視野に入れた方がよいかもな。
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