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6話 失態が見えてくる その1
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アルゼイ・サンマルト第一王子殿下……我がサンマルト王国の王位継承権1位に該当している人物で、次期国王候補としては最も有力だと言われている。少なくとも、フリック第三王子殿下よりは、はるかに有望視されている。
ちなみに年齢は23歳だ。かなりお若い。
私はそんなお方とパーティーで相対していた。公爵令嬢とはいえ、こんな機会は早々、あるものではない。緊張感を持って接し、ガーランド公爵家の恥に繋がらないように気を付けないと、と考えていたのだけれど。
実際に会ってみると、アルゼイ様は想像以上に気さくなお方だった。今までもお話しをしたことはあるけれど、もっと厳格なイメージだったような。
「エリザ嬢、色々と話をしたいことは多いのだが……まあ、最初に言っておかねばならないことがある」
「は、はい……アルゼイ様」
「まずは、私と話す時はあまり気を使わなくて大丈夫だ。私としても、エリザ嬢やシリカ嬢に気を使われると悲しいからな」
第一王子殿下は、私達と気さくな関係性を望まれているようだった。前にも言ったけれど、サンマルト王国の王家の権力はかなり強い。それが、アルゼイ様の望みであるならば……従う以外にはなかった。別に嫌なことではないしね。
「アルゼイ様がそのようにおっしゃるのであれば……お言葉に甘えさせていただきます」
「私も従います、アルゼイ様」
普段は五月蠅い時もあるシリカ。この状況ではしおらしく対応していた。
「ありがとう、二人とも。さて、話としては……そちらのマイケルから聞いているかもしれないが、フリックの件だな」
「あ……アルゼイ様。そちらの件に関しては、申し訳ありませんでした」
王族との縁談が破棄になってしまったという罪悪感。私が悪いわけではないのだけれど、無意識の内に謝罪してしまう。
「いや、君が謝ることではない。謝罪をしなければならないのは、むしろ私達の方だ」
「アルゼイ様……お気持ちは嬉しいのですが……」
「今回のパーティー、表向きはフリックとシャーリー嬢との婚約の祝いとなっている。しかし、本当の狙いは別にあるのさ」
「本当の狙いでございますか?」
パーティー出席に関しての別の狙い……? 祝いを目的としていない場合、他に狙うことってあるのかしら?
「エリザお嬢様。アルゼイ王子殿下はお嬢様の仕事振りを、詳しく知っていらっしゃるようでございます」
「えっ……?」
「フリックの奴と婚約していた時の君は目立っていたからな。君がどれほど頑張っていたか……私も一通りは知っているつもりだ」
「そうだったのですか?」
「うむ」
なんだか顔が熱くなってしまう……もしかすると、アルゼイ様にずっと見られていたのかもしれないからだ。でも、不思議と嫌な気分にはならないわね。
「何を見ているの、シリカ?」
「別に~~? 何でもありませんよ~~~~?」
シリカは私の心中を察しているのか、怪しい笑みを私に見せていた。まったくこの子は……屋敷だったら、くすぐりの刑にでも処したい気分ね。
-----------------------------
フリック視点……。
おかしい……何故、このようなことになっている? 確かにシャーリーにはパーティー前の段取りやサポートの仕事については教えたはずだ。
「地味なパーティーって聞いていましたけど、とんでもないですね! この豪華な料理の数々は思い出に残りそうです!」
伯爵令嬢のシャーリーにとっては豪勢なパーティーに映るのかもしれない。確かに、王族も参加するパーティーではあるからな。しかし、彼女は自分の本文を忘れて私へのサポートを完全に忘れている。いや、多少はしているが、エリザと比べると天地の差だった。
「あれが、王子殿下の新しい婚約者ですか……」
「ふむ、美人ではありますが、エリザ様と比べると粗末な印象ですな」
「これでは、今後の王位継承権争いに支障を来すのでは?」
「いえ、それよりも彼はエリザ様を振ったという噂がありますので……どのみち、支障を来すでしょう」
「まあ! そのようなことが……!?」
祝いの言葉を持ってきた貴族達との会話は悉く失敗してしまった。その内の半分の人物の名前を覚えていなかったからだ。シャーリーめ……呑気に食事などしている場合か! まずい、このままでは非常にまずいぞ……!
ちなみに年齢は23歳だ。かなりお若い。
私はそんなお方とパーティーで相対していた。公爵令嬢とはいえ、こんな機会は早々、あるものではない。緊張感を持って接し、ガーランド公爵家の恥に繋がらないように気を付けないと、と考えていたのだけれど。
実際に会ってみると、アルゼイ様は想像以上に気さくなお方だった。今までもお話しをしたことはあるけれど、もっと厳格なイメージだったような。
「エリザ嬢、色々と話をしたいことは多いのだが……まあ、最初に言っておかねばならないことがある」
「は、はい……アルゼイ様」
「まずは、私と話す時はあまり気を使わなくて大丈夫だ。私としても、エリザ嬢やシリカ嬢に気を使われると悲しいからな」
第一王子殿下は、私達と気さくな関係性を望まれているようだった。前にも言ったけれど、サンマルト王国の王家の権力はかなり強い。それが、アルゼイ様の望みであるならば……従う以外にはなかった。別に嫌なことではないしね。
「アルゼイ様がそのようにおっしゃるのであれば……お言葉に甘えさせていただきます」
「私も従います、アルゼイ様」
普段は五月蠅い時もあるシリカ。この状況ではしおらしく対応していた。
「ありがとう、二人とも。さて、話としては……そちらのマイケルから聞いているかもしれないが、フリックの件だな」
「あ……アルゼイ様。そちらの件に関しては、申し訳ありませんでした」
王族との縁談が破棄になってしまったという罪悪感。私が悪いわけではないのだけれど、無意識の内に謝罪してしまう。
「いや、君が謝ることではない。謝罪をしなければならないのは、むしろ私達の方だ」
「アルゼイ様……お気持ちは嬉しいのですが……」
「今回のパーティー、表向きはフリックとシャーリー嬢との婚約の祝いとなっている。しかし、本当の狙いは別にあるのさ」
「本当の狙いでございますか?」
パーティー出席に関しての別の狙い……? 祝いを目的としていない場合、他に狙うことってあるのかしら?
「エリザお嬢様。アルゼイ王子殿下はお嬢様の仕事振りを、詳しく知っていらっしゃるようでございます」
「えっ……?」
「フリックの奴と婚約していた時の君は目立っていたからな。君がどれほど頑張っていたか……私も一通りは知っているつもりだ」
「そうだったのですか?」
「うむ」
なんだか顔が熱くなってしまう……もしかすると、アルゼイ様にずっと見られていたのかもしれないからだ。でも、不思議と嫌な気分にはならないわね。
「何を見ているの、シリカ?」
「別に~~? 何でもありませんよ~~~~?」
シリカは私の心中を察しているのか、怪しい笑みを私に見せていた。まったくこの子は……屋敷だったら、くすぐりの刑にでも処したい気分ね。
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フリック視点……。
おかしい……何故、このようなことになっている? 確かにシャーリーにはパーティー前の段取りやサポートの仕事については教えたはずだ。
「地味なパーティーって聞いていましたけど、とんでもないですね! この豪華な料理の数々は思い出に残りそうです!」
伯爵令嬢のシャーリーにとっては豪勢なパーティーに映るのかもしれない。確かに、王族も参加するパーティーではあるからな。しかし、彼女は自分の本文を忘れて私へのサポートを完全に忘れている。いや、多少はしているが、エリザと比べると天地の差だった。
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「いえ、それよりも彼はエリザ様を振ったという噂がありますので……どのみち、支障を来すでしょう」
「まあ! そのようなことが……!?」
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