有能婚約者を捨てた王子は、幼馴染との真実の愛に目覚めたらしい

マルローネ

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22話 舞踏会の後で その2

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 舞踏会が終了し、ファブナー・エッセル公爵を見送った後で出て来た、、アルゼイ様の意味深な発言……私は真っ先に彼に向き直っていた。

「アルゼイ様、失礼ながらどういう意味でございましょうか?」

「言葉通りの意味ということさ。エラルド王国とは、まだまだ友好国というレベルには達していないということだ。それぞれの国家で取引をしている主要品の交易過程でも、トラブルが多発しているからな」

「なるほど、確かにそれはそうでしたね」


 貿易関係でのトラブルは確かに、エラルド王国と多いとは聞いている。それは主に、エラルド王国でしか取れない海産物が原因と言われているけれど。海に面している地域の多いエラルド王国は海産物が良く獲れており、周辺国家との貿易もそれを重視する傾向にある。

 実際の取引価格で辺境伯と揉めることが多いのだとかなんとか……エラルド王国としては、自国でしか取れない物だし、出来るだけ高く売りたい。でも、サンマルト王国としては出来るだけ安く仕入れたいという考えがあるからね。

 その辺りの駆け引きについても勉強はしているけれど、正直言って頭が痛くなってくる。まあ、現状は私の管轄するところではないのだけれど。

「簡単に言えば、隣国との関係性にも目を向けていかないと駄目ってことですよね?」

「そういうことだ。シリカ嬢、君が王国の架け橋になっているというのは、そういった両国間の貿易を円滑に進められるようにとの希望も込められている」

「うわ~~~、責任重大なんですねっ」


 シリカは大袈裟なリアクションをしているけれど、特に内心では焦っている様子はない。私達は公爵令嬢という立場であり、嫁いだ場合には期待を寄せられるのは確実な家系と言える。シリカもそういうところは、しっかりと分かっているのだろう。

 むしろ、変に難しく考えてしまう私の性格よりも陽気に考えられる彼女の方が向いているのかもしれない。ファブナー様も陽気な方言を使うお方だしね。


「しかし、アルゼイ王子殿下。この後は、サンマルト王国は厳しい状況に持っていかれるのかもしれませんね」

「そうだな。執事長のマイケルと言ったか? 其方の言う通りだ、王位継承争いと隣国との関係……二つの大きな山を越える必要があるからな。隣国との関係性を良好なものに保つ為には、誰が次期国王になるのかは非常に重要になるだろう」


 シリカのおかげで、ファブナー・エッセル公爵との仲が良好になったとしても、エラルド王国全体との関係性の維持の為には次期国王が誰になるかは非常に重要……か。確かにそうかもしれない。

 私のサポート能力は今後に活かしていく必要がありそうね。フリック様やキングダム侯爵といった身内を押さえ付ける必要が出て来るかもしれないのだし……ふう、目先だけでも課題が山積みというわけね。
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