有能婚約者を捨てた王子は、幼馴染との真実の愛に目覚めたらしい

マルローネ

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35話 国の発展 その2

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「アルゼイ様」

「どうかしたのか、エリザ?」


 シャーリー嬢が出て行った後、私たちは会話を続けていた。私がアルゼイ様に問いかけている感じだ。

「この国……サンマルト王国の発展に重要なことは何でしょうか?」

「エリザ、そうだな……」


 シャーリー嬢の協力により、キングダム侯爵やフリック第三王子殿下といった重要人物が捕まることになった。それは、多かれ少なかれ周辺国家にも伝わるだろう。今の時点でアルゼイ様の考えを聞いておきたかったからだ。

「対外的に見れば、シリカ嬢の存在は大きいだろうな。隣国のファブナー・エッセル公爵と結婚すれば、それだけで強力な関係性を築ける。キングダム侯爵のような輩が出て来ることも防げるだろう」

「そうですね……シリカにも改めて伝えておきます。合わせて、私もアルゼイ様が国王陛下になりやすい環境整備に尽力して参りたいと思います」

「ふむ……」


 あれ? アルゼイ様の反応は薄かった。乗り気ではないのかな?


「私は全力でサポートをしてくれる君を誇りに思う。しかし、愛する者の立場で言わせてもうと……もっと、貴族生活を楽しんでもらいたい」

「貴族生活を楽しむ、ですか……?」

「言い方が悪かったかな。要は使命感に囚われることなく、肩の力を抜いて、物事に取り組んで欲しいということだよ。そういう意味では、妹のシリカ嬢が参考になるんじゃないか?」

「な、なるほど……確かに、そうかもしれませんね」


 言われてみると、確かにシリカは参考に出来る。あの子は国の架け橋と前から言われているのに、全然、そのしがらみに囚われている雰囲気じゃないから。ただ、全力で楽しみながら前に進んでいる。それだけだ。


「エリザ、君のサポート能力にはとても期待している。しかし、そのことで君が責任を感じて欲しくはないんだ。難しいかもしれないが、それが私の願いでもある」

「アルゼイ様の願い……」

「ああ、夫婦というのは本来、お互いをサポートし合うものだろう? フリックのような偏った考えの持ち主がいないわけではないが、あれは特別だ」

 お互いのサポート……私は目から鱗が落ちる思いで、アルゼイ様の言葉を噛みしめていた。普通に考えれば当たり前のことなのだけれど、フリック様と婚約して、私も偏った見方をしていたのかもしれない。

「だからその、無理はしないようにな? 君はまだまだ若いんだ」

「畏まりました、アルゼイ様。お気遣いありがとうございます。今一度、自分のことを良く振り返ってみたいと思います」

「ああ、よろしく頼む」


 もう一度、自分を良く振り返る……か。それは今までの否定では決してない。しかし、今後、私がアルゼイ様と一緒に居る為には必須事項の気がしていた。そのことをちゃんと教えてくれたアルゼイ様には感謝しなくちゃ。
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