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11話 身勝手な頼み事 その1
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「ええと……申し訳ありません、ラグディ様。もう一度、おっしゃっていただけますでしょうか?」
私はラグディ・コーブル公爵の言った言葉の意味が理解出来なかった。だからもう一度、繰り返すようにお願いしたのだ。
「聞こえなかったのか? エメリ嬢の聖女としての能力を、コーブル公爵家の為に使って欲しいと言ったのだ」
「私の能力を、コーブル家の為に……?」
「うむ、そういうことだ。簡単な話であろう?」
「……」
私は次の言葉が出ない状態になってしまっていた。確かに単純な頼み事かもしれないけれど、その頼み事は……。
「念のためにお伺い致しますが、私とルドルフ様の関係が無くなったこと事実を加味しての発言と捉えて良いのですか?」
「もちろんだ。今回の件は婚約破棄の件とは関係ないので、心配しないくれ」
「いえ、心配しないでくれとおっしゃられても……」
こっちとしては納得のいかない頼み事だ。ラグディ様に直接言われたわけではないけれど、ルドルフ様には、私の能力はもう必要ないとまで言われたのだから。それに、慰謝料等の問題が解決していない……そんな状況で、聖女の能力を貸して欲しいと言ってくるなんて……この方々の面の厚さは何枚くらいなんだろうか?
「ラグディ様……順序が違うように思われます。婚約破棄からある程度、時間が経っているとはいえ、私達はまだ慰謝料を受け取っていないのですが? 私は踏み倒すのではないかと心配していますよ」
「これは失礼した、サドレイ殿。慰謝料については後日、しっかりと払うので許して欲しい。そんなことよりも、まずはエメリ嬢の聖女の能力について、話を進めて行きたいのだ」
私への婚約破棄の件は「そんなことより」で済まされてしまった。後日、慰謝料を支払うから許して欲しいとか、そういう問題ではない。お父様も怒っているようだ。
「そういう問題? あなた方は娘を一体、なんだと思っているのですか?」
「私の方からもお願い致しますよ、サドレイ殿」
「ルドルフ殿……?」
「金鉱山や鉄道建設の作業効率が、思ったほど伸びなくてですね……人員の配置換えなどをしても、あまり効果的とは言えないのですよ。是非、エメリの能力を使わせていただければ、と」
完全にお父様の言葉を無視するように、ルドルフ様は言った。もう、自分の願望を成就させることしか頭にないのかもしれない。婚約破棄の件は、コーブル公爵家からすれば過去の事案の1つでしかないのでしょうね……。
あり得ないわ……この状況で、どういう頭をしていたら承諾されると楽観視出来るのかしら?
当然、私の出す答えは「引き受けるわけがない」だった。
私はラグディ・コーブル公爵の言った言葉の意味が理解出来なかった。だからもう一度、繰り返すようにお願いしたのだ。
「聞こえなかったのか? エメリ嬢の聖女としての能力を、コーブル公爵家の為に使って欲しいと言ったのだ」
「私の能力を、コーブル家の為に……?」
「うむ、そういうことだ。簡単な話であろう?」
「……」
私は次の言葉が出ない状態になってしまっていた。確かに単純な頼み事かもしれないけれど、その頼み事は……。
「念のためにお伺い致しますが、私とルドルフ様の関係が無くなったこと事実を加味しての発言と捉えて良いのですか?」
「もちろんだ。今回の件は婚約破棄の件とは関係ないので、心配しないくれ」
「いえ、心配しないでくれとおっしゃられても……」
こっちとしては納得のいかない頼み事だ。ラグディ様に直接言われたわけではないけれど、ルドルフ様には、私の能力はもう必要ないとまで言われたのだから。それに、慰謝料等の問題が解決していない……そんな状況で、聖女の能力を貸して欲しいと言ってくるなんて……この方々の面の厚さは何枚くらいなんだろうか?
「ラグディ様……順序が違うように思われます。婚約破棄からある程度、時間が経っているとはいえ、私達はまだ慰謝料を受け取っていないのですが? 私は踏み倒すのではないかと心配していますよ」
「これは失礼した、サドレイ殿。慰謝料については後日、しっかりと払うので許して欲しい。そんなことよりも、まずはエメリ嬢の聖女の能力について、話を進めて行きたいのだ」
私への婚約破棄の件は「そんなことより」で済まされてしまった。後日、慰謝料を支払うから許して欲しいとか、そういう問題ではない。お父様も怒っているようだ。
「そういう問題? あなた方は娘を一体、なんだと思っているのですか?」
「私の方からもお願い致しますよ、サドレイ殿」
「ルドルフ殿……?」
「金鉱山や鉄道建設の作業効率が、思ったほど伸びなくてですね……人員の配置換えなどをしても、あまり効果的とは言えないのですよ。是非、エメリの能力を使わせていただければ、と」
完全にお父様の言葉を無視するように、ルドルフ様は言った。もう、自分の願望を成就させることしか頭にないのかもしれない。婚約破棄の件は、コーブル公爵家からすれば過去の事案の1つでしかないのでしょうね……。
あり得ないわ……この状況で、どういう頭をしていたら承諾されると楽観視出来るのかしら?
当然、私の出す答えは「引き受けるわけがない」だった。
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