婚約破棄したくせに、聖女の能力だけは貸して欲しいとか……馬鹿ですか?

マルローネ

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25話 3人での会話 その1

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「はあ……疲れた……」


 私はその日の聖女としての仕事を終えた。祈りの時間の合計は、今日は数時間にもなり、削られる精神力も半端ではなかった。リシア様が居てくれたから気が紛れたし、フラック様が様子を見に来てくれたのは嬉しかったけど。


「お疲れ様、エメリ嬢。今日も君のおかげで宮殿内の仕事効率は、かなり上がっていたようだ」

「ありがとうございます、フラック様。私は給料に見合うだけの仕事をしないといけませんので……このくらいのことは」


 私は実際に身体を動かして働くわけではない。周りから見れば楽に見えてしまうだろう。私はフラック王子殿下に勧誘されて働かせてもらっている。新しく見る人が私の働きぶりを見て、サボっていると思わないように振舞う必要があった。実際、そんな人が居るのかは分からないけれど、フラック様の名誉を傷付けたくはなかったのだ。

 だから、仕事中は出来るだけ立ちながらしっかりと祈るようにしている。普段から筋トレとかもしておいた方が良いかもしれないわね……立ち仕事っていうだけで何気に疲れるし。

「リシア様は帰られたのでしょうか?」

「いや、本日は仕事が特にないようだからな。別室での待機しているぞ。今頃は書物でも漁っているかもな」

「ええ、そんな許可を出したのですか?」


 宮殿内の図書室かどこかだろうけれど、王家が用もなくリシア様を待機させるとは思えない。今日はまあ、私と話に来てくれたという理由でギリギリ成り立つだろうけど。

「休憩時間にリシア様と話はしましたけど、その後は帰ったのかと思っていました」

「本来なら、帰ってもらう予定だったのだがな……少しだけ、気になることがある。リシア嬢と話す必要が出て来た」

「それは……私も交えてということでしょうか?」

「そういうことになる。疲れているところ申し訳ないが、もう少しだけ付き合って貰えないか?」

「畏まりました、フラック様。私も気になりますので……」


 話の内容については聞かなくても分かる。ラグディ様が正門でトラブルを起こした件で間違いないはずだ。フラック王子殿下もその時の状況を兵士から聞いているはずだし。私も同席したい内容に間違いなかった……。
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