11 / 14
11話 見苦しい言い訳 その2
しおりを挟む「お、お待ちください! ケルビン王子殿下! これはその……!」
「なんだ一体? ん?」
ケルビン様は溜息を吐いていた。それはそうだろう、ディノス様の叫び声は明らかに言い訳をしようとしているから。
「リディア! お前は私を嵌めようとしていたのだな!?」
「はあ? どういう意味ですか?」
逆切れ戦法だろうか……私に怒りの矛先を向けて来た。この期に及んで何を考えているのだろう。
「都合よくケルビン王子殿下が来たのがおかしいと思っていたのだ! 私に失言をさせて、それを王子殿下に聞かせる算段だったのだろう!?」
「まあ! なんて浅ましい計画なのかしら……信じられないわ!」
ディノス様とメリナ様……この二人の考えていることは最早、よく分からなかった。ケルビン様が私の元を離れたのは完全に偶然だし、その間にこの二人が来たのも偶然だ。
それをこの二人は計画的だと言っている……うん、計画的だからとして何が変わるのだろうか?
「ケルビン様が離れて戻って来たのは本当に偶然です。まあ、それを言っても信じて貰えないでしょうけれど」
「当たり前だ! そんな偶然があってたまるか!」
「本当ですわ! そんな偶然があってたまるものですか!」
だから計画的だとしても、それが何だと言うのだろうか? なんの理屈にもなっていない。ディノス様が理不尽に婚約破棄をして、私の悪い噂を流したのは事実なんだし、それが変わるわけないのだけれど……。
もう二人は焦り過ぎて、適当なことを言って誤魔化そうとしているようにしか見えなかった。まあ、そんなことで誤魔化せるわけはないのだけれどね。
「いい加減にしろ、二人とも」
「け、ケルビン王子殿下。しかし……王子殿下も今回の件に肩入れしていたのですよね?」
「肩入れ? 何のことだ?」
わあ……本当にディノス様はバカだ。よりにもよって、ケルビン様に歯向かおうとするなんて。
「私とリディアが対面したことに関してですよ。その間、王子殿下が離れていたという風に解釈するのは、あまりに都合が良過ぎるというか……」
都合が良いも何も本当のことなのだから仕方ない。こればかりは揺るがない事実だ。この二人に言っても信用はしないだろうけれど。
「どうでも良い……」
「えっ? 今、なんとおっしゃいましたか……?」
ケルビン様はうんざりしたという顔になっていた。その気持ちは凄く分かる気がするわ。
「どうでも良いと言ったのだ……私達のことなどどうでも良いのだ。お前達の罪が軽くなることには繋がらないのだからな。それに、悪あがきをした分もプラスさせて貰おうか」
「そ、そんな……!」
「衛兵! この二人を捕らえよ!」
「はっ、畏まりました!!」
ケルビン様の号令で、ディノス様とメリナ様はあっさりと捕縛されてしまった。ケルビン様は最早、二人の言い訳など聞く気もないようだ。それが正解ね……。
114
あなたにおすすめの小説
「婚約破棄してやった!」と元婚約者が友人に自慢していましたが、最愛の人と結婚するので、今さら婚約破棄を解消してほしいなんてもう遅い
時雨
恋愛
とある伯爵家の長女、シーア・ルフェーブルは、元婚約者のリュカが「シーア嬢を婚約破棄にしてやった!」と友人に自慢げに話しているのを聞いてしまう。しかし、実際のところ、我儘だし気に入らないことがあればすぐに手が出る婚約者にシーアが愛想を尽かして、婚約破棄をするよう仕向けたのだった。
その後リュカは自分の我儘さと傲慢さに首を締められ、婚約破棄を解消して欲しいと迫ってきたが、シーアは本当に自分を愛してくれる人を見つけ、結婚していた。
だから今更もう一度婚約して欲しいなんて、もう遅いのですっ!
【完結】婚約破棄中に思い出した三人~恐らく私のお父様が最強~
かのん
恋愛
どこにでもある婚約破棄。
だが、その中心にいる王子、その婚約者、そして男爵令嬢の三人は婚約破棄の瞬間に雷に打たれたかのように思い出す。
だめだ。
このまま婚約破棄したらこの国が亡びる。
これは、婚約破棄直後に、白昼夢によって未来を見てしまった三人の婚約破棄騒動物語。
[完結]婚約破棄ですか? 困りましたね。え、別の方と婚約? どなたですか?
h.h
恋愛
未来の妃となるべく必死で努力してきたアリーシャ。
そんなアリーシャに婚約破棄が言い渡される。アリーシャが思ったのは、手にした知識をこれからどう活かしていけばいいのかということだった。困ったアリーシャに、国王はある提案をする。
穏便に婚約解消する予定がざまぁすることになりました
よーこ
恋愛
ずっと好きだった婚約者が、他の人に恋していることに気付いたから、悲しくて辛いけれども婚約解消をすることを決意し、その提案を婚約者に伝えた。
そうしたら、婚約解消するつもりはないって言うんです。
わたくしとは政略結婚をして、恋する人は愛人にして囲うとか、悪びれることなく言うんです。
ちょっと酷くありません?
当然、ざまぁすることになりますわね!
初めから離婚ありきの結婚ですよ
ひとみん
恋愛
シュルファ国の王女でもあった、私ベアトリス・シュルファが、ほぼ脅迫同然でアルンゼン国王に嫁いできたのが、半年前。
嫁いできたは良いが、宰相を筆頭に嫌がらせされるものの、やられっぱなしではないのが、私。
ようやく入手した離縁届を手に、反撃を開始するわよ!
ご都合主義のザル設定ですが、どうぞ寛大なお心でお読み下さいマセ。
【完結】次期聖女として育てられてきましたが、異父妹の出現で全てが終わりました。史上最高の聖女を追放した代償は高くつきます!
林 真帆
恋愛
マリアは聖女の血を受け継ぐ家系に生まれ、次期聖女として大切に育てられてきた。
マリア自身も、自分が聖女になり、全てを国と民に捧げるものと信じて疑わなかった。
そんなマリアの前に、異父妹のカタリナが突然現れる。
そして、カタリナが現れたことで、マリアの生活は一変する。
どうやら現聖女である母親のエリザベートが、マリアを追い出し、カタリナを次期聖女にしようと企んでいるようで……。
2022.6.22 第一章完結しました。
2022.7.5 第二章完結しました。
第一章は、主人公が理不尽な目に遭い、追放されるまでのお話です。
第二章は、主人公が国を追放された後の生活。まだまだ不幸は続きます。
第三章から徐々に主人公が報われる展開となる予定です。
婚約破棄された令嬢が呆然としてる間に、周囲の人達が王子を論破してくれました
マーサ
恋愛
国王在位15年を祝うパーティの場で、第1王子であるアルベールから婚約破棄を宣告された侯爵令嬢オルタンス。
真意を問いただそうとした瞬間、隣国の王太子や第2王子、学友たちまでアルベールに反論し始め、オルタンスが一言も話さないまま事態は収束に向かっていく…。
【本編完結】真実の愛を見つけた? では、婚約を破棄させていただきます
ハリネズミ
恋愛
「王妃は国の母です。私情に流されず、民を導かねばなりません」
「決して感情を表に出してはいけません。常に冷静で、威厳を保つのです」
シャーロット公爵家の令嬢カトリーヌは、 王太子アイクの婚約者として、幼少期から厳しい王妃教育を受けてきた。
全ては幸せな未来と、民の為―――そう自分に言い聞かせて、縛られた生活にも耐えてきた。
しかし、ある夜、アイクの突然の要求で全てが崩壊する。彼は、平民出身のメイドマーサであるを正妃にしたいと言い放った。王太子の身勝手な要求にカトリーヌは絶句する。
アイクも、マーサも、カトリーヌですらまだ知らない。この婚約の破談が、後に国を揺るがすことも、王太子がこれからどんな悲惨な運命なを辿るのかも―――
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる