元婚約者がマウント取ってきますが、私は王子殿下と婚約しています

マルローネ

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11話 見苦しい言い訳 その2

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「お、お待ちください! ケルビン王子殿下! これはその……!」

「なんだ一体? ん?」


 ケルビン様は溜息を吐いていた。それはそうだろう、ディノス様の叫び声は明らかに言い訳をしようとしているから。


「リディア! お前は私を嵌めようとしていたのだな!?」

「はあ? どういう意味ですか?」


 逆切れ戦法だろうか……私に怒りの矛先を向けて来た。この期に及んで何を考えているのだろう。


「都合よくケルビン王子殿下が来たのがおかしいと思っていたのだ! 私に失言をさせて、それを王子殿下に聞かせる算段だったのだろう!?」

「まあ! なんて浅ましい計画なのかしら……信じられないわ!」


 ディノス様とメリナ様……この二人の考えていることは最早、よく分からなかった。ケルビン様が私の元を離れたのは完全に偶然だし、その間にこの二人が来たのも偶然だ。

 それをこの二人は計画的だと言っている……うん、計画的だからとして何が変わるのだろうか?


「ケルビン様が離れて戻って来たのは本当に偶然です。まあ、それを言っても信じて貰えないでしょうけれど」

「当たり前だ! そんな偶然があってたまるか!」

「本当ですわ! そんな偶然があってたまるものですか!」


 だから計画的だとしても、それが何だと言うのだろうか? なんの理屈にもなっていない。ディノス様が理不尽に婚約破棄をして、私の悪い噂を流したのは事実なんだし、それが変わるわけないのだけれど……。

 もう二人は焦り過ぎて、適当なことを言って誤魔化そうとしているようにしか見えなかった。まあ、そんなことで誤魔化せるわけはないのだけれどね。


「いい加減にしろ、二人とも」

「け、ケルビン王子殿下。しかし……王子殿下も今回の件に肩入れしていたのですよね?」

「肩入れ? 何のことだ?」


 わあ……本当にディノス様はバカだ。よりにもよって、ケルビン様に歯向かおうとするなんて。

「私とリディアが対面したことに関してですよ。その間、王子殿下が離れていたという風に解釈するのは、あまりに都合が良過ぎるというか……」

 都合が良いも何も本当のことなのだから仕方ない。こればかりは揺るがない事実だ。この二人に言っても信用はしないだろうけれど。

「どうでも良い……」

「えっ? 今、なんとおっしゃいましたか……?」

 ケルビン様はうんざりしたという顔になっていた。その気持ちは凄く分かる気がするわ。

「どうでも良いと言ったのだ……私達のことなどどうでも良いのだ。お前達の罪が軽くなることには繋がらないのだからな。それに、悪あがきをした分もプラスさせて貰おうか」

「そ、そんな……!」

「衛兵! この二人を捕らえよ!」

「はっ、畏まりました!!」


 ケルビン様の号令で、ディノス様とメリナ様はあっさりと捕縛されてしまった。ケルビン様は最早、二人の言い訳など聞く気もないようだ。それが正解ね……。
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