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10話 見苦しい言い訳 その1
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「どういうことだ、ディノス殿。何をそんなに焦っているのだ?」
「け、ケルビン王子殿下……違うのです。何かの間違いなのですよ!」
ディノス様は汗だくになってケルビン様に弁明しようとしていた。隣に立っているメリナ様も同じだ。ケルビン様からすればもう既に分かっていることだけれど、必死で取り繕う二人がなんだかおかしかった。
「ディノス様は私と婚約破棄をしただけでなく、悪い噂を……」
「そ、そうです! 何者かがリディアの悪い噂を流したのです! 私とリディアの婚約が解消なった事実はありますが、悪い噂については本当に困っていたところで!」
「!」
私はディノス様の言葉に驚きを隠せなかった。この人、王子殿下の前でとんでもないことを言ったわ。
「め、メリナそうだろう!? それについて、リディアと話をしていたのだよな!?」
「え? え、ええ……そ、その通りですわ……!」
その場しのぎの嘘にしても、物凄くお粗末に感じてしまう……大丈夫なのだろうか? この二人は……。やっぱりディノス様も相当に頭が弱いわね。
ディノス様は私に振り返りながら、目をパチパチとさせている。あれは何の合図? 自分に合わせてくれとでも言っているのかしら? 後で慰謝料の増加などの見返りをするから、みたいな感じかな?
信じられないわね……そんなことで買収出来ると考えているのかしら? いえ、仮に買収されたりしたらケルビン様に逆らったことになってしまうので、余計にマズイことになりかねない。どのみち、私の選択肢は1つしかなかった。
「にわかに信じられないが……本当なのか、リディア? この二人の言っていることは」
既に消化試合だけれど、ケルビン様は完璧に追い込むつもりなのかもしれない。婚約破棄もなぜか婚約解消に変更されているし、悪い噂が出たタイミングが曖昧になっているし。完全にケルビン様をこの場から遠ざける為だけに口から出ている。
そんなことは周囲の貴族にもバレバレではないかしら……はあ。これが私の元婚約者か……。
「まったく違います、ケルビン様。ディノス様はメリナ様と一緒になるという理由で私に対して、婚約破棄を行いました。さらに、表向きの理由として不祥事などという噂を流したのです」
「うむ……先ほど、君から聞いた通りだな」
「なな……! 既に聞かれていたのですか……!?」
「ああ、当然だ。すこし泳がしてみたらどうなるかと思ったが……想像以上だったぞ。まあ、貴族の膿をを取り除くという意味ではちょうど良いのかもしれんな。完全に不敬罪にも当たる行為だ、ディノス・カンブリア」
「ふ、不敬罪……」
ディノス様の顔は蒼白になっていたけれど、状況も完璧にチェックメイトだった……。普通にディノス様の自爆ではあるけれど。私のところに来なくても裁かれていたでしょうけどね。私とケルビン様が幼馴染の時点で終わりだったのね。
「け、ケルビン王子殿下……違うのです。何かの間違いなのですよ!」
ディノス様は汗だくになってケルビン様に弁明しようとしていた。隣に立っているメリナ様も同じだ。ケルビン様からすればもう既に分かっていることだけれど、必死で取り繕う二人がなんだかおかしかった。
「ディノス様は私と婚約破棄をしただけでなく、悪い噂を……」
「そ、そうです! 何者かがリディアの悪い噂を流したのです! 私とリディアの婚約が解消なった事実はありますが、悪い噂については本当に困っていたところで!」
「!」
私はディノス様の言葉に驚きを隠せなかった。この人、王子殿下の前でとんでもないことを言ったわ。
「め、メリナそうだろう!? それについて、リディアと話をしていたのだよな!?」
「え? え、ええ……そ、その通りですわ……!」
その場しのぎの嘘にしても、物凄くお粗末に感じてしまう……大丈夫なのだろうか? この二人は……。やっぱりディノス様も相当に頭が弱いわね。
ディノス様は私に振り返りながら、目をパチパチとさせている。あれは何の合図? 自分に合わせてくれとでも言っているのかしら? 後で慰謝料の増加などの見返りをするから、みたいな感じかな?
信じられないわね……そんなことで買収出来ると考えているのかしら? いえ、仮に買収されたりしたらケルビン様に逆らったことになってしまうので、余計にマズイことになりかねない。どのみち、私の選択肢は1つしかなかった。
「にわかに信じられないが……本当なのか、リディア? この二人の言っていることは」
既に消化試合だけれど、ケルビン様は完璧に追い込むつもりなのかもしれない。婚約破棄もなぜか婚約解消に変更されているし、悪い噂が出たタイミングが曖昧になっているし。完全にケルビン様をこの場から遠ざける為だけに口から出ている。
そんなことは周囲の貴族にもバレバレではないかしら……はあ。これが私の元婚約者か……。
「まったく違います、ケルビン様。ディノス様はメリナ様と一緒になるという理由で私に対して、婚約破棄を行いました。さらに、表向きの理由として不祥事などという噂を流したのです」
「うむ……先ほど、君から聞いた通りだな」
「なな……! 既に聞かれていたのですか……!?」
「ああ、当然だ。すこし泳がしてみたらどうなるかと思ったが……想像以上だったぞ。まあ、貴族の膿をを取り除くという意味ではちょうど良いのかもしれんな。完全に不敬罪にも当たる行為だ、ディノス・カンブリア」
「ふ、不敬罪……」
ディノス様の顔は蒼白になっていたけれど、状況も完璧にチェックメイトだった……。普通にディノス様の自爆ではあるけれど。私のところに来なくても裁かれていたでしょうけどね。私とケルビン様が幼馴染の時点で終わりだったのね。
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