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「最低ですね、ビスタ様。この期に及んで私のせいにするなんて……失望しました」
「な、なんだと!? この第6王子に向かってなんて口の利き方だ!」
もう何度も失望はしているけれど、今回のは我慢ならない。周りの護衛達も味方ではなくなってるし、マリアは味方になってくれてるし、ここは攻勢に出ても大丈夫そうね。よし、一気に言ってしまおう。
「この状況を見て私に罪を着せるなんてできないでしょう? もう完全に計画はバレているし、ビスタ王子が悪いのは当然でしょう。誰から見ても明らかです。ウィンドル様に伝えなくてもこれは隠しようがありませんよ」
「ぬ、ぬう……! それは……!」
「それは当然ね、ビスタ。今さらテレーズに罪を着せようなんて無駄なことよ。お父様にも言うし、今回の件について然るべき罰を受けなさい」
「ま、マリア……! そんなことしたら、君だって罪に問われるんだぞ? それでもいいのか?」
「仕方ないでしょう、そんなことは。私にも非があるのだし。あなたを止められなかったというね。合わせて罪を償うわ」
「そ、そんな……マリア!」
マリアと違ってビスタはどこまでも情けなかった。その後も彼女に考え直すように言っていたから。それにしても……彼の計画を聞いた時、止めなかったのは事実だったのでしょうけど、相手は第6王子殿下だしそんなに言い返せなかったはずだわ。それでも罪を償うなんて。私を助けてくれたのはマリアだし、本当はとても良い人よね。近くにビスタみたいな人がいたのが不幸なだけで。
「マリア様。マリア様は別に罪を償う必要はないのではないでしょうか? 私を助けてくれたのですから」
「そう言ってくれるのはありがたいけれど、そうもいかないわ。どのみち、父にこの計画のことが知られたら私にも罰が下るだろうからね」
ウィンドル様というお方はそこまで娘に対して厳しいのだろうか。流石は侯爵様といったところかしら。
「い、嫌だ! 私は嫌だ! やめてくれ~~~!」
「王子、もう諦めましょうよ。無理ですってこれ以上は……」
泣きじゃくっているビスタがどこか面白かったけれど、周りの護衛の兵士達も呆れているようだった。彼らも含めて罰が下るのかしら。覚悟が出来ている分、第6王子様よりはよっぽどマシだわ。この中で一番情けない人が一番位が高いなんて……この国の未来が心配になる一幕でもあった。
「な、なんだと!? この第6王子に向かってなんて口の利き方だ!」
もう何度も失望はしているけれど、今回のは我慢ならない。周りの護衛達も味方ではなくなってるし、マリアは味方になってくれてるし、ここは攻勢に出ても大丈夫そうね。よし、一気に言ってしまおう。
「この状況を見て私に罪を着せるなんてできないでしょう? もう完全に計画はバレているし、ビスタ王子が悪いのは当然でしょう。誰から見ても明らかです。ウィンドル様に伝えなくてもこれは隠しようがありませんよ」
「ぬ、ぬう……! それは……!」
「それは当然ね、ビスタ。今さらテレーズに罪を着せようなんて無駄なことよ。お父様にも言うし、今回の件について然るべき罰を受けなさい」
「ま、マリア……! そんなことしたら、君だって罪に問われるんだぞ? それでもいいのか?」
「仕方ないでしょう、そんなことは。私にも非があるのだし。あなたを止められなかったというね。合わせて罪を償うわ」
「そ、そんな……マリア!」
マリアと違ってビスタはどこまでも情けなかった。その後も彼女に考え直すように言っていたから。それにしても……彼の計画を聞いた時、止めなかったのは事実だったのでしょうけど、相手は第6王子殿下だしそんなに言い返せなかったはずだわ。それでも罪を償うなんて。私を助けてくれたのはマリアだし、本当はとても良い人よね。近くにビスタみたいな人がいたのが不幸なだけで。
「マリア様。マリア様は別に罪を償う必要はないのではないでしょうか? 私を助けてくれたのですから」
「そう言ってくれるのはありがたいけれど、そうもいかないわ。どのみち、父にこの計画のことが知られたら私にも罰が下るだろうからね」
ウィンドル様というお方はそこまで娘に対して厳しいのだろうか。流石は侯爵様といったところかしら。
「い、嫌だ! 私は嫌だ! やめてくれ~~~!」
「王子、もう諦めましょうよ。無理ですってこれ以上は……」
泣きじゃくっているビスタがどこか面白かったけれど、周りの護衛の兵士達も呆れているようだった。彼らも含めて罰が下るのかしら。覚悟が出来ている分、第6王子様よりはよっぽどマシだわ。この中で一番情けない人が一番位が高いなんて……この国の未来が心配になる一幕でもあった。
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