異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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屋敷の前の霊!

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「このお屋敷ですかぁ?」
 モリアンは空飛ぶ杖から降りると屋敷を見上げる。

「うん、コレだね。」
 千春は屋敷を見ながら眉間に皺を寄せる。

「普通のお屋敷ですよぉ?」
「そっか、モリーは見えないんだっけ。」
「瘴気ですか?」
「うん。」
 モリアンの目には晴天を背に綺麗な屋敷が建っていた、しかし千春の目には渦巻く黒いモヤが屋敷を蠢いていた。

「ひゅ~♪」
「すっご、マジで見えてるじゃん。」
 美桜、麗奈も屋敷を見ながら話す。

「おじいちゃんから貰ったこの鍵で~・・・。」
 千春は門の扉に付いた錠に鍵を差し込みクルリと回し鍵を開けると扉を開ける。

カチャ・・・ギギギギギギギギ

「おっけー、アイトネ見てるー?」
((見てるわよ~♪))
 皆にもアイトネの声が聞こえると、聖女軍団は扉を潜る。

「早速お出ましだぞ。」
 ルプが言うと地面から瘴気が浮き出る、そしてその瘴気の中に動物の姿をした霊が3頭現れる。

「犬?」
「犬だな。」
 千春の問いかけに答えるルプは皆の前に出る、その横にはコンとビェリー、サンジュが並ぶ。

「どげんする?」
「千春、この霊も助けるのか?」
「出来るなら!」
 千春の言葉を聞きルプは笑みを浮かべ頷く。

「束縛だ。」
「おっけーばーい♪」
「まかせてください!」
「うきゃー♪」
 ルプ達は地面を蹴り霊に突っ込む、ルプは1頭の霊に突っ込むと大きく吠える。

「うぉらぁ!!!」
 圧を受けた霊は怯み後ろに下がるがルプはそのまま上から覆いかぶさり足で霊を踏みつける。

「こっちばーい♪」
 にょろにょろと動き回り霊の周りを移動するビェリー、霊は大蛇になったビェリーの頭目掛け飛び掛かるが長い尾で叩き落される。

「ギャイン!!」
「ほい、じっとしときー。」
 グルグルと霊を長い体で巻き付けると尻尾に絡めた。

「こっちですよー。」
「グルルルルルル。」
「うきゃ♪」
 コンが霊の周りを飛び跳ねヘイトを買う、その間に真上から一回り大きくなったサンジュが襲い掛かり羽交い絞めにする。

「おつかれー。」
 千春はルプの押さえた霊に近寄ると手に魔力を集め、パタパタと瘴気を払う、千春の魔力に当たった瘴気は霧の様に消滅していく。

「ビェリーおっつー。」
 頼子はビェリーが下した尻尾に巻き付いた霊の周りをパタパタと手で振り払って行く。

「おぉ・・・おもしろ。」
 思わず頼子は声を出す、そして纏わり付く瘴気を払うと犬の霊の頭を撫でる。

「もう大丈夫だからね。」
 大型犬ほどの霊は気付けば子犬の様に小さな姿に変わっていた。

「サンジュって大きくなれたんだ。」
 美桜はサンジュが抑える霊に近寄りながら話す。

「うん、もう一回り大きくなれるよ。」
 花音は美桜に説明しながらサンジュが抑え込む霊の周りを魔力を込めた手で払っていく。

「苦しかった?もう大丈夫だよ。」
 美桜は瘴気を払いながら霊に話しかける、そして。

「・・・可愛いな。」
「ほんとだ、何犬?」
「さぁ?犬好きだけどこんな犬見た事無いなぁ。」
 美桜は瘴気が消え一回り小さくなった犬を見ながら呟く。

「ヨリー!みてみてー!」
 千春は犬の霊を腕に抱えながら頼子の横に走って来る、千春が抱える犬は小型犬だが足が短く、ダックスフントの様な見た目だ。

「おー!こっちも見てみー!」
 頼子は子犬の霊を手に取り千春に見せる。

「「かわいいな!」」
 尻尾を振る犬の霊、美桜と花音も犬の霊を抱きかかえ千春の所までやって来る。

「こっちもオッケー。」
「大人しいね。」
「さっきまでグルグルいってたのにね。」
「やっぱり瘴気のせいなんだろうね。」
 千春は霊を降ろすと、3匹の犬の霊はお座りしたまま千春達を見る。

「「「「「「「「かわいいな!」」」」」」」」
 皆が集まり犬の霊を見ながら突っ込むとユラ達も寄って来る。

「おねーちゃんおわったの?」
「うん、瘴気払ったらこんなになったよ。」
「かわいー!」
「かわいいねー!」
「かわいいのですっ!」
「かわいいです!」
 幼聖女3人とルペタはお座りする犬の霊の前にしゃがみこむと微笑む。

「で、まずはこの子達を輪廻に戻すと。」
「もどすの?」
 千春が言うとユラが問いかける。

「うん、生まれ変わる為だからね。」
 千春が説明していると犬の霊は屋敷の方を見ながら唸る。

「どうしたの?」
 ユラは犬の霊に話しかけるとルプが前に出る。

「千春、屋敷の中が騒がしくなったぞ。」
「霊があばれよるばい。」
「不穏ですねぇ~。」
「うきゃ。」
 サンジュは屋敷の大きな扉の前に行くと花音を見る。

「サンジュ、開けて。」
「うきっ!」
 サンジュは花音に返事を返すと扉を開ける、すると中から溢れる様に瘴気が出て来た。

「うっわぁぁ!アレはヤバいんじゃない!?」
「コン!結界でイケる!?」
「はい!」
 コンが返事を返すと同時にロイロが結界を張る。

「儂も仕事させんか。」
「ロイロも出来るの!?」
「これくらい出来るわ。」
 ロイロは特殊な結界を屋敷の周りに張ったのかじわじわと瘴気が屋敷の中へ押し込まれる。

「儂が払うと屋敷ごと消滅するからのぅ、あとは任せたぞチハル。」
「さんきゅー!ってどうやって?」
「聖女の魔力を放出すれば良いんじゃろう?」
「多分。」
「風魔法に聖女の魔力をのせてみぃ。」
「・・・どうやって?」
 千春が首を傾げていると、風魔法が使える日葵が風を起こす。

「聖女が使う魔法だから魔力乗ってんじゃない?」
「あー、そうかも、やってみっかー。」
 千春は日葵と同じ様に風魔法を使うと屋敷の中に風を送る、見えていた瘴気が押されながら消えて行くのを確認すると、麗奈も同じ様に風魔法を屋敷に流し込む。

「ソラ、もしかしてやってる?」
「うん!少しでも足しになれば!」
 そよ風を送る青空に大愛は手を添え魔力を送る。

「手伝おう!」
「あ、少し風力上がった!」
 扇風機の弱から中程になった風がふわりと屋敷に流れて行く。

「おっけー、見えなくなったから中に突入~♪」
 千春が言うとサフィーナが止める。

「チハル、大丈夫?」
「うん、瘴気は今消えたから。」
「今回私達は役に立ちません、傍に居ますけれど・・・。」
「おっけー♪大丈夫だよ、アイトネも見てるしモートさんも見てる、それに。」
 千春は屋敷の周りに眷属を出し始めたアルデアを見る。

「アルデア、どう?」
「蝙蝠を屋敷に入れたわ、幾つかの部屋に瘴気溜り、霊もそこに居るわね。」
「ね♪」
 千春とアルデアを見るサフィーナは頷く。

『わん!』
『きゃうん!』
『わふ。』
 3頭の犬の霊が扉の前に行くと千春達に吠える。

「なに?」
「案内するそうだぞ?」
 千春が問いかけるとルプが通訳する。

「え?大丈夫なの?また瘴気に飲まれたらヤバくない?」
「千春達の横に居たら大丈夫じゃねぇか?」
「おっけ、それじゃ3班に分かれまーす!」
 千春はそう言うとJK達8人、幼女3人が円陣を組む。

「「「「「「ぐっちょきぱっでわっかれっましょ!」」」」」」
 皆は仲良くチーム分けを始めた。






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