異世界日帰りごはん 料理で王国の胃袋を掴みます!

ちっき

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教会から来たおじいちゃんっ!

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「御機嫌麗しく、聖女チハル様。」
 サリナが扉を開くと腰の曲がった老人が挨拶をする。

「おはようございます。」
 千春は老人の前に行くと挨拶する。

「オーレン公爵領、ホウラーク教会司祭、ヒンターと申します。」
 好々爺な趣のヒンター司祭は微笑みながら千春に挨拶を返す。

「どうぞこちらへ。」
 千春はヒンターをソファーに促すと、自分もソファーに座る。

「これはこれは有難うございます。」
「いえいえ、お手紙読まれました?」
「はい、こんなに早くお話が出来るとはおもいませんで。」
 笑みを崩さず嬉しそうに話すヒンター司祭に千春も思わず微笑む。

「それで、話に出ていた霊障がある屋敷の件ですよね?」
「はい、領都の西、以前は大店商人の屋敷と聞いており、幾許前に空き家となった屋敷で御座います。」
 淡々と話すヒンター司祭。

「その霊障が抑えられなかったんですよね?」
「はい、幾度となく教会の者が屋敷へ向かいましたが・・・。」
「ちなみにどんな霊障なんですか?」
 霊障が気になった千春はヒンター司祭に問いかける。

「除霊を行い始めると物が飛び交い邪魔をします、そして見える者の話では奴隷服を着た男や女、子供までが恨みを込めた視線を向けながら追いかけて来ると。」
 ヒンター司祭が話していると千春は腕を摩る、そして怖くなり頼子達を見ると同じく鳥肌を立てながら腕を擦っていた。

「ちょっと、チハル、マジで怖いんだけど。」
「奴隷服って事はやっぱり迫害された人なのかな?」
「かもしれないね、恨みを込めたって言ってたし、相当なんだろうけど。」
 青空、大愛、日葵が頷きながら話す。

「でもさ、教会の人は成仏させてくれるんだから襲うのおかしくない?」
 花音は首を傾げながら話す。

「だよねぇ、その商人を恨むならまだ分かるけど・・・その商人どこ行ったんだろ。」
 美桜も首を傾げると麗奈が呟く。

「ココはチートで調べてもらう?」
 そう言うと麗奈は千春を見る、千春はコクリと頷く。

「奴隷服ってのも気になるし、子供までって聞いたら片っ端から聖女の力で除霊ってのもなぁ~。」
 千春は呟くと名前を呼ぶ。

「アイトネー。」
『は~い♪』
「聞いてた?」
『えぇ、この領で霊が集まっている屋敷は5つ、子供の霊が彷徨っているのは2つね。』
「待って!?え?1つじゃないの!?」
 思わずアイトネに突っ込みヒンター司祭を見る千春。

「教会で把握しているのは1つだけで御座いますが。」
「えぇぇ、それじゃ他の所は?」
「教会には依頼が来ておりません、何もされずそのままなのか、人が住んでいるのか・・・。」
「あー、普通に霊が居ても気付いてないパターンの屋敷なのかな。」
 フムフムと考えながら千春が答えると、アイトネが目星を付けたのか一点を見つめる。

『多分あそこね、負の瘴気が溜まっているわ。』
「どんな感じなの?その負の瘴気って。」
『簡単に言うと、入るだけで気分が悪くなるわね。』
「おぉぉ、お化け屋敷みたい。」
「リアルお化け屋敷は嫌だなぁ。」
 横で聞いていた頼子が呟く。

「石田せんせーの屋敷で除霊したじゃん?」
「まぁアレは成り行きだったし。」
「アイトネ、そこ危ない?」
『チハル達なら大丈夫よ、それに。』
 アイトネはルプ、ビェリー、コン、サンジュ、そして子供ドラゴンのミカとゼルを見る。

『この子達は土地神、神の使い、天使と悪魔、悪霊が寄って集っても平気でしょう?』
「ふっ、悪霊ごときに負けるわけ無いだろう。」
「叩き落としちゃるばい。」
「僕も負けません!」
「うきゃっ!」
「霊に負けたら天使の名が落ちてしまうわ。」
「魂を狩るのは専門だからな。」
 ペット達は余裕の表情で答える。

「ちょっとストーップ、気になるのは子供の霊とかなんだけど、アイトネ何か分かる?」
『・・・えぇ。』
 千春の言葉に答えるアイトネは眉間に皺を寄せる。

「どうしたの?」
『人ってココまで酷い事が出来るのね。』
「・・・そんなに?」
『えぇ、地下に牢屋が有るわ。』
「・・・そっか。」
『行く?』
「行く。」
 千春は頷くと頼子達を見る。

「今の話聞いたら行くっしょ。」
「うん、怖いけどもっと怖い目にあった子なんでしょ?」
「除霊じゃなく助けたい。」
「せめて安心して成仏させたい。」
「成仏っていうか輪廻に戻すって感じだよね?」
「ココはやっぱりモートさん?」
 花音がモートの名前を呼ぶと、モートが現れる。

「久しぶりだな、聖女達。」
 微笑むモートにユラが近寄り話しかける。

「モートさん、りんねにもどせるの?」
「あぁ、ただ瘴気に魂が淀み過ぎているな。」
 アイトネが見ていた方向を見つめながら呟く。

「モートさん、私達に何かできる?」
「もちろん、だが俺だけでも出来るぞ?」
「んにゃ、頼まれたの私だし、出来る事があるならやりたい。」
「うん、私も、それに他の所も有るんでしょ?」
「え?ヨリ、他の所も除霊すんの?」
「するっしょ?ねぇ千春。」
「うん、どうせなら全部綺麗にしよう!」
 千春は立ち上がると腕を上げる。

『チハル、瘴気の消し方は前教えたでしょう?』
「前?え?教えてもらったっけ?」
『マクリの母親パトリの呪いを解除したの覚えてる?』
「覚えてる!聖女の魔力手にやって払うヤツ!」
『皆それを使えるわ。』
「でも瘴気見えないよ?」
『・・・えいっ♪』
 アイトネは手を振る。

「これで見えるわけだ。」
 千春が言うと、一緒に居たアルデアが呟く。

「アイトネ様、何故私まで?」
『聖女でしょ?』
「・・・そうですけど、はぁ、チハル私も手伝うわ。」
「さんきゅ~♪アルデア♪」
「ユラもみえるようになったの?」
『ユラもイーレンもイーナも見えるわよ♪』
「ルペタはみえない?」
 日葵と一緒に遊びに来たルペタがアイトネに問いかける。

『ルペタも見えるけれど近寄ったらダメよ?』
「はーい!」
「ルペタちゃんは私達が守るから大丈夫!」
 イーレンはルペタの手を取ると、ユラとイーナも手を取り楽し気に手を繋ぐ。

「それじゃ除霊ではなく、瘴気を消滅!魂を助けるぞー!」
「「「「「「おー!」」」」」」
 千春の掛け声にJK軍団、もとい、聖女軍団が声を上げる。

「・・・あれ?ヒンターおじいちゃん?」
 何も話さず、ぽかんと千春達を見ていたヒンター司祭に千春が気付き声を掛ける。

「あれ?」
『あら、この子心臓止まってるわよ?』
「えぇぇ!!!ちょー!!!早く言ってよアイトネ!」
 千春は驚きアイトネに叫ぶ、そして直ぐにヒンター司祭の横に行くと胸と背中に手をやる。

「必殺!AED!」
 千春は叫ぶとパチンと軽い音と共にヒンター司祭が軽く跳ねる。

「どう!?アイトネ!」
『もう一回♪』
「えいっ!」
 パチンと音がするとヒンター司祭がケホッと軽い咳と共に動く。

「おじいちゃん大丈夫!?」
「・・・あぁ・・・ここが天国かぁ。」
「生きてるよー!」
「女神様がおりますが。」
「顕現してるだけ!生きてるよ!?」
「おぉぉぉぉ。」
 ヒンター司祭は両手を握りアイトネを崇める。

「・・・アイトネ見て心臓止まったのに拝むんだ。」
『私のせいじゃないもーん。』
「いやいや、アイトネのせいだよ。」
 はぁ~と溜息を吐く千春に頼子が声を掛ける。

「よくとっさにあんな魔法使えたね。」
「あー、前さ、おじぃちゃんが心臓止まった時おかぁさんがやったんだよ、それ教えてもらってたの。」
「凄いな、今度私にも教えてよ。」
「風魔法の上位、雷魔法使えないとダメだよ?」
「くっ・・・持ってねぇ!」
「あ、それじゃ私使える?」
「私もイケるじゃん。」
 全魔法が使える麗奈と日葵が答える。

「ソラも風属性持ってたよね?」
「・・・上位無理なんだわ私、風魔法もそよ風よ?」
 青空は風魔法を使うと、扇風機の弱程度の風を大愛に飛ばす。

「・・・涼しいわ。」
「信じられるか?これ全力なんだぜ?」
 悲し気に呟く青空の肩に手を置く大愛は呟く。

「どんまい。」
 祈るヒンター司祭、手を繋ぎ楽しそうな幼女達、ゲラゲラ笑うJK達、サフィーナが声を掛けるまで笑いが続いた。





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