悪役令嬢になりましたので、自分好みのイケメン近衛騎士団を作ることにしました

葉月キツネ

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新たなる始まり

第302話-ユリィの語るタガマ-

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 ユリィと町を歩いてる中で一軒の飲食店に入った。
 中にほとんど人はいない。
 私とユリィは空いてる席に座って紅茶を注文した。
 ヤンと別れてから町の中の店という店を周りながら歩いて、店の人に話しかけて情報を集めてみたけど、有力なものは聞くことは出来なかった。
 そして私は休憩を提案してこの店に入った。

「これと言った情報はありませんでしたね。ただそんなすぐに見つかるとも思ってはいませんでしたが。お疲れ様でした優子さん」
「私はほとんどユリィについて行ってただけだしね」

 実際ほとんどはユリィが話していて私はそれに相槌を打つような入り方をしていただけだった。

「むしろユリィこそお疲れ様。ところで聞きたいことがあるんだけど」

 改まっていう話でもないかも知れない。だけど話の切り出し方としてはどうしても改まったような形になってしまう。

「ヤンさんの事ですね」
「あー、分かる?」
「あそこまで話をされてて聞かれない方が驚きですから」

 待ってましたと言わんばかりのユリィの答えだった。

「そうですね。ヤンさんはあまりこの話が好きではなさそうですし、今のうちがいいでしょう」
「教えて。気になってたまらないから」

 嘘偽りのない気持ち。好奇心と言われたらそれまでだけど、この気持ちは本物だ。

「では……タガマと言うのは町の名前でした」

 一呼吸終えてゆっくりとユリィが話出した。
 その一呼吸は私を話に集中させるには充分すぎる効果があった。
 ユリィの一呼吸を合図にしたかのように私は逆に息を呑んだ。

「ソボール領。フランソワ様のお父様の領内で昔戦いがあったと聞きます。魔法を思い出した事で起きた隣の領地からの侵略から守るための戦い」

 なんとなくは察していたけどやっぱり争いがあったらしい。話の流れからするとそこにいたのがフランソワの近衛騎士だったんだろうか。

「結果として侵略は止められました。ヤンさんのいる白銀の騎士団を中心とした兵士の活躍によって。これがさっきの話です。ざっくりとした内容。そして人から聞いた知らせですが……。私は当時その場にはいませんでしたから」
「ありがとう。口ぶりからしたらタガマの町は守られた様に聞こえるけど、どうなの? あの夫婦はこっちに移り住んだのよね」

 ヤンとの話の中ではヤンは守れなかったと言うニュアンスの事を言っていた。
 だけどユリィの話では侵略からは守れたと言う結果になっている。
 この二人の話が矛盾している様に思える。

「面白そうな話してんじゃねーか」

 人の気配を感じた瞬間には遅かった。
 ヤンが私たちの席まで既に来ていた。
 ユリィは話すのに集中していて、私は聞くのに夢中になっていた。

「そっこら先は俺が話してやるよお嬢」

 「やれやれ」と言いたげな顔をしたヤンが席について、私とユリィが注文した物と同じものを注文した。

 

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