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第5章
第9話
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第9話
シーバスが先頭を切って歩き出してしばらく歩いたのち、道の半分を塞いだ状態で一台の馬車が止まって、馬車の外で見覚えのある男たちが雑談していた。まだこちらには気付いていないようで、先頭を歩くシーバスと共に道から逸れて森に入った。
「ミーツさん、戦闘になったらそっちのシロさんも戦ってもらうことになるけど、大丈夫か?
もし、不安だと思ったら戦闘が終わるまで待ってて貰ってもいい。俺の妹たちを任せたい」
「僕も戦えます!僕には関係のない戦いかもしれないけど、相手がミーツさんに敵意を持っているなら、ここで戦わなくても別の所で、いずれは戦わなければならない状況になるかも知れないし、足手まといになるかもだけど頑張ります!」
「おー、シロさんやる気だね!
あたしらも後方から魔法放つよ!」
「わ、私も頑張ります!」
「俺もいつでもいいよ。シーバスが戦う戦略と行くタイミングを任せるよ」
こうしていつでも戦闘開始ができる状態で、森の中でどう戦うかをシーバスと考えていると、待ち伏せしている彼らが、竜巻とともに上空に巻き上げられて悲鳴を上げている姿が目に入り、森の中で意気込んでいたシーバスたちとその光景を眺めることになってしまった。なぜ竜巻かと思ったが、それはすぐに分かった。
俺の頭にいたはずのロップが彼らの側に行き、竜巻を発生させたのだ。
竜巻が消えて、竜巻によって地面に叩きつけられて瀕死の彼らに近寄ると、使い魔を使って奇襲をするなんて卑怯だと言われたが、そもそも待ち伏せしていた奴らに言われたくないものだと思い、彼らに合掌して通り過ぎた。
「ミーツさん卑怯だなんて言われちゃいましたね。まさかロップちゃんが、あんなエゲツないことするなんて思いませんでしたよ」
「シロさん、おじさんよりもあの人たちの方が先に卑怯なことしてたんだから気にしない方がいいよ」
「ですです。アマの言う通りです。でも、確かに少し卑怯だったかも…」
「卑怯なもんか!あいつらの方が先に待ち伏せなんて卑怯な手を使ってきたんだ。
どちらにしても奇襲はするつもりだったんだ。
ミーツさんの使い魔が、俺たちが動く前にやってくれたんだ丁度よかったじゃねえか。だからミーツさんは気にしない方がいいと俺は思う」
「シーバスありがとう。でも俺は気にしてないよ。シーバスの言う通り、奇襲はやるつもりだったしね。俺たちよりロップが先にやっただけだし、それにシーバスが元の仲間たちに手を出さなくて、結果良かったと思うよ」
通り過ぎざまに彼らの馬車を見ていると、馬車はグシャグシャに崩れ、馬は前後の両脚が折れて立ち上がれない状態になっているのを見て、流石に可哀想だと思って想像魔法で馬の脚を治してあげると、俺に擦り寄ってきて顔をベロベロと舐めてきたことにより、いつの間にか頭に戻ってきていたロップに馬は叩かれてしまった。
「あ、ロップおかえり。奇襲ありがとね。でも、回復させたばかりの馬を叩くのはやり過ぎだよ」
【うん!主様が倒したそうにしてたから勝手にやっちゃったけど、良かったみたいね。
でも馬を叩いてごめんなさい】
「うん、素直に謝れる子は好きだよ。俺にじゃなくて叩いた馬に謝ろうね」
ロップは俺の頭から馬の頭に飛び乗って、叩いた箇所に前脚で撫でて謝っている。
馬もロップを許したのか、目を細めて鳴いて再び俺の顔を舐め出したことにより、心ゆくまで舐めさせてあげようと、なにもせずにいたら俺と馬にシーバスが割って入ってきた。
「ミーツさんは何がしたいんだ?
馬が好きなのは分かったが、顔が唾液でグッショリじゃないか。それにこの先、馬だけを連れてはいけない。まだ荷車があればよかったんだが、あれだけ壊れては直しようもないし、ミーツさんには悪いが馬はここに置いて行こう。荷物もマジックバックがあるし、馬を連れて行く苦労を考えると、まだ居ない方がマシだからな」
シーバスは辛そうにそういい放ったが、馬だけでもいれば荷車を引けるではないかと思ったものの、彼らには俺の魔法については話してないため、安心させるために道の真ん中に向かって手を突き出して、幌付きの荷車を想像魔法で出した。
「え!ミーツさん荷車も持っていたのか?
また見えないマジックバックを使ったとしても、こんな物まで持っていたとは…。でも、これで歩きで街まで行かなくていいから助かる」
「おじさんってなんでも持ってんだね。
っておじさん臭~い!」
「ミーツさん、魔法で顔を洗い流しましょうか?
確かに失礼ですけど、アマの言う通りちょっとだけ匂います」
「ははは、双子のアマちゃんとアミちゃんは容赦ないですね。ミーツさん、僕はこれくらいの匂いは何も感じませんよ!」
俺の出した荷車に彼は驚いて助かると言いながら、馬と荷車を繋げる作業に取り掛かり、その間アマとアミが近付いてきたものの、近寄るなり臭いと鼻をつまんで、嫌な顔をしたが、シロは自分は何も感じないと言いながら、彼女らの後ろから見ているだけで近付いて来ない。
「はあ、臭いのは分かったよ。アッシュ、顔の汚れをお願いできるか?」
【は~い、できるよお。任せて!】
アッシュに顔の汚れと匂いをお願いしたら、胴体にいるアッシュが顔によじ登り、すっぽりと顔を包み込んで数秒後に元の位置に戻った。
顔が微かにいい匂いがして、手で顔を擦って匂いを嗅いだらフルーティな果物の匂いがして、アッシュに何をしたかを聞いたら、アッシュの能力でI.Bみたいなことが出来ることが判明した。
既に溶かして食ってしまった物は出せないが、同じ溶かしているように見える物でも、体内にある保存倉庫に保管できるようになったとか。
「アッシュ凄いじゃないか!これからはアッシュにも魔物の保管を手伝ってもらえるね」
【うん!主様が望むなら手伝うよお。
さっきの木も出せるからいつでも言ってね】
「おじさんおじさん、使い魔のスライムって何が凄いの?それに、おじさんから苺みたいないい匂いがするね」
「ん、俺の使い魔が、マジックバックみたいな能力を身につけたことに驚いただけだよ」
「え!おじさんの使い魔ってそんな能力まで持ってるの?いいないいな~、ねえ、おじさん、おじさんの使い魔ちょうだい!」
アッシュの能力について聞かれたことをそのまま言ったことにより、アマが羨ましくなったのか、身体を擦り寄ってアッシュが欲しいとおねだりしてきたものの、アッシュは物ではないし、今となれば俺の大事な仲間で人に譲るわけにはいかず、断ろうと彼女の肩に手を置こうとしたとき、シーバスとアミが彼女の頭に拳骨をした。
「アマ!冗談でもそんなこと言うもんじゃないぞ!ミーツさんも困ってるだろうが!」
「そうだよ!兄様の言う通りだよ!」
「二人ともありがとね。俺も丁度断ろうとしてたんだ。俺の使い魔たちは物じゃないし、かといって簡単に人に譲れるわけでもない、俺の大切な使い魔たちは大切な仲間で戦力でもあるからね」
アマは拳骨された頭が余程痛かったのか、涙目で頭を押さえていたが、俺の言葉とシーバスたちの言葉が響いて明らかに落ち込んだものの、俺の手を握って謝ってくれた。
そんなやり取りをシロは微笑んで眺めていたところで、何が面白いかを聞いて話しかけると、こんな感じの雰囲気が懐かしいとかで思い出していたそうだ。
確かに言われてみれば見た目こそは違うが、シーバス兄妹がアリスらの三人と重なる。
シロはアリスたちと別れてからというもの、大まかなことは聴いていたものの、悪いことばかりでとても不幸だったようだ。
シロはしばらく黙って見つめていたが、彼女らが見つめている彼に話しかけて、この話を終わりにした。
それからは馬と荷車の取り付けを途中で放り出してきたシーバスと共に、馬と荷車を繋いで出発したのも束の間、急な大雨が降って道の真ん中に岩で出来たドームを想像魔法で作って出して、誰でも入ることが出来るように、中央の両端は馬車が通って入られるように空けておいた。
ドームから外を見ると、大雨が酷過ぎて、一メートル先も見えないくらいに酷く降り続けている。 降り続けている雨を見ていると、真っ黒な影と共に人が現れてドームに駆け込んできた。
「ぶはぁ、こんな道の真ん中にこんな物いつの間にあったんでしょうね。お陰で助かりましたけどね」
「よかったね。ここはさっき雨が降りだして、ここにいるおじさんが作ったばかりなんだよ」
「へ?こんな立派な物を?ははは、嬢ちゃんそんな冗談だろ?でも、ほんのひと月前までは無かったのに不思議だ」
彼は背中に大きなリュックを背負っているが、見るからに冒険者っぽい格好もしていて、手持ちの物を売る行商人も兼用でやっているそうだ。
この雨の中、外に出ることもできなくて暇潰しとして商品を見せてもらうと、冒険者が必要な回復薬や毒消しに一人用の簡易テントなど、大した物がないと思っていたそのとき、一つのキューブ状の石が品物の中から転がり落ちて、なんとなく拾うと石が光った。
「おお!あんたは凄い魔力の持ち主のようだな。
これは、とあるダンジョンで見つけた石なんだけど、魔力がある者が触ると光るんだ。まあ、といっても光るだけで、特に何も起きないからお守り代わりに持ってるだけなんだが」
「へえ、面白いね。おじさん、あたしにも貸して貸して」
持ってるだけでドーム内を明るく照らす石をアマが、俺の手から取って持ってみたら、あれだけ明るかった石がぼやっとした明かりまで落ち込んだ。
「魔力持ってる人みんなが、あんなに光るわけじゃないんだね。アミも持ってみて」
「う、うん。でも私でもアマと同じくらいと思うけど」
アマはアミにも手渡したら、アミはアマより魔力が多いのか、ぼやっとした光からハッキリした光の強さに変化した。
「むー、アミの方が魔力強いじゃん!
あたしも負けられない!」
「ホントだね。アマと同じくらいだと思っていたのにね」
アミは商人に石を返したら、魔力のない彼は特別に売ってやって良いということで、金貨一枚で買うことになってしまった。俺は想像魔法で明かりの問題については関係ないが、彼女たちが欲しいと懇願するから仕方なく、購入したのだが、彼女らが持っていても大した明かりを灯せないことから、普段から俺に持っていてということで、M.BをI.Bから引っ張り出してM.Bに放り込もうとしたら、弾かれて地面に転がった。
「ああ、マジックバックに入れようとしたんだな。それは何故かマジックバックに入れることが出来ないから、持ち歩いていたんだ。
別に生きてる訳じゃないと思うんだけどなあ」
商人は笑いながらそう言い放ち、まだ持ってる商品をシーバス兄妹とシロに見せていく。
石をM.Bに入れるのは諦めて、ズボンのポケットに入れて俺も商品を見せてもらって暇を潰していくと、続々とドームに入ってくる冒険者たちで、次第に避難所のドームがいっぱいになってしまった。
俺たちの馬に餌をやれるだけのスペースもないくらい、ギュウギュウに詰まってきたところで、頭のロップが見なくても機嫌が悪くなっていくのが分かって、このままでは罪のない冒険者たちがロップによって再起不能になってしまうと思って、未だに降り続ける雨の中に行って追加で前のよりも大きくて広い、今度はドームではなく、四角の道に合った大きさの岩を出して雨だけをしのげる程度に屋根だけを三角に尖らせて、イベントテントみたいにした。
外からは丸見えで魔物がいれば襲われる可能性があるが、雨はしのげるし、前の詰まった所よりはましだと思って出したのだが、ドームからは誰一人出て来ず見られてるだけだ。
仕方なく自分たちの馬車だけでもこちらに移動しようと思って、イベントテント側から馬車を転移させたら、荷車にいたシーバスたちは驚いて表に出てきた。
「なんだミーツさんか、驚かせないでくれ」
「あははははは、ほんとほんと、吃驚しちゃったね。兄ちゃんの顔ったら、可笑しかった~」
「ふふふ、確かに兄様の顔を思い出したら可笑しかったですけど、私も驚きましたからこういうことは事前に教えて欲しいです」
「ミーツさんが持ってたらいけない魔法ですよね。お願いですから、魔物の群れの中に転移させるような悪戯は使わないで下さいね」
「そうか、そういうこともできるね。
じゃあ、今度シロにやってみようかね」
「だからぁ!それを止めて下さいねって言ってるじゃないですか!」
本気で怒り出すシロを笑いながら冗談だと宥めていると、豪雨の中、雨の音とは別に木々が折れる音が響いてきて、低めの唸り声が聞こえてきた。
「なにも見えないけど、雨の中に何かいるね」
「ああ、アマとアミは馬車の中に隠れて、魔法の準備をしてろ。ミーツさんとシロさんは俺と前線で戦ってもらう」
「う、うん。僕はミーツさんと別れてから、少しは強くなったはずだから、が、頑張るよ」
アマとアミが馬車に引っ込んで、魔法の詠唱を唱え出し、俺とシーバスにシロは左右と前方に集中して身構えていたら、頭上のテントに飛んできた木が当たったのか、激しい音が聞こえてきて、それが何度か続いてテントの天井が割れた。
雨で何も見えない状況をなんとかしようと、ポケットに入れていた石を取り出してみたら、割れた天井に木の手が見えた。
「まさか、トレントか?でもあの大きさは尋常じゃないぞ!ミーツさん!その石を持ってもう少し前に出てくれ!近くにトレントがいるはずだ!」
シーバスの指示に従い、割れた天井は新たに想像魔法で修復したのち、頑丈に今度は割れないようにシールドも張って、雨に濡れないギリギリのところまで前に進んで見るものの、前方は暗くて何も見えないと思っていたそのとき、胸にいるアッシュが退がってと言ったところで退がったら、俺の居た場所に先程見えた木の手が振り落とされた。
もしやと思い、頭にいるロップを馬の頭に乗せて、豪雨の中外に出て空を飛び、辺り一面の状況が分かるように、沢山の光の玉を想像魔法で出して辺りを見渡すと、テントの前に何処かの都にある、なんとかツリーを思い出させるほどの巨大なトレントが立ち塞がり、今もなおテントに向かって攻撃を続けている。
「うお!なんで壁が?ミーツさん何処に行ったんだ!」
「まさか逃げたわけじゃないですよね?
ミーツさんに限って、それはないと信じたいですけど」
「シロさん!おじさんがそんなことする訳ないじゃない!おじさんの昔の仲間なのに、そんなことする訳ないって知らないの!でも、目の前の壁にこの頭上から響く音はなんなんだろう」
「ですです。アマの言う通りミーツさんが逃げる訳がありません!ミーツさんのことだから何か策を考えて、何処かに移動しているだけですよ!きっと」
空から下に降り戻ったら、彼らは口々に俺を捜しているが、見当たらないことに不審に思ったシロは逃げたと言い、アマとアミが俺を庇っていた。
「うん、逃げてなんかないよ。でも目の前にいる壁は巨大なトレントだ」
「「「「はあぁ?」」」」
「ミーツさんこの壁がトレントだと言ったのか?
ありえんだろ!」
「シーバスさんの言う通りですよ!壁に見えるのがトレントの身体の一部なら、とんでもなく大きいことになりますよ」
「おじさんおじさん、これがトレントだと思う証拠は?」
「でもミーツさんが嘘を言ってるようにも見えませんし、本当なのかも」
「俺の言ってることが本当かどうか、自分の目で見たらいい」
俺は瞬間転移でこの場にいる全員を上空に転移して、上からトレントを見下ろして、落下して地面に落ち切る前に元の位置に戻った。
「本当だったな。でも、ミーツさん今後はいきなり空に転移するのは勘弁してくれ、死ぬかと思ったからな。でもどっちにしろ、このトレントに殺されてしまうだろうな。あれだけ大きければ倒す手段が全くないしな」
「はあ~~、地面、地面の上だあ。
もうミーツさん!二度と僕を飛ばさないで下さいね。高所恐怖症でもありますから、パニックになっちゃいますから」
「怖かったねアミ。でもトレントは本当に大きかった」
「う、うん。怖かったけど、暗くなければ楽しいと思えるかも。ミーツさんの言う通り、確かに巨大なトレントでしたけど、あれをどうやって倒しますか?」
アミの問いかけにしばしアゴを触り考え、巨大でも木の魔物だ。一気に燃やしてしまおうかと思ったものの、この豪雨では炎を出してもすぐに鎮火してしまう。それならば豪雨ならではの倒し方を思い付いた。
「やっぱりこれしかないかな」
「ミーツさんはやっぱり倒し方を考えていたんですね。それで、どうやって倒します?」
「うん俺が考えたのは落雷かなって思ったんだよね。最初火で燃やそうかと思ったけど、この雨ではすぐに消えるし、仮に燃やしたとしても、周りの森に火が移って大変なことになるのは考えなくても分かることだしね」
「でもミーツさん、落雷って自然に落ちるのを待つんですか?落ちたとしても、あれだけ巨大でしたら大したダメージを与えられないと思いますけど」
「落雷の原理については、前にテレビで見たことあるから知っているさ」
俺がテレビと言ったとき、シーバス兄妹は頭に?を浮かべているのが分かるくらい首を傾げるなか、シロだけがそれなら問題ないけど、下手したら死んでしまうのではと心配してくれた。
「大丈夫だと思う。念のため避雷針として壊れた槍を突き刺しておくしね。トレントの根が攻撃をしかけてきたら、死なないように逃げるか攻撃を凌いで欲しい」
俺はシーバスたちにそう言ったあと、再び空を飛び、一向に止まない雨雲に数えきれないくらいの氷の粒を想像魔法で作って投入していくと、空気が一気に冷え込み、雨がみぞれから雹に変わり、雨雲も雷が発生しだしているのかバチバチと帯電しだした。
こうなれば雷が落ちるのも時間の問題だと思い、巨大なトレントの上部に壊れた槍を突き刺して、ドームの頂上から様子を伺うこと、数秒経ってようやくトレントに向かって雷が落ちるも、上部と槍が黒焦げになるだけで大したダメージを与えられなく、このままではある程度まで人工的に作ったものの、自然の雷ごときでは倒せないと思い、まだ帯電している雲から更に強く強大な雷を落とす想像をしていたら、俺の存在に気が付いたトレントがテントからドーム頂上に標的が変更されて、迫り来るトレントの枝が伸びて複数の枝分かれで攻撃を仕掛けて来ても、それらを避けながら雷の想像魔法を実行する。
すると、目も開けられないくらいの眩い光が光ったあと、凄まじく轟音が響き渡り、目を開けると目の前にギリギリに迫って止まっているトレントの枝があって、本体のトレントは黒焦げで沈黙した。雷を落としたあとは凄まじかった豪雨も晴れて、星空が見える空に変わった。
シーバスが先頭を切って歩き出してしばらく歩いたのち、道の半分を塞いだ状態で一台の馬車が止まって、馬車の外で見覚えのある男たちが雑談していた。まだこちらには気付いていないようで、先頭を歩くシーバスと共に道から逸れて森に入った。
「ミーツさん、戦闘になったらそっちのシロさんも戦ってもらうことになるけど、大丈夫か?
もし、不安だと思ったら戦闘が終わるまで待ってて貰ってもいい。俺の妹たちを任せたい」
「僕も戦えます!僕には関係のない戦いかもしれないけど、相手がミーツさんに敵意を持っているなら、ここで戦わなくても別の所で、いずれは戦わなければならない状況になるかも知れないし、足手まといになるかもだけど頑張ります!」
「おー、シロさんやる気だね!
あたしらも後方から魔法放つよ!」
「わ、私も頑張ります!」
「俺もいつでもいいよ。シーバスが戦う戦略と行くタイミングを任せるよ」
こうしていつでも戦闘開始ができる状態で、森の中でどう戦うかをシーバスと考えていると、待ち伏せしている彼らが、竜巻とともに上空に巻き上げられて悲鳴を上げている姿が目に入り、森の中で意気込んでいたシーバスたちとその光景を眺めることになってしまった。なぜ竜巻かと思ったが、それはすぐに分かった。
俺の頭にいたはずのロップが彼らの側に行き、竜巻を発生させたのだ。
竜巻が消えて、竜巻によって地面に叩きつけられて瀕死の彼らに近寄ると、使い魔を使って奇襲をするなんて卑怯だと言われたが、そもそも待ち伏せしていた奴らに言われたくないものだと思い、彼らに合掌して通り過ぎた。
「ミーツさん卑怯だなんて言われちゃいましたね。まさかロップちゃんが、あんなエゲツないことするなんて思いませんでしたよ」
「シロさん、おじさんよりもあの人たちの方が先に卑怯なことしてたんだから気にしない方がいいよ」
「ですです。アマの言う通りです。でも、確かに少し卑怯だったかも…」
「卑怯なもんか!あいつらの方が先に待ち伏せなんて卑怯な手を使ってきたんだ。
どちらにしても奇襲はするつもりだったんだ。
ミーツさんの使い魔が、俺たちが動く前にやってくれたんだ丁度よかったじゃねえか。だからミーツさんは気にしない方がいいと俺は思う」
「シーバスありがとう。でも俺は気にしてないよ。シーバスの言う通り、奇襲はやるつもりだったしね。俺たちよりロップが先にやっただけだし、それにシーバスが元の仲間たちに手を出さなくて、結果良かったと思うよ」
通り過ぎざまに彼らの馬車を見ていると、馬車はグシャグシャに崩れ、馬は前後の両脚が折れて立ち上がれない状態になっているのを見て、流石に可哀想だと思って想像魔法で馬の脚を治してあげると、俺に擦り寄ってきて顔をベロベロと舐めてきたことにより、いつの間にか頭に戻ってきていたロップに馬は叩かれてしまった。
「あ、ロップおかえり。奇襲ありがとね。でも、回復させたばかりの馬を叩くのはやり過ぎだよ」
【うん!主様が倒したそうにしてたから勝手にやっちゃったけど、良かったみたいね。
でも馬を叩いてごめんなさい】
「うん、素直に謝れる子は好きだよ。俺にじゃなくて叩いた馬に謝ろうね」
ロップは俺の頭から馬の頭に飛び乗って、叩いた箇所に前脚で撫でて謝っている。
馬もロップを許したのか、目を細めて鳴いて再び俺の顔を舐め出したことにより、心ゆくまで舐めさせてあげようと、なにもせずにいたら俺と馬にシーバスが割って入ってきた。
「ミーツさんは何がしたいんだ?
馬が好きなのは分かったが、顔が唾液でグッショリじゃないか。それにこの先、馬だけを連れてはいけない。まだ荷車があればよかったんだが、あれだけ壊れては直しようもないし、ミーツさんには悪いが馬はここに置いて行こう。荷物もマジックバックがあるし、馬を連れて行く苦労を考えると、まだ居ない方がマシだからな」
シーバスは辛そうにそういい放ったが、馬だけでもいれば荷車を引けるではないかと思ったものの、彼らには俺の魔法については話してないため、安心させるために道の真ん中に向かって手を突き出して、幌付きの荷車を想像魔法で出した。
「え!ミーツさん荷車も持っていたのか?
また見えないマジックバックを使ったとしても、こんな物まで持っていたとは…。でも、これで歩きで街まで行かなくていいから助かる」
「おじさんってなんでも持ってんだね。
っておじさん臭~い!」
「ミーツさん、魔法で顔を洗い流しましょうか?
確かに失礼ですけど、アマの言う通りちょっとだけ匂います」
「ははは、双子のアマちゃんとアミちゃんは容赦ないですね。ミーツさん、僕はこれくらいの匂いは何も感じませんよ!」
俺の出した荷車に彼は驚いて助かると言いながら、馬と荷車を繋げる作業に取り掛かり、その間アマとアミが近付いてきたものの、近寄るなり臭いと鼻をつまんで、嫌な顔をしたが、シロは自分は何も感じないと言いながら、彼女らの後ろから見ているだけで近付いて来ない。
「はあ、臭いのは分かったよ。アッシュ、顔の汚れをお願いできるか?」
【は~い、できるよお。任せて!】
アッシュに顔の汚れと匂いをお願いしたら、胴体にいるアッシュが顔によじ登り、すっぽりと顔を包み込んで数秒後に元の位置に戻った。
顔が微かにいい匂いがして、手で顔を擦って匂いを嗅いだらフルーティな果物の匂いがして、アッシュに何をしたかを聞いたら、アッシュの能力でI.Bみたいなことが出来ることが判明した。
既に溶かして食ってしまった物は出せないが、同じ溶かしているように見える物でも、体内にある保存倉庫に保管できるようになったとか。
「アッシュ凄いじゃないか!これからはアッシュにも魔物の保管を手伝ってもらえるね」
【うん!主様が望むなら手伝うよお。
さっきの木も出せるからいつでも言ってね】
「おじさんおじさん、使い魔のスライムって何が凄いの?それに、おじさんから苺みたいないい匂いがするね」
「ん、俺の使い魔が、マジックバックみたいな能力を身につけたことに驚いただけだよ」
「え!おじさんの使い魔ってそんな能力まで持ってるの?いいないいな~、ねえ、おじさん、おじさんの使い魔ちょうだい!」
アッシュの能力について聞かれたことをそのまま言ったことにより、アマが羨ましくなったのか、身体を擦り寄ってアッシュが欲しいとおねだりしてきたものの、アッシュは物ではないし、今となれば俺の大事な仲間で人に譲るわけにはいかず、断ろうと彼女の肩に手を置こうとしたとき、シーバスとアミが彼女の頭に拳骨をした。
「アマ!冗談でもそんなこと言うもんじゃないぞ!ミーツさんも困ってるだろうが!」
「そうだよ!兄様の言う通りだよ!」
「二人ともありがとね。俺も丁度断ろうとしてたんだ。俺の使い魔たちは物じゃないし、かといって簡単に人に譲れるわけでもない、俺の大切な使い魔たちは大切な仲間で戦力でもあるからね」
アマは拳骨された頭が余程痛かったのか、涙目で頭を押さえていたが、俺の言葉とシーバスたちの言葉が響いて明らかに落ち込んだものの、俺の手を握って謝ってくれた。
そんなやり取りをシロは微笑んで眺めていたところで、何が面白いかを聞いて話しかけると、こんな感じの雰囲気が懐かしいとかで思い出していたそうだ。
確かに言われてみれば見た目こそは違うが、シーバス兄妹がアリスらの三人と重なる。
シロはアリスたちと別れてからというもの、大まかなことは聴いていたものの、悪いことばかりでとても不幸だったようだ。
シロはしばらく黙って見つめていたが、彼女らが見つめている彼に話しかけて、この話を終わりにした。
それからは馬と荷車の取り付けを途中で放り出してきたシーバスと共に、馬と荷車を繋いで出発したのも束の間、急な大雨が降って道の真ん中に岩で出来たドームを想像魔法で作って出して、誰でも入ることが出来るように、中央の両端は馬車が通って入られるように空けておいた。
ドームから外を見ると、大雨が酷過ぎて、一メートル先も見えないくらいに酷く降り続けている。 降り続けている雨を見ていると、真っ黒な影と共に人が現れてドームに駆け込んできた。
「ぶはぁ、こんな道の真ん中にこんな物いつの間にあったんでしょうね。お陰で助かりましたけどね」
「よかったね。ここはさっき雨が降りだして、ここにいるおじさんが作ったばかりなんだよ」
「へ?こんな立派な物を?ははは、嬢ちゃんそんな冗談だろ?でも、ほんのひと月前までは無かったのに不思議だ」
彼は背中に大きなリュックを背負っているが、見るからに冒険者っぽい格好もしていて、手持ちの物を売る行商人も兼用でやっているそうだ。
この雨の中、外に出ることもできなくて暇潰しとして商品を見せてもらうと、冒険者が必要な回復薬や毒消しに一人用の簡易テントなど、大した物がないと思っていたそのとき、一つのキューブ状の石が品物の中から転がり落ちて、なんとなく拾うと石が光った。
「おお!あんたは凄い魔力の持ち主のようだな。
これは、とあるダンジョンで見つけた石なんだけど、魔力がある者が触ると光るんだ。まあ、といっても光るだけで、特に何も起きないからお守り代わりに持ってるだけなんだが」
「へえ、面白いね。おじさん、あたしにも貸して貸して」
持ってるだけでドーム内を明るく照らす石をアマが、俺の手から取って持ってみたら、あれだけ明るかった石がぼやっとした明かりまで落ち込んだ。
「魔力持ってる人みんなが、あんなに光るわけじゃないんだね。アミも持ってみて」
「う、うん。でも私でもアマと同じくらいと思うけど」
アマはアミにも手渡したら、アミはアマより魔力が多いのか、ぼやっとした光からハッキリした光の強さに変化した。
「むー、アミの方が魔力強いじゃん!
あたしも負けられない!」
「ホントだね。アマと同じくらいだと思っていたのにね」
アミは商人に石を返したら、魔力のない彼は特別に売ってやって良いということで、金貨一枚で買うことになってしまった。俺は想像魔法で明かりの問題については関係ないが、彼女たちが欲しいと懇願するから仕方なく、購入したのだが、彼女らが持っていても大した明かりを灯せないことから、普段から俺に持っていてということで、M.BをI.Bから引っ張り出してM.Bに放り込もうとしたら、弾かれて地面に転がった。
「ああ、マジックバックに入れようとしたんだな。それは何故かマジックバックに入れることが出来ないから、持ち歩いていたんだ。
別に生きてる訳じゃないと思うんだけどなあ」
商人は笑いながらそう言い放ち、まだ持ってる商品をシーバス兄妹とシロに見せていく。
石をM.Bに入れるのは諦めて、ズボンのポケットに入れて俺も商品を見せてもらって暇を潰していくと、続々とドームに入ってくる冒険者たちで、次第に避難所のドームがいっぱいになってしまった。
俺たちの馬に餌をやれるだけのスペースもないくらい、ギュウギュウに詰まってきたところで、頭のロップが見なくても機嫌が悪くなっていくのが分かって、このままでは罪のない冒険者たちがロップによって再起不能になってしまうと思って、未だに降り続ける雨の中に行って追加で前のよりも大きくて広い、今度はドームではなく、四角の道に合った大きさの岩を出して雨だけをしのげる程度に屋根だけを三角に尖らせて、イベントテントみたいにした。
外からは丸見えで魔物がいれば襲われる可能性があるが、雨はしのげるし、前の詰まった所よりはましだと思って出したのだが、ドームからは誰一人出て来ず見られてるだけだ。
仕方なく自分たちの馬車だけでもこちらに移動しようと思って、イベントテント側から馬車を転移させたら、荷車にいたシーバスたちは驚いて表に出てきた。
「なんだミーツさんか、驚かせないでくれ」
「あははははは、ほんとほんと、吃驚しちゃったね。兄ちゃんの顔ったら、可笑しかった~」
「ふふふ、確かに兄様の顔を思い出したら可笑しかったですけど、私も驚きましたからこういうことは事前に教えて欲しいです」
「ミーツさんが持ってたらいけない魔法ですよね。お願いですから、魔物の群れの中に転移させるような悪戯は使わないで下さいね」
「そうか、そういうこともできるね。
じゃあ、今度シロにやってみようかね」
「だからぁ!それを止めて下さいねって言ってるじゃないですか!」
本気で怒り出すシロを笑いながら冗談だと宥めていると、豪雨の中、雨の音とは別に木々が折れる音が響いてきて、低めの唸り声が聞こえてきた。
「なにも見えないけど、雨の中に何かいるね」
「ああ、アマとアミは馬車の中に隠れて、魔法の準備をしてろ。ミーツさんとシロさんは俺と前線で戦ってもらう」
「う、うん。僕はミーツさんと別れてから、少しは強くなったはずだから、が、頑張るよ」
アマとアミが馬車に引っ込んで、魔法の詠唱を唱え出し、俺とシーバスにシロは左右と前方に集中して身構えていたら、頭上のテントに飛んできた木が当たったのか、激しい音が聞こえてきて、それが何度か続いてテントの天井が割れた。
雨で何も見えない状況をなんとかしようと、ポケットに入れていた石を取り出してみたら、割れた天井に木の手が見えた。
「まさか、トレントか?でもあの大きさは尋常じゃないぞ!ミーツさん!その石を持ってもう少し前に出てくれ!近くにトレントがいるはずだ!」
シーバスの指示に従い、割れた天井は新たに想像魔法で修復したのち、頑丈に今度は割れないようにシールドも張って、雨に濡れないギリギリのところまで前に進んで見るものの、前方は暗くて何も見えないと思っていたそのとき、胸にいるアッシュが退がってと言ったところで退がったら、俺の居た場所に先程見えた木の手が振り落とされた。
もしやと思い、頭にいるロップを馬の頭に乗せて、豪雨の中外に出て空を飛び、辺り一面の状況が分かるように、沢山の光の玉を想像魔法で出して辺りを見渡すと、テントの前に何処かの都にある、なんとかツリーを思い出させるほどの巨大なトレントが立ち塞がり、今もなおテントに向かって攻撃を続けている。
「うお!なんで壁が?ミーツさん何処に行ったんだ!」
「まさか逃げたわけじゃないですよね?
ミーツさんに限って、それはないと信じたいですけど」
「シロさん!おじさんがそんなことする訳ないじゃない!おじさんの昔の仲間なのに、そんなことする訳ないって知らないの!でも、目の前の壁にこの頭上から響く音はなんなんだろう」
「ですです。アマの言う通りミーツさんが逃げる訳がありません!ミーツさんのことだから何か策を考えて、何処かに移動しているだけですよ!きっと」
空から下に降り戻ったら、彼らは口々に俺を捜しているが、見当たらないことに不審に思ったシロは逃げたと言い、アマとアミが俺を庇っていた。
「うん、逃げてなんかないよ。でも目の前にいる壁は巨大なトレントだ」
「「「「はあぁ?」」」」
「ミーツさんこの壁がトレントだと言ったのか?
ありえんだろ!」
「シーバスさんの言う通りですよ!壁に見えるのがトレントの身体の一部なら、とんでもなく大きいことになりますよ」
「おじさんおじさん、これがトレントだと思う証拠は?」
「でもミーツさんが嘘を言ってるようにも見えませんし、本当なのかも」
「俺の言ってることが本当かどうか、自分の目で見たらいい」
俺は瞬間転移でこの場にいる全員を上空に転移して、上からトレントを見下ろして、落下して地面に落ち切る前に元の位置に戻った。
「本当だったな。でも、ミーツさん今後はいきなり空に転移するのは勘弁してくれ、死ぬかと思ったからな。でもどっちにしろ、このトレントに殺されてしまうだろうな。あれだけ大きければ倒す手段が全くないしな」
「はあ~~、地面、地面の上だあ。
もうミーツさん!二度と僕を飛ばさないで下さいね。高所恐怖症でもありますから、パニックになっちゃいますから」
「怖かったねアミ。でもトレントは本当に大きかった」
「う、うん。怖かったけど、暗くなければ楽しいと思えるかも。ミーツさんの言う通り、確かに巨大なトレントでしたけど、あれをどうやって倒しますか?」
アミの問いかけにしばしアゴを触り考え、巨大でも木の魔物だ。一気に燃やしてしまおうかと思ったものの、この豪雨では炎を出してもすぐに鎮火してしまう。それならば豪雨ならではの倒し方を思い付いた。
「やっぱりこれしかないかな」
「ミーツさんはやっぱり倒し方を考えていたんですね。それで、どうやって倒します?」
「うん俺が考えたのは落雷かなって思ったんだよね。最初火で燃やそうかと思ったけど、この雨ではすぐに消えるし、仮に燃やしたとしても、周りの森に火が移って大変なことになるのは考えなくても分かることだしね」
「でもミーツさん、落雷って自然に落ちるのを待つんですか?落ちたとしても、あれだけ巨大でしたら大したダメージを与えられないと思いますけど」
「落雷の原理については、前にテレビで見たことあるから知っているさ」
俺がテレビと言ったとき、シーバス兄妹は頭に?を浮かべているのが分かるくらい首を傾げるなか、シロだけがそれなら問題ないけど、下手したら死んでしまうのではと心配してくれた。
「大丈夫だと思う。念のため避雷針として壊れた槍を突き刺しておくしね。トレントの根が攻撃をしかけてきたら、死なないように逃げるか攻撃を凌いで欲しい」
俺はシーバスたちにそう言ったあと、再び空を飛び、一向に止まない雨雲に数えきれないくらいの氷の粒を想像魔法で作って投入していくと、空気が一気に冷え込み、雨がみぞれから雹に変わり、雨雲も雷が発生しだしているのかバチバチと帯電しだした。
こうなれば雷が落ちるのも時間の問題だと思い、巨大なトレントの上部に壊れた槍を突き刺して、ドームの頂上から様子を伺うこと、数秒経ってようやくトレントに向かって雷が落ちるも、上部と槍が黒焦げになるだけで大したダメージを与えられなく、このままではある程度まで人工的に作ったものの、自然の雷ごときでは倒せないと思い、まだ帯電している雲から更に強く強大な雷を落とす想像をしていたら、俺の存在に気が付いたトレントがテントからドーム頂上に標的が変更されて、迫り来るトレントの枝が伸びて複数の枝分かれで攻撃を仕掛けて来ても、それらを避けながら雷の想像魔法を実行する。
すると、目も開けられないくらいの眩い光が光ったあと、凄まじく轟音が響き渡り、目を開けると目の前にギリギリに迫って止まっているトレントの枝があって、本体のトレントは黒焦げで沈黙した。雷を落としたあとは凄まじかった豪雨も晴れて、星空が見える空に変わった。
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