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2nd フェーズ 集
No.40 キビとコウノの警官的日常
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ここは警察署の側にあるカフェ、そこに一人の女性が緊張した様子で座っていた。
そんな彼女のもとにキビとコウノが現れる。
二人が席に着くとコーヒーを3杯、トレーに乗せて店員がテーブルにやってくる。
「どうもおまたせしてすみません、ウイト・ネスさんですね。連絡させてもらったキビです、こっちはコウノです。コーヒー勝手に頼んじゃいましたが良かったですか?」
「ええ、ありがとうございます、いい香りですね」
「アツアツなので、ヤケドしないように」
キビはそういってコーヒーをウイトに渡す。
ウイトは何度か息を吹きかけ、少しばかりコーヒーを口にした。
「ふぅ、ありがとうございます」
「それでは早速で申し訳ないのですが、ウイトさん、お話を聞かせて貰っても?」
キビがそう聞くと相手は頷いた。
「はい、大丈夫です。一昨日の夜はいつも通り寝てて。ふと夜に目を覚ましたら凄い光が。でもそんな光が出るようなものは近所にないんです。私は小さい頃から自然の中で過ごすのが好きで、それで今の会社に就職したんです。通勤しなくていい会社で、今は山の中で静かに暮らしています」
「念のためどのような企業かお聞きしても?」
コウノが質問する。
「ええ、農作物を扱っています。私の仕事はその品質の管理と搬出関係の管理です。とは言っても基本は報告が届くのでそれを確認するくらいの仕事ですが。基本は、ほらアンドロイドとかがやってくれるので」
「そうなんですね、ウイトさんは自然がお好きという事ですが、何か育てられたりは?」
コウノが再び質問をする。
「簡単な家庭菜園を、自分で全ての手入れをしています。普段の仕事ではアンドロイドだよりなので趣味ぐらいは自分でやろうかなって」
「なるほど、それでは夜に強い光を放つようなものはご自宅の周囲には無いのですね」
キビの発言に頷くウイト。
「なので怖かったですよ。でも気になって裏山まで行っちゃって。見たこともなくてあんな光、なんというか、そうシャボン玉みたいな」
「シャボン玉?」
彼女の発言が気になったキビは質問を重ねる。
「はい、シャボン玉みたいに球体なんですけどふよふよ風になびいているような。それでその光の中に街が見えたんです。本当なんです!自分でも変なことを言っている自覚はありますし、何度も夢じゃないかって思いました。でも違いました」
コウノが端末に一枚の画像を映して見せた。
「翌朝にこうなっていた、ということですね」
そこには大きく抉れた地面が映っていた。
その画像をみてウイトは頷く。
「これを見た夜の前後に、何かいつもと違うことはありませんでしたか?変な音がしたとか、これに似た変な光をみたとか、なんでもいいんです」
キビが質問するとウイトは少しばかりの時間を使い、記憶を探った。
「ごめんなさい、これ以外には何も」
「いえ、ありがとうございます。大変参考になりました。また何かありましたらご連絡を。これ私の連絡先です。ああ、そうだ、ウイトさん、最後に1つよろしいですか?ウイトさんの家の周辺に誰か住んでたり、何か施設があったりはしませんか?」
「いいえ、何も、だからあの家を選んで住んでいるので」
キビの質問に対して首を振るウイト。
彼女に対してキビとコウノは名刺を渡した。
「それでは帰り道お気をつけて」
二人はウイトを見送った。
「ふぅ、こっちの事件もまだ、よくわかってないままですね」
「確かに光るでっかいシャボン玉に関しては全く検討がつかないが、分かった事もある」
キビ達はオフィスに戻る。
「それで、分かった事ってなんですか?」
「1つ目はだだっ広い農場、2つ目は一人暮らしの家以外は周辺には何もない裏山で起きた」
話をしていると一人の警官が部屋に入って来た。
「キビさん!今度は川岸が抉れてたという話が」
「はい、3つ目、それの被害者は?」
「いません!その周辺は川ぐらいしかない場所で、発見者も川の側を車で通りかかった時に見つけたとのことです!」
その報告を聞いてキビは頷いた。
「よし分かった、ありがとな、戻っていいぞ」
「はい!失礼しました!」
警官は敬礼をして下がった。
「さて、これでより私の考えが確実になったな」
「どういうことですか?」
コウノが尋ねる。
「さっきの報告もいれて3つの同じような現象、それ以外に共通点があるんだ。何かわかるか?」
「え?うーん何でしょう。場所は全然違いますもんね。何かゆかりがあるような場所同士でもなさそう」
うーんと唸るコウノ。
そしてハッとする。
「あ!自然が豊かな所が多いです!」
「お、いい線だな。私の考えではこれを引き起こしてるヤツは人のいる場所を避けている。起きた事に注目すると規模はそれなりものだが、人の被害はゼロだ」
キビはオフィスにあるホワイトボードに事件現場を映した画像を数枚表示する。
「そうだとするとこの現象を引き起こしている、というか誰かが引き起こしているで確定なんですね、先輩の中では」
「当たり前だ、こんなのが自然現象であってたまるかよ」
「じゃあその犯人の目的は?」
コウノがそう聞くとキビはコーヒーを飲む。
「それは……さっぱり分からん!」
おもわずこけそうになるコウノ。
「なんですかそれ」
「まあ、そこは……ほら、専門家に聞いたほうが良いだろ?コーヒーお代わり」
マグカップをコウノに渡すキビ。
「朝から飲み過ぎですよ。お水にしておいてください」
ペットボトルの水を渡すコウノ。
「カフェイン中毒になるってか?私が警官になる前に言うべきだったな」
キビは自分のデスクから缶コーヒーを取り出す。無糖の凝縮ブラックだ。
呆れたようすでみるコウノ。
「なんだよ、私が自制の出来ないダメ人間だって?これでもタバコも止めたし、酒も仕事の合間に飲むことは控えるようにしたんだぞ」
そういってグイッと缶コーヒーを流し込むキビ。
「私たまにキビ先輩からお酒の匂いしてるのを黙ってるんですからね。鍵付きの引き出し……」
ボソッとコウノがそういうとキビが固まる。
「今度オフィスの掃除しましょうね」
「絶対いやだ」
そんな会話をして、情報をまとめたり等して過ごしていると
「やっほーカオルちゃん来たよー」
「おー、いいところに」
キビがそういうとコウノの所に連絡が入った。
「はい、ええ、もうオフィスに来てます。分かってます、そんな待ってくれるような方ではないと思うので。今度から待たせるときはお菓子を渡してください、それを食べている間は待ってくれるので」
コウノがその連絡に返答する。
「これわたしに来た!」
ユキチカは書類を取り出した。
「お、紙だ、なになに。プロジェクト名エデンズゲート?」
「ブルジョさんの所に潜入する前にお話してくれた農場の事、あれってそのプロジェクトが原因じゃないのかって」
「ブルジョさんはそういう妙な計画ばかり出してくるウルティメイトに不信感を抱いて、それで出資額を減らしたみたいです。他の襲われた人達も同じように出資額を減らした人達だったと」
シャーロットとジーナが説明する。
「なるほど……それで、この計画はどんなもんなんだ?なるべく私みたいなのにも分かるような優しい説明で頼む」
ユキチカがオフィスにあるボードを借りた、予定などが表示されているボードだ。彼はそれを裏返しにする。
「えっとね、ここにりんごが1つありましてー」
彼はりんごの絵を描く。
その次に半円を描く。
「これゲートね。ここをりんごを通すと」
もう一つの半円の線を少し離れた場所に描く。
「こっちにりんごが出てくる!」
「つまり瞬間移動ってやつか、できるのか?」
するとユキチカはりんごを消して点々を描いた。
「これを決めた場所にとばすの、それでその先でもう一度組み立てるの。あるいは」
彼はりんごを取り出す。
それに指を突き刺し貫通させた。
すると1人の警官がオフィスの扉をノックして入って来た。
「失礼します!またあの現象が!」
「よーし現場へゴー!」
ユキチカは指に林檎を刺したままオフィスの外に出ていく。
「ああ、ユキチカ様!」
ウルルが後を追う。
「それじゃあいつも通り現場へゴーするか」
キビ達は事件の起きた現場に向かうことに。
そんな彼女のもとにキビとコウノが現れる。
二人が席に着くとコーヒーを3杯、トレーに乗せて店員がテーブルにやってくる。
「どうもおまたせしてすみません、ウイト・ネスさんですね。連絡させてもらったキビです、こっちはコウノです。コーヒー勝手に頼んじゃいましたが良かったですか?」
「ええ、ありがとうございます、いい香りですね」
「アツアツなので、ヤケドしないように」
キビはそういってコーヒーをウイトに渡す。
ウイトは何度か息を吹きかけ、少しばかりコーヒーを口にした。
「ふぅ、ありがとうございます」
「それでは早速で申し訳ないのですが、ウイトさん、お話を聞かせて貰っても?」
キビがそう聞くと相手は頷いた。
「はい、大丈夫です。一昨日の夜はいつも通り寝てて。ふと夜に目を覚ましたら凄い光が。でもそんな光が出るようなものは近所にないんです。私は小さい頃から自然の中で過ごすのが好きで、それで今の会社に就職したんです。通勤しなくていい会社で、今は山の中で静かに暮らしています」
「念のためどのような企業かお聞きしても?」
コウノが質問する。
「ええ、農作物を扱っています。私の仕事はその品質の管理と搬出関係の管理です。とは言っても基本は報告が届くのでそれを確認するくらいの仕事ですが。基本は、ほらアンドロイドとかがやってくれるので」
「そうなんですね、ウイトさんは自然がお好きという事ですが、何か育てられたりは?」
コウノが再び質問をする。
「簡単な家庭菜園を、自分で全ての手入れをしています。普段の仕事ではアンドロイドだよりなので趣味ぐらいは自分でやろうかなって」
「なるほど、それでは夜に強い光を放つようなものはご自宅の周囲には無いのですね」
キビの発言に頷くウイト。
「なので怖かったですよ。でも気になって裏山まで行っちゃって。見たこともなくてあんな光、なんというか、そうシャボン玉みたいな」
「シャボン玉?」
彼女の発言が気になったキビは質問を重ねる。
「はい、シャボン玉みたいに球体なんですけどふよふよ風になびいているような。それでその光の中に街が見えたんです。本当なんです!自分でも変なことを言っている自覚はありますし、何度も夢じゃないかって思いました。でも違いました」
コウノが端末に一枚の画像を映して見せた。
「翌朝にこうなっていた、ということですね」
そこには大きく抉れた地面が映っていた。
その画像をみてウイトは頷く。
「これを見た夜の前後に、何かいつもと違うことはありませんでしたか?変な音がしたとか、これに似た変な光をみたとか、なんでもいいんです」
キビが質問するとウイトは少しばかりの時間を使い、記憶を探った。
「ごめんなさい、これ以外には何も」
「いえ、ありがとうございます。大変参考になりました。また何かありましたらご連絡を。これ私の連絡先です。ああ、そうだ、ウイトさん、最後に1つよろしいですか?ウイトさんの家の周辺に誰か住んでたり、何か施設があったりはしませんか?」
「いいえ、何も、だからあの家を選んで住んでいるので」
キビの質問に対して首を振るウイト。
彼女に対してキビとコウノは名刺を渡した。
「それでは帰り道お気をつけて」
二人はウイトを見送った。
「ふぅ、こっちの事件もまだ、よくわかってないままですね」
「確かに光るでっかいシャボン玉に関しては全く検討がつかないが、分かった事もある」
キビ達はオフィスに戻る。
「それで、分かった事ってなんですか?」
「1つ目はだだっ広い農場、2つ目は一人暮らしの家以外は周辺には何もない裏山で起きた」
話をしていると一人の警官が部屋に入って来た。
「キビさん!今度は川岸が抉れてたという話が」
「はい、3つ目、それの被害者は?」
「いません!その周辺は川ぐらいしかない場所で、発見者も川の側を車で通りかかった時に見つけたとのことです!」
その報告を聞いてキビは頷いた。
「よし分かった、ありがとな、戻っていいぞ」
「はい!失礼しました!」
警官は敬礼をして下がった。
「さて、これでより私の考えが確実になったな」
「どういうことですか?」
コウノが尋ねる。
「さっきの報告もいれて3つの同じような現象、それ以外に共通点があるんだ。何かわかるか?」
「え?うーん何でしょう。場所は全然違いますもんね。何かゆかりがあるような場所同士でもなさそう」
うーんと唸るコウノ。
そしてハッとする。
「あ!自然が豊かな所が多いです!」
「お、いい線だな。私の考えではこれを引き起こしてるヤツは人のいる場所を避けている。起きた事に注目すると規模はそれなりものだが、人の被害はゼロだ」
キビはオフィスにあるホワイトボードに事件現場を映した画像を数枚表示する。
「そうだとするとこの現象を引き起こしている、というか誰かが引き起こしているで確定なんですね、先輩の中では」
「当たり前だ、こんなのが自然現象であってたまるかよ」
「じゃあその犯人の目的は?」
コウノがそう聞くとキビはコーヒーを飲む。
「それは……さっぱり分からん!」
おもわずこけそうになるコウノ。
「なんですかそれ」
「まあ、そこは……ほら、専門家に聞いたほうが良いだろ?コーヒーお代わり」
マグカップをコウノに渡すキビ。
「朝から飲み過ぎですよ。お水にしておいてください」
ペットボトルの水を渡すコウノ。
「カフェイン中毒になるってか?私が警官になる前に言うべきだったな」
キビは自分のデスクから缶コーヒーを取り出す。無糖の凝縮ブラックだ。
呆れたようすでみるコウノ。
「なんだよ、私が自制の出来ないダメ人間だって?これでもタバコも止めたし、酒も仕事の合間に飲むことは控えるようにしたんだぞ」
そういってグイッと缶コーヒーを流し込むキビ。
「私たまにキビ先輩からお酒の匂いしてるのを黙ってるんですからね。鍵付きの引き出し……」
ボソッとコウノがそういうとキビが固まる。
「今度オフィスの掃除しましょうね」
「絶対いやだ」
そんな会話をして、情報をまとめたり等して過ごしていると
「やっほーカオルちゃん来たよー」
「おー、いいところに」
キビがそういうとコウノの所に連絡が入った。
「はい、ええ、もうオフィスに来てます。分かってます、そんな待ってくれるような方ではないと思うので。今度から待たせるときはお菓子を渡してください、それを食べている間は待ってくれるので」
コウノがその連絡に返答する。
「これわたしに来た!」
ユキチカは書類を取り出した。
「お、紙だ、なになに。プロジェクト名エデンズゲート?」
「ブルジョさんの所に潜入する前にお話してくれた農場の事、あれってそのプロジェクトが原因じゃないのかって」
「ブルジョさんはそういう妙な計画ばかり出してくるウルティメイトに不信感を抱いて、それで出資額を減らしたみたいです。他の襲われた人達も同じように出資額を減らした人達だったと」
シャーロットとジーナが説明する。
「なるほど……それで、この計画はどんなもんなんだ?なるべく私みたいなのにも分かるような優しい説明で頼む」
ユキチカがオフィスにあるボードを借りた、予定などが表示されているボードだ。彼はそれを裏返しにする。
「えっとね、ここにりんごが1つありましてー」
彼はりんごの絵を描く。
その次に半円を描く。
「これゲートね。ここをりんごを通すと」
もう一つの半円の線を少し離れた場所に描く。
「こっちにりんごが出てくる!」
「つまり瞬間移動ってやつか、できるのか?」
するとユキチカはりんごを消して点々を描いた。
「これを決めた場所にとばすの、それでその先でもう一度組み立てるの。あるいは」
彼はりんごを取り出す。
それに指を突き刺し貫通させた。
すると1人の警官がオフィスの扉をノックして入って来た。
「失礼します!またあの現象が!」
「よーし現場へゴー!」
ユキチカは指に林檎を刺したままオフィスの外に出ていく。
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