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1章 商業都市フレンティア
報告2
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「……そういうわけで、メイウェル伯爵たちとテッドを見つけること、昨日の各地で起きた自殺について、ひきつづき調べていく。今日は以上だ。明日も頼んだぞ。解散ッ!」
ヒルゼ様の解散という声で皆が次の目的のために動き出した。
俺も一旦孤児院に戻ろうと荷物をまとめているところで、俺の班が呼び出された。
「呼び出されること以上に怖いことなんてありますかね……呼び出された翌日って怖いですよね……」
「ゼルナ、卑屈になりすぎだ」
俺たちはヒルゼ様の部屋にいる。報告会をしていたエントランスよりも狭いが、本人は窮屈なくらいがちょうどいいらしい。
周りを見渡していると、俺たちを呼び出したヒルゼ様がセイエ様を連れて部屋に戻ってきた。
「すまんな、呼び出して」
「いえ、滅相もないです。それで、何かありましたか?」
「あぁ、それがな____」
「すまないが、愚夫に代わって私が話そう」
ヒルゼ様は自分の言葉を遮って割り込んできたセイエ様を見て、少ししょんぼりしていた。
喋りたかったのだろう。
ただ、セイエ様は魔法使いが絡む話のときに入ってくる。
セイエ様は魔法は使えるが、能力や魔力が平均的なくらいで魔法使いではない。ただ、他の人よりは魔法使い寄りで詳しい。
つまりは、今から魔法使い関連の話がされるのだろう。
俺たちがセイエ様に向き直ると、セイエ様は一枚の紙を机の上に置いた。
紙には『大陸魔法使い協会について』と上部に大きく記載されていて、全員見る目が変わった。
「見ての通り、昨日の件ともう一つでわかったことがあって呼ばせてもらった。
ゼルナが昨日の集団自殺について、大陸魔法使い協会が関与していると言っていたな。あのあと、色々なツテを渡ったり自分で調べたりして確信した。
報告で言われていた全員が自殺する前にしたあのポーズは、大陸魔法使い協会の儀式的な礼だった。
月に3度あるミサや挨拶の際に使うもので、崇拝する者への最大の敬意を示す姿勢のようだ。
他の場所もないか調べたが、大陸魔法使い協会以外はあのポーズを採用していなかった。
ゼルナが言った通り、大陸魔法使い協会が関与していると見て間違い無いだろう。
あと、集団自殺した全員の体のどこかに、ひとつは必ず黒いアザがあった。
もしかしたら、と思って調べさせたところ、洗脳魔法がかけてあった。とても強力なもので、今までの人格が変わったり傀儡と化したりするものだった。
フレンティアでそれほどの実力を持つ魔法使いがいたら、耳に入るはずだが……」
「それほどのレベルの魔法使いであれば、外部から侵入することもできないことはないです」
「もっともな見解だ。ただ……魔力の歪みを出さずに結界を通れるかといわれれば、話は変わってくる」
「それは、たしかに難しいですね…」
魔法の話になると、ゼルナとセイエ様についていけなくなる。
俺とヒルゼ様は特にそうだ。
魔力が誰にでもあっても、魔法は使う人を選ぶ。
使えもしないとわかっている魔法を使おうと努力することは、嘲笑の的になるだけだ。
2人の会話が白熱しそうなところで、ハースが咳払いをした。
音が聞こえて我に返ったのか、周りの状況に気づいた2人は、今にもキスできそうな距離まで近づいていた顔をお互いに離した。
「……あー、とりあえず。外部犯の可能性が高いということだ。少し白熱してしまったな、この話は一旦ここまでにしよう」
少し、ではない気がするが何も言わなかった。
セイエ様は申し訳ないという顔をして話を戻した。
「それで、もうひとつわかったことだが、もう一度確認していいか?
ルーク、お前が検閲を担当して孤児院まで連れて行った少女は、どこの魔法使いの誰だ?」
「………?
大陸魔法使い協会本部に所属している、クレア=モルダナティスです」
俺はセイエ様の質問に疑問しか浮かばない。
なぜそんなことを聞くのだろうか。
首を傾げている俺を見て、セイエ様は一度深く息を吐いた。
「大陸魔法使い協会本部に問い合わせたが____
クレア=モルダナティスは10年前に殉死したそうだ」
ヒルゼ様の解散という声で皆が次の目的のために動き出した。
俺も一旦孤児院に戻ろうと荷物をまとめているところで、俺の班が呼び出された。
「呼び出されること以上に怖いことなんてありますかね……呼び出された翌日って怖いですよね……」
「ゼルナ、卑屈になりすぎだ」
俺たちはヒルゼ様の部屋にいる。報告会をしていたエントランスよりも狭いが、本人は窮屈なくらいがちょうどいいらしい。
周りを見渡していると、俺たちを呼び出したヒルゼ様がセイエ様を連れて部屋に戻ってきた。
「すまんな、呼び出して」
「いえ、滅相もないです。それで、何かありましたか?」
「あぁ、それがな____」
「すまないが、愚夫に代わって私が話そう」
ヒルゼ様は自分の言葉を遮って割り込んできたセイエ様を見て、少ししょんぼりしていた。
喋りたかったのだろう。
ただ、セイエ様は魔法使いが絡む話のときに入ってくる。
セイエ様は魔法は使えるが、能力や魔力が平均的なくらいで魔法使いではない。ただ、他の人よりは魔法使い寄りで詳しい。
つまりは、今から魔法使い関連の話がされるのだろう。
俺たちがセイエ様に向き直ると、セイエ様は一枚の紙を机の上に置いた。
紙には『大陸魔法使い協会について』と上部に大きく記載されていて、全員見る目が変わった。
「見ての通り、昨日の件ともう一つでわかったことがあって呼ばせてもらった。
ゼルナが昨日の集団自殺について、大陸魔法使い協会が関与していると言っていたな。あのあと、色々なツテを渡ったり自分で調べたりして確信した。
報告で言われていた全員が自殺する前にしたあのポーズは、大陸魔法使い協会の儀式的な礼だった。
月に3度あるミサや挨拶の際に使うもので、崇拝する者への最大の敬意を示す姿勢のようだ。
他の場所もないか調べたが、大陸魔法使い協会以外はあのポーズを採用していなかった。
ゼルナが言った通り、大陸魔法使い協会が関与していると見て間違い無いだろう。
あと、集団自殺した全員の体のどこかに、ひとつは必ず黒いアザがあった。
もしかしたら、と思って調べさせたところ、洗脳魔法がかけてあった。とても強力なもので、今までの人格が変わったり傀儡と化したりするものだった。
フレンティアでそれほどの実力を持つ魔法使いがいたら、耳に入るはずだが……」
「それほどのレベルの魔法使いであれば、外部から侵入することもできないことはないです」
「もっともな見解だ。ただ……魔力の歪みを出さずに結界を通れるかといわれれば、話は変わってくる」
「それは、たしかに難しいですね…」
魔法の話になると、ゼルナとセイエ様についていけなくなる。
俺とヒルゼ様は特にそうだ。
魔力が誰にでもあっても、魔法は使う人を選ぶ。
使えもしないとわかっている魔法を使おうと努力することは、嘲笑の的になるだけだ。
2人の会話が白熱しそうなところで、ハースが咳払いをした。
音が聞こえて我に返ったのか、周りの状況に気づいた2人は、今にもキスできそうな距離まで近づいていた顔をお互いに離した。
「……あー、とりあえず。外部犯の可能性が高いということだ。少し白熱してしまったな、この話は一旦ここまでにしよう」
少し、ではない気がするが何も言わなかった。
セイエ様は申し訳ないという顔をして話を戻した。
「それで、もうひとつわかったことだが、もう一度確認していいか?
ルーク、お前が検閲を担当して孤児院まで連れて行った少女は、どこの魔法使いの誰だ?」
「………?
大陸魔法使い協会本部に所属している、クレア=モルダナティスです」
俺はセイエ様の質問に疑問しか浮かばない。
なぜそんなことを聞くのだろうか。
首を傾げている俺を見て、セイエ様は一度深く息を吐いた。
「大陸魔法使い協会本部に問い合わせたが____
クレア=モルダナティスは10年前に殉死したそうだ」
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