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1章 商業都市フレンティア
誘拐(ルークside)
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「……!……………ク!ルーク!!」
俺は誰かに呼ばれてばちっと目を覚ました。
一番最初に視界に入ってきたのは、リリーだった。
リリーは俺が目を覚ましたのを確認して俺に飛びついてくる。
リリーを抱き止めようと体を動かすと、ジャラジャラと音がした。
両足手首に鎖がつけられていた。
だが、後ろ手に繋がれているわけではないため、行動が制限されているだけだ。
リリーにはつけられていないみたいだ。
時間がわからない。
暗いということは夜なのか。
あれからどれだけ経って、ここは一体どこなのか。
部屋を確認しようとしたとき、突然扉が開いて人が入ってきた。
「おや、起きましたか」
「……っ!」
俺は咄嗟にリリーを守って身構える。
声からして男だろうか。
フードを目深に被った男は乾いた笑いをして、近くの木箱に腰掛けた。
「やだなぁ、そんなに警戒されたら悲しいですよ」
「………お前が手紙を出したのか」
「あぁ、気づきました?」
男は飄々としている。
まるで捕まるはずがないと分かっているかのような口ぶりで話してくる。
依然として警戒している俺を見ながら、男は話を続ける。
「本当はあなたに『銀の魔女』を連れてきてもらいたかったのですが……。洗脳の効きが悪かったので、連れてきたほうが早いと思いまして」
「洗脳………?」
「はい!………おや、しかしその反応だと洗脳だと分かっていなかったようですね………。
何だか、それはそれで癪ですね」
男はつまらなさそうな声で答えると息を吐いて、扉を開けた。
出ていってしまう。
何か、情報を得なければ_____!
「待て!わざわざ俺を攫った理由を教えろ!!」
俺が男に向かって叫ぶように問うと、男はぴくりと扉にかけていた手を震わせた。
何だ……?急に空気が変わった。
何かが肌に刺さっているくらいに痛い空気。
俺はリリーを抱きしめる力を強くする。
男は大きく息を吐くと、俺の方を向いた。
「私はエサとして、です。あなたがどんな状態でもよかったので……」
男はそれだけ言い残して部屋を後にした。
『私は』と言った。
つまり、男には協力者がいるのかもしれない。
俺は男の言葉を考えながら部屋を見渡す。
窓はなくて一面が暗くてよく見えない。
男が出入りしていた扉から俺のいる場所までは離れていた。
声の響き的にもこの部屋は結構広い。
俺は自分の鎖がどこまで伸びるのかを確かめるために歩いてみる。
「くそ………、嫌らしい長さにしやがって」
歩いてみたところ、鎖は扉と反対側の壁の近くから伸びていて、俺が扉に手を伸ばせない長さが限界だと知った。
歩いてみて、やはりこの部屋は広い。
至る所に積まれた木箱や何かが書かれている紙が散乱していて、歩いている途中何度か当たってしまうくらいには散らかっている。
そして、この部屋はあの扉以外の出口がない。
リリーを逃すのもあそこしかないだろう。
俺は鎖のある壁際に寄って、俺に抱かれているリリーを見る。
リリーは自分の置かれている状況がわかっているのだろうか。
すると、リリーが俺の服を引っ張った。
「あのね、リリーね、ちょうちょさん追いかけてたら、まいごになっちゃったの。それでたくさん泣いてたらね、右のほっぺにきずのあるおじさんが、たすけてくれたの。
『おともだちをつれてくる』って」
「右のほっぺに傷……」
俺はそれだけでテッドのことだとすぐに分かった。
つまり、あの男とテッドは共犯ということだ。
面倒なことになったとため息をつきそうになって、リリーいることを思い出してやめる。
「リリーは怖いことされなかったか?」
「……?うん!リリーね、さっきの人にまほうを見せてもらったんだよ!」
「へぇ……どんな魔法を見たんだ?」
「さいしょはね、いろんな色のひかりがうさぎさんとかねこさんになって、ふわふわしてるのを見せてもらって……」
俺はリリーの話を聞いて、見せてもらった魔法を教えてもらう。
形を変えた光、小さな花火、息ができる水の球体……。
聞いた限りでは、あの男は3属性以上は同等レベルで使える魔法使いのようだ。
ゼルナやクレアも複数属性が同等レベルで使えるから当たり前に見えるが、普通は2属性が同等で使えればいいほうだ。
ひとつの属性に特化することが当たり前だ。
俺の周りにいる魔法使いは全員常識はずれなやつらばかりだと思い知らされる。
厄介なことになった。
常識はずれの魔法使いと屈強なテッド。
1人でリリーを逃すまで相手できるか?
俺は魔法が使えるわけでもないし、テッドを凌ぐほどの強さもない。
俺に魔法が使えたら。
俺に強さがあったら。
今この状況を打破できるかもしれないのに。
俺は何ひとつ持っていない。
俺が自分の不甲斐なさに歯を食いしばっていると、また扉が開いた。
「テッド………………!」
俺は誰かに呼ばれてばちっと目を覚ました。
一番最初に視界に入ってきたのは、リリーだった。
リリーは俺が目を覚ましたのを確認して俺に飛びついてくる。
リリーを抱き止めようと体を動かすと、ジャラジャラと音がした。
両足手首に鎖がつけられていた。
だが、後ろ手に繋がれているわけではないため、行動が制限されているだけだ。
リリーにはつけられていないみたいだ。
時間がわからない。
暗いということは夜なのか。
あれからどれだけ経って、ここは一体どこなのか。
部屋を確認しようとしたとき、突然扉が開いて人が入ってきた。
「おや、起きましたか」
「……っ!」
俺は咄嗟にリリーを守って身構える。
声からして男だろうか。
フードを目深に被った男は乾いた笑いをして、近くの木箱に腰掛けた。
「やだなぁ、そんなに警戒されたら悲しいですよ」
「………お前が手紙を出したのか」
「あぁ、気づきました?」
男は飄々としている。
まるで捕まるはずがないと分かっているかのような口ぶりで話してくる。
依然として警戒している俺を見ながら、男は話を続ける。
「本当はあなたに『銀の魔女』を連れてきてもらいたかったのですが……。洗脳の効きが悪かったので、連れてきたほうが早いと思いまして」
「洗脳………?」
「はい!………おや、しかしその反応だと洗脳だと分かっていなかったようですね………。
何だか、それはそれで癪ですね」
男はつまらなさそうな声で答えると息を吐いて、扉を開けた。
出ていってしまう。
何か、情報を得なければ_____!
「待て!わざわざ俺を攫った理由を教えろ!!」
俺が男に向かって叫ぶように問うと、男はぴくりと扉にかけていた手を震わせた。
何だ……?急に空気が変わった。
何かが肌に刺さっているくらいに痛い空気。
俺はリリーを抱きしめる力を強くする。
男は大きく息を吐くと、俺の方を向いた。
「私はエサとして、です。あなたがどんな状態でもよかったので……」
男はそれだけ言い残して部屋を後にした。
『私は』と言った。
つまり、男には協力者がいるのかもしれない。
俺は男の言葉を考えながら部屋を見渡す。
窓はなくて一面が暗くてよく見えない。
男が出入りしていた扉から俺のいる場所までは離れていた。
声の響き的にもこの部屋は結構広い。
俺は自分の鎖がどこまで伸びるのかを確かめるために歩いてみる。
「くそ………、嫌らしい長さにしやがって」
歩いてみたところ、鎖は扉と反対側の壁の近くから伸びていて、俺が扉に手を伸ばせない長さが限界だと知った。
歩いてみて、やはりこの部屋は広い。
至る所に積まれた木箱や何かが書かれている紙が散乱していて、歩いている途中何度か当たってしまうくらいには散らかっている。
そして、この部屋はあの扉以外の出口がない。
リリーを逃すのもあそこしかないだろう。
俺は鎖のある壁際に寄って、俺に抱かれているリリーを見る。
リリーは自分の置かれている状況がわかっているのだろうか。
すると、リリーが俺の服を引っ張った。
「あのね、リリーね、ちょうちょさん追いかけてたら、まいごになっちゃったの。それでたくさん泣いてたらね、右のほっぺにきずのあるおじさんが、たすけてくれたの。
『おともだちをつれてくる』って」
「右のほっぺに傷……」
俺はそれだけでテッドのことだとすぐに分かった。
つまり、あの男とテッドは共犯ということだ。
面倒なことになったとため息をつきそうになって、リリーいることを思い出してやめる。
「リリーは怖いことされなかったか?」
「……?うん!リリーね、さっきの人にまほうを見せてもらったんだよ!」
「へぇ……どんな魔法を見たんだ?」
「さいしょはね、いろんな色のひかりがうさぎさんとかねこさんになって、ふわふわしてるのを見せてもらって……」
俺はリリーの話を聞いて、見せてもらった魔法を教えてもらう。
形を変えた光、小さな花火、息ができる水の球体……。
聞いた限りでは、あの男は3属性以上は同等レベルで使える魔法使いのようだ。
ゼルナやクレアも複数属性が同等レベルで使えるから当たり前に見えるが、普通は2属性が同等で使えればいいほうだ。
ひとつの属性に特化することが当たり前だ。
俺の周りにいる魔法使いは全員常識はずれなやつらばかりだと思い知らされる。
厄介なことになった。
常識はずれの魔法使いと屈強なテッド。
1人でリリーを逃すまで相手できるか?
俺は魔法が使えるわけでもないし、テッドを凌ぐほどの強さもない。
俺に魔法が使えたら。
俺に強さがあったら。
今この状況を打破できるかもしれないのに。
俺は何ひとつ持っていない。
俺が自分の不甲斐なさに歯を食いしばっていると、また扉が開いた。
「テッド………………!」
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