6 / 74
第6話 収穫祭と小さな仲間
しおりを挟む
収穫祭の日、グリーンヘイブンの村は朝から活気に満ちていた。屋台が立ち並び、広場には色とりどりの装飾が施されている。白石悠真は魔像結晶を首から下げ、村の入り口で待っていた。
「悠真さーん!」
ミリアムの声が聞こえ、振り向くと、彼女は今日は特別な装いだった。いつもの薄緑のワンピースではなく、華やかな民族衣装に身を包み、頭には花冠を載せている。
「遅くなってごめんなさい。準備に時間がかかっちゃって」
「気にしないで。その衣装、似合ってるよ」
悠真の言葉に、ミリアムは頬を赤らめた。
「あ、ありがとうございます。実は収穫祭の伝統衣装なんです。女の子は皆これを着るんですよ」
ミリアムはそう説明しながら、悠真の手を取った。
「さあ、お祭りを楽しみましょう!」
二人は賑わう村の広場へと足を進めた。屋台では様々な食べ物や手作りの品々が売られている。子供たちは木の実で作った楽器を鳴らし、老人たちは昔話に花を咲かせていた。
「わあ、すごいね」
悠真は魔像結晶を構え、祭りの様子を撮影し始めた。
「あっ、あれは風の果実ですよ!食べると体が軽くなる感覚になるんです」
ミリアムが指さす方向には、青い光を放つ果実を売る屋台があった。
「じゃあ、試してみよう」
悠真が銀貨を取り出すと、屋台の老婆は笑顔で果実を二つ手渡した。一つをミリアムに渡し、悠真も一口かじってみる。
「うわっ!」
突然、体が浮くような感覚に襲われた。足が地面から少し浮き上がっている。
「ははは、初めての人はびっくりするよね」
ミリアムも少し浮かびながら、くるりと回った。その姿があまりにも楽しそうで、悠真も思わず笑みがこぼれた。
「こういう不思議な食べ物も多いの?」
「はい!魔法の恵みですから。あ、あっちでは踊りが始まりますよ!」
広場の中央では、村の若者たちが輪になって踊り始めていた。リズミカルな音楽に合わせ、彼らは手を取り合い、時に跳ね、時に回る。
「悠真さんも一緒に踊りましょう!」
「え?いや、俺は…」
言い終わらないうちに、ミリアムに手を引かれ、踊りの輪の中へ。
「大丈夫、簡単ですよ!右、左、飛んで、回って!」
不器用な悠真だったが、ミリアムの笑顔に導かれ、次第に踊りのリズムを掴んでいった。周りの村人たちも温かく見守り、時に手助けしてくれる。
「意外と楽しいかも」
風の果実の効果もあってか、悠真は普段より軽やかに踊ることができた。その姿を見たミリアムは嬉しそうに笑った。
――――――
踊りが終わり、二人は屋台を回りながら祭りを楽しんだ。風船のような形をした「空飛ぶランタン」を購入し、それぞれに願い事を書いて夜空に飛ばした。
「何をお願いしたんですか?」
「それは内緒だよ」
悠真はミリアムの頭を軽く撫でた。実際は「牧場と村の平和が続きますように」と書いたのだが、少し照れくさかった。
「もう、悠真さんったら!」
ミリアムが膨れっ面をしていると、突然、人々の間に騒ぎが起こった。広場の端にいた子供が泣き出し、周りの大人たちが駆け寄っている。
「どうしたんだろう」
二人が近づくと、小さな男の子が膝を擦りむいて泣いていた。傷はそれほど深くないものの、赤く腫れている。
「大丈夫?」
悠真が男の子に声をかけると、男の子は涙目で頷いた。
「これは、薬草を…」
ミリアムが言いかけたとき、悠真は思いついた。
「ちょっと待っていて。すぐ戻るから」
悠真は急いで牧場へと戻り、サクラを連れてきた。薄桃色の羊は状況を察したのか、男の子の前にそっと近づき、傷に鼻先を触れた。
「うわっ!」
ピンク色の光が男の子の膝を包み込む。光が消えると、傷は跡形もなく癒えていた。
「す、すごい…」
周りの村人たちからどよめきが起こる。
「これは…ヒーリングシープ!」
「幻の癒し羊じゃないか!」
男の子は嬉しそうに立ち上がり、サクラの頭を撫でた。
「ありがとう!」
サクラは満足げに「メェ」と鳴いた。悠真はサクラを抱き上げ、ミリアムの隣に戻った。
「よく思いついましたね!サクラちゃんの力はみんなを笑顔にしますね」
ミリアムの言葉通り、村人たちはサクラに興味津々で、次々と近づいてきた。特に子供たちは大喜びで、順番にサクラを撫でていく。
「悠真さん、サクラちゃんを連れてきてくれてありがとう。これで祭りがもっと盛り上がるわ」
村長のメアリーが悠真に感謝の言葉を述べた。彼女は優しい笑顔の中年女性で、髪に白いものが混じり始めていた。
「いえ、サクラも喜んでますから」
確かにサクラは皆の注目を浴びて、とても嬉しそうだった。
「あ、魔法の花火が始まりますよ!」
ミリアムが夜空を指さした。そこには魔法使いたちが杖を掲げ、呪文を唱えている。
「準備はいいかい?せーの!」
掛け声と共に、空に無数の光の粒が放たれた。通常の花火とは違い、それらは龍や鳳凰、巨大な花のかたちに変化し、色を変えながら夜空を舞った。
「綺麗…」
ミリアムの目が輝いている。悠真は魔像結晶でその光景を収めながら、心の中で思った。
(この世界に来て良かったかも)
花火が最高潮に達したとき、突然、一匹の小さな生き物が悠真の足元に転がり込んできた。それは青い毛並みを持つ、リスのような動物だった。
「あれ?これは…」
悠真が手を伸ばすと、その生き物は警戒することなく悠真の手の上に乗った。
「えっ!?そのリス、まさか……」
ミリアムが驚いた声を上げる。水晶リスは悠真をじっと見つめ、突然、尻尾から青い水滴が滴り落ちた。その水滴は地面に触れると、美しい小さな水晶に変化した。
「やっぱり!この子、水晶リスですよ。水を結晶化させる能力を持つんです。水不足の地域では大変貴重な存在なんですよ」
リスは悠真の肩に飛び乗り、耳元で「チチ」と鳴いた。
「これは、また仲間が増えるみたいだな」
悠真が微笑むと、リスは喜んで尻尾を振った。その様子を見たミリアムは嬉しそうに笑った。
「悠真さんの牧場、どんどん不思議な動物が集まってきますね。きっと運命なんだと思います」
「あぁ、そうかもな」
夜空を彩る魔法の花火の下、悠真はミリアムとサクラ、そして新たな仲間となりそうな水晶リスと共に、この瞬間を噛みしめていた。
「そうだ、この子の名前は…『アクア』にしようかな」
「素敵な名前です!」
アクアは喜んだように「チチ」と鳴き、悠真の肩の上でくるりと回った。祭りの夜は更けていったが、悠真の牧場生活の物語は、まだ始まったばかりだった。
「悠真さーん!」
ミリアムの声が聞こえ、振り向くと、彼女は今日は特別な装いだった。いつもの薄緑のワンピースではなく、華やかな民族衣装に身を包み、頭には花冠を載せている。
「遅くなってごめんなさい。準備に時間がかかっちゃって」
「気にしないで。その衣装、似合ってるよ」
悠真の言葉に、ミリアムは頬を赤らめた。
「あ、ありがとうございます。実は収穫祭の伝統衣装なんです。女の子は皆これを着るんですよ」
ミリアムはそう説明しながら、悠真の手を取った。
「さあ、お祭りを楽しみましょう!」
二人は賑わう村の広場へと足を進めた。屋台では様々な食べ物や手作りの品々が売られている。子供たちは木の実で作った楽器を鳴らし、老人たちは昔話に花を咲かせていた。
「わあ、すごいね」
悠真は魔像結晶を構え、祭りの様子を撮影し始めた。
「あっ、あれは風の果実ですよ!食べると体が軽くなる感覚になるんです」
ミリアムが指さす方向には、青い光を放つ果実を売る屋台があった。
「じゃあ、試してみよう」
悠真が銀貨を取り出すと、屋台の老婆は笑顔で果実を二つ手渡した。一つをミリアムに渡し、悠真も一口かじってみる。
「うわっ!」
突然、体が浮くような感覚に襲われた。足が地面から少し浮き上がっている。
「ははは、初めての人はびっくりするよね」
ミリアムも少し浮かびながら、くるりと回った。その姿があまりにも楽しそうで、悠真も思わず笑みがこぼれた。
「こういう不思議な食べ物も多いの?」
「はい!魔法の恵みですから。あ、あっちでは踊りが始まりますよ!」
広場の中央では、村の若者たちが輪になって踊り始めていた。リズミカルな音楽に合わせ、彼らは手を取り合い、時に跳ね、時に回る。
「悠真さんも一緒に踊りましょう!」
「え?いや、俺は…」
言い終わらないうちに、ミリアムに手を引かれ、踊りの輪の中へ。
「大丈夫、簡単ですよ!右、左、飛んで、回って!」
不器用な悠真だったが、ミリアムの笑顔に導かれ、次第に踊りのリズムを掴んでいった。周りの村人たちも温かく見守り、時に手助けしてくれる。
「意外と楽しいかも」
風の果実の効果もあってか、悠真は普段より軽やかに踊ることができた。その姿を見たミリアムは嬉しそうに笑った。
――――――
踊りが終わり、二人は屋台を回りながら祭りを楽しんだ。風船のような形をした「空飛ぶランタン」を購入し、それぞれに願い事を書いて夜空に飛ばした。
「何をお願いしたんですか?」
「それは内緒だよ」
悠真はミリアムの頭を軽く撫でた。実際は「牧場と村の平和が続きますように」と書いたのだが、少し照れくさかった。
「もう、悠真さんったら!」
ミリアムが膨れっ面をしていると、突然、人々の間に騒ぎが起こった。広場の端にいた子供が泣き出し、周りの大人たちが駆け寄っている。
「どうしたんだろう」
二人が近づくと、小さな男の子が膝を擦りむいて泣いていた。傷はそれほど深くないものの、赤く腫れている。
「大丈夫?」
悠真が男の子に声をかけると、男の子は涙目で頷いた。
「これは、薬草を…」
ミリアムが言いかけたとき、悠真は思いついた。
「ちょっと待っていて。すぐ戻るから」
悠真は急いで牧場へと戻り、サクラを連れてきた。薄桃色の羊は状況を察したのか、男の子の前にそっと近づき、傷に鼻先を触れた。
「うわっ!」
ピンク色の光が男の子の膝を包み込む。光が消えると、傷は跡形もなく癒えていた。
「す、すごい…」
周りの村人たちからどよめきが起こる。
「これは…ヒーリングシープ!」
「幻の癒し羊じゃないか!」
男の子は嬉しそうに立ち上がり、サクラの頭を撫でた。
「ありがとう!」
サクラは満足げに「メェ」と鳴いた。悠真はサクラを抱き上げ、ミリアムの隣に戻った。
「よく思いついましたね!サクラちゃんの力はみんなを笑顔にしますね」
ミリアムの言葉通り、村人たちはサクラに興味津々で、次々と近づいてきた。特に子供たちは大喜びで、順番にサクラを撫でていく。
「悠真さん、サクラちゃんを連れてきてくれてありがとう。これで祭りがもっと盛り上がるわ」
村長のメアリーが悠真に感謝の言葉を述べた。彼女は優しい笑顔の中年女性で、髪に白いものが混じり始めていた。
「いえ、サクラも喜んでますから」
確かにサクラは皆の注目を浴びて、とても嬉しそうだった。
「あ、魔法の花火が始まりますよ!」
ミリアムが夜空を指さした。そこには魔法使いたちが杖を掲げ、呪文を唱えている。
「準備はいいかい?せーの!」
掛け声と共に、空に無数の光の粒が放たれた。通常の花火とは違い、それらは龍や鳳凰、巨大な花のかたちに変化し、色を変えながら夜空を舞った。
「綺麗…」
ミリアムの目が輝いている。悠真は魔像結晶でその光景を収めながら、心の中で思った。
(この世界に来て良かったかも)
花火が最高潮に達したとき、突然、一匹の小さな生き物が悠真の足元に転がり込んできた。それは青い毛並みを持つ、リスのような動物だった。
「あれ?これは…」
悠真が手を伸ばすと、その生き物は警戒することなく悠真の手の上に乗った。
「えっ!?そのリス、まさか……」
ミリアムが驚いた声を上げる。水晶リスは悠真をじっと見つめ、突然、尻尾から青い水滴が滴り落ちた。その水滴は地面に触れると、美しい小さな水晶に変化した。
「やっぱり!この子、水晶リスですよ。水を結晶化させる能力を持つんです。水不足の地域では大変貴重な存在なんですよ」
リスは悠真の肩に飛び乗り、耳元で「チチ」と鳴いた。
「これは、また仲間が増えるみたいだな」
悠真が微笑むと、リスは喜んで尻尾を振った。その様子を見たミリアムは嬉しそうに笑った。
「悠真さんの牧場、どんどん不思議な動物が集まってきますね。きっと運命なんだと思います」
「あぁ、そうかもな」
夜空を彩る魔法の花火の下、悠真はミリアムとサクラ、そして新たな仲間となりそうな水晶リスと共に、この瞬間を噛みしめていた。
「そうだ、この子の名前は…『アクア』にしようかな」
「素敵な名前です!」
アクアは喜んだように「チチ」と鳴き、悠真の肩の上でくるりと回った。祭りの夜は更けていったが、悠真の牧場生活の物語は、まだ始まったばかりだった。
489
あなたにおすすめの小説
異世界召喚されたけどスキルが地味だったので、現代知識とアイテムボックスで絶品料理を作ったら大商会になっちゃいました
黒崎隼人
ファンタジー
手違いで剣も魔法もない異世界に召喚された、しがない日本のサラリーマン、湊カイリ。
彼に与えられたのは、無限に物が入る【アイテムボックス】と、物の名前が分かる【鑑定】という、あまりにも地味な二つのスキルだけだった。
戦闘能力は皆無。途方に暮れるカイリだったが、異世界の食事が絶望的に不味いことを知り、大きなチャンスに気づく。
現代日本の「当たり前」の知識は、この世界ではとんでもない「宝」なのだと!
「醤油?味噌?そんなものがあれば、この世界の食文化はひっくり返るぞ!」
ひょんなことから出会った没落貴族の美少女・リリアナと共に、カイリは現代知識と地味スキルを駆使して屋台から商売をスタート。
絶品料理で人々の胃袋を掴み、さらには便利な生活用品を次々と発明していく。
伝説の神獣の幼体「フェン」やドワーフの鍛冶師など、頼れる仲間たちも加わり、彼らが立ち上げた「サンライズ商会」は瞬く間に大躍進!
迫り来る悪徳商会や腐敗した貴族の妨害も、現代のマーケティング術と知恵で痛快に打ち破る!
これは、平凡なサラリーマンが異世界の常識を覆し、食と生活に革命を起こして一代で大商会を築き上げる、痛快成り上がりファンタジー!
美味しい料理と、もふもふな相棒、そして仲間との絆。
人生、逆転できないことなんて何もない!
異世界転生したおっさんが普通に生きる
カジキカジキ
ファンタジー
第18回 ファンタジー小説大賞 読者投票93位
応援頂きありがとうございました!
異世界転生したおっさんが唯一のチートだけで生き抜く世界
主人公のゴウは異世界転生した元冒険者
引退して狩をして過ごしていたが、ある日、ギルドで雇った子どもに出会い思い出す。
知識チートで町の食と環境を改善します!! ユルくのんびり過ごしたいのに、何故にこんなに忙しい!?
#密売じゃありません!ミツバイギフトで最高に美味しい果物作ったら、領主令息が夫になった件について
国府知里
ファンタジー
「がんばっても報われなかったあなたに」“スローライフ成り上がりファンタジー”
人生に疲れ果てた北村めぐみは、目覚めると異世界の農村で少女グレイスとして転生していた。この世界では6歳で神から“ギフト”を授かるという。グレイスが得た謎の力「ミツバイ」は、果物を蜜のように甘くするという奇跡の力だった!村を、領地を、やがて王国までも変えていく果樹栽培の物語がいま始まる――。美味しさが未来を育てる、異世界農業×スローライフ・ファンタジー!
元王城お抱えスキル研究家の、モフモフ子育てスローライフ 〜スキル:沼?!『前代未聞なスキル持ち』の成長、見守り生活〜
野菜ばたけ@既刊5冊📚好評発売中!
ファンタジー
「エレンはね、スレイがたくさん褒めてくれるから、ここに居ていいんだって思えたの」
***
魔法はないが、神から授かる特殊な力――スキルが存在する世界。
王城にはスキルのあらゆる可能性を模索し、スキル関係のトラブルを解消するための専門家・スキル研究家という職が存在していた。
しかしちょうど一年前、即位したばかりの国王の「そのようなもの、金がかかるばかりで意味がない」という鶴の一声で、職が消滅。
解雇されたスキル研究家のスレイ(26歳)は、ひょんな事から縁も所縁もない田舎の伯爵領に移住し、忙しく働いた王城時代の給金貯蓄でそれなりに広い庭付きの家を買い、元来からの拾い癖と大雑把な性格が相まって、拾ってきた動物たちを放し飼いにしての共同生活を送っている。
ひっそりと「スキルに関する相談を受け付けるための『スキル相談室』」を開業する傍ら、空いた時間は冒険者ギルドで、住民からの戦闘伴わない依頼――通称:非戦闘系依頼(畑仕事や牧場仕事の手伝い)を受け、スローな日々を謳歌していたスレイ。
しかしそんな穏やかな生活も、ある日拾い癖が高じてついに羊を連れた人間(小さな女の子)を拾った事で、少しずつ様変わりし始める。
スキル階級・底辺<ボトム>のありふれたスキル『召喚士』持ちの女の子・エレンと、彼女に召喚されたただの羊(か弱い非戦闘毛動物)メェ君。
何の変哲もない子たちだけど、実は「動物と会話ができる」という、スキル研究家のスレイでも初めて見る特殊な副効果持ちの少女と、『特性:沼』という、ヘンテコなステータス持ちの羊で……?
「今日は野菜の苗植えをします」
「おー!」
「めぇー!!」
友達を一千万人作る事が目標のエレンと、エレンの事が好きすぎるあまり、人前でもお構いなくつい『沼』の力を使ってしまうメェ君。
そんな一人と一匹を、スキル研究家としても保護者としても、スローライフを通して褒めて伸ばして導いていく。
子育て成長、お仕事ストーリー。
ここに爆誕!
追放された荷物持ちですが、実は滅んだ竜族の末裔でした~のんびり暮らしたいのに、なぜかそうならない~
ソラリアル
ファンタジー
目が覚めたら、俺は孤児だった。 家族も、家も、居場所もない。
そんな俺を拾ってくれたのは、優しいSランク冒険者のパーティだった。
「荷物持ちでもいい、仲間になれ」
その言葉を信じて、俺は必死についていった。
だけど、自分には何もできないと思っていた。
それでも少しでも役に立ちたくて、夜な夜な一人で力を磨いた。
だけどある日、彼らは言った。
『ここからは危険だ。荷物持ちは、もう必要ない』
それは、俺の身を案じた「優しさ」からの判断だった。
俺も分かっていた。
だから、黙ってそれを受け入れ、静かにパーティを離れた。
「もう誰にも必要とされなくてもいい。一人で、穏やかに生きていこう」
そう思っていた。そのはずだった。
――だけど。
ダンジョンの地下で出会った古代竜の魂と、
“様々な縁”が重なり、騒がしくなった。
「最強を目指すべくして生まれた存在」
「君と一緒に行かせてくれ。」
「……オリオンを辞めさせた、本当の理由を知っている」
穏やかなスローライフ生活を望んだはずなのに、
世界はまた、勝手に動き出してしまったらしい――
◇小説家になろう・カクヨムでも同時連載中です◇
料理の上手さを見込まれてモフモフ聖獣に育てられた俺は、剣も魔法も使えず、一人ではドラゴンくらいしか倒せないのに、聖女や剣聖たちから溺愛される
向原 行人
ファンタジー
母を早くに亡くし、男だらけの五人兄弟で家事の全てを任されていた長男の俺は、気付いたら異世界に転生していた。
アルフレッドという名の子供になっていたのだが、山奥に一人ぼっち。
普通に考えて、親に捨てられ死を待つだけという、とんでもないハードモード転生だったのだが、偶然通りかかった人の言葉を話す聖獣――白虎が現れ、俺を育ててくれた。
白虎は食べ物の獲り方を教えてくれたので、俺は前世で培った家事の腕を振るい、調理という形で恩を返す。
そんな毎日が十数年続き、俺がもうすぐ十六歳になるという所で、白虎からそろそろ人間の社会で生きる様にと言われてしまった。
剣も魔法も使えない俺は、少しだけ使える聖獣の力と家事能力しか取り柄が無いので、とりあえず異世界の定番である冒険者を目指す事に。
だが、この世界では職業学校を卒業しないと冒険者になれないのだとか。
おまけに聖獣の力を人前で使うと、恐れられて嫌われる……と。
俺は聖獣の力を使わずに、冒険者となる事が出来るのだろうか。
※第○話:主人公視点
挿話○:タイトルに書かれたキャラの視点
となります。
グラサン幼女の異世界とらべるっ! ~最強の【魔眼】を宿す転生幼女は、もふかわ神獣を連れてスローライフな旅路を楽しみます~
空戯ケイ
ファンタジー
社畜OL、水城愛璃(みずきあいり)は、女神のうっかりミスにより25歳の若さで死んだ。
お詫びとして女神が提案したのは、オッドアイの幼女ボディへの転生。
そうして幼女の姿で異世界転生を果たしたアイリだったが、
特異体質により『感情が高ぶると暴発する魔眼』が宿っていることが発覚!
しかも両目!?
それを封じるため、女神から与えられたユニークスキルは、『神のサングラス』。
このサングラスをかければ、魔眼の暴発を抑えられるらしいけど……常にグラサンかけてる幼女とか怪しすぎじゃない!?
だけど、とある"激レア魔道具"があれば 、なんと魔眼を完治できるらしい。
ならばその魔道具を手に入れるため、異世界を巡るしかないっ!
さらに旅の道すがら、もふもふフェンリルや忍者少女、特異スライムを仲間にし、珍道中はさらに加速していって――!!
まったりのんびりをモットーに、たまに魔物や刺客に襲われちゃう。
【グラサン幼女】の破天荒な異世界旅が始まる!
※更新は不定期です。
五十一歳、森の中で家族を作る ~異世界で始める職人ライフ~
よっしぃ
ファンタジー
【ホットランキング1位達成!皆さまのおかげです】
多くの応援、本当にありがとうございます!
職人一筋、五十一歳――現場に出て働き続けた工務店の親方・昭雄(アキオ)は、作業中の地震に巻き込まれ、目覚めたらそこは見知らぬ森の中だった。
持ち物は、現場仕事で鍛えた知恵と経験、そして人や自然を不思議と「調和」させる力だけ。
偶然助けたのは、戦火に追われた五人の子供たち。
「この子たちを見捨てられるか」――そうして始まった、ゼロからの異世界スローライフ。
草木で屋根を組み、石でかまどを作り、土器を焼く。やがて薬師のエルフや、獣人の少女、訳ありの元王女たちも仲間に加わり、アキオの暮らしは「町」と呼べるほどに広がっていく。
頼れる父であり、愛される夫であり、誰かのために動ける男――
年齢なんて関係ない。
五十路の職人が“家族”と共に未来を切り拓く、愛と癒しの異世界共同体ファンタジー!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる