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第46話
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「アーシラと言います、先程は助けてくれて、ありがとうございます」
先程助けたゴブリン娘はアーシラといい、ゴブリンプリンセスで間違いないようだ。
「巣穴が壊滅したとか言ってたけど?」
「はい、私を残して兄も弟も父も、皆やられてしまいました……」
母が居ない理由、それは他種族のメスを捕まえて母体にするのがゴブリンやオークなどオスが多い魔物の特性らしい。ちなみに人間やエルフが母体として使われることが多いらしいし、ダメになったらそのまま食べてしまうらしい。
「アーシラは今後どうするつもり?」
ゴブリンやオーク、オーガなどの中には知識の高い特殊な種族が産まれることがあるアーシラはそのパターンの一つだ。ちなみにアル達ハイコボルトもそれに該当する。
「わからない……もう帰る場所も生きる意味も分からない、教えてもらう前に皆死んじゃった……」
プリンセスは群れを率いる長となる個体が多い、しかし彼女はその群れを失ってしまったのだ。話を聞く感じまだゴブリンとしての習性すら身に着けていないようだ、つまりまだ血に汚れていないゴブリンなのだ。
「それなら、ここに住んでみませんか?」
アズハがアーシラを後ろから優しく抱きしめながらそう言った。
「私達と一緒にここで楽しく暮らしながら自分がどうしたいか決めていきましょ?」
「うん、うん……」
アーシラは涙をながす、しかし嬉しそうに頷いていた。とりあえず俺もそのつもりだったしまぁいいでしょ。
「少しずつなれていこうな」
俺も優しく頭を撫でてあげた、こういうのも悪くないでしょう。
「ねぇね! 手伝う!」
「じゃあ一緒にやろっか」
アーシラが来てしばらく経った、アズハの事をねぇねと慕い寝る時まで常に一緒に居る。すっかり懐いていて良いことだと思う。
「主様」
「ルルネラ、どうしたの?」
「桃が美味しい頃合いですよ」
「了解、じゃあ今日は桃狩りと行こうか」
実は昆虫軍団のサポートもあり、少々前から桃の木と柿の木が一気に増えていて既に十本は越えている。実を落とさないように運ぶのは大変だったが、土地の影響か地球で見たことのある木より遥かに大きく実の数も多い。ちょっと欲張り過ぎたかな?
「セナ、ちょっと数人手伝ってもらっていい? あと蜘蛛さんズも」
「は~い」
やり方としては去年の柿とほぼ同じだ、ちょっと違うのは蜘蛛さんズに桃と採ってもらいそれをキャッチ、籠に入れていくという方法になった。理由は桃がダメージを受けやすいから下でネットを広げてそこへボトボト落下だと桃同士がぶつかって傷んでしまう、それの対策でこうなった。ちなみにドラゴンモードでごっそりも考えたが加減ができなくて的にぐちゃぐちゃにする未来と木をダメにする可能性があったのでやめた。
「まだ青い奴とか熟してないのはそのまま残していいからね」
こういう判別は人間より昆虫である蜘蛛さんズの方が敏感だと思う、収穫の判断は任せて大丈夫だと思う。
「それにしてもすごい数ですね」
「野生のものを持ってきてこれだからね、来年はもっとすごいかもね」
食べたいというのもあるが木を多く集めた理由はもう一つある、試したいことがあるのだ。
「おっと、さくさくですね」
蜘蛛さんズは桃を上手く判別して次々と鎌足で器用に切り落としていく。俺らはそれをキャッチして集めればいいだけだから楽と言えば楽だがたまに勢いあまって落としそうになったりした。
「ヘラクスやタランドゥス達のご飯でもあるから数も必要だしさっさとすませちゃおう」
ちなみに、彼らは時々美味しそうな桃をつまみ食いしてたりする、堂々と食べてくれても構わないくらいの活躍はしてくれてるのだけどね。
「とりあえず桃だけでいいんですか?」
「リリネラがブドウはもうちょっと時間を掛けたほうがいいって言ってたし柿は秋、とりあえず桃だけでいいよ」
ここ数日でお願いして新しい樽の量産も進めている、お酒作りも時間かかりそうだし早く始めたいんだけどね。桃って今なんかできる料理あったかな? 知識がない……食材は揃ってきているし魔法で氷の部屋が作れるから保存もできる。調味料が足りな過ぎる……料理のさしすせそだっけ? まずそれを揃えたいな。
「とりあえずこんなもんかな、皆お疲れさま!」
なんだかんだ一日かかったが結構な数が収穫できた、蜘蛛さんズに判別を任せたがそれでもまだ三分の一くらいは残っている。また収穫ができるのはいいことだ、そして既にヘラクスさん達が運ぶ準備をしている。手伝ってくれるのはありがたいが間違いなく食べたいよね?
「でもこんな量だと全部食べる前に傷んでダメになってしまうのでは?」
「そこは大丈夫、ちょっとやってみたいことがあるんだよね」
「はぁ?」
果物は昆虫軍団以外にも妖精達の主食になる、彼女らは肉とかも食べれるけど好みで言うとやはり果物など甘い物なのだ。
「あるじ様、あるじ様!」
「ん? どうしたの?」
収穫した桃を運んでいると妖精の一人が近づいて来た。桃を分けて欲しいのかな?
「植えさせてもらってた妖精の実ももうすぐ収穫できるよ! だから手伝ってほしいの!」
妖精の実妖精族がここに移住してから速攻で植えて育てていた果物で形状や実の雰囲気はイチゴと酷似しているしほぼ同じ条件だと思う。既に四季の影響を無視しているという違いは出てるけど……地球知識は検索掛ければ出てくる。しかし完全にそれが通用するわけではないのだ。実際食べていて思ったが似た見た目でも味が濃かったりちょっと薄かったりとイメージ通りではあるが差がある。塩や砂糖も基本的には共通だか濃厚だったりさっぱりしていたりと条件によってだいぶ差が出ている。
「了解、ラウネラに聞いていい感じなら始めようか」
「わかった! 皆に伝えておく~」
そういうと彼女は飛び去って行った。地球で発展した技術は間違いなく役に立つ、でも完全ではない。ベースにはできても完全コピーじゃ全くうまくいかない世界中に溢れるマナや魔法の影響も大きいし結局は多めに作って実験していくトライアンドエラーをしながら現地の皆知恵を組み合わせて最適解を導き出さなければいけないのだ。
「とりあえず、明日桃の加工を始めようか」
「はい!」
「せっかくだし今日はもぎたて生を楽しもうか!」
そうして、今日は皆美味しそうに桃噛り付き食べていた。まだまだ始まったばかりだけど自信を持って言える、前世よりも遥かに楽しいし充実している。守らなきゃいけない物は増えていくがその分得る物が大きい、大きすぎるのだ。
先程助けたゴブリン娘はアーシラといい、ゴブリンプリンセスで間違いないようだ。
「巣穴が壊滅したとか言ってたけど?」
「はい、私を残して兄も弟も父も、皆やられてしまいました……」
母が居ない理由、それは他種族のメスを捕まえて母体にするのがゴブリンやオークなどオスが多い魔物の特性らしい。ちなみに人間やエルフが母体として使われることが多いらしいし、ダメになったらそのまま食べてしまうらしい。
「アーシラは今後どうするつもり?」
ゴブリンやオーク、オーガなどの中には知識の高い特殊な種族が産まれることがあるアーシラはそのパターンの一つだ。ちなみにアル達ハイコボルトもそれに該当する。
「わからない……もう帰る場所も生きる意味も分からない、教えてもらう前に皆死んじゃった……」
プリンセスは群れを率いる長となる個体が多い、しかし彼女はその群れを失ってしまったのだ。話を聞く感じまだゴブリンとしての習性すら身に着けていないようだ、つまりまだ血に汚れていないゴブリンなのだ。
「それなら、ここに住んでみませんか?」
アズハがアーシラを後ろから優しく抱きしめながらそう言った。
「私達と一緒にここで楽しく暮らしながら自分がどうしたいか決めていきましょ?」
「うん、うん……」
アーシラは涙をながす、しかし嬉しそうに頷いていた。とりあえず俺もそのつもりだったしまぁいいでしょ。
「少しずつなれていこうな」
俺も優しく頭を撫でてあげた、こういうのも悪くないでしょう。
「ねぇね! 手伝う!」
「じゃあ一緒にやろっか」
アーシラが来てしばらく経った、アズハの事をねぇねと慕い寝る時まで常に一緒に居る。すっかり懐いていて良いことだと思う。
「主様」
「ルルネラ、どうしたの?」
「桃が美味しい頃合いですよ」
「了解、じゃあ今日は桃狩りと行こうか」
実は昆虫軍団のサポートもあり、少々前から桃の木と柿の木が一気に増えていて既に十本は越えている。実を落とさないように運ぶのは大変だったが、土地の影響か地球で見たことのある木より遥かに大きく実の数も多い。ちょっと欲張り過ぎたかな?
「セナ、ちょっと数人手伝ってもらっていい? あと蜘蛛さんズも」
「は~い」
やり方としては去年の柿とほぼ同じだ、ちょっと違うのは蜘蛛さんズに桃と採ってもらいそれをキャッチ、籠に入れていくという方法になった。理由は桃がダメージを受けやすいから下でネットを広げてそこへボトボト落下だと桃同士がぶつかって傷んでしまう、それの対策でこうなった。ちなみにドラゴンモードでごっそりも考えたが加減ができなくて的にぐちゃぐちゃにする未来と木をダメにする可能性があったのでやめた。
「まだ青い奴とか熟してないのはそのまま残していいからね」
こういう判別は人間より昆虫である蜘蛛さんズの方が敏感だと思う、収穫の判断は任せて大丈夫だと思う。
「それにしてもすごい数ですね」
「野生のものを持ってきてこれだからね、来年はもっとすごいかもね」
食べたいというのもあるが木を多く集めた理由はもう一つある、試したいことがあるのだ。
「おっと、さくさくですね」
蜘蛛さんズは桃を上手く判別して次々と鎌足で器用に切り落としていく。俺らはそれをキャッチして集めればいいだけだから楽と言えば楽だがたまに勢いあまって落としそうになったりした。
「ヘラクスやタランドゥス達のご飯でもあるから数も必要だしさっさとすませちゃおう」
ちなみに、彼らは時々美味しそうな桃をつまみ食いしてたりする、堂々と食べてくれても構わないくらいの活躍はしてくれてるのだけどね。
「とりあえず桃だけでいいんですか?」
「リリネラがブドウはもうちょっと時間を掛けたほうがいいって言ってたし柿は秋、とりあえず桃だけでいいよ」
ここ数日でお願いして新しい樽の量産も進めている、お酒作りも時間かかりそうだし早く始めたいんだけどね。桃って今なんかできる料理あったかな? 知識がない……食材は揃ってきているし魔法で氷の部屋が作れるから保存もできる。調味料が足りな過ぎる……料理のさしすせそだっけ? まずそれを揃えたいな。
「とりあえずこんなもんかな、皆お疲れさま!」
なんだかんだ一日かかったが結構な数が収穫できた、蜘蛛さんズに判別を任せたがそれでもまだ三分の一くらいは残っている。また収穫ができるのはいいことだ、そして既にヘラクスさん達が運ぶ準備をしている。手伝ってくれるのはありがたいが間違いなく食べたいよね?
「でもこんな量だと全部食べる前に傷んでダメになってしまうのでは?」
「そこは大丈夫、ちょっとやってみたいことがあるんだよね」
「はぁ?」
果物は昆虫軍団以外にも妖精達の主食になる、彼女らは肉とかも食べれるけど好みで言うとやはり果物など甘い物なのだ。
「あるじ様、あるじ様!」
「ん? どうしたの?」
収穫した桃を運んでいると妖精の一人が近づいて来た。桃を分けて欲しいのかな?
「植えさせてもらってた妖精の実ももうすぐ収穫できるよ! だから手伝ってほしいの!」
妖精の実妖精族がここに移住してから速攻で植えて育てていた果物で形状や実の雰囲気はイチゴと酷似しているしほぼ同じ条件だと思う。既に四季の影響を無視しているという違いは出てるけど……地球知識は検索掛ければ出てくる。しかし完全にそれが通用するわけではないのだ。実際食べていて思ったが似た見た目でも味が濃かったりちょっと薄かったりとイメージ通りではあるが差がある。塩や砂糖も基本的には共通だか濃厚だったりさっぱりしていたりと条件によってだいぶ差が出ている。
「了解、ラウネラに聞いていい感じなら始めようか」
「わかった! 皆に伝えておく~」
そういうと彼女は飛び去って行った。地球で発展した技術は間違いなく役に立つ、でも完全ではない。ベースにはできても完全コピーじゃ全くうまくいかない世界中に溢れるマナや魔法の影響も大きいし結局は多めに作って実験していくトライアンドエラーをしながら現地の皆知恵を組み合わせて最適解を導き出さなければいけないのだ。
「とりあえず、明日桃の加工を始めようか」
「はい!」
「せっかくだし今日はもぎたて生を楽しもうか!」
そうして、今日は皆美味しそうに桃噛り付き食べていた。まだまだ始まったばかりだけど自信を持って言える、前世よりも遥かに楽しいし充実している。守らなきゃいけない物は増えていくがその分得る物が大きい、大きすぎるのだ。
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