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第125話
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「姫様ぁ!!! よくぞご無事でぇ!!!!」
「ガルガス、心配かけましたね。皆のおかげで私は無事でした」
「人間共め……姫様にこんな辱めを……」
ガルガスはものすごく怒っているのが伝わってくる。現在、帝国軍野営地だった場所は魔王軍に制圧され、無事な武器や装置などの調査が始まっている。
「主様のお陰なのに……」
「まぁ無事だったんだしよかったんじゃない?」
俺達は最初感謝されたがそれっきり放置状態だ、魔王軍は防戦一方で勝利らしい勝利が今までできなかったらしく。千載一遇のチャンスで情報収集に必死らしい。
「あのぉ……」
不意に声をかけられ、そっちの方を向くと先程犯されそうになっていた騎士やメイドの方々が立っていた。
「この度は本当にありがとうございました!」
深々とお辞儀をしてくれた。
「皆無事でよかったですね」
「はい、大事なものを失わないですみました」
ん? ……あ、これは考えちゃダメなやつだ。紳士としてスルーしておこう。
「皆さんは大丈夫ですか? その、いろいろと……」
「はい、正直まだいろいろと整理できていませんがどうにか……」
「そうですよね、一度ゆっくり心と体を癒した方が必要だと思います」
「ですが、姫様の行動は間違っていないと私達は思っています」
彼女達がお姫様のことホントに大好きなんだなぁと感じられた。
「貴様が姫様を救出した者だな? 単独行動とは軍としては問題があるがよくやった!!」
あ、これ普通に魔王軍兵士としてカウントされてる?
「……」
イリオさん、プルプルしてめっちゃ笑いをこらえているのがバレてますよ。今回一緒に来たのがルーフェだったらブチギレてただろうなぁ。
「貴様には帰ってから魔王様より勲章が送られるであろう! 誇るがよい」
「ガルガス、少しいいですか?」
「はい、姫様!」
さっきから思っていたけどガルガスさん声でっかい! めっちゃでっかい!!
「この度はホントにありがとうございました。私のせいで大切な家族の大切なモノを失うところでした」
うん、この大切なモノっていうのは誇りとかそう言う系だよね? そう言うことにしておこう! 絶対間違ってないはず!
「助けられて本当によかったですよ」
「はい、貴方様は私に委縮したりしないので話しやすいですね」
そう言うとお姫様が微笑んで見せた。
「貴様、単独行動といい問題が多いぞ!! 戦果は評価するが後でその根性叩き直してやる!!」
うわぁ、どうしよう……今変身できないからただの黒いドラゴニュートなんだよなぁ……
「ガルガス!! ちょ、ちょっとまってくださいっ!! その御方はぁぁぁぁ!!!」
そんな時、上空から聞き覚えのある声が聞こえてきた。そこにはアクババによる輸送部隊が到着したらしくゆっくりと着陸してきた。
「ガルガスっ、その御方はっ! 魔王軍の者ではございません!!」
「なに?」
「むしろ怒らせたら貴方の体が一瞬で消滅してしまいますよっ!!」
「ドクトル、お前が最前線に出てきたのも驚いたがどうしたんだ?」
アクババが着陸するやいなや顔なじみのドクトルがすっ飛んできた。これには思わず笑ってしまう。
「ドクトル、彼をご存じなのですか?」
「知ってるも何も、たった一人で帝国軍野営地を黒鱗のドラゴニュートが壊滅させたと聞いてもしやと思いましたが……イリオさんもいらしてますし確信いたしました」
ドクトルは俺の前に来るとガバっと頭を下げた。この態度に周りの人々はギョッとしていた、ドクトルは相当上位の階級らしいけどその人が低姿勢でこんな勢いで頭を下げているのだから空気が一気に変わったようだ。
「いったい……何が……?」
助けられたメイドや騎士たちが驚いてザワザワして始めていた。
「この度は支援物資に飽き足らず、お姫様の救出。我が軍の初勝利までもたらしていただきなんとお礼をしたらいいのかっ!!」
一部の人達は何かを察したようで顔がすごいことになっている。
「ドクトルよ、なんなのだ? 急に空気が変わったぞ?」
「鈍い人ですねぇ! このお方は終焉の森の主、自由の翼、黒鱗の覇王竜ヴリトラ様ですよ!!!」
ん? なんか二つ名増えてね?
「なんだとぉぉぉぉ!?!?」
すっごい声っ! 待機中のアクババがギョッとしてるくらいデカかった。
「貴方がヴリトラ様だったのですね……道理で強すぎると……」
大声のせいもあって周囲の人達の注目浴びる中一人の女性が歩み寄ってきた。姫様と呼ばれていた女性だ、衣服は汚れて破けてしまっているが確かに高級な代物だというのはわかる物だった。
「貴女は?」
「お初にお目にかかります。私は魔王ヴィルへイム・モナークの娘、ルシエ・モナークと申します……この度は助けていただき本当にありがとうございました」
お姫様はそう言うと深々とお辞儀した。ただ偶然が重なった結果助けられたというだけなのでそう感謝されてもちょっと困ってしまう。
「私からも感謝いたします。このお礼は改めてお伺いして……」
「ドクトルさん、別に気にしないでください。こっちも偶然に偶然が重なった結果助けられたのですから、運がよかった。ただそれだけです」
正直彼女達は捕まっていたし運が本当によかったと言っていいのかはわからないがそう言うことにしておきたい。
「そうですか、ところでヴリトラ様はなぜここに? 戦争に介入されるというわけではないのでしょ?」
確かに介入するならドラゴンモードで広範囲を一掃しているところだし頭のいいドクトルはある程度察してくれているようだ。
「帝国軍が使っている武器に興味があってね、それを少し貰って行こうと思ったんだよ」
「なるほど、でしたら鹵獲した品からどうぞお持ちください。ですが、研究のためマジックキラーだけは残していただけると……」
あの結界はマジックキラーと呼ばれているらしい。確かに魔法殺しという名前は似合ってるしシンプルでわかりやすい。
「もちろん、あんな物貰っていってもしょうがないしね」
「ありがとうございます、それでは品物を用意させますので少しお休みになられていてください」
「ありがとうドクトル」
「いえ、いつもお世話になっているのはこちらなのですから」
そう言うとドクトルは現場指揮を執るために戻っていった、なんというかホント忙しそうだ。
「ドクトルはお父様の右腕で、魔王領の内政を取り仕切っているのですよ」
俺とイリオが座って休んでいるとお姫様が近づいてきてそう説明してくれた。てかマジでドクトル超偉い人じゃん……
「そんな人が主様との取引する際にわざわざ来ているんですか?」
「それだけヴリトラ様の存在、影響は大きいのですよ。お父様も絶対に戦いたくない相手と言ってましたからね」
そう言いながら笑ってみせた。仮想敵としては危険すぎるということだろうか? なんだか地球の核兵器にされたみたいで嫌な気分だ。俺、核兵器って嫌いなんだよなぁ……あれは良くも悪くもあの世界の最高到達点、最強最悪の兵器であり平和の象徴、持ってるだけでその国は脅迫を始め何でも好き勝手できてしまう……まったく反吐が出る。
「ヴリトラ様?」
「あ、なんでもないよ。俺は別に好きで戦うわけじゃないよ」
「知っております、ドクトルがあの御方は話の分かるとても良き隣人になってくれるでしょうと力説しておりましたからね」
ドクトルには感謝しなきゃいけないかもしれない。
「それに彼は知恵を巡らせ考えて行動する他の竜族とは明らかに違う存在だとも」
「そうなの?」
「一般的に知能の高いドラゴンと言ってもその圧倒的な力にものを言わせて好き勝手に暴れまわる危険な者がほとんどで話の通じる相手は聖天竜王様くらいと言われておりましたし私達も選択種が無かったとはいえ最初は不安でしたよ?」
イリオが補足してくれた。聖天竜王、なんかまた新しい名前が出てきた……
「俺はそこまでわがままにふるまってるつもりは無いよ」
少なくとも家族と友に対しては、だけどね。
「ほんとに不思議なお方ですね」
なにがだろうか? お姫様はそう言いながら微笑んでいた。正直なんのことかわからなかったけど、悪い気分じゃないしまぁいいや。
「ヴリトラ様、支度が出来ました」
「ありがとうドクトル、また何かあったら手を貸すからいつでも来てくれ」
「……実はですね、助けてもらったばかりで恐縮ではあるのですが」
そう言うとドクトルはそそくさと俺の近くに寄ってきてこそこそとあるお願いをしてきた。
「ん~……まぁ今更感もあるしそのくらいなら……」
聞き耳を立てていたイリオにチラっと視線で意見を求める。
「いいんじゃないですか? ドクトル様の狙いは悪くないですしこちらとしても問題はないかと」
「ありがとうございます、この後魔王様とも会議しなければなりませんのでまだ確定ではありませんが決まった際はよろしくお願いいたします」
「わかったよ」
これで俺達は実質的に魔王軍に付くという形になってしまうがしょうがないかなぁ……これを藪蛇というのだろうか。まぁ乗り掛かった舟ということもあるししょうがない、あくまで援助という形で行こう。
「それじゃあ俺達は退散する。また会おう」
俺は結界も無くなっているしドラゴンモードへと変身してドクトルのまとめてくれた物資を掴み、イリオを背に乗せて飛び上がった。
「ドクトル、あれがヴリトラ様の本来の姿なのですか?」
「あの御方は人の姿で過ごしていることも多いのでどちらが本来かはわかりませんがどちらも間違いなく本物であり黒鱗の覇王竜なのです」
「自由の象徴であると同時に王城を焼き払うなど恐ろしい噂ばかり聞いていましたが、確かに何か他の強者とは違うものを感じました」
「あの御方のお陰でこちらの戦線が維持できているのですよ。ガルガスの盾だって彼の鱗を加工して作った一品なんですから」
「そうだったのですね、これからも仲良くしていただければいいですね」
彼らはそう話しながら飛び去る黒竜の背中を見送るのだった。
「ガルガス、心配かけましたね。皆のおかげで私は無事でした」
「人間共め……姫様にこんな辱めを……」
ガルガスはものすごく怒っているのが伝わってくる。現在、帝国軍野営地だった場所は魔王軍に制圧され、無事な武器や装置などの調査が始まっている。
「主様のお陰なのに……」
「まぁ無事だったんだしよかったんじゃない?」
俺達は最初感謝されたがそれっきり放置状態だ、魔王軍は防戦一方で勝利らしい勝利が今までできなかったらしく。千載一遇のチャンスで情報収集に必死らしい。
「あのぉ……」
不意に声をかけられ、そっちの方を向くと先程犯されそうになっていた騎士やメイドの方々が立っていた。
「この度は本当にありがとうございました!」
深々とお辞儀をしてくれた。
「皆無事でよかったですね」
「はい、大事なものを失わないですみました」
ん? ……あ、これは考えちゃダメなやつだ。紳士としてスルーしておこう。
「皆さんは大丈夫ですか? その、いろいろと……」
「はい、正直まだいろいろと整理できていませんがどうにか……」
「そうですよね、一度ゆっくり心と体を癒した方が必要だと思います」
「ですが、姫様の行動は間違っていないと私達は思っています」
彼女達がお姫様のことホントに大好きなんだなぁと感じられた。
「貴様が姫様を救出した者だな? 単独行動とは軍としては問題があるがよくやった!!」
あ、これ普通に魔王軍兵士としてカウントされてる?
「……」
イリオさん、プルプルしてめっちゃ笑いをこらえているのがバレてますよ。今回一緒に来たのがルーフェだったらブチギレてただろうなぁ。
「貴様には帰ってから魔王様より勲章が送られるであろう! 誇るがよい」
「ガルガス、少しいいですか?」
「はい、姫様!」
さっきから思っていたけどガルガスさん声でっかい! めっちゃでっかい!!
「この度はホントにありがとうございました。私のせいで大切な家族の大切なモノを失うところでした」
うん、この大切なモノっていうのは誇りとかそう言う系だよね? そう言うことにしておこう! 絶対間違ってないはず!
「助けられて本当によかったですよ」
「はい、貴方様は私に委縮したりしないので話しやすいですね」
そう言うとお姫様が微笑んで見せた。
「貴様、単独行動といい問題が多いぞ!! 戦果は評価するが後でその根性叩き直してやる!!」
うわぁ、どうしよう……今変身できないからただの黒いドラゴニュートなんだよなぁ……
「ガルガス!! ちょ、ちょっとまってくださいっ!! その御方はぁぁぁぁ!!!」
そんな時、上空から聞き覚えのある声が聞こえてきた。そこにはアクババによる輸送部隊が到着したらしくゆっくりと着陸してきた。
「ガルガスっ、その御方はっ! 魔王軍の者ではございません!!」
「なに?」
「むしろ怒らせたら貴方の体が一瞬で消滅してしまいますよっ!!」
「ドクトル、お前が最前線に出てきたのも驚いたがどうしたんだ?」
アクババが着陸するやいなや顔なじみのドクトルがすっ飛んできた。これには思わず笑ってしまう。
「ドクトル、彼をご存じなのですか?」
「知ってるも何も、たった一人で帝国軍野営地を黒鱗のドラゴニュートが壊滅させたと聞いてもしやと思いましたが……イリオさんもいらしてますし確信いたしました」
ドクトルは俺の前に来るとガバっと頭を下げた。この態度に周りの人々はギョッとしていた、ドクトルは相当上位の階級らしいけどその人が低姿勢でこんな勢いで頭を下げているのだから空気が一気に変わったようだ。
「いったい……何が……?」
助けられたメイドや騎士たちが驚いてザワザワして始めていた。
「この度は支援物資に飽き足らず、お姫様の救出。我が軍の初勝利までもたらしていただきなんとお礼をしたらいいのかっ!!」
一部の人達は何かを察したようで顔がすごいことになっている。
「ドクトルよ、なんなのだ? 急に空気が変わったぞ?」
「鈍い人ですねぇ! このお方は終焉の森の主、自由の翼、黒鱗の覇王竜ヴリトラ様ですよ!!!」
ん? なんか二つ名増えてね?
「なんだとぉぉぉぉ!?!?」
すっごい声っ! 待機中のアクババがギョッとしてるくらいデカかった。
「貴方がヴリトラ様だったのですね……道理で強すぎると……」
大声のせいもあって周囲の人達の注目浴びる中一人の女性が歩み寄ってきた。姫様と呼ばれていた女性だ、衣服は汚れて破けてしまっているが確かに高級な代物だというのはわかる物だった。
「貴女は?」
「お初にお目にかかります。私は魔王ヴィルへイム・モナークの娘、ルシエ・モナークと申します……この度は助けていただき本当にありがとうございました」
お姫様はそう言うと深々とお辞儀した。ただ偶然が重なった結果助けられたというだけなのでそう感謝されてもちょっと困ってしまう。
「私からも感謝いたします。このお礼は改めてお伺いして……」
「ドクトルさん、別に気にしないでください。こっちも偶然に偶然が重なった結果助けられたのですから、運がよかった。ただそれだけです」
正直彼女達は捕まっていたし運が本当によかったと言っていいのかはわからないがそう言うことにしておきたい。
「そうですか、ところでヴリトラ様はなぜここに? 戦争に介入されるというわけではないのでしょ?」
確かに介入するならドラゴンモードで広範囲を一掃しているところだし頭のいいドクトルはある程度察してくれているようだ。
「帝国軍が使っている武器に興味があってね、それを少し貰って行こうと思ったんだよ」
「なるほど、でしたら鹵獲した品からどうぞお持ちください。ですが、研究のためマジックキラーだけは残していただけると……」
あの結界はマジックキラーと呼ばれているらしい。確かに魔法殺しという名前は似合ってるしシンプルでわかりやすい。
「もちろん、あんな物貰っていってもしょうがないしね」
「ありがとうございます、それでは品物を用意させますので少しお休みになられていてください」
「ありがとうドクトル」
「いえ、いつもお世話になっているのはこちらなのですから」
そう言うとドクトルは現場指揮を執るために戻っていった、なんというかホント忙しそうだ。
「ドクトルはお父様の右腕で、魔王領の内政を取り仕切っているのですよ」
俺とイリオが座って休んでいるとお姫様が近づいてきてそう説明してくれた。てかマジでドクトル超偉い人じゃん……
「そんな人が主様との取引する際にわざわざ来ているんですか?」
「それだけヴリトラ様の存在、影響は大きいのですよ。お父様も絶対に戦いたくない相手と言ってましたからね」
そう言いながら笑ってみせた。仮想敵としては危険すぎるということだろうか? なんだか地球の核兵器にされたみたいで嫌な気分だ。俺、核兵器って嫌いなんだよなぁ……あれは良くも悪くもあの世界の最高到達点、最強最悪の兵器であり平和の象徴、持ってるだけでその国は脅迫を始め何でも好き勝手できてしまう……まったく反吐が出る。
「ヴリトラ様?」
「あ、なんでもないよ。俺は別に好きで戦うわけじゃないよ」
「知っております、ドクトルがあの御方は話の分かるとても良き隣人になってくれるでしょうと力説しておりましたからね」
ドクトルには感謝しなきゃいけないかもしれない。
「それに彼は知恵を巡らせ考えて行動する他の竜族とは明らかに違う存在だとも」
「そうなの?」
「一般的に知能の高いドラゴンと言ってもその圧倒的な力にものを言わせて好き勝手に暴れまわる危険な者がほとんどで話の通じる相手は聖天竜王様くらいと言われておりましたし私達も選択種が無かったとはいえ最初は不安でしたよ?」
イリオが補足してくれた。聖天竜王、なんかまた新しい名前が出てきた……
「俺はそこまでわがままにふるまってるつもりは無いよ」
少なくとも家族と友に対しては、だけどね。
「ほんとに不思議なお方ですね」
なにがだろうか? お姫様はそう言いながら微笑んでいた。正直なんのことかわからなかったけど、悪い気分じゃないしまぁいいや。
「ヴリトラ様、支度が出来ました」
「ありがとうドクトル、また何かあったら手を貸すからいつでも来てくれ」
「……実はですね、助けてもらったばかりで恐縮ではあるのですが」
そう言うとドクトルはそそくさと俺の近くに寄ってきてこそこそとあるお願いをしてきた。
「ん~……まぁ今更感もあるしそのくらいなら……」
聞き耳を立てていたイリオにチラっと視線で意見を求める。
「いいんじゃないですか? ドクトル様の狙いは悪くないですしこちらとしても問題はないかと」
「ありがとうございます、この後魔王様とも会議しなければなりませんのでまだ確定ではありませんが決まった際はよろしくお願いいたします」
「わかったよ」
これで俺達は実質的に魔王軍に付くという形になってしまうがしょうがないかなぁ……これを藪蛇というのだろうか。まぁ乗り掛かった舟ということもあるししょうがない、あくまで援助という形で行こう。
「それじゃあ俺達は退散する。また会おう」
俺は結界も無くなっているしドラゴンモードへと変身してドクトルのまとめてくれた物資を掴み、イリオを背に乗せて飛び上がった。
「ドクトル、あれがヴリトラ様の本来の姿なのですか?」
「あの御方は人の姿で過ごしていることも多いのでどちらが本来かはわかりませんがどちらも間違いなく本物であり黒鱗の覇王竜なのです」
「自由の象徴であると同時に王城を焼き払うなど恐ろしい噂ばかり聞いていましたが、確かに何か他の強者とは違うものを感じました」
「あの御方のお陰でこちらの戦線が維持できているのですよ。ガルガスの盾だって彼の鱗を加工して作った一品なんですから」
「そうだったのですね、これからも仲良くしていただければいいですね」
彼らはそう話しながら飛び去る黒竜の背中を見送るのだった。
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