転生魔竜~異世界ライフを謳歌してたら世界最強最悪の覇者となってた?~

アズドラ

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第169話

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~少し前、帝国拠点~
「はぁ……」
 ミカは自室に入りため息をついた。もう戦えない、友人の死、生まれて初めて感じた死の恐怖は今までのように敵と戦う意思を簡単に砕いてしまった。
「これからどうしよう……」
 参加を拒否したいじょうこのままここに居るわけにもいかないしもちろん地球にも帰れないだろう……
「皆に明日相談してみなきゃ…」
 そのままベッドに倒れ込む、ふかふかでもそこまで柔らかくも無いけどないよりマシだし最前線でこんな木造の巨大なな建造物が建てれてるのも異常なくらいだもんね……文句は言えない。
「っとそうだ……」
 むくっとミカは起き上がり手をすっと横に振り抜く。
「トラップゴーレム」
 前にホノカが言ってよね、こういう男所帯は何をされるかわからない、自衛はちゃんとしたほうがいいって……トラップゴーレムは部屋の素材を変化させて侵入者の足を掴んで動きを妨害するゴーレムで掴んだと同時に仕込んである爆竹を破裂させて気づかせてくれるだけの簡単なもので消費もないため自衛にもってこいのゴーレムだ。
「ふぅ、ごめんね……」
 ミカはうとうとと目を閉じてまどろみに沈もうとした……しかしパンッ! という小さな何かが弾けるような音とに一気に現実へと引き戻された。
「だれっ!?」
 ばっと起き上がった瞬間横を銀色の何かが掠めていった。
「えっ……?」
 振り向くと枕へ剣が突き刺さっている。さっきまで自分の頭があった場所に……
「何のつもりですか!?」
 トラップゴーレムの邪魔がなかったら間違いなく殺されてた……この人はなに? ドアは空いていないしどこから来たの?
「貴方はいったい……っ!?」
 パンッ! と再びトラップの音が鳴ったと同時にそっちを振り向いたその時頬に何かがかかった。
「えっ?」
 左手で頬にかかった何かを拭うとそれは赤い液体、血だった……そして冷静になって気がついた。なんで右頬なのに右手で拭わなかった? そもそも感覚が無い?
「えっ……? 私の、腕……」
 ベッドの上に一本の腕が転がり、血だまりを作り出していく。そして自分の右腕の感覚が無くなっている……
「うっ、あっ……」
 意識した途端に激痛と熱さが一気に襲い掛かり理解が追い付かない……
「痛いっ痛い痛いイタイッ」
 痛みでおかしくなりそうだった。何でこんなことに? 私なにか悪いことした? 襲撃者達は再び剣を振り上げる、今度こそ死ぬのかな……ちがう、今はそんなことよりここをどうにかしなきゃ。それよりまだ死にたくないっ!
「ウッディ!!」
 ミカが叫ぶと同時に部屋がぐにゃりと歪み木材の一部がゴリラのような形に組変わっていく、まるで組み換えブロックの作品のようだ。
「逃げて!」
 ウッディはミカを抱えて飛び出した、襲撃者のローブ達はそれを追いかけてくる。
「他の皆は……ダメ、そんな余裕ないっ」
 悔しい、しかし斬り飛ばされた腕の激痛と出血で自分自身危険な状態なのに他の仲間の心配をする余裕は無かった……
「っ……」
 痛みで気が散る……するとウッディの体が少し崩れる。せめて防壁を越えれれば!
「がんばってウッディ!!」
 ローブ達は連射型機械式ボウガンで攻撃してくる、銃を使わないのは隠密性の問題だろう……命中するたびにウッディの体が崩れ、更に揺れで傷口が痛み更に崩れる。
「きゃっ!?」
 拠点を囲む木製の防壁を飛び越えたところでウッディは完全に崩壊し木片へと戻っていく。
「いったっ……ウッディ、ありがとう」
 ミカはどうにか立ち上がるが既に限界、意識が遠くなっていく……
「あっ……!?」
 太ももに何かが突き刺さり新たな激痛で無理やり意識が引き戻された。
「しつこいよ……」
 ローブの襲撃者達もまた防壁を登りボウガンを構えて狙い定めている。
「マッドケルピー!!」
 叫び声と同時に土がせりあがり鋼のボルトを防ぐと同時に馬のような姿に変わりミカを乗せて地面を滑るように駆けていく。
「ケルピーも長くはもたないかも……急がなきゃ、潜行!」
 マッドケルピーは掛け声と同時に地中へと潜り姿をくらましていく。このまま一気に距離を稼いで怪我の手当てをしないと、一応服の布破って縛り止血をしてみてるけど……
「潜行が終わる、消費を抑えるためにランダム走行にしてたけどどこに来たんだろう……」
 地上に戻ると山岳地帯だろうか?崖に立っていた。
「ここは……」
 周りを確認しようとした次の瞬間マッドケルピーが崩れ泥の壁を作ると同時にその場に崩れ落ちた。
「そんな……こんなとこまで追いかけてくるなんて……」
 マッドケルピーの自動防衛のお陰で助かったが、愕然とした。襲撃者達は潜行を見破り追いかけてきていたのだから……
「やだ、死にたくないっ!」
 後ずさるミカにジリジリと迫るローブの集団、もう魔力も体力も残っていない、しかし必死で考える。
「きゃっ!?」
 考えに集中してしまった影響か足を踏み外し崖を転がり落ちてしまった。幸い直角ではなくきついが斜面があるおかげで即死はない、しかし下の森まで一気に転がり落ちてしまった。
「うっ……」
 もう声も出ない……何か所も骨が折れてる気がする。黒い影が滑り降りてくるのがうっすら見える、でも這いずるのが精一杯。
「嘘でしょ……なんでこんなことになるのよ……」
 どうにか逃げようとした、しかし近くの木によりかかるのがもう限界だった。
「あぁ、やだなぁ……死にたくないよ……」
 涙が頬をつたい今までの楽しかった思い出が一気に駆け巡る。
「お母さん……」
 目の前に迫ったローブが振り上げた剣を降ろそうとしたその時、白銀の何かが視界を覆った気がした。これが死と悟りゆっくりと目を閉じて意識を手放すのだった。

……後日……

 ……声が聞こえる? ……誰だろう? でも、知ってる声だ。
「死にたく、ないよ……」
 手をギュッと握られる感触を感じる。
「大丈夫、ミカは生きてるよ!!」
 ゆっくりと目を開くとそこには行方不明だったはずのホノカの顔と知らない天井が映るのであった。
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