モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!

あけちともあき

文字の大きさ
12 / 173
第一部:都市国家アドポリスの冒険 2

幕間 Sランクパーティ、帰還す

しおりを挟む
 ショーナウン・ウインドがぼろぼろになって帰還したことで、アドポリスの冒険者ギルドは騒然となった。

 ヒーラーは魔力を限界まで使い果たしており、魔法使いの女は無力感に打ちひしがれていた。
 盗賊が引きずっている物を見て、冒険者たちは驚愕した。

 それは、石化したSランク冒険者、ショーナウンだったからだ。

「石化してやがる!」

「な、何にやられたんだ!」

 盗賊が叫ぶ。

「バジリスクだ! 森にバジリスクが出たんだ! あの野郎、俺達を森の中で待ち伏せしてたんだ!」

「森に!? そんなバカな。バジリスクは砂漠……それもその奥地にしかいないはずだぜ……」

 盗賊の言葉を誰も信じられない。
 それもそうだ。
 Sランクになることすらある、強大なモンスターバジリスク。
 
 それがそこいらの森の中に出てくるなんて、ありえないことだからだ。
 そんな事があるなら、とても恐ろしくて冒険なんかしていられない。

「石化の解呪薬をくれ! 金なら幾らでもある!!」

「解呪の儀式でもいいわ! ショーナウンを治して!」

「お、おう!」

 ギルドが動き出す。
 Sランクパーティ、ショーナウン・ウインドは冒険者ギルドにとって最も有力な冒険者のパーティなのだ。

 早速、石化解呪の儀式が行われることになった。
 バジリスクの粉末はここには無かったからだ。

 石化の解呪は、呪術師が担当する。
 冒険者の中にはあまりいない、レアな職業だ。

 その呪術師を、ギルドまで呼んでこなければならない。
 解呪を始められるのはいつになることか。

「そう言えばよ。ショーナウン・ウインドは五人パーティだったよな」

 誰かがぽつりと言った言葉に、Sランクパーティの残る三人が動きを止めた。

「ああ、そう言えばそうだったよね。彼はどうしたの? なんでも器用にこなしてたあの……モンスターをテイムできないテイマーは」

「あ、あいつはー」

 女魔法使いが気まずそうに言う。

「暗黒の森で死んだわ」

「そ、そうだ! あいつがいりゃあ、バジリスクにだってすぐ気づけたし、バジリスク対処はあいつがいつも担当してたから……」

 盗賊がした言い訳で、冒険者達が驚愕する。

「バジリスク対処を担当した……!?」

「モンスター一匹連れていないテイマーが!? Aランクモンスターを……!?」

「っていうかお前、盗賊なんだからバジリスクに気づけよ」

「うっ」

 それを言われると立つ瀬が無い盗賊である。

「あのテイマーくん、どうやってバジリスクを対処してたの? ねえ、対処ってつまりどういうこと? 確かにショーナウン・ウインドは何度か、バジリスクの粉末を納品に来てたわよね」

「ああ。それってつまり……あのテイマー、一人でバジリスクを倒してたのか?」

「し……仕方ないでしょう!! あいつがやっつけてたから、そんな強くないモンスターだと思ってたのよ! それがまさか、あんな致命的な能力を使ってくるなんて!」

 ヒーラーが怒鳴る。
 冒険者ギルドの面々は唖然とした。

 Sランクパーティである彼らが、バジリスクとまともに戦ったことが無かった……?
 彼らは本当に、Sランク足り得るだけの実力があるのか……?

 疑いの念が湧き上がってくる。

 もしや、彼らがこれまで成し遂げてきた輝かしい仕事の数々は、実はあの、モンスターをテイムできないテイマーによるものが大きかったのではないのか。

 冒険者ギルドの空気が、みるみる悪くなっていく……。
しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~

名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

攻略. 解析. 分離. 制作. が出来る鑑定って何ですか?

mabu
ファンタジー
平民レベルの鑑定持ちと婚約破棄されたらスキルがチート化しました。 乙ゲー攻略?製産チートの成り上がり?いくらチートでもソレは無理なんじゃないでしょうか? 前世の記憶とかまで分かるって神スキルですか?

辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~

リーフレット
ファンタジー
​「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」 ​帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。 アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。 ​帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。 死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。 ​「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。

夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!

処理中です...