モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!

あけちともあき

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第一部:都市国家アドポリスの冒険 3

第12話 新パーティ結成 その2

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 冒険者達を管理し、格付けしたり仕事を分配したりする組織、冒険者ギルド。
 それは一つの街に一つあって、独立しているが連携してもいる。

 アドポリスのギルドは、冒険者の街というだけあってかなり大きい。
 百人以上の冒険者が登録しているはずだ。

 その中で、Sランクパーティは二つ。
 うち一つがショーナウン・ウインドで、俺もその一員だったはずなんだけど……。今はフリーになってしまったな。

「ほええ、でっかい建物ですう。こんなに大きかったら木の上に建てられないですねえ」

「ゼロ族らしい感想だなあ。俺達人間は、樹の上では生活できないからね。その代わり、大きい建物をたくさん建てるんだ」

「そうだったんですねえ!」

 また一つ賢くなりました、と瞳をキラキラさせるクルミ。
 さて、彼女だけど、冒険者になるとしたらクラスはなんだろうな?

 適性を見てくれる魔法がギルドにはあるから、まずはそれで確かめてみよう。

 なお、俺もそれをやって、モフモフテイマーなるクラスに適性があると出た。
 そして当時Bランク冒険者だったショーナウン・ウインドにスカウトされたのだ。

 懐かしいなあ。

「ただいま戻りましたー」

 俺は一声掛けながら、ギルドの扉をくぐる。
 ギルドの中は、半分が酒場みたいな談話室になっていて、そこで食事やお酒が出る。

 スペース的にはそこそこだから、ギルド構成員は全員入れはしない。
 本格的に酒を飲む時は、周りの商店街を利用するわけだ。

 この辺りは冒険者を当て込んだ店もたくさんある。

 夕食は、クルミとブランを連れて、アドポリスの名物料理を食べるのもいいかもしれない。
 幸い、バジリスクの粉がたくさんあるからお金には困らなそうだしね。

 だけど、俺とクルミとブランが扉をくぐったら、談話室の冒険者達が一斉に俺を見た。
 そしてポカーンとする。

 あ、やばい。
 動物はギルドの中に連れ込み禁止だったか!
 だけど、うちのギルドにテイマーは俺一人だけだし、ルールみたいなのも聞いたことなかったからなあ。

「ああ、ごめん! ブランを中に入れちゃだめなら外で待たせるよ! ブラン、ちょっと外で大人しくしててもらっていいか?」

『わふーん?』

「なんで自分が人間ごときに気を使わければならんのって、そこをどうにか頼むよ……!」

『わふふん』

 なんとかブランに承諾してもらった。
 その代わり、今夜はお肉を多めに要求された。
 テイマーって言ったって、モンスターとはそれなりに対等なのだ。

「さあ、これでモンスターはいない! ……でも相変わらず俺を信じられないものでも見るような目で……」

「お、おい。オース……だよな?」

「オースさん……生きてたんスか……!?」

「暗黒の森で死んだはずじゃ……?」

 ど、どういうこと?

 まるで彼らの口ぶりだと、俺が死んだみたいになっているじゃないか。
 それに、暗黒の森の話まで知っているとは。

 ふと気づいて周囲を見回す。
 ショーナウン・ウインドの連中がいたりするんだろうか?

 そして俺は、談話室の奥に信じられないものを見た。

 Sランクパーティのリーダー、ショーナウンそっくりの石像だ。
 恐怖と困惑を浮かべた顔のまま、固まってしまっている。

 その近くの席には、よく見知ったパーティメンバーが真っ青な顔で俺を見ている。

 ショーナウンの石像かあ。
 よくできていると思うけれど、これってもう、間違いなくあれだろう。

「ショーナウン、もしかしてバジリスクにやられたのかい?」

 ギルドの受付嬢が出てきて、「そうですよ」と応じる。

「石化の解呪ができる呪術師を探してるんですけど、なかなかこの街にはやって来てくれなくて……」

「呪術師もレア職だもんねえ」

「はい」

「バジリスク粉も切らしちゃってる?」

「はい。ショーナウン・ウインドの方々は幾らでもお金を出すと仰ってましたけど……」

「そうかあ。ちょうどここにある」

 俺はナップザックから、バジリスク粉を詰めた袋を取り出した。
 テーブルの上に少しだけあけると、キラキラ輝く黒と紫の砂粒がこぼれ落ちた。

「バ……バジリスク粉……! どうしてこんな貴重なものを!?」

「暗黒の森から出た時に、彼女、ゼロ族と出会ってね」

「クルミのことです?」

 クルミが首を傾げた。

「そうそう。それで、ゼロ族を助けるためにバジリスクを退治したんだ。あのモンスターの習性はよく分かってるから。あとは、俺もついにモンスターをテイムできたんだよ。さっき入ってきたモフモフした犬がいるだろ? ブランっていうんだけど彼の力を借りたお陰で、いつもよりも簡単にバジリスクを片付けられた。これはそのほんの一部だよ。高く売れるの?」

「は、はい。仲介料込で、ショーナウン・ウインドの方々の預金と現在のプレミア価値を加えると、こんな感じで……」

 パチパチと、算数盤を弾く受付嬢。
 算数盤が読める人には、一発で計算と算出された数値が分かる優れた道具だ。

「へえー! 相場の三倍じゃないか! いいよ、売った! それでショーナウンを助けてやりなよ」

「ありがとうございます! それにこれだけの量があれば、当分の石化対処はギルドで可能になりますね」

 受付嬢がにっこり笑った。
 すると、クルミがトコトコ出てきて、俺と受付嬢の間に挟まる。

「ダメですよ。センセエはクルミが見定めているところなんです。よこはいりはダメです」

「あ、は、はあ……?」

 首をかしげる受付嬢なのだった。

 俺達の話を聞いた酒場の反応は劇的だった。

「あのバジリスクを倒しちまったってのか!?」

「やっぱり、オース一人でバジリスクを倒してたんじゃないか!!」

「ショーナウンのやつら、Sランクの実力はないに違いないって!!」

 なんか妙な話になっているな。
 パーティの元仲間達は小さくなって、顔を伏せている。

 うーん……?
 ちょっと見ない間に、あいつら落ちぶれてるような……?

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