モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!

あけちともあき

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第一部:都市国家アドポリスの冒険 4

第16話 陰謀とコカトリス その1

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 とりあえず、初歩的な仕事をしまくった。

 薬草採取、迷子の猫探し、どぶの掃除に、畑の手伝い……。
 俺がEランクだった頃は、こういう仕事してたなあ。

 ショーナウン達にスカウトされたは良かったが、俺のランクがBにならないと彼らと組めない。
 そんな訳で、様々なパーティの助っ人に入っては冒険に同行したものだ。

 そして、パーティで足りない役目を担当し、さらにパーティメンバーから技術を教わった。
 俺はもともと、ちょっと器用だったようで、様々なクラスの技術を覚えることができた。

 ついにBランクになり、ショーナウンのパーティに加わったのだが……。
 まあ、そこから先はご存知のとおりだ。

「センセエ! 薬草いっぱいとれました!!」

「おお、偉いぞクルミ! っていうか、クルミは薬草採取とか木の実採集が本当に上手いなあ。俺よりも早い」

「えへへ。だって、クルミはゼロ族ですから。いつもご飯をあつめるときにやってるのと同じです!」

「ああ、なるほど」

 採取の仕事が日常の延長なんだな。
 これはいい。
 彼女の動きを見て、日常に繋がってるところから伸ばしていこう。

 それに、今日でクルミは十回目の仕事だ。
 つまり……これで彼女はDランク冒険者になる。

 いよいよ、討伐の仕事を受けることができるようになるぞ。

『わおん』

「おっ、ブランも薬草取ってきたの……? ……なんだ、この干からびた根っこみたいなのは。……げげえ、マンドラゴラ!?」

『わふーん』

 こいつ、死の絶叫を浴びせてきたけど僕には通じないもんね、と、ブランは得意げだ。
 恐るべし、マーナガルム。
 多分、呪いの類を無効化する力があるんだな。

 そう言えば、バジリスクの石化の視線も呪いに分類される。
 だから、ヒーラーでは治せない。

 呪いは呪術師で解く。
 これ鉄板。

 ちなみに、死の呪いはこのマンドラゴラを煎じたもので対応できる。
 これ豆知識ね。
 以前同じパーティだった呪術師に教わったんだ。

「これは高く売れるぞ……。凄いぞブラン」

『わふーん』

「クルミは? クルミは?」

「クルミも偉いぞ! 仕事は早いし飲み込みもいい。投石紐スリングの命中精度も上がってきた。後は装填速度だね」

「はいです!」

 クルミが元気にぴょんと跳び上がった。
 よしよし。

 まずは冒険者ギルドに、仕事達成の報告をしに行こう。
 俺達は街に戻るのだった。



「はい、クルミさんおめでとうございます! Dランク昇給おめでとうございます! 早かったですねえー。半月でこなすとか……。まあ、オースさんがいたなら当たり前ですねえ」

「ハハハ」

 受付嬢は、ちょっと怖い顔をした。

「手伝いすぎてませんよね? それじゃあ、実力がつきませんからね? 後で苦労するのはクルミさんですよ?」

「大丈夫ですよ。クルミはやれますから」

「そうです?」

「頼りないかも知れないですけど、俺のお墨付きということで」

「ああ……それは大したものですね!」

 なんだ!?
 受付嬢の態度がガラリと変わったぞ。

「ん? ん?」

 クルミが、俺と受付嬢を交互に見る。

「喜んでいいぞ!」

「そうですか! わーい!!」

 びよーんとクルミがジャンプした。
 ゼロ族の跳躍力はとんでもないな。

「あいたー!」

 クルミが、結構高いはずのギルドの天井に頭をぶつけた。

 冒険者達がドッと笑う。
 落ちてくるクルミを、そこにサッと入り込んだブランが受け止めた。

 ぽすん、と音がする。

『わおん』

 この半月ほどの間で、ブランはすっかり、ギルドに入り込む権利を得ていた。
 こいつは俺が従えた、犬型のモンスター……ということにしている。

 まさか、マーナガルムだなんて言えないもんなあ。
 言ったら、パニックになるな。

「次の仕事はー、えーとえーとー」

 クルミが早速、依頼の貼り出された掲示板に向かっている。

「んーとんーと、読めませんセンセエ」

「人間の言葉を勉強しなくちゃなあ。どれどれ」

 最近、Eランクの仕事ばかりやってたから、世の中がどうなっているかよくわからなくなっている。

 クルミの頭越しに掲示板を見た俺、貼り出された依頼の傾向を見てその異常性に気付いた。

「ねえ、これ。討伐依頼ばっかりになってない? っていうか、この仕事の量ってギルドのキャパを超えてるでしょ」

「あー、気づかれましたか」

 受付嬢が苦笑する。

「急に、強力なモンスターがあちこちに出現するようになったんです。どれもBランク以上のものばかりで、そのランクの冒険者パーティが多いわけではないですから……」

「ふむふむ。Cランクも駆り出されてる?」

「その通りです。本当は危険だから、受けさせたくはないのですが、そうは言ってもいられません」

「なるほど……」

 俺は依頼の数々にざっと目を通す。

 そして、ある程度の共通点を見出す。

「全部、近い区域の依頼だね、これ。それに、呼び出されるモンスターの種類に偏りがある。死の呪いを視線に乗せて放つ、魔牛カトブレパス。死の予告を呪いとして相手に与えるデュラハン。そして石化の呪いのバジリスクと、くちばしに石化の呪いを宿す毒鳥コカトリス」

 俺は振り返った。

「全部呪い関係だ。これ、どれだけのパーティが戻ってきてない?」

「そこまで分かりますか……」

「分かる。だけど、この依頼がCランクパーティでも受けられて幸いだった」

 俺はブランとクルミに目配せする。
 二人はうなずいた。

「これ、俺達が受けるよ。ここからここまで、間に合ってないのと未解決なの。片っ端から解決するよ」

 ちょっとハードだけど、冒険者クルミの実地訓練と行こう。
 それに……この事態、何かが裏で動いているに違いない。

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