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第一部:都市国家アドポリスの冒険 4
第18話 陰謀とコカトリス その3
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「センセエ、センセエ!」
クルミが袖を引っ張ってくる。
「なんだいクルミ」
「ほんとうに今日いちにちでお仕事がおわるですか!? コカトリスってゆうモンスター、すっごく強いんじゃないです?」
「そうだねえ、強いモンスターだと思うよ。だったら、どうしてクルミはそのモンスターを一日でやっつけられるか分かるかい?」
「うーん……。つようそうな冒険者のひとたちとか、ドワーフのひとたちが石になってたです。じゃあ、コカトリスはすっごく強くてこわいです。クルミには分からないですー」
「うんうん」
俺は頷いた。
ちゃんと、クルミなりに状況を把握している。
優秀だ。
「最初に、相手が恐ろしいというのをちゃんと理解するのが大切だよ。そこはクルミはちゃんとできてる。偉い」
「えらいですか! えへへ」
ナデナデしてあげたいところだが、ゼロ族の風習に未婚の男が未婚の女を撫でたら即結婚とかあるかも知れない。ここは褒めるだけにしておこう。
「次に、どうして強そうな冒険者やドワーフが石にされてしまったかだけど、確かに彼らは強い。真正面から戦えばコカトリスにだって勝てるかも知れない。だけど負けてしまった。ここまでは分かるね?」
「はいです!」
「じゃあ、彼らはどうして負けたんだろう? そこが大事だね。彼らは、コカトリスの性質と、地上という普段遭遇しない環境で、どう戦ったらいいか分からなかったから負けたんだ。これが最初にあたったのが俺だったら、俺も負けたかも知れない」
「センセエが負けるですか!?」
「そりゃあ負けるさ。第一、俺はそこまで強くないからね」
俺がそんな事を言うと、クルミがキャハハと笑った。
えっ、ジョークだと思われた?
ブランまで、いつも笑っているようなサモエド顔を本当に笑顔にしている。
『わふん』
「いやいや、謙遜しすぎるといやみになるって、ほんとだから、ほんと! ……と、話は戻るよ」
俺はまず、指を立てた。
「勝つためには三つ、必要なものがある。まずは一つ。知識。相手の性質と、この環境でどう動くのか」
俺の話が興味深かったのか、冒険者達も集まってくる。
「おい、Sランク冒険者オースさんの講義だぞ」
「どうやってコカトリスに勝つってんだ……?」
なんだか大事になってきちゃったぞ。
「二つ目。それは準備。相手の性質に合わせて、必要なだけの準備を整えるんだ。今回用意するのは、閃光弾。衝撃で強い光を発する鉱物を使った、手投げ用の石だ。これはスリングでも使えるよ」
「だけどよ、閃光弾じゃコカトリスは死なねえだろ」
冒険者から質問が上がった。
「その通りだよ。でも、まずはあいつの機動力をなんとかしないと、攻撃も当てられないだろう? コカトリスは陽の光を避けるように、頭を下げて日陰を作り、そして動き回っていた。あいつは、目に頼ってるんだ。そして洞窟に住んでいたから、光が苦手。だけど、それでも君達は昼間にコカトリスと遭遇した」
「そういやそうだ……」
「夜まで隠れてりゃいいのに」
「そうだね。つまり、コカトリスは自然な状態じゃない。何者かの意思が働いている可能性がある。俺もアドポリスに来る前、森に潜んでいたバジリスクと戦ったからね」
バジリスクの名を聞いて、クルミが元気よく両手を上げた。
「そうです! クルミたちの村がバジリスクにやられて追い出されちゃったです! それをセンセエが一人でやっつけて、クルミたちの村をとりもどしてくれたです!!」
おおーっ、とどよめく冒険者達。
話が大きくなっていく……!!
「いやいや! バジリスクは対処方法が確立されてるから! それに、あいつは石化の視線を、光に乗せて送り込んでくる。陽の光の下じゃなければ力を発揮できないんだよ。……と、それはまた別の話だ。ええと、つまり、俺はこの閃光弾を使って……」
「コカトリスの目を潰すですね!」
「クルミ、正解! かしこい……」
「えへへ」
『わふん』
ブランが俺の代わりに、前足の肉球でクルミの頭をぽふぽふする。
ポヨンポヨンと音がした。
ちょっとうらやましい。
「じゃあ、今からコカトリスを退治する。みんなも見学に来るといいよ。今後、コカトリスをどう倒すかのヒントになると思うから」
「……コカトリスにそう頻繁に遭遇すると思えないけどなあ」
「だけど、本当にコカトリスを簡単に退治できるんなら、見てみたいよな」
「Sランク冒険者の実力を確かめさせてもらおうぜ」
冒険者達が俺に続く。
さあ、コカトリス退治を始めよう。
クルミが袖を引っ張ってくる。
「なんだいクルミ」
「ほんとうに今日いちにちでお仕事がおわるですか!? コカトリスってゆうモンスター、すっごく強いんじゃないです?」
「そうだねえ、強いモンスターだと思うよ。だったら、どうしてクルミはそのモンスターを一日でやっつけられるか分かるかい?」
「うーん……。つようそうな冒険者のひとたちとか、ドワーフのひとたちが石になってたです。じゃあ、コカトリスはすっごく強くてこわいです。クルミには分からないですー」
「うんうん」
俺は頷いた。
ちゃんと、クルミなりに状況を把握している。
優秀だ。
「最初に、相手が恐ろしいというのをちゃんと理解するのが大切だよ。そこはクルミはちゃんとできてる。偉い」
「えらいですか! えへへ」
ナデナデしてあげたいところだが、ゼロ族の風習に未婚の男が未婚の女を撫でたら即結婚とかあるかも知れない。ここは褒めるだけにしておこう。
「次に、どうして強そうな冒険者やドワーフが石にされてしまったかだけど、確かに彼らは強い。真正面から戦えばコカトリスにだって勝てるかも知れない。だけど負けてしまった。ここまでは分かるね?」
「はいです!」
「じゃあ、彼らはどうして負けたんだろう? そこが大事だね。彼らは、コカトリスの性質と、地上という普段遭遇しない環境で、どう戦ったらいいか分からなかったから負けたんだ。これが最初にあたったのが俺だったら、俺も負けたかも知れない」
「センセエが負けるですか!?」
「そりゃあ負けるさ。第一、俺はそこまで強くないからね」
俺がそんな事を言うと、クルミがキャハハと笑った。
えっ、ジョークだと思われた?
ブランまで、いつも笑っているようなサモエド顔を本当に笑顔にしている。
『わふん』
「いやいや、謙遜しすぎるといやみになるって、ほんとだから、ほんと! ……と、話は戻るよ」
俺はまず、指を立てた。
「勝つためには三つ、必要なものがある。まずは一つ。知識。相手の性質と、この環境でどう動くのか」
俺の話が興味深かったのか、冒険者達も集まってくる。
「おい、Sランク冒険者オースさんの講義だぞ」
「どうやってコカトリスに勝つってんだ……?」
なんだか大事になってきちゃったぞ。
「二つ目。それは準備。相手の性質に合わせて、必要なだけの準備を整えるんだ。今回用意するのは、閃光弾。衝撃で強い光を発する鉱物を使った、手投げ用の石だ。これはスリングでも使えるよ」
「だけどよ、閃光弾じゃコカトリスは死なねえだろ」
冒険者から質問が上がった。
「その通りだよ。でも、まずはあいつの機動力をなんとかしないと、攻撃も当てられないだろう? コカトリスは陽の光を避けるように、頭を下げて日陰を作り、そして動き回っていた。あいつは、目に頼ってるんだ。そして洞窟に住んでいたから、光が苦手。だけど、それでも君達は昼間にコカトリスと遭遇した」
「そういやそうだ……」
「夜まで隠れてりゃいいのに」
「そうだね。つまり、コカトリスは自然な状態じゃない。何者かの意思が働いている可能性がある。俺もアドポリスに来る前、森に潜んでいたバジリスクと戦ったからね」
バジリスクの名を聞いて、クルミが元気よく両手を上げた。
「そうです! クルミたちの村がバジリスクにやられて追い出されちゃったです! それをセンセエが一人でやっつけて、クルミたちの村をとりもどしてくれたです!!」
おおーっ、とどよめく冒険者達。
話が大きくなっていく……!!
「いやいや! バジリスクは対処方法が確立されてるから! それに、あいつは石化の視線を、光に乗せて送り込んでくる。陽の光の下じゃなければ力を発揮できないんだよ。……と、それはまた別の話だ。ええと、つまり、俺はこの閃光弾を使って……」
「コカトリスの目を潰すですね!」
「クルミ、正解! かしこい……」
「えへへ」
『わふん』
ブランが俺の代わりに、前足の肉球でクルミの頭をぽふぽふする。
ポヨンポヨンと音がした。
ちょっとうらやましい。
「じゃあ、今からコカトリスを退治する。みんなも見学に来るといいよ。今後、コカトリスをどう倒すかのヒントになると思うから」
「……コカトリスにそう頻繁に遭遇すると思えないけどなあ」
「だけど、本当にコカトリスを簡単に退治できるんなら、見てみたいよな」
「Sランク冒険者の実力を確かめさせてもらおうぜ」
冒険者達が俺に続く。
さあ、コカトリス退治を始めよう。
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