モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!

あけちともあき

文字の大きさ
27 / 173
第一部:都市国家アドポリスの冒険 5

第23話 カトブレパス対処法 その3

しおりを挟む
 道すがら、Bランクパーティの戦士がカトブレパスとの戦いを語ってくれる。

「俺達だって、何も準備をしていかなかったわけじゃない。カトブレパスが死の呪いとやらをやってくるモンスターだって言うのは知ってたんだ。だけど、どうやって呪いを掛けてくるかは知らなかった」

 よくある話だ。
 そのモンスターの特徴的な攻撃は知られていても、その細部に関する知識がない。
 そういうパターンは多い。

 大体は伝聞だし、人の間を伝わるうちに細かい情報が抜け落ちている。
 あるいは、ギルドに記録された危険モンスターの記録にしても、記録者本人がモンスターを確認したわけじゃない。
 モンスターを討伐した冒険者から聞いた記録なのだ。

 もし、その冒険者が、該当のモンスターが実力を発揮する前に幸運にも倒していたら?
 そこに、そのモンスターに関する真実の知識は無いことになる。

「カトブレパスは特に呪いによる攻撃方法が複雑で、そこを知らないと結構致命的なことになるからね」

 俺の言葉に、戦士は頷いた。

「ああ。呪いは視線を通じてくる事は調べがついた。視線を跳ね返すと言ったら鏡だ。だから、俺達は鏡を用意して行ったんだが……。鏡はなんの力も発揮しなかった。どうしてなんだ……。それで、最初にうちの魔法使いが死んだ。呪文を詠唱しているうちに……」

「カトブレパスの視界の中で、立ち止まったね?」

「あ、ああ。でも、鏡越しだったんだ」

「鏡は全身を覆うサイズだった?」

「まさか」

「だったらあいつの視線は防げない」

 それに、視線を防ぐだけでそこに含まれた呪いは、反射できない。
 カトブレパスの呪いとは、バジリスクのそれとは全く違うのだ。

「バジリスクは、センセエひとりでやっつけたですねー。でも、バジリスクとちがうです?」

「クルミ、バッチリのタイミングでいい質問だよ。バジリスクは自然の光に呪いを頼ってる。あいつの呪いは、光を通じて発されるんだ。だから反射できる。呪いだけの関して言えば、あまり恐ろしい能力とは言えないね」

「バジリスクが恐ろしくない……!?」

 戦士が絶句した。

「バジリスクそのものの強さは、あの強靭な身体能力だよ。あれに石化の視線がなければ、もっと厄介だっただろうね。だが、自らにも効果がある強力な呪いを持っているが故に、備えることさえできればバジリスクには必勝できるんだ」

「バジリスクに……必勝……」

「問題はカトブレパスでね。こいつの死の呪いはさして強力じゃない」

「強力じゃない!? だ、だが俺の仲間はみんな呪いでやられて……」

「恐らく俺が思うに、君が死ななかったのはその鎧で全身を覆っていて、カトブレパスが君の生身をまともに視認できなかったせいだと思っている。現に、君の仲間は誰もが君よりも軽装だっただろ?」

「あ、ああ」

 戦士は頷く。

「まずは備え。カトブレパスとの戦いは、一瞬では決まらない。長期戦になるから、攻めの備えよりは守りの備えが大事になる。それはこれから見せていくから、今後のために覚えていって欲しい。それから、武器。遠距離戦で立ち止まっていたら、視認されて殺される。近距離戦でわざわざ接近したら、攻撃が届く前の距離で殺される。ならば何が必要だと思う?」

 戦士が首を傾げた。

「遠くも近くも駄目って、それじゃあ……無理じゃねえか……」

「ハイ、センセエ!!」

 だが、クルミが元気よく手を挙げる。

「クルミ、どうぞ」

「えっとね。動きながら、スリングで石を投げればいいとおもうです!」

「正解! スリングに頼る必要はないけど、死の呪いに対する守りを固めながら、動きつつ中距離くらいの攻撃。これが効果大だね。このやり方もこれから見せていくよ。呪文を詠唱するなら、全身を壁なりで覆って、壁越しに広範囲魔法でまとめてやった方がいい。前衛も巻き込むけど、それを恐れて前衛がいなければ、カトブレパスが直接近寄ってきちゃうしね」

「む、難しい……」

「そう。その難しさこそが、カトブレパスをAランクモンスターにしている理由だよ。だが、これは解の明らかな計算問題みたいなものだ。ちゃんと一つずつ手順を踏んでいけば、あのモンスターは倒せる。それにお誂え向きに、カトブレパスは沼沢地にいるんだ。これはこちらが有利だよ」

 俺の言葉を、いまいち理解できてないという戦士の顔だった。
 百聞は一見に如かずと言う。
 まずは、我らモフ・ライダーズの戦いを見てもらおうじゃないか。

しおりを挟む
感想 33

あなたにおすすめの小説

オバちゃんだからこそ ~45歳の異世界珍道中~

鉄 主水
ファンタジー
子育ても一段落した40過ぎの訳あり主婦、里子。 そんなオバちゃん主人公が、突然……異世界へ――。 そこで里子を待ち構えていたのは……今まで見たことのない奇抜な珍獣であった。  「何がどうして、なぜこうなった! でも……せっかくの異世界だ! 思いっ切り楽しんじゃうぞ!」 オバちゃんパワーとオタクパワーを武器に、オバちゃんは我が道を行く! ラブはないけど……笑いあり、涙ありの異世界ドタバタ珍道中。 いざ……はじまり、はじまり……。 ※この作品は、エブリスタ様、小説家になろう様でも投稿しています。

はずれスキル念動力(ただしレベルMAX)で無双する~手をかざすだけです。詠唱とか必殺技とかいりません。念じるだけで倒せます~

さとう
ファンタジー
10歳になると、誰もがもらえるスキル。 キネーシス公爵家の長男、エルクがもらったスキルは『念動力』……ちょっとした物を引き寄せるだけの、はずれスキルだった。 弟のロシュオは『剣聖』、妹のサリッサは『魔聖』とレアなスキルをもらい、エルクの居場所は失われてしまう。そんなある日、後継者を決めるため、ロシュオと決闘をすることになったエルク。だが……その決闘は、エルクを除いた公爵家が仕組んだ『処刑』だった。 偶然の『事故』により、エルクは生死の境をさまよう。死にかけたエルクの魂が向かったのは『生と死の狭間』という不思議な空間で、そこにいた『神様』の気まぐれにより、エルクは自分を鍛えなおすことに。 二千年という長い時間、エルクは『念動力』を鍛えまくる。 現世に戻ったエルクは、十六歳になって目を覚ました。 はずれスキル『念動力』……ただしレベルMAXの力で無双する!!

転生貴族の移動領地~家族から見捨てられた三子の俺、万能な【スライド】スキルで最強領地とともに旅をする~

名無し
ファンタジー
とある男爵の三子として転生した主人公スラン。美しい海辺の辺境で暮らしていたが、海賊やモンスターを寄せ付けなかった頼りの父が倒れ、意識不明に陥ってしまう。兄姉もまた、スランの得たスキル【スライド】が外れと見るや、彼を見捨ててライバル貴族に寝返る。だが、そこから【スライド】スキルの真価を知ったスランの逆襲が始まるのであった。

掃除婦に追いやられた私、城のゴミ山から古代兵器を次々と発掘して国中、世界中?がざわつく

タマ マコト
ファンタジー
王立工房の魔導測量師見習いリーナは、誰にも測れない“失われた魔力波長”を感じ取れるせいで奇人扱いされ、派閥争いのスケープゴートにされて掃除婦として城のゴミ置き場に追いやられる。 最底辺の仕事に落ちた彼女は、ゴミ山の中から自分にだけ見える微かな光を見つけ、それを磨き上げた結果、朽ちた金属片が古代兵器アークレールとして完全復活し、世界の均衡を揺るがす存在としての第一歩を踏み出す。

攻略. 解析. 分離. 制作. が出来る鑑定って何ですか?

mabu
ファンタジー
平民レベルの鑑定持ちと婚約破棄されたらスキルがチート化しました。 乙ゲー攻略?製産チートの成り上がり?いくらチートでもソレは無理なんじゃないでしょうか? 前世の記憶とかまで分かるって神スキルですか?

辺境追放された「植物魔導師」の領地開拓 ~枯れ果てた死の大地は、俺の魔力で聖域(楽園)へと変貌する~

リーフレット
ファンタジー
​「植物魔法? ああ、農作業にしか使えないあの地味な魔法か」 ​帝国騎士団の専属魔導師だったアルトは、無能な二世皇太子レオンによって、一方的に追放を言い渡された。 アルトがどれほど魔導植物を駆使し、帝国の食糧難を裏から支えていたかを知らぬまま、彼は「戦闘に役立たない役立たず」という烙印を押されたのだ。 ​帝国を出て行き着いた先は、魔物が跋扈し、草一本生えないと言われる最果ての荒野。 死を待つだけの地。しかし、アルトは絶望するどころか、晴れやかな顔で笑っていた。 ​「やっと、気兼ねなく『植物』を愛でられる。……よし、ここを世界一の庭(楽園)にしよう」

無能と呼ばれたレベル0の転生者は、効果がチートだったスキル限界突破の力で最強を目指す

紅月シン
ファンタジー
 七歳の誕生日を迎えたその日に、レオン・ハーヴェイの全ては一変することになった。  才能限界0。  それが、その日レオンという少年に下されたその身の価値であった。  レベルが存在するその世界で、才能限界とはレベルの成長限界を意味する。  つまりは、レベルが0のまま一生変わらない――未来永劫一般人であることが確定してしまったのだ。  だがそんなことは、レオンにはどうでもいいことでもあった。  その結果として実家の公爵家を追放されたことも。  同日に前世の記憶を思い出したことも。  一つの出会いに比べれば、全ては些事に過ぎなかったからだ。  その出会いの果てに誓いを立てた少年は、その世界で役立たずとされているものに目を付ける。  スキル。  そして、自らのスキルである限界突破。  やがてそのスキルの意味を理解した時、少年は誓いを果たすため、世界最強を目指すことを決意するのであった。 ※小説家になろう様にも投稿しています

【鑑定不能】と捨てられた俺、実は《概念創造》スキルで万物創成!辺境で最強領主に成り上がる。

夏見ナイ
ファンタジー
伯爵家の三男リアムは【鑑定不能】スキル故に「無能」と追放され、辺境に捨てられた。だが、彼が覚醒させたのは神すら解析不能なユニークスキル《概念創造》! 認識した「概念」を現実に創造できる規格外の力で、リアムは快適な拠点、豊かな食料、忠実なゴーレムを生み出す。傷ついたエルフの少女ルナを救い、彼女と共に未開の地を開拓。やがて獣人ミリア、元貴族令嬢セレスなど訳ありの仲間が集い、小さな村は驚異的に発展していく。一方、リアムを捨てた王国や実家は衰退し、彼の力を奪おうと画策するが…? 無能と蔑まれた少年が最強スキルで理想郷を築き、自分を陥れた者たちに鉄槌を下す、爽快成り上がりファンタジー!

処理中です...