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第二部:神都ラグナスの冒険 6
第78話 追跡! 神都包囲網 その1
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さあ、毎日がザクサーン忘却派との追いかけっこだ。
俺達の前に姿を表したのが運の尽き。
すぐさま情報を手に入れて、活動を始めた現場を潰すのだ。
本日の仕事先は、運河。
「運搬船を奪った連中が暴走してるだって?」
すぐさま、現場に駆けつける俺だ。
並走するのはカイル。
「そうっす! いつもの、操られてるやつみたいっすね!」
「積み荷は?」
「貴金属類っす!」
「なーるほど」
目の前を、ゆったりと運搬船が過ぎ去っていく。
跳んで乗り込めないギリギリの距離だな。
それにしても、運搬船が速度が出ない船で本当に良かった。
「ここは……ブラン!」
『わふん』
呼べばどこからともなく現れる、俺の相棒白い犬だ。
彼は俺達に背中を向けると、乗るように促す。
俺とカイルで、ぎゅうぎゅうに乗り込む。
牛くらいの大きさがあるから、いけてしまうのだ。
「よーし、頼むぞ、ブラン!」
『わおーん!』
ぴょーんと、助走なしでブランが跳ねた。
真っ白な巨体が運河を渡る。
「う、うおわああああ落ちるううう!?」
カイルがしがみついてくるんだが、凄い力だ……!
手加減して欲しい!
そして当たり前のように、ブランは運搬船の上に着地した。
さて、これは陽動かどうか。
運搬船を運用しているらしき男達がいるが、彼らは皆、レブナントのような緩慢な動きをしている。
これはザクサーンの魔法で操られているな?
経験からすると、操られている人間だけで船を運用することは難しいはずだ。
船はどんなアクシデントが起こるかも分からないからな。
だから、洗脳した人間を操っている忘却派が乗り込んでいるはず……!
その時、ピィーっと指笛の音がした。
忘却派がいたのだろう。
その音に合わせて、洗脳された者達が動きを止める。
ゆっくりと俺達に向かって振り返るさまは、本当にアンデッドみたいだ。
今回は俺とカイルとブラン。
どんな状況でも、自力でどうにかできる組み合わせだな。
「カイル、暴れてくれ!」
「よしきた!」
洗脳された船員が、俺達に掴みかかってくる。
そこへ真っ先に飛び出していったカイルが、手にした得物を振り回した。
いつものコルセスカでは人を殺してしまうので、今回の武器は長い棒だ。
これを、体を軸にして回転させ、前方、左右、後方、死角なしの攻撃を繰り出しいく。
洗脳された者達は足を払われ、打ち据えられ、引っ掛けられて放り投げられ、次々に戦闘力を奪われていった。
体が動けなくなる程度のショックを受けると、しばらく戦えなくなるのがこの洗脳魔法の弱点だな。
そこまで強力なものじゃない。
「ええい、おのれ!! モフライダーズに嗅ぎつけられたか!! どこにでも出てくる連中だ!」
ここ最近、忘却派の仕事を次々に邪魔しているので、俺の顔は向こうに知れ渡っているようだ。
忌々しげに俺を睨む男は、船の舳先に立っていた。
「だが、こんなこともあろうかと、あの方は準備されていたのだ! いでよ、キメラ!!」
男は叫びながら、舳先近くに設置されていた木箱を解放して回る。
中から現れるのは、オオトカゲの手足を持った双首の蛇と、巨大な翼を生やしたライオンだ。
『わふん』
任せて、と悠々前進していくブラン。
「任せた!」
『わふ!』
さて、モンスター大決戦が始まった。
大物はブランに任せつつ、俺は忘却派の黒幕と戦うとしよう。
「ええい、なんだその犬は!! どうしてキメラと互角に戦える!」
「互角じゃないんだなあこれが」
俺が言う横で、ブランが双首蛇を咥えて甲板にガンガン叩きつけている。
頭上から飛びかかってくる空飛ぶライオンは、ぴょんと跳ね上がって前足で叩き落とした。
「なんだと!?」
「うちのブランは特別でね。さあ、降参しろ。どうしてこの船を奪おうとしたのか吐いてもらう……もらわなくても理由は分かるか。忘却派の神都での活動費だろ?」
「な、なぜそれを……」
「本国のアルマース帝国は協調派が主流だって聞いたからね。マイナーな君達は、独自に活動資金を作らなきゃならない。実に大変だ」
「お、おのれ……!! これ以上情報は漏らさぬ!! お前ごとこの船を爆破する!! おお、ザクサーンの神よ、我が魔力に無限の力を与えたまえええええ」
おっとまずい!!
これはいわゆる、自爆の魔法だ!
爆発の範囲は分からないけれど、船が沈んだら貴重品は水の底。
船員達だって助からない。
俺は即座に間合いを詰め、忘却派の男に組み付いた。
「わは、わははは!! お前も連れて行くぞ!! 死ね、モフライダーズ!!」
俺をがっちりと掴もうとする男。
だが、俺は既に厚手の手袋を身に着け、そこに雷晶石を握りしめている。
掴まれる寸前に、
「ビリっと行くぞ!」
雷晶石が弾けた。
「ウグワワーッ!?」
電撃で痺れ、白目を剥く男。
開かれた口の中から、見開かれた目玉が、光り輝き始めている。
体内の魔力が増幅、暴走し、今にも爆発を起こしそうなのだ。
「よーし、吹っ飛べ!」
俺は舳先から、ラグナスとは逆方向に向かって男を放り投げた。
さらに、袖口からスリングを滑り落とし、そこに炎晶石を設置。
「そおいっ!!」
投擲された炎晶石は、水面ギリギリの男の腹にぶつかると、爆発を起こした。
「ウグワーッ!!」
その爆発が、男をさらに遠ざける。
そして、とうとう男も爆発した。
魔力光が辺りに撒き散らされ、爆風と衝撃波が来る。
だが……距離をとったお陰でそれほどでもないな。
それよりも気をつけるべきは。
「カイル! 波が来る! 落ちるなよ!」
「うっす!!」
爆発の余波で起こった波が、船を揺さぶる。
これが水中で爆発してたら、もっと波が大きかったことだろう。
いや、なんとか想定内に収められてよかったよかった。
俺達はスピーディに忘却派の活動を阻止した。
最近、こんな毎日を送っているのだ。
俺達の前に姿を表したのが運の尽き。
すぐさま情報を手に入れて、活動を始めた現場を潰すのだ。
本日の仕事先は、運河。
「運搬船を奪った連中が暴走してるだって?」
すぐさま、現場に駆けつける俺だ。
並走するのはカイル。
「そうっす! いつもの、操られてるやつみたいっすね!」
「積み荷は?」
「貴金属類っす!」
「なーるほど」
目の前を、ゆったりと運搬船が過ぎ去っていく。
跳んで乗り込めないギリギリの距離だな。
それにしても、運搬船が速度が出ない船で本当に良かった。
「ここは……ブラン!」
『わふん』
呼べばどこからともなく現れる、俺の相棒白い犬だ。
彼は俺達に背中を向けると、乗るように促す。
俺とカイルで、ぎゅうぎゅうに乗り込む。
牛くらいの大きさがあるから、いけてしまうのだ。
「よーし、頼むぞ、ブラン!」
『わおーん!』
ぴょーんと、助走なしでブランが跳ねた。
真っ白な巨体が運河を渡る。
「う、うおわああああ落ちるううう!?」
カイルがしがみついてくるんだが、凄い力だ……!
手加減して欲しい!
そして当たり前のように、ブランは運搬船の上に着地した。
さて、これは陽動かどうか。
運搬船を運用しているらしき男達がいるが、彼らは皆、レブナントのような緩慢な動きをしている。
これはザクサーンの魔法で操られているな?
経験からすると、操られている人間だけで船を運用することは難しいはずだ。
船はどんなアクシデントが起こるかも分からないからな。
だから、洗脳した人間を操っている忘却派が乗り込んでいるはず……!
その時、ピィーっと指笛の音がした。
忘却派がいたのだろう。
その音に合わせて、洗脳された者達が動きを止める。
ゆっくりと俺達に向かって振り返るさまは、本当にアンデッドみたいだ。
今回は俺とカイルとブラン。
どんな状況でも、自力でどうにかできる組み合わせだな。
「カイル、暴れてくれ!」
「よしきた!」
洗脳された船員が、俺達に掴みかかってくる。
そこへ真っ先に飛び出していったカイルが、手にした得物を振り回した。
いつものコルセスカでは人を殺してしまうので、今回の武器は長い棒だ。
これを、体を軸にして回転させ、前方、左右、後方、死角なしの攻撃を繰り出しいく。
洗脳された者達は足を払われ、打ち据えられ、引っ掛けられて放り投げられ、次々に戦闘力を奪われていった。
体が動けなくなる程度のショックを受けると、しばらく戦えなくなるのがこの洗脳魔法の弱点だな。
そこまで強力なものじゃない。
「ええい、おのれ!! モフライダーズに嗅ぎつけられたか!! どこにでも出てくる連中だ!」
ここ最近、忘却派の仕事を次々に邪魔しているので、俺の顔は向こうに知れ渡っているようだ。
忌々しげに俺を睨む男は、船の舳先に立っていた。
「だが、こんなこともあろうかと、あの方は準備されていたのだ! いでよ、キメラ!!」
男は叫びながら、舳先近くに設置されていた木箱を解放して回る。
中から現れるのは、オオトカゲの手足を持った双首の蛇と、巨大な翼を生やしたライオンだ。
『わふん』
任せて、と悠々前進していくブラン。
「任せた!」
『わふ!』
さて、モンスター大決戦が始まった。
大物はブランに任せつつ、俺は忘却派の黒幕と戦うとしよう。
「ええい、なんだその犬は!! どうしてキメラと互角に戦える!」
「互角じゃないんだなあこれが」
俺が言う横で、ブランが双首蛇を咥えて甲板にガンガン叩きつけている。
頭上から飛びかかってくる空飛ぶライオンは、ぴょんと跳ね上がって前足で叩き落とした。
「なんだと!?」
「うちのブランは特別でね。さあ、降参しろ。どうしてこの船を奪おうとしたのか吐いてもらう……もらわなくても理由は分かるか。忘却派の神都での活動費だろ?」
「な、なぜそれを……」
「本国のアルマース帝国は協調派が主流だって聞いたからね。マイナーな君達は、独自に活動資金を作らなきゃならない。実に大変だ」
「お、おのれ……!! これ以上情報は漏らさぬ!! お前ごとこの船を爆破する!! おお、ザクサーンの神よ、我が魔力に無限の力を与えたまえええええ」
おっとまずい!!
これはいわゆる、自爆の魔法だ!
爆発の範囲は分からないけれど、船が沈んだら貴重品は水の底。
船員達だって助からない。
俺は即座に間合いを詰め、忘却派の男に組み付いた。
「わは、わははは!! お前も連れて行くぞ!! 死ね、モフライダーズ!!」
俺をがっちりと掴もうとする男。
だが、俺は既に厚手の手袋を身に着け、そこに雷晶石を握りしめている。
掴まれる寸前に、
「ビリっと行くぞ!」
雷晶石が弾けた。
「ウグワワーッ!?」
電撃で痺れ、白目を剥く男。
開かれた口の中から、見開かれた目玉が、光り輝き始めている。
体内の魔力が増幅、暴走し、今にも爆発を起こしそうなのだ。
「よーし、吹っ飛べ!」
俺は舳先から、ラグナスとは逆方向に向かって男を放り投げた。
さらに、袖口からスリングを滑り落とし、そこに炎晶石を設置。
「そおいっ!!」
投擲された炎晶石は、水面ギリギリの男の腹にぶつかると、爆発を起こした。
「ウグワーッ!!」
その爆発が、男をさらに遠ざける。
そして、とうとう男も爆発した。
魔力光が辺りに撒き散らされ、爆風と衝撃波が来る。
だが……距離をとったお陰でそれほどでもないな。
それよりも気をつけるべきは。
「カイル! 波が来る! 落ちるなよ!」
「うっす!!」
爆発の余波で起こった波が、船を揺さぶる。
これが水中で爆発してたら、もっと波が大きかったことだろう。
いや、なんとか想定内に収められてよかったよかった。
俺達はスピーディに忘却派の活動を阻止した。
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