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第二部:神都ラグナスの冒険 6
第80話 追跡! 神都包囲網 その3
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ザクサーン忘却派への対策は、日々進んでいった。
集まるデータに、都民の間でも高まる防衛意識。
何かおかしいなと思うことは、情報としてどんどん集まってくるようになった。
こうなると、情報を取り仕切るのも俺達だけじゃ無理になる。
僧兵に手伝ってもらっても限界があるし……。
そんな時、大教会からどやどやと司祭達がやって来た。
「司祭アリサが異教徒相手に奮戦していると聞いてな!」
「助けに来たぞい!」
おお、彼らは!
大教会で見かけた、亜人の司祭達である。
「皆様! 手伝っていただけるのですか!?」
「もちろんじゃよ!!」
ドワーフの司祭がヒゲをしごきながら言う。
「俺らは同じラグナの神を信じる仲間じゃねえか!」
ミノタウロスの司祭がガッハッハ、と笑う。
「そうと決まれば、猪突猛進ですな!」
オークの司祭が鼻息を荒くする。
「では、突撃するべき情報をいただきたい! 我ら司祭の使う上位神聖魔法に、情報を処理するものがありましてね」
ケンタウロスの司祭が彼らを代表して言う。
ふむ。
……一見して、みんなどこかしらかがモフモフしている人々なのでは?
「あんな小さくて、わしのヒゲやらこいつの尻尾やらをモフモフしてたアリサがなあ……」
ドワーフの司祭が目を細めている。
やっぱり!!
「芸は身を助けるとはよく言ったものだなあ」
「オースさん、どういうことっす?」
「モフモフ好きも極めればすごく役立つってことさ」
カイルはよく理解できないようだった。
さて、アリサを含む司祭達が、酒場の中で円陣を組み始めたぞ。
何をするのだろう。
「いと高きラグナの神よ……。御身の知恵をお借りします……! 情報転送、本船サーバー……! 接続を開始します!」
「接続完了! 転送開始!」
酒場の屋根をすり抜けて、天から光が降り注ぐ。
それらは、書き殴られた無数の情報群を照らし出すと、ピカピカと明滅した。
「な、なんじゃー!?」
店の中の亜人や冒険者達が、驚愕する。
俺だってびっくりだ。
『ははあ、ラグナ教とやらの御本尊は空に浮かんでるにゃ。己もこの星に落ちてきた時にちらっと見たにゃ』
「ラグナの神様を見たのかい?」
俺の質問に、ドレが頷いた。
『見たにゃ。でかーい船にゃ。己がいた文明圏よりも、もっと技術が進んだ星系の船にゃ。その船のマザーコンピューターなら、この程度の情報は一瞬で処理できるにゃ』
ドレの言った通りだった。
光はすぐに収まり、司祭達はスッキリした顔をしている。
アリサがハッとする。
「すみません皆様! 紙を! できるだけたくさんの紙をご用意願えますか!!」
ということで。
俺達と酒場の中のみんなは、紙の調達に奔走することになったのだった。
しばらくして、紙がどっさりと集まる。
そこに司祭達が手をかざすと、紙の表面に文字が浮き出してくる。
読みやすい、カッチリとした文体のイリアノス語だ。
「これは凄いなあ……。そう言えばラグナ新教の聖典も、この文字で描かれてたっけ」
「はい。聖典は全て、このプリントの魔法によって作られているのですわ! あれは本に文字を刻印していくので大変なのですわ……。一冊作るのに一時間くらいかかりますの……」
アリサがげっそりとした顔をした。
大変らしい。
それに対して、紙に刻印するのは楽なのだとか。
さて、刻印された紙を拾って次々に目を通してみる。
なるほど、情報の信用性というポイントで区別されているんだな。
信用性が低い情報は、大体が人間から届けられたものだった。
やれ、隣の誰が最近羽振りが良くて怪しい。
兄の結婚相手が綺麗すぎて怪しい、あいつはそこまでの人間じゃないはずだ、とか。
中には、亜人への差別意識みたいなのをあからさまにしたものもあった。
なるほど、ただの嫉妬とか、排除意識みたいなのを情報に乗せて憂さ晴らししている連中がいるんだな。
こういうのは信用性が低いから、横に除けてっと。
「ああ、それは教会で引き取るぞい。社会に対する不安分子をあぶり出して矯正するのも、大教会の仕事じゃからな」
ドワーフの司祭が、まとめて持って行ってしまった。
なるほど、こうして神都ラグナスの治安は保たれているんだな。
「くわばらくわばら……」
ファルクスの笑顔がひきつっている。
彼は気持ち的には反体制派なのかな?
「センセエセンセエ! クルミ、いろいろ持ってきたですよ!」
「おっ、クルミおつかれさん。どんなのがあるんだい?」
クルミが紙の束を抱えてきた。
「ええとですねー」
簡単な文字なら読めるようになっているクルミだ。
自分が分かる範囲で、文字が大きいものをチョイスしてきたらしい。
「これです! えっと、ひがしのほうの、古くて人がいないきょうかいに、人がはいっていった、ですって!」
「ふんふん。……それ、結構信憑性が高そうな気がするね。教会ってことは宗教的なことをやりやすくデザインされてるだろ? しかも古くて人がいないなんてうってつけだ」
「多分、建て替えの順番待ちの教会だと思いますわねえ。職人の数が足りてませんの。大教会は、宗教建築物は職人の手で、一つ一つ丁寧に、をモットーにしてますから」
枢機卿のこだわりかな?
「よーし、古い教会。ここ行ってみよう。一緒に行く人」
「クルミです!」
「俺っす!」
「わたくしめも」
『わふん』
『にゃ』
「あーん!! わたくしも行きたいー!!」
アリサが地団駄を踏んだ。
すると、彼女の背中をケンタウロスの司祭がポンと押す。
「行ってきたまえ、司祭アリサ。ここは我々が引き受けるから」
「そうだぞ! お前さんがぐっとこらえて事務仕事なんざ、似合うもんかい! がはははは!」
ミノタウロスの司祭、アリサの事をよく分かってらっしゃる。
後で聞いたのだが、この亜人の司祭達は、どれもがそれぞれの種族の信者でトップに立つ人物だという。
それほどの人々の助力を得られるとは、アリサ、かなりの人望があるんだな。
「で、では! わたくしも行きますわー!」
「久々のフルメンバーだね。ローズもよろしく」
『ちゅちゅっ!』
アリサの肩の上で、ローズが短い手を振ったのだった。
集まるデータに、都民の間でも高まる防衛意識。
何かおかしいなと思うことは、情報としてどんどん集まってくるようになった。
こうなると、情報を取り仕切るのも俺達だけじゃ無理になる。
僧兵に手伝ってもらっても限界があるし……。
そんな時、大教会からどやどやと司祭達がやって来た。
「司祭アリサが異教徒相手に奮戦していると聞いてな!」
「助けに来たぞい!」
おお、彼らは!
大教会で見かけた、亜人の司祭達である。
「皆様! 手伝っていただけるのですか!?」
「もちろんじゃよ!!」
ドワーフの司祭がヒゲをしごきながら言う。
「俺らは同じラグナの神を信じる仲間じゃねえか!」
ミノタウロスの司祭がガッハッハ、と笑う。
「そうと決まれば、猪突猛進ですな!」
オークの司祭が鼻息を荒くする。
「では、突撃するべき情報をいただきたい! 我ら司祭の使う上位神聖魔法に、情報を処理するものがありましてね」
ケンタウロスの司祭が彼らを代表して言う。
ふむ。
……一見して、みんなどこかしらかがモフモフしている人々なのでは?
「あんな小さくて、わしのヒゲやらこいつの尻尾やらをモフモフしてたアリサがなあ……」
ドワーフの司祭が目を細めている。
やっぱり!!
「芸は身を助けるとはよく言ったものだなあ」
「オースさん、どういうことっす?」
「モフモフ好きも極めればすごく役立つってことさ」
カイルはよく理解できないようだった。
さて、アリサを含む司祭達が、酒場の中で円陣を組み始めたぞ。
何をするのだろう。
「いと高きラグナの神よ……。御身の知恵をお借りします……! 情報転送、本船サーバー……! 接続を開始します!」
「接続完了! 転送開始!」
酒場の屋根をすり抜けて、天から光が降り注ぐ。
それらは、書き殴られた無数の情報群を照らし出すと、ピカピカと明滅した。
「な、なんじゃー!?」
店の中の亜人や冒険者達が、驚愕する。
俺だってびっくりだ。
『ははあ、ラグナ教とやらの御本尊は空に浮かんでるにゃ。己もこの星に落ちてきた時にちらっと見たにゃ』
「ラグナの神様を見たのかい?」
俺の質問に、ドレが頷いた。
『見たにゃ。でかーい船にゃ。己がいた文明圏よりも、もっと技術が進んだ星系の船にゃ。その船のマザーコンピューターなら、この程度の情報は一瞬で処理できるにゃ』
ドレの言った通りだった。
光はすぐに収まり、司祭達はスッキリした顔をしている。
アリサがハッとする。
「すみません皆様! 紙を! できるだけたくさんの紙をご用意願えますか!!」
ということで。
俺達と酒場の中のみんなは、紙の調達に奔走することになったのだった。
しばらくして、紙がどっさりと集まる。
そこに司祭達が手をかざすと、紙の表面に文字が浮き出してくる。
読みやすい、カッチリとした文体のイリアノス語だ。
「これは凄いなあ……。そう言えばラグナ新教の聖典も、この文字で描かれてたっけ」
「はい。聖典は全て、このプリントの魔法によって作られているのですわ! あれは本に文字を刻印していくので大変なのですわ……。一冊作るのに一時間くらいかかりますの……」
アリサがげっそりとした顔をした。
大変らしい。
それに対して、紙に刻印するのは楽なのだとか。
さて、刻印された紙を拾って次々に目を通してみる。
なるほど、情報の信用性というポイントで区別されているんだな。
信用性が低い情報は、大体が人間から届けられたものだった。
やれ、隣の誰が最近羽振りが良くて怪しい。
兄の結婚相手が綺麗すぎて怪しい、あいつはそこまでの人間じゃないはずだ、とか。
中には、亜人への差別意識みたいなのをあからさまにしたものもあった。
なるほど、ただの嫉妬とか、排除意識みたいなのを情報に乗せて憂さ晴らししている連中がいるんだな。
こういうのは信用性が低いから、横に除けてっと。
「ああ、それは教会で引き取るぞい。社会に対する不安分子をあぶり出して矯正するのも、大教会の仕事じゃからな」
ドワーフの司祭が、まとめて持って行ってしまった。
なるほど、こうして神都ラグナスの治安は保たれているんだな。
「くわばらくわばら……」
ファルクスの笑顔がひきつっている。
彼は気持ち的には反体制派なのかな?
「センセエセンセエ! クルミ、いろいろ持ってきたですよ!」
「おっ、クルミおつかれさん。どんなのがあるんだい?」
クルミが紙の束を抱えてきた。
「ええとですねー」
簡単な文字なら読めるようになっているクルミだ。
自分が分かる範囲で、文字が大きいものをチョイスしてきたらしい。
「これです! えっと、ひがしのほうの、古くて人がいないきょうかいに、人がはいっていった、ですって!」
「ふんふん。……それ、結構信憑性が高そうな気がするね。教会ってことは宗教的なことをやりやすくデザインされてるだろ? しかも古くて人がいないなんてうってつけだ」
「多分、建て替えの順番待ちの教会だと思いますわねえ。職人の数が足りてませんの。大教会は、宗教建築物は職人の手で、一つ一つ丁寧に、をモットーにしてますから」
枢機卿のこだわりかな?
「よーし、古い教会。ここ行ってみよう。一緒に行く人」
「クルミです!」
「俺っす!」
「わたくしめも」
『わふん』
『にゃ』
「あーん!! わたくしも行きたいー!!」
アリサが地団駄を踏んだ。
すると、彼女の背中をケンタウロスの司祭がポンと押す。
「行ってきたまえ、司祭アリサ。ここは我々が引き受けるから」
「そうだぞ! お前さんがぐっとこらえて事務仕事なんざ、似合うもんかい! がはははは!」
ミノタウロスの司祭、アリサの事をよく分かってらっしゃる。
後で聞いたのだが、この亜人の司祭達は、どれもがそれぞれの種族の信者でトップに立つ人物だという。
それほどの人々の助力を得られるとは、アリサ、かなりの人望があるんだな。
「で、では! わたくしも行きますわー!」
「久々のフルメンバーだね。ローズもよろしく」
『ちゅちゅっ!』
アリサの肩の上で、ローズが短い手を振ったのだった。
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