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第三部:セントロー王国の冒険 1
第90話 ここは地下世界レイアス その2
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ひたすら、ひたすらに階段を下っていく。
暗闇の中だが、平坦な道のりというわけではない。
段差がちょこちょこ違っていたり、いきなり壁面がえぐれていたり、しばらく階段が無くてスロープ状になっていたり。
「うーん、階段を作った人々の苦労が伝わってくる……」
俺はしみじみとした。
こういう先人の仕事ぶりが伝わってくるようなのは大好物だ。
「ちょっと休憩をしていこう」
俺はみんなに提案をし、早速先人の仕事をチェックし始めた。
ほほー。
いい仕事してますなあ。
ここは下りがなだらかになっているが、恐らくもともと空洞だったのだろう。
掘り進めて行った結果この空間に突き当たり、ここをこのまま利用することにしたのだ。
おかげで、キャンプができそうなスペースが生まれた。
アリサが炎晶石を使って火を起こし、お茶など沸かしている。
狭い地下空間では火など使えない。
火は空気を変えてしまい、息ができなくなると言われているからだ。
だが、ここならば話は別だ。
「皆様、お茶が入りましたわー」
集まってくるモフライダーズ。
お茶を飲み、ナッツなどをお茶請けにしてゆったりする。
ローズが、味付けの濃いナッツをカリカリやり、『ちゅー』と呻いてふらふらした。
「ローズには濃すぎたなあ。ほら、こっちは味付けなしのやつだよ」
『ちゅっちゅ』
だが、味の濃いナッツを手放さないローズ。
もう一つのナッツも受け取り、もぎゅっと頬袋に詰め込んだ。
よくばりさんだ。
『しっかし、呆れるほど長いにゃあ。どれだけ下っていくんだにゃ?』
「下りだけで半日掛かるとは聞いたね。みんな、トイレは大丈夫? この辺りにするわけにはいかないから、ちゃんと専用の袋を用意してきたよ。これは地下世界に到着すれば現地の人が処理してくれるそうで……」
「オースさんはデリカシーというものがありませんわね……!?」
アリサが目を吊り上げた。
おっと失敬。
「あっ、オースさんちょっと借りていいっすか。いやあ、実はずっと我慢してたっすよー」
そこを気にしないのがカイルだ。
「カイルさんあなたもデリカシーというものがー!」
「いやあ出るものは出るだろ!?」
二人のやり取りを聞きつつ、お茶を飲む。
一休みしたら行動再開だ。
そのまま階段を降り続けていると、やがて下の方に薄っすらと明かりが見えてきた。
「出口だ。……いや、入り口と言ったほうがいいのかな」
「ふんふん! なんだかフシギなニオイがするですよ!」
クルミが鼻をひくひくさせる。
フシギなニオイとは一体。
興味が湧いてくるじゃないか。
「よしクルミ。新しい世界の入口まで競争と行こう。足元にだけは気をつけてね」
「はいです! 負けないですよー!」
「ちょ、ちょっとオースさん!」
「あー、オースさんが子どもがえりしてるっす……!! この人、こういうの大好きだったんだなあ」
『わふん』
仲間達の声を後に、俺とクルミは一斉に階段を駆け下りた。
目に見えるところに光があるのだ。
もう、出口まではすぐ。
階段も、光に照らされてしっかりと見えている。
これなら気をつければ踏み外すことはない。
「とりゃー!!」
むっ!
クルミが想像以上に早い!
ゼロ族の身体能力は、思った以上に高いようだ。
あっという間に俺は抜き去られ、彼女がほとんど四つ足で階段を駆け下りていった。
「とうちゃくですー!! かったー!」
「負けたあ」
俺、ここ最近では久しぶりの敗北かもしれない。
降りきって、息を整える。
クルミもうっすら汗をかきながら、俺を見てにっこり笑った。
「センセエ! ほら! ちかせかいってゆうの、見えてるです!」
「えっ」
そうだそうだ。競走がメインじゃないんだった。
俺は光が差し込む背後へ振り返った。
そこには……。
地下とは思えないほど広大な空間が広がっていた。
ぼんやりとした輝きは、天井から降ってくるのだろうか?
一歩踏み出すと、首が痛くなるほどの高い位置に天井があった。
山が一つ、すっぽり入ってしまうような高さだな。
その天井そのものが光を放っているのか。
大地は土と岩が混じったようなものになっている。
そこここに色とりどりの苔が生え、思った以上に地下世界はカラフルだった。
「ふいー、やっと追いついたぜ」
「先に行き過ぎですわーっ……て、うわーっ、なんか凄い光景ですわねえ!!」
『明るいにゃーっ』
続いてやって来た面々もびっくりしている。
そうだろうそうだろう。
地下世界というから、もっと薄暗くて岩に覆われた地の底みたいなものを想像していたのだが、これは立派に一つの世界だ。
しかも、目の前に広がる広大な大地は少しずつ、下っていく形になっている。
この世界、レイアスはまだまだ下に続いているのだ。
「よし、じゃあ初日はここでキャンプを張ろう! ここをキャンプ地とする!」
俺が宣言すると、みんなが快哉を上げた。
いい加減、歩き続けるのに疲れていたし、飽きていたらしい。
カイルとアリサがせっせと働いて、あっという間にテントが立った。
男子用と女子用に分かれている。
「クルミはセンセエといっしょがいいですけど!」
「だめですわクルミちゃん! 結婚前の男女が同じ寝台をともにするなど……」
「たまにクルミ、センセエのおふとんにもぐりこんでるですよ?」
「な、なんですって!? オースさん、責任を取らなくちゃ……」
「なんだって」
とんでもない方向に話が転がりかけたので、俺は傍らにいたドレを抱き上げてアリサに手渡した。
『うにゃーっ、己が便利に使われているにゃあー』
「ああーっ、ドレちゃんのモフモフが……! 最高ですわーっ」
「またごまかされてしまったです!」
ううん、クルミは虎視眈々と狙いを定めてきている。
近い内に逃げられなくなりそうだ。
そんなこんなで、地下世界で楽しいキャンプとなった。
どうやら地下世界は、地上世界と昼夜が一致しているらしい。
恐らく夕方かなと言う頃合いで、徐々に天井の輝きが落ち着いてきた。
すると、天井のあちこちにキラキラと輝くものが見えるではないか。
「なんですの……? まるで地底の星ですわねえ……」
「きれいですー……」
女子二人が空を眺めている。
あれは恐らく、岩に含まれている鉱物が光り輝いているのだろう。
それがまるで、星空のように見えるわけだ。
地下世界レイアス。
なかなか凄いところじゃないか。
暗闇の中だが、平坦な道のりというわけではない。
段差がちょこちょこ違っていたり、いきなり壁面がえぐれていたり、しばらく階段が無くてスロープ状になっていたり。
「うーん、階段を作った人々の苦労が伝わってくる……」
俺はしみじみとした。
こういう先人の仕事ぶりが伝わってくるようなのは大好物だ。
「ちょっと休憩をしていこう」
俺はみんなに提案をし、早速先人の仕事をチェックし始めた。
ほほー。
いい仕事してますなあ。
ここは下りがなだらかになっているが、恐らくもともと空洞だったのだろう。
掘り進めて行った結果この空間に突き当たり、ここをこのまま利用することにしたのだ。
おかげで、キャンプができそうなスペースが生まれた。
アリサが炎晶石を使って火を起こし、お茶など沸かしている。
狭い地下空間では火など使えない。
火は空気を変えてしまい、息ができなくなると言われているからだ。
だが、ここならば話は別だ。
「皆様、お茶が入りましたわー」
集まってくるモフライダーズ。
お茶を飲み、ナッツなどをお茶請けにしてゆったりする。
ローズが、味付けの濃いナッツをカリカリやり、『ちゅー』と呻いてふらふらした。
「ローズには濃すぎたなあ。ほら、こっちは味付けなしのやつだよ」
『ちゅっちゅ』
だが、味の濃いナッツを手放さないローズ。
もう一つのナッツも受け取り、もぎゅっと頬袋に詰め込んだ。
よくばりさんだ。
『しっかし、呆れるほど長いにゃあ。どれだけ下っていくんだにゃ?』
「下りだけで半日掛かるとは聞いたね。みんな、トイレは大丈夫? この辺りにするわけにはいかないから、ちゃんと専用の袋を用意してきたよ。これは地下世界に到着すれば現地の人が処理してくれるそうで……」
「オースさんはデリカシーというものがありませんわね……!?」
アリサが目を吊り上げた。
おっと失敬。
「あっ、オースさんちょっと借りていいっすか。いやあ、実はずっと我慢してたっすよー」
そこを気にしないのがカイルだ。
「カイルさんあなたもデリカシーというものがー!」
「いやあ出るものは出るだろ!?」
二人のやり取りを聞きつつ、お茶を飲む。
一休みしたら行動再開だ。
そのまま階段を降り続けていると、やがて下の方に薄っすらと明かりが見えてきた。
「出口だ。……いや、入り口と言ったほうがいいのかな」
「ふんふん! なんだかフシギなニオイがするですよ!」
クルミが鼻をひくひくさせる。
フシギなニオイとは一体。
興味が湧いてくるじゃないか。
「よしクルミ。新しい世界の入口まで競争と行こう。足元にだけは気をつけてね」
「はいです! 負けないですよー!」
「ちょ、ちょっとオースさん!」
「あー、オースさんが子どもがえりしてるっす……!! この人、こういうの大好きだったんだなあ」
『わふん』
仲間達の声を後に、俺とクルミは一斉に階段を駆け下りた。
目に見えるところに光があるのだ。
もう、出口まではすぐ。
階段も、光に照らされてしっかりと見えている。
これなら気をつければ踏み外すことはない。
「とりゃー!!」
むっ!
クルミが想像以上に早い!
ゼロ族の身体能力は、思った以上に高いようだ。
あっという間に俺は抜き去られ、彼女がほとんど四つ足で階段を駆け下りていった。
「とうちゃくですー!! かったー!」
「負けたあ」
俺、ここ最近では久しぶりの敗北かもしれない。
降りきって、息を整える。
クルミもうっすら汗をかきながら、俺を見てにっこり笑った。
「センセエ! ほら! ちかせかいってゆうの、見えてるです!」
「えっ」
そうだそうだ。競走がメインじゃないんだった。
俺は光が差し込む背後へ振り返った。
そこには……。
地下とは思えないほど広大な空間が広がっていた。
ぼんやりとした輝きは、天井から降ってくるのだろうか?
一歩踏み出すと、首が痛くなるほどの高い位置に天井があった。
山が一つ、すっぽり入ってしまうような高さだな。
その天井そのものが光を放っているのか。
大地は土と岩が混じったようなものになっている。
そこここに色とりどりの苔が生え、思った以上に地下世界はカラフルだった。
「ふいー、やっと追いついたぜ」
「先に行き過ぎですわーっ……て、うわーっ、なんか凄い光景ですわねえ!!」
『明るいにゃーっ』
続いてやって来た面々もびっくりしている。
そうだろうそうだろう。
地下世界というから、もっと薄暗くて岩に覆われた地の底みたいなものを想像していたのだが、これは立派に一つの世界だ。
しかも、目の前に広がる広大な大地は少しずつ、下っていく形になっている。
この世界、レイアスはまだまだ下に続いているのだ。
「よし、じゃあ初日はここでキャンプを張ろう! ここをキャンプ地とする!」
俺が宣言すると、みんなが快哉を上げた。
いい加減、歩き続けるのに疲れていたし、飽きていたらしい。
カイルとアリサがせっせと働いて、あっという間にテントが立った。
男子用と女子用に分かれている。
「クルミはセンセエといっしょがいいですけど!」
「だめですわクルミちゃん! 結婚前の男女が同じ寝台をともにするなど……」
「たまにクルミ、センセエのおふとんにもぐりこんでるですよ?」
「な、なんですって!? オースさん、責任を取らなくちゃ……」
「なんだって」
とんでもない方向に話が転がりかけたので、俺は傍らにいたドレを抱き上げてアリサに手渡した。
『うにゃーっ、己が便利に使われているにゃあー』
「ああーっ、ドレちゃんのモフモフが……! 最高ですわーっ」
「またごまかされてしまったです!」
ううん、クルミは虎視眈々と狙いを定めてきている。
近い内に逃げられなくなりそうだ。
そんなこんなで、地下世界で楽しいキャンプとなった。
どうやら地下世界は、地上世界と昼夜が一致しているらしい。
恐らく夕方かなと言う頃合いで、徐々に天井の輝きが落ち着いてきた。
すると、天井のあちこちにキラキラと輝くものが見えるではないか。
「なんですの……? まるで地底の星ですわねえ……」
「きれいですー……」
女子二人が空を眺めている。
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