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第四部:オケアノス海の冒険 6
第146話 山頂の集落へ その3
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集めた情報は、山頂までの道のり。
そこまでに出るモンスター。
異変が起こり始めた、正確な日にち、というところだ。
「モンスター発生の日が、明らかに港町よりも早い。これは上から順番に、神話返り現象が発生している証拠となると思う」
俺の言葉に、仲間達が頷く。
「つまり、上に行くほどモンスターは最初に現れたものになるわけですね? 強力になったりするんですかね?」
「モンスターの強さはあまり関係ないみたいだ。沼地で戦ったヒドラと比べて、コッカトリスは単体での強さは明らかに劣っていたからね。つまり、山頂に近づくほど戦場が狭くなる可能性はあるけれど、敵が強くなるわけではないと思う」
これを聞いて、カレンはふむーと唸った。
「強くなるわけではないなら、ワタシもいけますね。正直、あまり強い敵と戦いたくないんですよね。だって命を落としたら元も子もないですからね」
「現金ですわねえあなた」
アリサが呆れる。
「エルド教の教えは現世利益ですからねー。だからこそ、最強の商売宗教なんですねー」
「それ、エルド教の上の方に聞かれたら大変なことになりますわよ?」
「ははっ、まさかうちのお偉いさんが、こんな群島まで来るわけないですねー」
そういうことを言っていると、実際に来たりするものだよな。
アルディも同じことを考えていたようで、ニヤニヤしている。
さて、出発前に広げるのは、山歩きのための地図だ。
可愛らしいタッチで描かれた、山の全図が乗っている。
「デフォルメしてあるのかも知れないけれど、見事に緩やかな円錐形をしてるなあ」
「えんすいけいです?」
「円錐っていうのはね、クルミ。底が丸い形で、上に向かって錐のように伸びた形のことだよ。ほら、上まで全く同じような角度で向かっていってるだろ。絵だからかもしれないけど、それにしたって山の形が規則的過ぎる。つまりこれは……人工的に作られた山かもしれない」
「人が作ったですか!」
「ああ、そうかも知れないと思うね。ならば、今回の神話返り、原因として人為的な何かがありそうな気がするよ」
「黒幕がいるって訳か?」
アルディの言葉を、肯定しておく。
「そうだね。ただ、それは人じゃないかも知れない。知ってのとおり、世界には魔王の時代の遺跡みたいなものがあったりするじゃないか。かつての技術も失われていると聞くし。それに、千年より前の歴史はどこの国でも、結構曖昧になってるんだ。魔王の時代と、人間の時代の区切りの部分がはっきりしない。俺は多分、そこで何かあったんだと思う。この山は言わば、その曖昧な時代を明らかにできる何かじゃないかと思っているんだ」
「何かですか! 何かってなんです?」
「そりゃあ、分からないから何かって言ってるのさ」
「ええー。けっきょく何にも分からないです!」
クルミがぶうーっと膨れた。
可愛いので、ほっぺたをつついてみる。
彼女が知的好奇心みたいなのを抱き始めてるのはいいことだな。
「クルミちゃんも、ちょっとオースさんに似てきましたわねえ」
そうかな?
似てきたと言われたクルミは、嬉しかったようでニコニコした。
「クルミも賢くなってきたですからねえ。センセエに似ちゃったですよー」
「夫婦は似るものっていいますねー」
カレンまで何を言っているのか。
だが、俺もクルミもハッピーになる方向の話なので、これはこれでよし、と。
「リーダー。この円錐状の山をぐるぐる登ってくのか。登山道まで誂えたようになってるんだな。獣道とかないのか?」
「探せばあるかも知れないけれど、人間が山頂まで行けるような広い道が常に存在しているようだ。俺達も、ここを通っていこう」
「了解だ。戦いはともかく、先に進むためにストレスがかかるのは勘弁してほしいからな」
戦いを愛するアルディらしい。
ちなみにさっきのコッカトリス戦、撃破数が一番多かったのがアルディだ。
彼は一対多の戦いを得意とするらしいな。
前衛として恐ろしく頼りになる。
ということで、今回もアルディを先頭に出発することにした。隣に、感覚が鋭敏なクルミを並べておく。
後衛は俺とブラン。
『わふ』
「そりゃあブランが先に行けば、においを辿れて便利かも知れないけどね。君は大きいだろ。視界が真っ白なモフモフで隠れてしまう」
『わふーん』
なるほどー、と、ペロリと舌を出すブラン。
久々に二人並んでの行軍なので、彼を片手でモフモフしておいた。
出会った頃から変わらぬ手触り。
『わふ』
来るよ、とブランが告げた。
前の方が騒がしくなってくる。
「バシリスクかい!?」
「おう、そうだ! 俺に任せろ!」
「クルミにお任せですー!」
「ほほほ! ワタシの活躍を見るですねー!」
勝手に三人が戦い始めたぞ。
楽と言えば楽だ。
巨大ムカデであるバシリスクは、やはり全身に毒があるようなのだが……。
素早く動き回ってスリングを使うクルミに、凄まじい剣捌きでバシリスクを触れる端から刻んでいくアルディ、遠くからひたすら弾丸をばらまくカレン。
心配はなさそうだ。
カレンの弾が仲間に当たらないかどうかだけ心配だけどね!
「あっ、ワタシの弾を剣で弾いた!?」
「弾けるもんだな! っていうか俺に当てるな!!」
あ、やっぱり。
かくして、ヒドラとコッカトリスに次ぐ、三種類目の偽モンスターは、あっという間に討伐されてしまったのだった。
「やっぱり、強さ的にはそこまで大した事はないな。見た目が確かに、蛇に似ててバジリスクっぽい。これに惑わされなければひたすら大きいだけのムカデだ」
この神話返りが何かによって引き起こされたものだとする。
ならば、事態の原因は、どういう意図があって発生したものなのだろうか。
どうも偽モンスターからして、そして彼らの運用を見ても、これという意図が感じられない。
「案外、これは何者の意思も介在していない、事故のようなものなのかも知れないな」
『わふん』
出たね、お得意の考察、とブランが笑うのだった。
そこまでに出るモンスター。
異変が起こり始めた、正確な日にち、というところだ。
「モンスター発生の日が、明らかに港町よりも早い。これは上から順番に、神話返り現象が発生している証拠となると思う」
俺の言葉に、仲間達が頷く。
「つまり、上に行くほどモンスターは最初に現れたものになるわけですね? 強力になったりするんですかね?」
「モンスターの強さはあまり関係ないみたいだ。沼地で戦ったヒドラと比べて、コッカトリスは単体での強さは明らかに劣っていたからね。つまり、山頂に近づくほど戦場が狭くなる可能性はあるけれど、敵が強くなるわけではないと思う」
これを聞いて、カレンはふむーと唸った。
「強くなるわけではないなら、ワタシもいけますね。正直、あまり強い敵と戦いたくないんですよね。だって命を落としたら元も子もないですからね」
「現金ですわねえあなた」
アリサが呆れる。
「エルド教の教えは現世利益ですからねー。だからこそ、最強の商売宗教なんですねー」
「それ、エルド教の上の方に聞かれたら大変なことになりますわよ?」
「ははっ、まさかうちのお偉いさんが、こんな群島まで来るわけないですねー」
そういうことを言っていると、実際に来たりするものだよな。
アルディも同じことを考えていたようで、ニヤニヤしている。
さて、出発前に広げるのは、山歩きのための地図だ。
可愛らしいタッチで描かれた、山の全図が乗っている。
「デフォルメしてあるのかも知れないけれど、見事に緩やかな円錐形をしてるなあ」
「えんすいけいです?」
「円錐っていうのはね、クルミ。底が丸い形で、上に向かって錐のように伸びた形のことだよ。ほら、上まで全く同じような角度で向かっていってるだろ。絵だからかもしれないけど、それにしたって山の形が規則的過ぎる。つまりこれは……人工的に作られた山かもしれない」
「人が作ったですか!」
「ああ、そうかも知れないと思うね。ならば、今回の神話返り、原因として人為的な何かがありそうな気がするよ」
「黒幕がいるって訳か?」
アルディの言葉を、肯定しておく。
「そうだね。ただ、それは人じゃないかも知れない。知ってのとおり、世界には魔王の時代の遺跡みたいなものがあったりするじゃないか。かつての技術も失われていると聞くし。それに、千年より前の歴史はどこの国でも、結構曖昧になってるんだ。魔王の時代と、人間の時代の区切りの部分がはっきりしない。俺は多分、そこで何かあったんだと思う。この山は言わば、その曖昧な時代を明らかにできる何かじゃないかと思っているんだ」
「何かですか! 何かってなんです?」
「そりゃあ、分からないから何かって言ってるのさ」
「ええー。けっきょく何にも分からないです!」
クルミがぶうーっと膨れた。
可愛いので、ほっぺたをつついてみる。
彼女が知的好奇心みたいなのを抱き始めてるのはいいことだな。
「クルミちゃんも、ちょっとオースさんに似てきましたわねえ」
そうかな?
似てきたと言われたクルミは、嬉しかったようでニコニコした。
「クルミも賢くなってきたですからねえ。センセエに似ちゃったですよー」
「夫婦は似るものっていいますねー」
カレンまで何を言っているのか。
だが、俺もクルミもハッピーになる方向の話なので、これはこれでよし、と。
「リーダー。この円錐状の山をぐるぐる登ってくのか。登山道まで誂えたようになってるんだな。獣道とかないのか?」
「探せばあるかも知れないけれど、人間が山頂まで行けるような広い道が常に存在しているようだ。俺達も、ここを通っていこう」
「了解だ。戦いはともかく、先に進むためにストレスがかかるのは勘弁してほしいからな」
戦いを愛するアルディらしい。
ちなみにさっきのコッカトリス戦、撃破数が一番多かったのがアルディだ。
彼は一対多の戦いを得意とするらしいな。
前衛として恐ろしく頼りになる。
ということで、今回もアルディを先頭に出発することにした。隣に、感覚が鋭敏なクルミを並べておく。
後衛は俺とブラン。
『わふ』
「そりゃあブランが先に行けば、においを辿れて便利かも知れないけどね。君は大きいだろ。視界が真っ白なモフモフで隠れてしまう」
『わふーん』
なるほどー、と、ペロリと舌を出すブラン。
久々に二人並んでの行軍なので、彼を片手でモフモフしておいた。
出会った頃から変わらぬ手触り。
『わふ』
来るよ、とブランが告げた。
前の方が騒がしくなってくる。
「バシリスクかい!?」
「おう、そうだ! 俺に任せろ!」
「クルミにお任せですー!」
「ほほほ! ワタシの活躍を見るですねー!」
勝手に三人が戦い始めたぞ。
楽と言えば楽だ。
巨大ムカデであるバシリスクは、やはり全身に毒があるようなのだが……。
素早く動き回ってスリングを使うクルミに、凄まじい剣捌きでバシリスクを触れる端から刻んでいくアルディ、遠くからひたすら弾丸をばらまくカレン。
心配はなさそうだ。
カレンの弾が仲間に当たらないかどうかだけ心配だけどね!
「あっ、ワタシの弾を剣で弾いた!?」
「弾けるもんだな! っていうか俺に当てるな!!」
あ、やっぱり。
かくして、ヒドラとコッカトリスに次ぐ、三種類目の偽モンスターは、あっという間に討伐されてしまったのだった。
「やっぱり、強さ的にはそこまで大した事はないな。見た目が確かに、蛇に似ててバジリスクっぽい。これに惑わされなければひたすら大きいだけのムカデだ」
この神話返りが何かによって引き起こされたものだとする。
ならば、事態の原因は、どういう意図があって発生したものなのだろうか。
どうも偽モンスターからして、そして彼らの運用を見ても、これという意図が感じられない。
「案外、これは何者の意思も介在していない、事故のようなものなのかも知れないな」
『わふん』
出たね、お得意の考察、とブランが笑うのだった。
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