モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!

あけちともあき

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第四部:オケアノス海の冒険 6

第148話 山頂の集落へ その5

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 山頂の集落は、それはもうみんな疲弊しきっており、限界のようだった。
 限られた食料しかない状態で、籠城戦をしていたのだ。
 その気持ちは分かる。

 俺達が持っている限りの食料を放出することにした。
 こんなこともあろうかと、山間の村でお弁当をたくさん買ってきてもいたのだ。
 ブランに搭載していたので、彼は戦闘にほとんど加わらなかった。

 人々がお弁当に群がる。
 総勢五十人くらいだろうか?

「食べ終わったらでいいので、詳しい事情を教えて欲しい。俺は、神話返りがここから始まったと思っているんだが」

「あっ、はい!」

 ガツガツとお弁当を食べていた、集落の少年が手を上げた。

「おれが最初にみつけました!」

「おお!」

 いきなり第一発見者。
 これは幸先がいい。

「その前に水を……」

 少年がトトトっと走っていって、地面から生えているニョロニョロとしたものを握った。
 先端に回転させる部位がついており、彼がこれを回すと……。
 なんと、水が吹き出してくる。

「な、なんだいそれ」

「これ、うちの集落の井戸です! えっとですね、集落ができる前に、遺跡から発掘したんですけど、この井戸は無限に水が出るんです」

「不思議だ……。というか、よく見たら集落のあちこちに、普通ではありえないものが見える」

 家々の屋根は、光り輝く構造体で作られている。

『あれは大気の魔力を集めて明かりを点けたり、湯を沸かしたりする装置にゃ』

「なんだって」

 ドレが詳しいようだ。

『あっちのくるくる回ってるやつは、集落に壁を乗り越えて侵入しようとしたら、襲いかかってくるやつにゃ』

「自律式のゴーレムみたいなものか」

 山頂の集落は、遺跡から取れた資源を活用して、思った以上に便利な暮らしをしているようだった。
 ただ、食糧生産だけは人間でやらねばならないらしい。

 山頂では畑を作ったりも難しいため、保存食と、村で生産できるちょっと変わった食べ物だけで過ごしていたようだ。

「ちょっと変わった食べ物とは」

「これです! すっげえ不味いの……。もう、みんな飢えて仕方ないってならないと食べない……」

 そこにあったのは、金属製の筒だ。
 ニョロニョロしたものが飛び出している。
 俺が器を用意すると、ニョロニョロから灰色のペーストが出てきた。

「……これが食料? なるほど、これがあったから、かろうじて餓死しなくて済んだんだね」

 試しに食べてみる。
 うっ、なんか独特の臭みがあって、味はほとんど無い。
 ちょっと塩味があるかな?

 こればかり食べていたら、確かに精神的に限界になるな。
 俺は集落の人々に同情した。

「ああ、それで、本題だけど。どうやって神話返りが起こったんだい?」

 俺の質問に、少年が答える。

「あの日、おれはいつも通り、遺跡に潜ってたんです。そしたら、いつもなら閉じてるはずの扉が開いてて。その奥で、なんかピカピカ光ってるんです。で、そいつが……なんか、訳のわからないこと言ってて。それから、遺跡に住んでる動物が次々にモンスターになったんですよ」

「なるほど……。山の中にある地下遺跡が全ての原因で間違いないようだね。その遺跡を止めれば、神話返りが終わる」

 集落では、山の地下にあるという遺跡の見取り図を作ってあるという。
 先祖代々に渡って、遺跡から取り出してくる物で商売をしているのだ。

 見せられた地図を見て、俺は唸った。

「これは……。そのまま、山がまるごとひとつ、巨大な空洞なんだな。薄々そうじゃないかとは思っていたが、この山は、本来はなにかの目的で作られた建築物だったんだ。だとすると、ソラフネ山と言う名前は」

 集落の長がその場にいて、説明をしてくれる。

「そのままです。空から落ちてきた、世界と世界の間を渡る船。わしらが遺跡の遺物を売る商人は、そんな話しても信じちゃくれませんけどね。何度も遺跡に潜ってるわしらには分かります。この山は、巨大な船なんですよ」

 世界と世界の間を渡る……。 
 ちょうど、そういう旅をして、こちらに渡ってきた者がうちのモフモフにもいる。

「ドレ、これはつまり君のような立場にある船ということかい?」

「宇宙船にゃ。中に入らないと文明の程度は分からないけど、ラグナとかエルドとか言ったにゃ? あの神様とやらと同じ文明圏から来た船にゃー」

「なるほど。長の方、遺跡の中ではモンスターは出ないんですか?」

「出ません。ですが、わしらが代々受け継いでいる腕輪をしていかないと、入れません」

「腕輪ですか」

「はい。ここに六人分あります。これで全部ですわ。遺跡に潜れば必ず遺物が見つかるわけではなくて、何ヶ月かに一度、遺物が生み出されるんです。で、わしらはそれを取りに行く」

「遺跡が遺物を、今も生み出しているのか……」

「はい。この遺跡は、今も生きているんですわ。そして、何かのきっかけで遺跡が本格的に動き出して、神話返りが起こったのかも知れませんなあ……」

 なかなか興味深い話だった。
 神話返りを止めようと思うなら、遺跡に潜るしか無い。

「よし、じゃあ早速行ってみようか。別の世界から来たという、船の遺跡。どんなものなのか、今からワクワクして来るじゃないか」

『わふん』

 ブランが、僕は今回お留守番だね、と言うのだった。

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