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第四部:オケアノス海の冒険 7
第153話 ソラフネ山遺跡 その5
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下山すると、昨日からすっかり、偽モンスターがいなくなったという話で持ちきりだった。
まだまだ、どこかに出てくるかも知れないので油断は禁物。
しかし俺達モフライダーズは、神話返りが終わったことを知っている。
このことは特に喧伝するまでもなく、徐々に人々に伝わっていくことであろう……。
「やりましたねー!! ワタシ達が! 神話返りを終わらせて来ましたねー! どうですねみなさ~ん!! エルド教は役に立ちますねえ! さあ、お布施をください! そして本部にもいい報告を送りますねー!!」
カレンが大声で宣伝を始めた。
そうだった!
彼女のもともとの目的がこれだったのだ。
港町で教会をあずかる司祭として、神話返りを見過ごしていた彼女は、立場的に大変まずいところにいたらしい。
なので、汚名返上とばかりに大いに成果を宣伝しているのだ。
まあ、これはこれで。
「なんかわたくし達、ダシにされてません……? ラグナ新教の司祭としてこれは見過ごせないんですけど……! ちょっとー皆さーん!! わたくし! ラグナ新教が頑張ったから神話返りが終わったのですわよー!」
アリサが対抗心を燃やして、カレンの隣で叫び始める。
「ちょ! ラグナ新教は営業妨害ですねー!!」
「営業とか言って罰当たりだと思いませんの!? もっと真摯な信仰心をですわね!」
「エルド教! エルド教にお布施をお願いしますねー!!」
「ラグナ新教! 救いはラグナ新教ですわよー!!」
賑やかである。
人もわいわい集まってくる。
だが、この騒ぎもいいことがあって、みんな神話返りが終わったのだと、知ることができている。
人々の顔に明るさが戻ってくるのは、見ていて気持ちがいいものだ。
話を聞いてみると、神話返りは群島国家全体に広がりつつあったらしい。
ソラフネ山から、動物を偽モンスター化させる力が伝わって行っていたと考えると、今度はそこからモンスターが周囲に向かって消えていく流れが生まれていることだろう。
アリサとカレンが白熱の宣伝合戦を繰り広げているので、彼女達はこのまま置いておくことにする。
今重要なのは、船の出港予定日を確認することだ。
港で水夫に聞いてみると、
「クラーケン騒ぎが収まったから、近々船が来ると思うよ。なんか神話返りも収まるんだって?」
噂がもう、ここに流れてきたのか。
早いなあ。
「どちらにせよ、普通どおりになったら船はバンバン来るぜ。三日くらい経てば、あんたらも船に乗れるだろうよ」
「それはありがたい」
いい加減、実家に向かう船に乗りたいところだった。
海に出たと思ったら、アータル島と群島国家だもんなあ。
しかもその気は無いのに大立ち回りをしてしまった。
「船はもうすぐ来るですかー! 今度はどこに行くですかねー」
クルミが楽しそうに尋ねてくる。
「次に行くなら俺の実家かな。クルミをみんなに紹介しないと」
「はわ! そうだったですか! センセエのお父さんとお母さんに会うですね! 楽しみですねー」
緊張というものを知らない子である。
「アルディ、ここから先はしばらく、荒事は無さそうだが……」
「構わないぞ。というか、セントロー王国の外でいつまでも平和なんてことはねえと思うがね。リーダーについていけば、絶対に何か事件が起こる」
「や、やめてくれえ、恐ろしいことを言うのは」
アルディの言葉に、俺は震え上がった。
俺は基本的に、平和主義者なのだ。
そこに、次々と事件が起こるので解決していたに過ぎない。
我が故郷、エルフェンバイン王国。
森と草原の実に平和な国のはずだ。
少なくとも、俺が旅立った時はそうだった!
俺がうぬぬぬぬ、と唸っていたら、アリサがさっさと乗船券を手に入れてきてしまっていた。
もう船が出られるようになっていたのか!?
話を聞いてみると、どうやらクラーケン騒ぎや神話返りのせいで、ずっと出向できなかった客船があったそうなのだ。
どうやら神話返りが終わったらしいということで、この機会を逃さずにすぐさま出向するのだとか。
今度の船は、しっかりとした客船だ。
きっと何事もなく、平和な旅を楽しめることだろう……。
いや、そういう時に限って、何かしら起こるのが今までの倣いだ。
いやいや。
いやいやいや。
「センセエ、何してるですか? 早く行くですよー!!」
クルミに手を引っ張られながら、俺は船へと乗り込む。
後ろから、ブランが鼻先でぐいぐい押してくる。
「分かった、分かったよ! 乗り込むから!」
「センセエ、クルミはですね、センセエと一緒なら色々大変なことが起きたって楽しいですよ! ずうーっとセンセエと一緒だったですからねー」
「そ、そうかい?」
「そうです!」
『わふん』
どうにかなるさ、とブランが笑った犬のような顔をする。
かくして、俺たちは群島国家を後にした。
船はゆっくりと陸を離れていき……。
港には、なぜかたくさんの人。
俺達を見送りに来たのでは無いのだろうが、久方ぶりの客船の出港だから、それを見守りに来たのかも知れない。
誰もが感慨深げだ。
群島国家サフィーロは、再び動き始める。
案外、俺達がいなくなった後で、モフライダーズの活躍が人々の口に上るようになるのかも知れないな。
まだまだ、どこかに出てくるかも知れないので油断は禁物。
しかし俺達モフライダーズは、神話返りが終わったことを知っている。
このことは特に喧伝するまでもなく、徐々に人々に伝わっていくことであろう……。
「やりましたねー!! ワタシ達が! 神話返りを終わらせて来ましたねー! どうですねみなさ~ん!! エルド教は役に立ちますねえ! さあ、お布施をください! そして本部にもいい報告を送りますねー!!」
カレンが大声で宣伝を始めた。
そうだった!
彼女のもともとの目的がこれだったのだ。
港町で教会をあずかる司祭として、神話返りを見過ごしていた彼女は、立場的に大変まずいところにいたらしい。
なので、汚名返上とばかりに大いに成果を宣伝しているのだ。
まあ、これはこれで。
「なんかわたくし達、ダシにされてません……? ラグナ新教の司祭としてこれは見過ごせないんですけど……! ちょっとー皆さーん!! わたくし! ラグナ新教が頑張ったから神話返りが終わったのですわよー!」
アリサが対抗心を燃やして、カレンの隣で叫び始める。
「ちょ! ラグナ新教は営業妨害ですねー!!」
「営業とか言って罰当たりだと思いませんの!? もっと真摯な信仰心をですわね!」
「エルド教! エルド教にお布施をお願いしますねー!!」
「ラグナ新教! 救いはラグナ新教ですわよー!!」
賑やかである。
人もわいわい集まってくる。
だが、この騒ぎもいいことがあって、みんな神話返りが終わったのだと、知ることができている。
人々の顔に明るさが戻ってくるのは、見ていて気持ちがいいものだ。
話を聞いてみると、神話返りは群島国家全体に広がりつつあったらしい。
ソラフネ山から、動物を偽モンスター化させる力が伝わって行っていたと考えると、今度はそこからモンスターが周囲に向かって消えていく流れが生まれていることだろう。
アリサとカレンが白熱の宣伝合戦を繰り広げているので、彼女達はこのまま置いておくことにする。
今重要なのは、船の出港予定日を確認することだ。
港で水夫に聞いてみると、
「クラーケン騒ぎが収まったから、近々船が来ると思うよ。なんか神話返りも収まるんだって?」
噂がもう、ここに流れてきたのか。
早いなあ。
「どちらにせよ、普通どおりになったら船はバンバン来るぜ。三日くらい経てば、あんたらも船に乗れるだろうよ」
「それはありがたい」
いい加減、実家に向かう船に乗りたいところだった。
海に出たと思ったら、アータル島と群島国家だもんなあ。
しかもその気は無いのに大立ち回りをしてしまった。
「船はもうすぐ来るですかー! 今度はどこに行くですかねー」
クルミが楽しそうに尋ねてくる。
「次に行くなら俺の実家かな。クルミをみんなに紹介しないと」
「はわ! そうだったですか! センセエのお父さんとお母さんに会うですね! 楽しみですねー」
緊張というものを知らない子である。
「アルディ、ここから先はしばらく、荒事は無さそうだが……」
「構わないぞ。というか、セントロー王国の外でいつまでも平和なんてことはねえと思うがね。リーダーについていけば、絶対に何か事件が起こる」
「や、やめてくれえ、恐ろしいことを言うのは」
アルディの言葉に、俺は震え上がった。
俺は基本的に、平和主義者なのだ。
そこに、次々と事件が起こるので解決していたに過ぎない。
我が故郷、エルフェンバイン王国。
森と草原の実に平和な国のはずだ。
少なくとも、俺が旅立った時はそうだった!
俺がうぬぬぬぬ、と唸っていたら、アリサがさっさと乗船券を手に入れてきてしまっていた。
もう船が出られるようになっていたのか!?
話を聞いてみると、どうやらクラーケン騒ぎや神話返りのせいで、ずっと出向できなかった客船があったそうなのだ。
どうやら神話返りが終わったらしいということで、この機会を逃さずにすぐさま出向するのだとか。
今度の船は、しっかりとした客船だ。
きっと何事もなく、平和な旅を楽しめることだろう……。
いや、そういう時に限って、何かしら起こるのが今までの倣いだ。
いやいや。
いやいやいや。
「センセエ、何してるですか? 早く行くですよー!!」
クルミに手を引っ張られながら、俺は船へと乗り込む。
後ろから、ブランが鼻先でぐいぐい押してくる。
「分かった、分かったよ! 乗り込むから!」
「センセエ、クルミはですね、センセエと一緒なら色々大変なことが起きたって楽しいですよ! ずうーっとセンセエと一緒だったですからねー」
「そ、そうかい?」
「そうです!」
『わふん』
どうにかなるさ、とブランが笑った犬のような顔をする。
かくして、俺たちは群島国家を後にした。
船はゆっくりと陸を離れていき……。
港には、なぜかたくさんの人。
俺達を見送りに来たのでは無いのだろうが、久方ぶりの客船の出港だから、それを見守りに来たのかも知れない。
誰もが感慨深げだ。
群島国家サフィーロは、再び動き始める。
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