モフモフテイマーの、知識チート冒険記 高難易度依頼だって、知識とモフモフモンスターでクリアします!

あけちともあき

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最終幕:エルフェンバイン王国の冒険 2

第161話 空から降り来たる その3

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『侵入者よ、警告します。速やかに退去しなさい。警告します。速やかに退去しなさい』

 船の中に踏み入った瞬間、どこからかそんな声が聞こえる。
 ソラフネ山のアレクシアは、俺達の言葉を話せるようになるまで少し掛かったものだが……。

「最初からこちらの言葉が分かるのか」

『現地にて稼働している船より、情報を受け取っています。あなた達は危険です。速やかに退去しなさい。さもなくば実力で排除します』

 なるほど、アレクシアと、何らかの手段で連絡を取り合ったようだ。
 そして俺達の事を知っていると。

「そうはいかない。退去してほしいのは君なんだけどね。ここは俺の実家がある農場なんだ。そんなところに、大きな船を降ろされちゃ堪らない」

『叶いません。私の役割は、この地をあとから来る民のためにテラフォーミングすること。この惑星X10-9421は新たなる民達の母星となるのです』

「ドレ、通訳してくれる?」

『つまりこいつを作った奴らが住みやすいようにこの世界をまるごと改造するって話にゃ。一方的なこいつらの都合にゃ』

「それは困るな。この世界には、俺達がもう住んでるんだ。やって来るなら、君達が間借りする立場になるんだから、こっちに合わせてもらわないと」

『なりません。惑星X10-9421は原始的な文明しか有さない惑星です。大気成分の20%はヤオロ星系の可住環境惑星と異なります。これを正常な値に調整せねばならない。広大な平野はそのために適した環境です』

「その調整とやらを施されたら、どうなるんだい」

『現地生物の半数は環境に適応できずに死亡するものと思われます。ですが問題ありません。こちらに、ゴドー星系の生物を解き放ち、新たな生態系を築きます』

「そんなの、そちらの勝手過ぎるじゃないか。ダメだよ、ダメ」

『実行します。これは決定事項です』

 なるほど。
 魔王がかつて、この世界に降り立とうとしたたくさんの船と戦ったらしい。
 その時、全世界が魔王と手を携えて、この船を撃退した。

 何故なのかがよく分かった。

 この船は、交渉不能な侵略者なのだ。
 端からこちらのことを見下していて、好き勝手に蹂躙してもいい相手だと思っている。

「さて、リーダー、暴れていいのかい?」

「もちろん。全力で行こう。船が地上に降りる前に倒すぞ!」

『敵対行動を確認。排除に移ります。取得したデータから、ガーディアンを生成』

 俺達の目の前で、壁が展開していく。
 一瞬前まで壁面だったものが、チェスの駒にも似た、ソラフネ山遺跡と同じようなゴーレムに変わっていくのだ。

『排除』

「されるのはてめえらだ!」

 アルディが既に走っている。
 ゴーレムが連続で射撃を行ってくるが、これを彼は次々に剣で弾く。
 そして接敵するや否や、ゴーレムの一体の胴体を真っ二つに叩き切った。

「ソラフネ山で慣れてるんだよ、こっちは」

『わふーん!』

 アルディに続いて走っていたブランが、ゴーレムの一体を押し倒す。
 どれだけの射撃を受けても、彼は応えていないようだ。
 倒したゴーレムを一噛みすると、それを無造作に食いちぎった。

 これ以上無いくらいに宣戦布告だな。

「よーしみんな、前進あるのみ。船の中枢まで行こう!」

「や、やっぱり行くんですねえ」

 カレンが怖気づいているが、まあいつものことだ。

『抵抗はやめるのだ。お前がこの惑星をテラフォーミングしたところで、後から来る船などおるまい。既に世界に船は降り立ち、生きこ残った子孫はこの惑星に適応している。お前がやろうとしていることに意味はない!』

 ドレが大きな姿のまま、船に呼びかけている。

「ドレにしては真剣だね。いつも通りやる気が無いと思ったのに」

『当たり前だ。この船、絶対に動力炉を破壊するなよ。こいつは反応炉を積んでいる。この辺り一帯がまるごと消し飛ぶぞ。そうすれば己が愛するミルクもなくなってしまう!』

『わふーん』

『ほほう』

『ちゅっちゅ』

 反応炉とやらが爆発すると、とんでもないことになる、というのは分かった。
 それは即ち、船の心臓に当たる部分らしい。
 なるほど、これだけ巨大な船を自在に動かす心臓部なら、さぞかし膨大な魔力を有していることだろう。

 それが爆発するとなると……確かに、エルフェンバイン近辺が吹き飛ぶのも想像できる。

 ちなみに、うちのモフモフ達はそんな爆発が起きたとしても、まず死なないだろうと言う話だった。
 我が仲間ながら、規格外のモンスターだな。

『惑星を走査します。走査中。走査中』

『おっ、やっと話を聞いた』

「話が通じそうなのかい?」

『機械の電子頭脳というやつは感情に訴えかけるより、理論で納得させたほうがやりやすい。だが、並行作業に向いた連中でもあるから、己やご主人への攻撃は続けるだろう。こんな風にな』

 ドレが触手を振り回す。
 すると、頭上から出現していた腕だけのゴーレムみたいなものが、ひしゃげて砕け散った。

「休めないというわけだね。じゃあ、やっぱり中枢に行かなくちゃいけないな。目の前まで来られたら、この船もソラフネ山遺跡みたいに、話し合いに応じてくれるかもしれないだろ」

『もっともだ。電子頭脳と言えど、自己保存は優先順位が高かろう。さらに、無人船ともなればな』

『わふわふ!』

『なんだブラン。うわー、前足でペチペチするな。話に加われなくて悔しいのは分かったから』

「おおいモフモフ諸君、前に進んでくれ!」

 船内でのゴーレムの猛攻を凌ぎつつ、モフモフ達がぺちぺちやり合っているのだった。

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