おいでよ!死にゲーの森~異世界転生したら地獄のような死にゲーファンタジー世界だったが俺のステータスとスキルだけがスローライフゲーム仕様

あけちともあき

文字の大きさ
20 / 147
スローライフが攻めてきたぞーっ編

第20話 DIYが捗るのだ

しおりを挟む
 ついに完成した、DIY作業台。
 平たい板の上に、作業道具がずらりと並んでいる。

 うーん、これは作業しやすい!
 そしてさらばだ、間に合せの作業台、プレートメイル!
 せっかくだから何かに使えないもんかな?

 俺は買ってきたレシピ集をぱらぱらとめくった。

『タマル様が宙に浮かんだ本みたいなものをめくってますな』

「いつものことだから慣れちゃったけど、やっぱりタマルって変な人だよねえ」

「これはな、ステータスを表示させて色々操作してるのだ」

『神に与えられた力ですかな?』

「多分そうだと思うが、これはヌキチータもよく分かってないと思うぞ。DIYした物同士でシナジー効果がありそうだ」

『シナジー?』

「いいか? ふわふわベッドはそれ単体ではふわふわしているだけのベッドに過ぎない。だが、そこにお洒落な衣装ケースと、そして他の家具が加わればどうなる」

「可愛いお部屋!」

「イグザクトリィ!!」

『……可愛いお部屋で魔人侯に対抗できるのですかな?』

「可愛いお部屋は可愛いだけに決まってるだろう! それで必要十分なんだ! 俺は今から、このプレートメイルを生まれ変わらせる! うおおお! 唸れ俺のDIY作業台! 生まれいでよ、ファンシーな俺の家具よ!」

▶DIYレシピ
 ※システムキッチン
 素材:鉱石+鉱石+プレートメイル1/2

 ※サイドカー
 素材:鉱石+プレートメイル1/2

「おー! なんかかっこいいのができた!」

「システムキッチンだ。問題はでかすぎて今の馬車にも入り切らないことだな」

「だめじゃん!」

「だめじゃない! こいつを魔人侯の城に設置してみろ。邪魔で邪魔で仕方なくなる!」

『結局戦いに用いるのでは?』

 ダジャレを言うくせにいちいち突っ込むやつだ。

「これで美味しい料理も作れる。レシピがあればだが」

『それは大歓迎ですぞ……!!』

 ふふふ、ちょろいやつだ。

『ところでタマル様、このサイドカーなるものは?』

「ああ、これはな」

 俺はサイドカーをコロコロ押すと、馬車の横に設置した。
 すると、幌の横側に扉みたいなのが出現する。
 ほうほう、こうなるんだな。

「幌の中にいると周囲が見えないだろ。これは見張り用の設備だな。馬車からサイドカーにすぐ移動できるし、ここなら横をしっかり見ることができる。もう一つ作れば左右をカバーできるな。そして何より重要なのは、サイドカーの椅子はリクライニングシートなので昼寝ができる」

「風を受けてお昼寝できるのね? すてきー」

『これはなかなかオツなものですな!』

 主に移動式昼寝ベッドとして評価されるサイドカー!

『ではタマル様、もしやこれから必要なのは……』

「ああ、料理のレシピだ。魔人侯とかはぶっちゃけどうでもいいので、必要に応じて捕獲する」

『世界を巡って争う最大勢力をついで扱い!』

「戦っていても飯のレシピが増えるわけではない! ということで川に行こう、川。魚を釣るぞ」

「お魚好きよ! 何を作ってくれるのかしら!」

 ポタルがウキウキだ。
 かくして、俺たちは馬車を走らせる。
 地形がどうなってるとかさっぱり分からないので、闇雲に馬車が走る。

「ちょっとだけ空を飛んで見てみようか」

「頼むぞポタル。ご安全に!」

「危なくなったらすぐ降りるね!」

 ポタルが飛び立つ。
 そしてちょっと高いところまで行って、すぐにピューッと戻ってきた。

「あっち! あっちにたくさん水があった!」

「よしよし、そっちに行こう。それにしても慌てて戻ってきたな?」

「私が空飛んだらね、大きい怪物がびゅーっと飛んできたから」

「な、なんだってー!!」

『こりゃあいけませんな』

 走る馬車の上に、影が差す。
 俺はサイドカーに飛び出して、頭上を見た。

 ばかでかくて太っちょなコウモリみたいなやつだな!
 それが馬車を鷲掴みにしようとしている。

 この世界は、空を飛べても全く安心できないらしい。
 それにここは街道だ。
 逃げ場などどこにもない。

「こんな時こそ、哲人のベルだ。出てこい、おじさん」

 チリンチリーンと鳴らすと、壺に下半身を納めたおじさんが出てきた。
 俺はサイドカーから壺に乗り換える。

 おっさんはピッケルを幌に突き立てると、その反動でびょーんと飛び上がった。
 幌はノーダメージだ。
 どうなってるんだろうな!

 殺戮の虫取り網を構える俺。

「何者なのかは分からないが、捕獲させてもらうぜオオコウモリ!」

 だが!
 おっさんのジャンプは、コウモリに届かずにヒューッと落下した。

 いかーん!
 全然届かない!

 そう言えば魔人商店で、空を飛んでいる相手には撃ち落とす道具が必要だと言っていたな。
 今の俺にはDIY作業台がある!

「おっさん、もどるぞ!」

 哲人はコクリと頷き、落下した幌の上からピッケルを使い、びょいーんと前方に跳んだ。
 そして幌の中にインである。

『うわーっ、変なのが出てきましたぞ!』

「きゃーっ、壺に入ったおじさんとタマル!」

 そう言えば二人ともクモ糸でぐるぐる巻になってたから、壺の哲人をよく見てなかったよな。

「慌てるのは後だ。クモ糸! そして木材! これでこのレシピを作る!」

▶DIYレシピ
 ※パチンコ
 素材:蜘蛛の糸+木材+鉱石 

 鉱石も使うのね。
 とにかく、迷宮で手に入れた素材が大活躍だ。
 トンカントンカンやると、パチンコが誕生した。

 俺は再びサイドカーに転がり出ると、今まさに幌を掴み取ろうとしていたオオコウモリにパチンコを向けた。

「落ちろカトンボーっ!!」

 裂帛の気合とともに放たれたパチンコの玉。
 どう見ても豆粒くらいのでかさなのだが、そんなものは関係ないのだ!

 パチンコ玉を当てれば空を飛ぶものが落ちる。
 それがこの俺のスローライフの法則!

『ウグワーッ!』

 パチンコ玉を当てられたオオコウモリが、急速にその巨体を傾がせ、落下していく。

『ウグワーッ! 初めて飛翔物を撃ち落としました! 200ptゲットです!』

 さらに飛び出した俺は、落下直前のオオコウモリめがけて虫取り網を叩きつけた。
 ピョインッという音とともに、オオコウモリがアイテムボックスのアイコンになる。

『ウグワーッ! 初めて巨大な怪物を捕獲しました! 200ptゲットです!』

 叫び声のウグワーッとUGWポイント獲得のときのウグワーッが同じような声なのはどうかと思うぞ!


 ちなみに。守護者討伐と巨大な怪物の捕獲は別扱いらしいのだった。


▶DIYレシピ
 システムキッチン
 サイドカー
 パチンコ

 UGWポイント
 7440pt

 
しおりを挟む
感想 51

あなたにおすすめの小説

ギルドの片隅で飲んだくれてるおっさん冒険者

哀上
ファンタジー
チートを貰い転生した。 何も成し遂げることなく35年…… ついに前世の年齢を超えた。 ※ 第5回次世代ファンタジーカップにて“超個性的キャラクター賞”を受賞。 ※この小説は他サイトにも投稿しています。

生贄にされた少年。故郷を離れてゆるりと暮らす。

水定ゆう
ファンタジー
 村の仕来りで生贄にされた少年、天月・オボロナ。魔物が蠢く危険な森で死を覚悟した天月は、三人の異形の者たちに命を救われる。  異形の者たちの弟子となった天月は、数年後故郷を離れ、魔物による被害と魔法の溢れる町でバイトをしながら冒険者活動を続けていた。  そこで待ち受けるのは数々の陰謀や危険な魔物たち。  生贄として魔物に捧げられた少年は、冒険者活動を続けながらゆるりと日常を満喫する!  ※とりあえず、一時完結いたしました。  今後は、短編や別タイトルで続けていくと思いますが、今回はここまで。  その際は、ぜひ読んでいただけると幸いです。

王女の中身は元自衛官だったので、継母に追放されたけど思い通りになりません

きぬがやあきら
恋愛
「妻はお妃様一人とお約束されたそうですが、今でもまだ同じことが言えますか?」 「正直なところ、不安を感じている」 久方ぶりに招かれた故郷、セレンティア城の月光満ちる庭園で、アシュレイは信じ難い光景を目撃するーー 激闘の末、王座に就いたアルダシールと結ばれた、元セレンティア王国の王女アシュレイ。 アラウァリア国では、新政権を勝ち取ったアシュレイを国母と崇めてくれる国民も多い。だが、結婚から2年、未だ後継ぎに恵まれないアルダシールに側室を推す声も上がり始める。そんな頃、弟シュナイゼルから結婚式の招待が舞い込んだ。 第2幕、連載開始しました! お気に入り登録してくださった皆様、ありがとうございます! 心より御礼申し上げます。 以下、1章のあらすじです。 アシュレイは前世の記憶を持つ、セレンティア王国の皇女だった。後ろ盾もなく、継母である王妃に体よく追い出されてしまう。 表向きは外交の駒として、アラウァリア王国へ嫁ぐ形だが、国王は御年50歳で既に18人もの妃を持っている。 常に不遇の扱いを受けて、我慢の限界だったアシュレイは、大胆な計画を企てた。 それは輿入れの道中を、自ら雇った盗賊に襲撃させるもの。 サバイバルの知識もあるし、宝飾品を処分して生き抜けば、残りの人生を自由に謳歌できると踏んでいた。 しかし、輿入れ当日アシュレイを攫い出したのは、アラウァリアの第一王子・アルダシール。 盗賊団と共謀し、晴れて自由の身を望んでいたのに、アルダシールはアシュレイを手放してはくれず……。 アシュレイは自由と幸福を手に入れられるのか?

【魔女ローゼマリー伝説】~5歳で存在を忘れられた元王女の私だけど、自称美少女天才魔女として世界を救うために冒険したいと思います!~

ハムえっぐ
ファンタジー
かつて魔族が降臨し、7人の英雄によって平和がもたらされた大陸。その一国、ベルガー王国で物語は始まる。 王国の第一王女ローゼマリーは、5歳の誕生日の夜、幸せな時間のさなかに王宮を襲撃され、目の前で両親である国王夫妻を「漆黒の剣を持つ謎の黒髪の女」に殺害される。母が最後の力で放った転移魔法と「魔女ディルを頼れ」という遺言によりローゼマリーは辛くも死地を脱した。 15歳になったローゼは師ディルと別れ、両親の仇である黒髪の女を探し出すため、そして悪政により荒廃しつつある祖国の現状を確かめるため旅立つ。 国境の街ビオレールで冒険者として活動を始めたローゼは、運命的な出会いを果たす。因縁の仇と同じ黒髪と漆黒の剣を持つ少年傭兵リョウ。自由奔放で可愛いが、何か秘密を抱えていそうなエルフの美少女ベレニス。クセの強い仲間たちと共にローゼの新たな人生が動き出す。 これは王女の身分を失った最強天才魔女ローゼが、復讐の誓いを胸に仲間たちとの絆を育みながら、王国の闇や自らの運命に立ち向かう物語。友情、復讐、恋愛、魔法、剣戟、謀略が織りなす、ダークファンタジー英雄譚が、今、幕を開ける。  

少し冷めた村人少年の冒険記

mizuno sei
ファンタジー
 辺境の村に生まれた少年トーマ。実は日本でシステムエンジニアとして働き、過労死した三十前の男の生まれ変わりだった。  トーマの家は貧しい農家で、神から授かった能力も、村の人たちからは「はずれギフト」とさげすまれるわけの分からないものだった。  優しい家族のために、自分の食い扶持を減らそうと家を出る決心をしたトーマは、唯一無二の相棒、「心の声」である〈ナビ〉とともに、未知の世界へと旅立つのであった。

神様、ちょっとチートがすぎませんか?

ななくさ ゆう
ファンタジー
【大きすぎるチートは呪いと紙一重だよっ!】 未熟な神さまの手違いで『常人の“200倍”』の力と魔力を持って産まれてしまった少年パド。 本当は『常人の“2倍”』くらいの力と魔力をもらって転生したはずなのにっ!!  おかげで、産まれたその日に家を壊しかけるわ、謎の『闇』が襲いかかってくるわ、教会に命を狙われるわ、王女様に勇者候補としてスカウトされるわ、もう大変!!  僕は『家族と楽しく平和に暮らせる普通の幸せ』を望んだだけなのに、どうしてこうなるの!?  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇  ――前世で大人になれなかった少年は、新たな世界で幸せを求める。  しかし、『幸せになりたい』という夢をかなえるの難しさを、彼はまだ知らない。  自分自身の幸せを追い求める少年は、やがて世界に幸せをもたらす『勇者』となる――  ◇◆◇◆◇◆◇◆◇ 本文中&表紙のイラストはへるにゃー様よりご提供戴いたものです(掲載許可済)。 へるにゃー様のHP:http://syakewokuwaeta.bake-neko.net/ --------------- ※カクヨムとなろうにも投稿しています

『急所』を突いてドロップ率100%。魔物から奪ったSSRスキルと最強装備で、俺だけが規格外の冒険者になる

仙道
ファンタジー
 気がつくと、俺は森の中に立っていた。目の前には実体化した女神がいて、ここがステータスやスキルの存在する異世界だと告げてくる。女神は俺に特典として【鑑定】と、魔物の『ドロップ急所』が見える眼を与えて消えた。  この世界では、魔物は倒した際に稀にアイテムやスキルを落とす。俺の眼には、魔物の体に赤い光の点が見えた。そこを攻撃して倒せば、【鑑定】で表示されたレアアイテムが確実に手に入るのだ。  俺は実験のために、森でオークに襲われているエルフの少女を見つける。オークのドロップリストには『剛力の腕輪(攻撃力+500)』があった。俺はエルフを助けるというよりも、その腕輪が欲しくてオークの急所を剣で貫く。  オークは光となって消え、俺の手には強力な腕輪が残った。  腰を抜かしていたエルフの少女、リーナは俺の圧倒的な一撃と、伝説級の装備を平然と手に入れる姿を見て、俺に同行を申し出る。  俺は効率よく強くなるために、彼女を前衛の盾役として採用した。  こうして、欲しいドロップ品を狙って魔物を狩り続ける、俺の異世界冒険が始まる。 12/23 HOT男性向け1位

【㊗️受賞!】神のミスで転生したけど、幼児化しちゃった!〜もふもふと一緒に、異世界ライフを楽しもう!〜

一ノ蔵(いちのくら)
ファンタジー
※第18回ファンタジー小説大賞にて、奨励賞を受賞しました!投票して頂いた皆様には、感謝申し上げますm(_ _)m ✩物語は、ゆっくり進みます。冒険より、日常に重きありの異世界ライフです。 【あらすじ】 神のミスにより、異世界転生が決まったミオ。調子に乗って、スキルを欲張り過ぎた結果、幼児化してしまった!   そんなハプニングがありつつも、ミオは、大好きな異世界で送る第二の人生に、希望いっぱい!  事故のお詫びに遣わされた、守護獣神のジョウとともに、ミオは異世界ライフを楽しみます! カクヨム(吉野 ひな)にて、先行投稿しています。

処理中です...