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スローライフよ永遠に!編
第118話 魔王、こっちに気づく
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砂漠に侵入してちょっとしたら、すぐに空にモワモワ~っと蜃気楼が浮かんだのだ。
「おっ、気付いたみたいだぞ。こいつ、これまで相対してきた連中の中で一番勤勉かもしれない」
『何かモワモワしたものに写り込んでくるものがありますなあ』
「あれは蜃気楼と言ってな。遠くにある風景が熱の関係で浮かび上がるものなのだ」
「タマルって何気に物知りだよねー。うんうん、さすが私の男」
『その男をあたしとシェアしようって言ってんのよ』
「ま、まだ気持ち的に抵抗があるわ!」
俺を巡ってポタルとキャロルがまたきゃあきゃあやり合っている。
『オー! エブリワン! 下でファンなトークを繰り広げている間に、スカイイリュージョンがサムシング言ってまーす!』
「あ、すまんすまん、最初からやってもらっていい?」
空には、砂色の鎧を身にまとった異形の怪物が写っていた。
こいつが外なる神であり、魔王だというキナッコーなんだろう。
彼はすごい形相のまま、両手を構え、眼前でバッテンのマークを作った。
『ブッブー!! できません!! 一度喋ってしまった内容は繰り返しません! お前らが内輪で騒いでいたせいです! ということで攻撃開始!』
そう言って、キナッコーからの連絡が終わった。
「怒っちゃったよ」
『ちょっと喋ってたのにミーたちがスルーしましたからねえ~。アングリーするのアイキャンノットヘルプドですねー』
「なんて?」
『仕方ないって意味ですね~』
勉強になるなあ。
とりあえず、序盤何かもちゃもちゃ言っていたらしいので、それを一人だけ聞いてたフランクリンに再現してもらうのだ。
『オーイエー! ミーのワールドにインサートしてきたエイリアンよ、ファッキュー!』
「ちょっと待ってちょっと待って」
『オーなんですかー。ミー、せっかくホットになってきたところだったんですが』
『今のはフランクリン訳されておりましたなあ』
「英単語が乱れ飛んで内容を聞き取るどころじゃなかったよな」
『オー、ベリーディフィカルトですねー』
『あれ聞いてたのがフランクリンだけっていうのが問題だったんじゃない?』
「まあ知らなくても大丈夫でしょ!」
ポタルの言う通りかもしれない。
よし、気にしないことにしよう。
『カタカター!』
「えっ、早速何か来た? 魔王嫌がらせの洗礼かな?」
砂漠の向こうから、砂丘みたいなのがもりもりもりっと盛り上がりつつ移動してくるではないか。
砂の中を巨大なのが走っているのだ。
「こう言うパターンはサンドワームでしょ」
『サンドワームですかな? どういう怪物なので?』
「でっかいミミズだぞ」
「ミミズ懐かしいなあ。魚を捕る時にね、姉たちが水面にミミズをぶつけててねー」
ポタルが語る、ハーピーの漁!
どうも話を聞いてると、ポタルは姉たちからいいように使われていたが、同時に姫扱いでもあったらしくて、何もしなくても上げ膳据え膳だったようだ。
「だから、タマルとみんなと一緒に旅をするようになってから色々できるのが楽しくてー」
「うんうん」
『オーノーモンスターカミーング!!』
「来ちゃったか! 頼むぞマタギ!」
ベルを鳴らして、マタギが出現した。
砂から飛び上がってきたのは、小山のようなでかさのミミズである。
口のあたりがもじゃもじゃ動く触手になっていて大変キモいのだが、ここに向けてマタギがバキューンと射撃した。
おお、触手が一本千切れ飛んだ。
モゲモゲーっと鳴いている。
怒った怒った。
想像通りのサンドワームだったな。
奴の背中には、砂の魔王の眷属みたいなのがワーッと乗っており、これがバラバラ落ちてきて俺たちに襲いかかってきた。
『タマル様、どうしますかな?』
「付き合う必要は無いだろう」
『飛んで回避しますかな?』
「いや、珍しいやつばっかりだから捕まえていこう」
そう言うことになった。
骨軍団が召喚される。
彼らは皆、物干し竿を装備して近づいてくる魔王の眷属たちを棒でつついで邪魔している。
『もぎゃーっ!!』
『なんだこの棒はーっ!』
魔王の眷属はボロ布を被った灰色の肌のトカゲと蜘蛛の間の子みたいな連中なのだが、こいつらがとにかく砂の上での行動に最適化されているらしく、速い速い。
だが、棒でつつくと動きが止まるのだ。
これは新事実だな。
さらにドローンで飛び上がったポルポルが、上空からポップコーンを撒き散らす。
降り注ぐポップコーンは気が散るよな。
そして俺。
『はい、人間大砲どーん! ですぞ』
「またかー。でも合理的だもんなー。やっちまってくれー」
「タマルが諦めた顔してるよ」
『大砲で撃ち出されるのは怖いらしいですからなー。ほいポチッ』
「ラムザーお前ーっ! いきなり発射するなーっ!?」
ぶっ飛ぶ俺。
目指す先は、こちらに突進してくるサンドワームである。
俺は虫取り網を振りかぶる。
そして激突の瞬間、網を叩きつけるのだ。
数々の捕獲作業で鍛え抜かれた、俺の虫取り網捌きを見よ!
ピョインッ!と音がして、サンドワームが消えた。
『ピピー!』
俺が落下するところへ、割り込むポルポル。
対衝ブロック塀で、俺がボイーンと跳ね返るのだ。
「よしっ、ギリースーツに変身だ!」
変身ブレスレットを構えた俺だったが……。
変わった姿は、俺の知らないものだった。
王冠にくるくるカツラにシルクのシャツにかぼちゃパンツ、そしてマント!
な、なんだこれはーっ!!
「やった! サプライズ大成功!」
『こっそりタマルの衣装ケースに忍ばせておいた甲斐があったわねー』
下からとんでもない話が聞こえてきたぞ。
村に花畑を作っている間、ポタルとキャロルを見ないと思ったらそんな事をしていたのか!
俺はつまり、王子様の格好になってしまったのである!
王子様のマントが風をはらみ、落下速度が遅くなる。
あ、これはこれで……。
そんなわけで、魔王の眷属連中の真ん中にゆっくり落下していく俺なのだった。
「おっ、気付いたみたいだぞ。こいつ、これまで相対してきた連中の中で一番勤勉かもしれない」
『何かモワモワしたものに写り込んでくるものがありますなあ』
「あれは蜃気楼と言ってな。遠くにある風景が熱の関係で浮かび上がるものなのだ」
「タマルって何気に物知りだよねー。うんうん、さすが私の男」
『その男をあたしとシェアしようって言ってんのよ』
「ま、まだ気持ち的に抵抗があるわ!」
俺を巡ってポタルとキャロルがまたきゃあきゃあやり合っている。
『オー! エブリワン! 下でファンなトークを繰り広げている間に、スカイイリュージョンがサムシング言ってまーす!』
「あ、すまんすまん、最初からやってもらっていい?」
空には、砂色の鎧を身にまとった異形の怪物が写っていた。
こいつが外なる神であり、魔王だというキナッコーなんだろう。
彼はすごい形相のまま、両手を構え、眼前でバッテンのマークを作った。
『ブッブー!! できません!! 一度喋ってしまった内容は繰り返しません! お前らが内輪で騒いでいたせいです! ということで攻撃開始!』
そう言って、キナッコーからの連絡が終わった。
「怒っちゃったよ」
『ちょっと喋ってたのにミーたちがスルーしましたからねえ~。アングリーするのアイキャンノットヘルプドですねー』
「なんて?」
『仕方ないって意味ですね~』
勉強になるなあ。
とりあえず、序盤何かもちゃもちゃ言っていたらしいので、それを一人だけ聞いてたフランクリンに再現してもらうのだ。
『オーイエー! ミーのワールドにインサートしてきたエイリアンよ、ファッキュー!』
「ちょっと待ってちょっと待って」
『オーなんですかー。ミー、せっかくホットになってきたところだったんですが』
『今のはフランクリン訳されておりましたなあ』
「英単語が乱れ飛んで内容を聞き取るどころじゃなかったよな」
『オー、ベリーディフィカルトですねー』
『あれ聞いてたのがフランクリンだけっていうのが問題だったんじゃない?』
「まあ知らなくても大丈夫でしょ!」
ポタルの言う通りかもしれない。
よし、気にしないことにしよう。
『カタカター!』
「えっ、早速何か来た? 魔王嫌がらせの洗礼かな?」
砂漠の向こうから、砂丘みたいなのがもりもりもりっと盛り上がりつつ移動してくるではないか。
砂の中を巨大なのが走っているのだ。
「こう言うパターンはサンドワームでしょ」
『サンドワームですかな? どういう怪物なので?』
「でっかいミミズだぞ」
「ミミズ懐かしいなあ。魚を捕る時にね、姉たちが水面にミミズをぶつけててねー」
ポタルが語る、ハーピーの漁!
どうも話を聞いてると、ポタルは姉たちからいいように使われていたが、同時に姫扱いでもあったらしくて、何もしなくても上げ膳据え膳だったようだ。
「だから、タマルとみんなと一緒に旅をするようになってから色々できるのが楽しくてー」
「うんうん」
『オーノーモンスターカミーング!!』
「来ちゃったか! 頼むぞマタギ!」
ベルを鳴らして、マタギが出現した。
砂から飛び上がってきたのは、小山のようなでかさのミミズである。
口のあたりがもじゃもじゃ動く触手になっていて大変キモいのだが、ここに向けてマタギがバキューンと射撃した。
おお、触手が一本千切れ飛んだ。
モゲモゲーっと鳴いている。
怒った怒った。
想像通りのサンドワームだったな。
奴の背中には、砂の魔王の眷属みたいなのがワーッと乗っており、これがバラバラ落ちてきて俺たちに襲いかかってきた。
『タマル様、どうしますかな?』
「付き合う必要は無いだろう」
『飛んで回避しますかな?』
「いや、珍しいやつばっかりだから捕まえていこう」
そう言うことになった。
骨軍団が召喚される。
彼らは皆、物干し竿を装備して近づいてくる魔王の眷属たちを棒でつついで邪魔している。
『もぎゃーっ!!』
『なんだこの棒はーっ!』
魔王の眷属はボロ布を被った灰色の肌のトカゲと蜘蛛の間の子みたいな連中なのだが、こいつらがとにかく砂の上での行動に最適化されているらしく、速い速い。
だが、棒でつつくと動きが止まるのだ。
これは新事実だな。
さらにドローンで飛び上がったポルポルが、上空からポップコーンを撒き散らす。
降り注ぐポップコーンは気が散るよな。
そして俺。
『はい、人間大砲どーん! ですぞ』
「またかー。でも合理的だもんなー。やっちまってくれー」
「タマルが諦めた顔してるよ」
『大砲で撃ち出されるのは怖いらしいですからなー。ほいポチッ』
「ラムザーお前ーっ! いきなり発射するなーっ!?」
ぶっ飛ぶ俺。
目指す先は、こちらに突進してくるサンドワームである。
俺は虫取り網を振りかぶる。
そして激突の瞬間、網を叩きつけるのだ。
数々の捕獲作業で鍛え抜かれた、俺の虫取り網捌きを見よ!
ピョインッ!と音がして、サンドワームが消えた。
『ピピー!』
俺が落下するところへ、割り込むポルポル。
対衝ブロック塀で、俺がボイーンと跳ね返るのだ。
「よしっ、ギリースーツに変身だ!」
変身ブレスレットを構えた俺だったが……。
変わった姿は、俺の知らないものだった。
王冠にくるくるカツラにシルクのシャツにかぼちゃパンツ、そしてマント!
な、なんだこれはーっ!!
「やった! サプライズ大成功!」
『こっそりタマルの衣装ケースに忍ばせておいた甲斐があったわねー』
下からとんでもない話が聞こえてきたぞ。
村に花畑を作っている間、ポタルとキャロルを見ないと思ったらそんな事をしていたのか!
俺はつまり、王子様の格好になってしまったのである!
王子様のマントが風をはらみ、落下速度が遅くなる。
あ、これはこれで……。
そんなわけで、魔王の眷属連中の真ん中にゆっくり落下していく俺なのだった。
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