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フィフスエレ帝国跡編
第141話 朝食と検索と決定
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「おおおお……無念……! 当機能の体力がミジンコ並だったばかりに……」
朝食の席で、おいおいと泣くアカネルである。
目覚めたら、俺とルミイがつやつやした感じで寝てたので全てを察したらしい。
「ごめんって。まさかあそこで気絶すると思わなかったから」
「いいえ! マスターは悪くありません! 当機能はずっと、知識担当だということを笠に着て体力を増強することを怠ってきました! その報いが来たのです……!」
わなわなとアカネルが震える。
「お? アカネルも昨夜はお楽しみだったのだ? 良かったのだー」
ニコニコするカオルンが、アカネルの傷口に塩を塗り込むかのような物言いを。
「ウグワーッ! や、やめてくださいカオルン! 当機能は悔しい! もっと、マスターの体力についていけるよう、体を鍛えねばならないと実感しました!」
アカネル、決意する……!!
「うんうん、がんばですよアカネルー。あ、オムレツのおかわり下さい! これ本当に美味しいですねえ!」
口の周りをケチャップで汚しながら、他人事なルミイなのだ。
実際、昨夜の俺はルミイに救われたようなものだ。
アカネルは今後、体力増強をしてもらいたい。
具体的には、朝のランニングとかかな……。
「カオルンは軽く走ってくるのだ。アカネルも行くのだ?」
「行きましょう!」
「カオルン、手加減してやってくれ。アカネル、体力は本当にちょびっとしかないから」
「分かったのだー。のんびり行くのだ」
カオルンとアカネルが、食後の運動に行ってしまった。
食休みとかすればいいのに。
ルミイはまだ食ってる。
ということで、ここから始まるシリアスな話は、ナルカとやることになった。
「で、ドラゴンについてだけど、コンボの達人の居場所は掴んでいるのかい? 話によると、あいつは根無し草で世界中をぶらぶら旅して回ってるらしいじゃないか」
「おう。しかも一切の組織や集団と関わりを持たない。あいつのスタンスは孤高にして最強だ。普通なら見つけづらいだろうな」
ナルカの指摘に頷く。
では、そのふらふら世界を旅する個人をどうやって見つけるか?
簡単である。
「ヘルプ機能で居場所を特定する」
「あー、それ! 話を聞く度に思うんだけれど、その能力って異常に強力だよねえ……。ほぼ全知の力みたいなものじゃないかい。知識神以上だよ?」
「俺が知識を蓄えるわけじゃなく、必要なキーワードに応じて知識を引き出すだけだけどな。知識を自分のものにしてる知識神にはやっぱり及ばないんじゃないか?」
ヘルプ機能は、使い手によってその力を大きく変化させる。
物を知らないやつが使うと、全く活用できないだろう。
だって、検索のためのキーワードが出てこないんだから。
「じゃあ一緒に見よう。ヘルプ機能展開」
『ヘルプ機能を展開しました』
アカネルがヘルプ機能の端末というか、ほぼ本体なのだが……。
彼女がいなくても、この能力は俺に紐付けられている。
こうやって能力の使用が可能なのである。
ただ、アカネルがいないと俺が直接検索ワードを打ち込み、情報の判別をする必要がある。
アカネルはこれをほぼ全自動で正確にやってくれるからな。
緊急事態などは、アカネルがいるのといないのとでは調べる速度と正確さが段違いだ。
今回は飯を食いながらだから、のんびりだな。
「案外時間がかかるんだね」
「アカネルがいないからな。他の時は、なるべく端的なワードをぶちこんで情報の範囲を狭めて調べてる」
今回は、コンボの達人の居場所、現在 である。
『フォーホース帝国です』
「知らない国来た。フォーホース帝国ってどんなの?」
『キーワードをどうぞ』
「ほらあ」
俺がヘルプ機能画面を指さしたら、ナルカが唸った。
「確かにだね。知らないから知りたいのに、そのためには的確にキーワードを入れないといけないって、ちょっと不便だねえ。いや、この力は凄く便利なんだけど」
「だよな。えーと、えーと。フォーホース帝国の特性を調べるわけだから……。よし、七大帝国 特性 で行こう」
ポンッと空中のボタンを押して検索。
そうすると、ワンザブロー帝国からセブンセンス法国までの七つの帝国の特徴が出てきた。
ワンザブロー帝国は魔法の力と魔力の星。
ツーブロッカー帝国は陣形魔法の力。
スリッピー帝国は魔導機械。
フォーホース帝国は異世界の門を用いた魔神と平行世界の力。
フィフスエレ帝国は魔獣の力。
シクスゼクス帝国は魔族の力。
セブンセンス法国は神の力。
んっ!?
フォーホース帝国、異世界の門と平行世界ってなんだ。
とんでもないものを扱ってるんじゃないのか!?
出てきたキーワードから、フォーホース帝国を選択する。
異世界の門とはなんぞや。
『異世界召喚の技術を開発したのがフォーホース帝国です。同時に、この帝国は平行世界の存在を認識し、そこから力を取り出す術を編み出しました。これによって、異世界テラメディアからは召喚者を。異世界デモネシアからは魔神を召喚できるようになりました』
「召喚って、フィフスエレもそうなんじゃないの?」
『フィフスエレ帝国の魔獣召喚は、この世界のどこかに存在している魔獣を召喚するものです。これとともに、魔獣を手懐ける魔法も彼らの力です』
そうだったのか。
じゃああのドラゴン、ルインマスターはこの世界のどこかにいるんだな。
星渡りとか言ってたから、宇宙にいたんだろう。
つまり、フィフスエレは宇宙怪獣を呼び寄せてしまったことになる。
そりゃあ滅ぼされるわ。
「じゃあ、コンボの達人は、今、フォーホース帝国のどこにいる?」
『外れにある砦と集落です』
「地図で場所を表示」
『表示します』
出た出た。
世界の地図が出現し、それがフォーホース帝国に拡大され、その一部である砦をフォーカスする。
ここに、光の点ができた。
おっ、なんかと戦ってる。
光の点を取り巻くように、異なる色の光が現れてはぶつかり合っているのだ。
「よーし。早速ここに行こう! コンボの達人を連れ帰るぞ」
「手間がかかると思ったけど、考えてみれば恐ろしく効率のいいやり方だね! 食堂にいながら何もかも分かっちまったよ!」
ナルカが大層感心した。
なお、ルミイはようやく食事が終わり、食後のコーヒーを砂糖たっぷり入れてのんびり飲んでいるところなのだった。
朝食の席で、おいおいと泣くアカネルである。
目覚めたら、俺とルミイがつやつやした感じで寝てたので全てを察したらしい。
「ごめんって。まさかあそこで気絶すると思わなかったから」
「いいえ! マスターは悪くありません! 当機能はずっと、知識担当だということを笠に着て体力を増強することを怠ってきました! その報いが来たのです……!」
わなわなとアカネルが震える。
「お? アカネルも昨夜はお楽しみだったのだ? 良かったのだー」
ニコニコするカオルンが、アカネルの傷口に塩を塗り込むかのような物言いを。
「ウグワーッ! や、やめてくださいカオルン! 当機能は悔しい! もっと、マスターの体力についていけるよう、体を鍛えねばならないと実感しました!」
アカネル、決意する……!!
「うんうん、がんばですよアカネルー。あ、オムレツのおかわり下さい! これ本当に美味しいですねえ!」
口の周りをケチャップで汚しながら、他人事なルミイなのだ。
実際、昨夜の俺はルミイに救われたようなものだ。
アカネルは今後、体力増強をしてもらいたい。
具体的には、朝のランニングとかかな……。
「カオルンは軽く走ってくるのだ。アカネルも行くのだ?」
「行きましょう!」
「カオルン、手加減してやってくれ。アカネル、体力は本当にちょびっとしかないから」
「分かったのだー。のんびり行くのだ」
カオルンとアカネルが、食後の運動に行ってしまった。
食休みとかすればいいのに。
ルミイはまだ食ってる。
ということで、ここから始まるシリアスな話は、ナルカとやることになった。
「で、ドラゴンについてだけど、コンボの達人の居場所は掴んでいるのかい? 話によると、あいつは根無し草で世界中をぶらぶら旅して回ってるらしいじゃないか」
「おう。しかも一切の組織や集団と関わりを持たない。あいつのスタンスは孤高にして最強だ。普通なら見つけづらいだろうな」
ナルカの指摘に頷く。
では、そのふらふら世界を旅する個人をどうやって見つけるか?
簡単である。
「ヘルプ機能で居場所を特定する」
「あー、それ! 話を聞く度に思うんだけれど、その能力って異常に強力だよねえ……。ほぼ全知の力みたいなものじゃないかい。知識神以上だよ?」
「俺が知識を蓄えるわけじゃなく、必要なキーワードに応じて知識を引き出すだけだけどな。知識を自分のものにしてる知識神にはやっぱり及ばないんじゃないか?」
ヘルプ機能は、使い手によってその力を大きく変化させる。
物を知らないやつが使うと、全く活用できないだろう。
だって、検索のためのキーワードが出てこないんだから。
「じゃあ一緒に見よう。ヘルプ機能展開」
『ヘルプ機能を展開しました』
アカネルがヘルプ機能の端末というか、ほぼ本体なのだが……。
彼女がいなくても、この能力は俺に紐付けられている。
こうやって能力の使用が可能なのである。
ただ、アカネルがいないと俺が直接検索ワードを打ち込み、情報の判別をする必要がある。
アカネルはこれをほぼ全自動で正確にやってくれるからな。
緊急事態などは、アカネルがいるのといないのとでは調べる速度と正確さが段違いだ。
今回は飯を食いながらだから、のんびりだな。
「案外時間がかかるんだね」
「アカネルがいないからな。他の時は、なるべく端的なワードをぶちこんで情報の範囲を狭めて調べてる」
今回は、コンボの達人の居場所、現在 である。
『フォーホース帝国です』
「知らない国来た。フォーホース帝国ってどんなの?」
『キーワードをどうぞ』
「ほらあ」
俺がヘルプ機能画面を指さしたら、ナルカが唸った。
「確かにだね。知らないから知りたいのに、そのためには的確にキーワードを入れないといけないって、ちょっと不便だねえ。いや、この力は凄く便利なんだけど」
「だよな。えーと、えーと。フォーホース帝国の特性を調べるわけだから……。よし、七大帝国 特性 で行こう」
ポンッと空中のボタンを押して検索。
そうすると、ワンザブロー帝国からセブンセンス法国までの七つの帝国の特徴が出てきた。
ワンザブロー帝国は魔法の力と魔力の星。
ツーブロッカー帝国は陣形魔法の力。
スリッピー帝国は魔導機械。
フォーホース帝国は異世界の門を用いた魔神と平行世界の力。
フィフスエレ帝国は魔獣の力。
シクスゼクス帝国は魔族の力。
セブンセンス法国は神の力。
んっ!?
フォーホース帝国、異世界の門と平行世界ってなんだ。
とんでもないものを扱ってるんじゃないのか!?
出てきたキーワードから、フォーホース帝国を選択する。
異世界の門とはなんぞや。
『異世界召喚の技術を開発したのがフォーホース帝国です。同時に、この帝国は平行世界の存在を認識し、そこから力を取り出す術を編み出しました。これによって、異世界テラメディアからは召喚者を。異世界デモネシアからは魔神を召喚できるようになりました』
「召喚って、フィフスエレもそうなんじゃないの?」
『フィフスエレ帝国の魔獣召喚は、この世界のどこかに存在している魔獣を召喚するものです。これとともに、魔獣を手懐ける魔法も彼らの力です』
そうだったのか。
じゃああのドラゴン、ルインマスターはこの世界のどこかにいるんだな。
星渡りとか言ってたから、宇宙にいたんだろう。
つまり、フィフスエレは宇宙怪獣を呼び寄せてしまったことになる。
そりゃあ滅ぼされるわ。
「じゃあ、コンボの達人は、今、フォーホース帝国のどこにいる?」
『外れにある砦と集落です』
「地図で場所を表示」
『表示します』
出た出た。
世界の地図が出現し、それがフォーホース帝国に拡大され、その一部である砦をフォーカスする。
ここに、光の点ができた。
おっ、なんかと戦ってる。
光の点を取り巻くように、異なる色の光が現れてはぶつかり合っているのだ。
「よーし。早速ここに行こう! コンボの達人を連れ帰るぞ」
「手間がかかると思ったけど、考えてみれば恐ろしく効率のいいやり方だね! 食堂にいながら何もかも分かっちまったよ!」
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