召喚されたら無能力だと追放されたが、俺の力はヘルプ機能とチュートリアルモードだった。世界の全てを事前に予習してイージーモードで活躍します

あけちともあき

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フィフスエレ帝国跡編

第140話 本懐と不完全燃焼とバカップル

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 腹八分目くらいで夕食を終え、夜食の注文をしていく。
 戦いを終えた後に腹を満たすためだ。

 こうして、オクタゴンに挨拶をする前に、やるべきことを済ませる。
 即ち、アカネルとの一線……いや一戦だ。

 イースマスに一つだけホテルがあって、その最上階を使わせてもらった。
 ロイヤルスイートというやつなのだが、ここからイースマスの夜景がよく見える。
 ……と思ったら霧で何も見えない。

「とっ、当機能はシャワーを浴びてきます!!」

「むっ、二人きりの緊張に耐えられなくなったか」

 アカネルがシャワーを浴びる音が聞こえてくる。
 俺は全裸待機である。
 なぜなら俺もシャワーを浴びて旅の垢を落とすからだ。

 できれば湯船に入りたいなー。
 悶々とする。

 旅の途中、水浴びしかできなかった。
 温かいお湯に肩まで浸かって、まったりしたい。

 エッチな気持ち抜きでそう思う。
 俺は案外、風呂によって日々のモチベを保っているのかもしれない。

「お……お待たせしました」

 なんかバスタオルを体に巻いてアカネルがやって来て、大変緊張している。

「じゃあ次は俺がシャワー浴びてくるね」

「えっ!? ちょ、ちょっと待って下さいマスター! こういう時はマスターの知識だと、当機能のタオルを剥いてから裸の当機能を抱きしめてそこから……」

「汗を流したいのだ……」

「あっ」

 冷静になるアカネル。
 あれは計算している顔だ。

 すぐに冷徹な結果を算出したな。
 鋭い狩人の目をしている。

「じゃあ一緒にお風呂しましょう」

「あ、それはいいかも」

 そういうことになった。
 そして、結局お風呂でいい気分になった後、洗い場で最初の一回目を致してしまったのだった。
 ついつい、アカネルの誘惑に負けて……。

 今は反省している。
 その後、体を拭いてベッド脇でサービスドリンクのなんか発泡する果実水を飲み、二回戦目をした。

 アカネルは大変ツヤツヤしており、見たこと無いくらい満足げで幸せそうな顔をしていた。

 なお、彼女の体力には問題があり、三回戦目で大変気持ちよくなった後、スイッチが切れるみたいに白目剥いて失神した。

「あっ、体力切れ……!! 俺がまだなのに。ヒロインらしからぬ表情で気を失っている──!!」

 しまったなあ……。
 これは想定外だった。
 ルミイの25%、カオルンの40%くらいしか体力がないのだなあ。

 なお、この体力は致した時間と回数から俺が計算したもので、間違いなくルミイは体力おばけである。
 日々たくさん食べているものは、着実に彼女の力となっているのだ。

 さすがに白目は可愛そうなので目を閉じさせて、色々拭いてあげてベッドに寝かせ、布団を掛けてやった。
 これは朝まで起きないだろうなあ。
 ぐうぐう寝てらあ。

 俺は中途半端な気持ちのまま着替え、ホテルから出て夜食を食いに行った。
 すると、そこにオクタゴンがやって来たではないか。

 隣に金髪の美少女を連れている。
 ピンクブロンドというのか?
 ほっそりしてて儚げな感じの女子で、背中からは骨の翼が生えていて……。

『よう兄弟。どうやら三人ともグッドなナイトを過ごしたみたいだな』

「おう。三回目は不完全燃焼だったがな……」

『兄弟は強くなり過ぎたんだ。力があるゆえの悩みってやつだぞ。ところで兄弟に紹介したい人……神がいるんだが』

 儚げな美少女が、ペコリと俺に会釈した。
 誰なのかは明らかなのだが、俺はオクタゴンの紹介を待つ。

『ルサルカだ。セブンセンスの方でずっと神をやっていたが、こっちで俺様と一緒に暮らすことになった……。一緒に……うう……』

 オクタゴンが天を仰ぎ、震えている。
 あれは涙を堪えているのだ。
 男の涙だ。そっと見守ろう。

「マナビです。オクタゴンはいいやつなんで、絶対あなたを幸せにしてくれますよ」

『はい、存じています。ルサルカです。セブンセンスと、教団のみんなを助けてくれてありがとうございます』

 俺はルサルカ神の小さい手と握手したのだった。
 この神様、受肉するとミドルティーンくらいの外見になるんだな。

 オクタゴンと並ぶと、なかなか犯罪的な光景ではないか。

『兄弟、失礼なことを考えてはいけない。俺様の方が年下だからな、これは』

「相手神様だもんな」

『そうそう。俺様がこの世界に降り立つ前からずっと神様をやってたんだよ、ルサルカちゃんは』

『はい。ずっと死の大切さを説いてきたのですが、たくさんの人間たちに反発されました。つらい日々でした……』

『これからは俺様がいる。アビサルワンズは、死や彼岸を大切にする俺様の眷属だ。きっとルサルカちゃんも気に入ってくれるさ』

『はい。ここはじめじめしてて冷たくて、アンデッドが好む雰囲気なのに実は腐敗は進みきらない絶妙な気候です。こんな素敵な場所があるんだって思いました』

『ルサルカちゃん……』

『オクタゴンさん……』

 なんか手を取り合って見つめ合ってるな。
 俺が知るアメリカンな恋愛じゃなく、大正・昭和な日本の恋愛ではないのか。

 まあ、末永く幸せに暮らしてくれ。
 本当に末が長いだろうし。

 アビサルワンズが用意してくれていた夜食は、夜だということで消化にいいものだった。
 スープパスタである。
 これは嬉しい気遣い。体もあたたまる。

 ガツガツ食っていたら、眼の前でオクタゴンとルサルカが、お互いにポテトを食べさせ合っているのだ。
 すげえバカップルだ!!
 感動すら覚える。

 なんか羨ましくなったので、そろそろアカネルが復活してることを願ってホテルに戻った。
 すると、部屋の中にルミイがいるではないか。

「なんかマナビさんが欲求不満だって精霊に教えてもらったので、遊びに来ました! あ、カオルンは寝ちゃいました!」

「そうかそうか! ルミイは救いの神だなあ!」

「むふふ。じゃあまず、お風呂行っちゃいます?」

「行っちゃおう」

 そういうことになり、二度目の風呂で大変に励んだのだった。
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